それから

高等遊民、現代感覚で言えば東大卒のニートといえばしっくり来るだろう、を取り扱った話。30歳であるにも関わらず、親の仕送りに頼り、のらりくらりと毎日を生きていて、紹介される結婚相手も片っ端から拒絶する始末。ある日妻を紹介したかつての友人と再会し、社会と自

思索について・著作と文体・読書についてーÜber Lesen

読書について 他二篇 (岩波文庫)クチコミを見る ショーペンハウアによるエッセイ三篇「思索について」「著作と文体」「読書について」を収録。他のエッセイにおいても見られるように、凡庸なるものへの辛辣さが特徴的である。 どの三篇にも共通してみられるのが、「自

たくみと恋ｰKabale und Liebe

たくみと恋 (岩波文庫 赤 410-0)クチコミを見る 大旋風を巻き起こしたシラーの処女作「群盗」に次ぐ第二作。題名通り、 地位の高い男と平民の娘の若い二人の恋と、それを阻止するべく権威者が行う奸計により恋を翻弄する物語。 感想を正直に述べるとすれば、面白い、面白

デミアンーDemian

デミアン (新潮文庫)クチコミを見る 「ロスト・ジェネレーション」作家というのはヘミングウェイやフィッツジェラルドを始めとした第一次世界大戦が終わった1920年代のアメリカ文学を専ら指す言葉である。戦後ということで、若者の価値観・世界体系が喪失し、生き場を失

サイラス・マーナーーSilas Marner

サイラス・マーナー (岩波文庫)クチコミを見る 若いころ、信心深かったサイラスが、信仰していた宗教での奸計に陥られ、親友や婚約者に裏切られ、失意の底にあったサイラスは、別の町へと移り、機織りで生計を稼ぎつつ半ば隠遁のような生活を送る。或る日蓄えた金も盗まれ、