映画『宗家の三姉妹』のヒロインは宋美齢(蒋介石夫人)です。映画(1997年:香港・日本合作映画)は当時衰退を見せていた「清国」の一方で、大陸南部の浙江省の浙江財閥の一家の模様から始まります。(浙江省は現在でも紹興酒の産地として有名)1.宗家の三姉妹(the Soong Sisters)大富豪となっていた宗家で生まれ育った長女・靄齢(あいれい)、次女・慶齢(けいれい)、三女・美齢(びれい)の三人姉妹の物語。左:美齢、中...
大君 第14話(3) ゲットバック(get back)~再起「あと一日待つことになります。 船が来たらお連れします。 堂上の官職を得たので、都ではお役に立てると思います」「とても感謝しています。 しかし堂上での議員たちの世界は窮屈なので、大変だと思う」「過去の父親のことを思えば、これも運命です。 都ではどこに住むのですか?」「住職の許可をえて山寺で身を低くして過ごすことになる」大王大妃の前で「あの女はチョナ...
大君 第14話(2) アガシは凄い人ですねルシゲに尋ねるギドゥク「しかし、なぜアガシと一緒に戻らなかったのか? なぜここに残ったのか?」「信じられなかったからだ」「何を?」「フィが死ぬなんて…」「遺体を見たじゃないか」「顔が分からないくらいだった」「物分かりが早いんだな」「フィが死んでも、誰も周りにいなかったから不思議だった。 パク・ギドゥクが守って先に死ぬのが普通だ。 あんたが死んでいないなら、フ...
大君 第14話(1) フィ…、本物なのか?寝所「あなたをこの手で殺すためです!」「扉を開けなさい!」「なりません!」「!」チンヤンはナギョムに、「殺せ…」「!」「私を殺せ」「…」「私がウンソンを殺したと思っているのか? ウンソンは無理に逃亡しようとして殺されたのだ」「最初から、人を罪の罠に陥れたのは誰ですか!? 罪もない人を流刑にしたのは誰ですか?!」「ホン尚宮はいるのか?!」「…」「監禁しろ!」ナギョ...
大君 第13話(4) 絶望の果てに~「あなたをこの手で殺すためです」「今夜はどこでお休みになりますか?」との尚宮の質問に、「ソン家の娘を連れて来てくれ」「チョナ、今夜は王位に就いてからの最初の夜です」「ソン家の娘を側室にしたいと思ったとしても、 オマ媽媽が許すだろうか? 妻も従うだろうか?」「なりません、チョナ」「尚宮は彼女に言い訳を許すな。 王妃が正式に中宮になる前に行動したい。 まずは一緒に寝て...
大君 第13話(3) 独裁者チョ・ヨギョンの妓房妓房で舞うチンヤン「本当に弟を失くした兄の姿なのですか? あんな姿で…」「あの人は幸せな時に喜び、悲しい時に泣くなどできないのよ。 どうしたら良いのか分からない人なのよ。 身体で悲しみを現しているのよ」ヤンアン君と大王大妃の弟「大妃の悲しみを一番分かっているのは大監ですよね。 ウンソンが死んで、大妃は大王大妃のところに通ってばかりです。 流れは自然と王...
大君 第13話(2) これはフィではない喬桐島(교동도:キョドンド)(遺体を運ぶ荷車)ジャヒョンとルシゲがスルーしようとしますが、都守に呼び止められます。「ちょっと待て!」オ・ウルウォンはすぐに気づきます。「アガシ…」「…」「これは見ないで下さい」「大君はどこなのですか? 大君がここに流刑になったと聞いています。 無事なのか顔を見たいのです」「いったい誰か?! 罪人の顔を見たいとは誰だ?」(都守のト・...
『大君』 背徳のクーデター(上)~ダイナミックな発想の脚本もっと長生きして、“庶民のために活躍して欲しかった…”と思う王のナンバーワンは第22代王・正祖(チョンジョ:イ・サン)です。サンの死後、彼よりも7歳年下の貞純(チョンスン)王后・金氏(第21代王・英祖の2番目の正室)が摂政政治を操り、暗黒の時代に転落したからです。同じように、第5代王・文宗については、世宗の考えと期待に見合った王であったので、...
大君 第13話(1) 自由への脱出ソン家の屋敷の周囲をチンヤンが配備した私兵が固めているので、ジャヒョンとルシゲは抜け出すために、クッタンに身代わりを依頼(ジャヒョンのいつもの手です)麻浦の船着場「江華島(カンファド #)に二人です」「5両以上だが…」ジャヒョンは巾着から装飾品をだして乗船。他方、ジャヒョンの時間稼ぎのために“観音堂へお参り”に行ったクッタンは居眠り「108回お参りしたとしてもこれほど時...
大君 第12話(4) 真相を知る人々チンヤンが改築した屋敷ジャヒョンが短刀を握り締めて出ると、ナギョムが来ました。「ここで妾のように暮らすつもりなの? まさか動物のように生きるつもりなの?」「ウンソン大君が生きるためなら、野獣以下のことにも耐えられるわ。 誰が動物以下なのか考えて欲しいわ。 チンヤン大君は弟の人生を脅かし、弟の恋人までを欲しがっているわ。 あんたは、自分の権力欲のために友達の家族まで...
大君 第12話(3) 執着心「この機会にウンソンを消さなかったのは間違いだ」「家族なので、弱気を出したのですか?」「喬桐島(교동도:キョドンド)の都守は謀反で処刑されたト・ヨンスの息子だ。 つまり、父親の敵が自分の手元に入ったということだ。 ここに意味があると思わないか?」「!」「直接手を下さなくとも、我々の指示で動くはずだ」フィが島から逃亡するように仕向けて、殺そうとの計画でした。島に着いたフィと...
大君 第12話(2) 流刑「媽媽、領事の娘が面会の許しを求めています」「…」「お会いになりますか?」「自分たちが生き延びるために、 私の息子を死に追い詰めている一家です。 二度と会いたくはありません」「大妃媽媽は、今は気分がすぐれないようです。 今日は無理のようです」「待ちます。 たとえ夜になってここで待ちます。 大妃媽媽に会わいといけないのです」「ウンソン大君のことならば、 チンヤン大君に会わない...
大君 第12話(1) 希望を持とう「では何をくれるのか?」と言われたジャヒョンでした。「取引には対価が必要だ」「…」「そなたが受け入れるなら、私のことも見直してくれ」その場にナギョムも現れます「大監!」「…」「彼女を送ってくれ。もう暗くなった」「…」「どうも懇願するには、間違った人だったようだわね」「…」「あなたの夫になる人を殺すのは大監ではないわ」「…」「ウンソン大君の罪を明らかにしたのは、 大監では...
大君 第11話(4) 所有欲歩いて帰るジャヒョン屋敷の前までチンヤンの配下が同行した後はルシゲ「大君媽媽はどこにいるの?」「宮中には入れない。東宮殿には誰もいない。 フィはどこに行ったのか?」「…」ソン・オク大監(領事)「死んだ方がましだったわ。 私たちを生かすためだとはいえ、なぜあんなことをしたのですか?」「…」「ジャヒョンのことをどうするのですか?」「今はジャヒョンには何も言うな。 父親がウンソン...
大君 第11話(3) 脅迫されたソン・オクの遺書チンヤン大君はナギョムには席を外させます。「…」「帰ります」「ちょっといてくれ。その花嫁衣裳は似あうな」「媽媽はどうなったのですか? どこにいるのですか?無事ですか?」「弟は宮中にいる」「なぜここに連れて来たのですか? 家に帰して下さい」「父君が私の味方に付けば、身は安全だ」「家族が心配していますから、帰ります」「いまの立場が解っているのか? この結婚...
大君 第11話(2) 逆賊とは…納屋に監禁されたジャヒョンナギョムが入って来て、「着替えなさい。 その婚礼衣装では悲しくなるでしょうからね」「私に結婚をさせようとしたのは、このためなの?」「これが?」「ええ、あなたの眼にこの場面を焼きつけてみたかったからでしょうね」「謀反を起こしたのは私たちではないわ。 あなたの夫になるウンソン大君だわ」「大君はそんなことはしないわ。 この国への忠誠やチョナへの気持...
(長崎・新地中華街では春節のランタン祭りで賑わっています)大君 第11話(1) 背徳のクーデターチンヤン大君が作ったシナリオ通りに事が進みました。手先として殺傷事件を起こした傭兵には、「ウンソン大君の命令」だと言わせました。周囲にいたソン一家はどう思ったでしょうか?ソン家の庭で、「何を狙っていたのか?」「キム・チュ左議政を殺したら、 ウンソン大君が王子に代わって即位するとのことでした」「聞きましたよ...
史実に残る『大君』登場人物たちの性格1.まずは、イ・ジェ(ヤンアン大君)3代王・太宗の長男:讓寧(ヤンニョン)大君(1394~1462)をモチーフにしています。しかし、ドラマにあるような自由な行動は不可能だったはずです。『大君』達の伯父も大君であり、世子でもありました。ただし、太宗(李芳遠:イ・バンウォン)の期待に応えることができるような元子(ウォンジャ:王の長男)ではありませんでした。「自由奔放」で“世...
大君 第10話(4) 癸酉靖難(ケユジョンナン)「ようやく娘の結婚だわね。 私はこれからの人生も娘と一緒だと覚悟していたのに…」「たびたび帰って来るわ」「でしょうかね?」「へへへ…。 王室に嫁入りするから得になることもありわ」「たくさんではないはずだから、しっかりと目を開いてなさい」「シオモニ(大妃のこと)とは一緒に住まないから、 いつだって自由に行き来できるわ」「変なことを起こすと宮中に閉じ込められ...
大君 第10話(3) 暗殺者たち「私がフィを救った。でなければ、フィは死んだ」というルシゲです。女真族の強制労働キャンプからの脱出の模様を話します。ルシゲに救われて体力を回復したフィは武術を磨きます。「…」決行の夜♬ 信じて 信じて 一緒に過ごせることを信じて生きて 生きて この暗い世の中を…フィとルシゲで牢屋を破り、奴隷になっていた農民たちを開放農民を率いるのはギドゥク「決して忘れません。 どうか1...
大君 第10話(2) 謀反の準備これまでジャヒョンとウンソン大君の結婚に反対していたナギョムが大王大妃に頼んで婚儀の日程を決めて来たので、ジャヒョンは疑います。(クッタンも同じく疑いの眼)しかも、ジャヒョンが贈ったノリゲ(胸の留め紐の下の飾り)までをあえて付けて来ました。「どういう気なの?」「なぜそんなことを言うの? 苦労して日取りまで決めたのに?」「あなたは、私を他の人と結婚させようとしていたのに...
大君 第10話(1) 1452年5月:第6代王・端宗の即位大妃と、まだ幼いものの王子に対する忠誠を誓って欲しいと、フィはチンヤンに切望します。さらに、領地を献上するという、「フリガイ一族に渡した(チンヤンの)手紙を持っている」と。そして、「好きなように生きるのも良いが、 俺がその証拠の手紙を持っていることを忘れるな」憤るチンヤンは帰るフィに矢を向けます。「大監!いけません!」「大監!」「!」「いった...
大君 第9話(4) 信じて待った3年間「どこも怪我はないの?痛むところも…?」「大丈夫だ」「いったいどうしていたの? どこでどんな辛い思いをしたの?」「大切なことは、こうして戻って来たことだ」「約束して欲しいわ。 もう、二度と私を一人にして欲しくない」「んん」「あ~、帰って来たばかりなのに、お兄様のチョナを失くして…」「いいや、俺が帰ってきたから安らかに目を閉じたんだ。 君と同じ様に、チョナも耐えるた...
大君 第9話(3) 私だわ、ジャヒョンよ帰還したフィ「今、帰って来たばかりです、ヒョンニム」「…」「私は死なずに、生きています」正殿の屋根では内侍が王衣をなびかせて、「どうぞお戻りください、チョ~ナ~!」その頃、ジャヒョンはテンギ(#)を切っていました。「…」# 未婚の女性の長い編んだ髪型をテンギモリと言います。テンギは髪の先に付けるリボンのこと。そして、出家しようとするジャヒョンしかし兄に見つかり、「...
大君 第9話(2) 顧命(コミョン)~王の遺言ナギョムはお付きに命じます「ソン家に伝えなさい。 “ジャヒョンの婚儀までは監視します”と」「…」「ジャヒョンは従軍までもいとわない女です。 何をしでかすのかわかりません。 生きようが死のうが構いませんが、 とにかく婚儀までは監視して勝手な動きはさせないように」こちらは宮殿に帰る準備(ギドゥクは、イ・ガンに情報を伝えに来た女官から、チマチョゴリを奪ったようで...
『大君-愛を描く(대군 – 사랑을 그리다)』<3年後 現在:1452年>(第1話のシーン+αに戻ります)大君 第9話(1) 石より硬いジャヒョンの意志ソン家「むしろ死ねと言って下さい。 他の男性とは結婚する気になれません」「じゃあ、死になさい。 そしてマンブソク(#)になればいいわ」# 夫の帰りを祈りながら、石になってしまったという民話「年をとってしまうと、せいぜい後妻に入ることしかできない。 分かってい...
大君 第8話(4) ポゴシプタ~「あの人に会いたいわ」防寒服を見て嗚咽するジャヒョンフィも牢屋の中でジャヒョンのテンギを見つめて、涙していました。強制労働では、仲間を助けようとしてムチ打たれるフィ「もうこれ以上は耐えられません。 ここを脱出して下さい」(グァン)「そんなことは言うな。俺たちは一緒だ」「チンヤン大君がすでに取引をしたのです」「どういうことですか?」(ギドゥク)「チンヤン大君を王位に就け...
大君 第8話(3) ジェラシーと復讐妓房「なぜ黙って放っておくのですか? 大君媽媽に告げるべきです」「大君に話したとしても、何が変わると言うの?」「自分の女が棒で殴られても、何もしないというのですか? それでも男でしょうか?」「その男の女房が殴ったのよ。 自分の妻を妓房に売り飛ばすとでも思っているの? 捕盗庁(警察)に訴えたとしても、 王族の者と妓生との関係を扱ってくれる訳はないわ」「…」「大君が自...
大君 第8話(2) 情報操作~嘘の情報チョ・ヨギョン「なぜここに呼ばれたのか分かりません」「私は妓生とは仲良しにはなれないが、 大君がお世話になっているから無視はできません。 お礼にこれを差し上げます」「…」「大君の食事や仲間たちのお世話もお願いします」金品は受け取らないヨギョン「私のことは無視して下さい」「銀貨です。受け取って下さい」「私のご主人は大君なのです。 奥さまではありませんので、お気遣い...
大君 第8話(1) 密約~領土の割譲フィが交渉中にもかかわらず、ヤンアンの軍が女真の村に侵入するので、「我々が裏切ったと思われています!」3人とも逃げ出しますギドゥクに足を掛けて転ばしますが、救うのはルシゲルシゲは女真族が着る服の保管小屋に案内。「急いで!」「防寒着を忘れた」「ジャヒョンお嬢様から贈られた服ですね?」「しかし、取りに戻る時間はありません」フィが飛び出しますが、すぐに女真族に見つかりま...
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映画『宗家の三姉妹』のヒロインは宋美齢(蒋介石夫人)です。映画(1997年:香港・日本合作映画)は当時衰退を見せていた「清国」の一方で、大陸南部の浙江省の浙江財閥の一家の模様から始まります。(浙江省は現在でも紹興酒の産地として有名)1.宗家の三姉妹(the Soong Sisters)大富豪となっていた宗家で生まれ育った長女・靄齢(あいれい)、次女・慶齢(けいれい)、三女・美齢(びれい)の三人姉妹の物語。左:美齢、中...
米国を動かした一人の女性1.宋美齢(蒋介石夫人)太平洋戦争が始まる10年前の1931年には、柳条湖事件に端を発する満洲事変が起きており、日本は1932年に国際的には承認されていない「満洲国」の樹立を一方的に宣言しています。そして、1937年になると北京郊外で勃発した盧溝橋事件を契機に日中戦争(日華事変)に陥りました。国際連盟では日本の空爆を非難し、1937年9月に 日中紛争諮問委員会と国際連盟総会で日本軍による中国の...
イデオロギーの対立1.国民党と共産党清国が衰退・滅亡して、1912年に孫文が臨時大統領に就任して中華民国が成立しました。孫文が唱えた①民族の独立、②民権の拡大、③民生の安定(「三民主義」)は、大陸で咲いた小さな民主主義の花。その後を継いだ袁世凱により政党は中華民国「国民党」という名前になります。しかしながら1921年になると、大陸で中国共産党が結成され、それぞれのイデオロギー(ideology:理念、観念)の違いか...
続々民主主義への道~孫文と辛亥革命(孫文)ドラマ『ミスターサンシャイン』の時代の大陸は「清国」1894年の日清戦争で敗戦したとはいえ大国であったことには変わりありませんでした。辛亥革命は1911年~1912年にかけて起こった革命で、清王朝が滅びて中華民国と変わりました。革命前大陸にも日本の明治維新=立憲君主制が導入されようとしていましたが、当時の西太后などの保守派によりその動きが潰されました。「清」はそもそも...
(中正とは蔣介石のこと)先月の台湾旅行から3点紹介します。1.蒋介石記念堂(一番下のコラムに蔣介石の功績を記しています)公園が広く、大きく高い正門です。(蒋介石記念堂の4Fから正門入口を望む)記念堂(メモリアルホール)の全容です。ホールの入口広場では、毎時間ごとにパトロールの交代式があります。4Fには大きな蒋介石の銅像。大きさを観光客の身長と比べて下さい。2.台湾エクスプレスエキスプレス(高速鉄道...
『ミスターサンシャイン』から見た、映画『暗殺』映画『暗殺』初公開: 2015年7月22日 (韓国)監督: チェ・ドンフン受賞歴: Grand Bell Award for Best Actressノミネート: 百想芸術大賞 映画部門 男性人気賞音楽: Dalparan、 Jang Young-gyu映画『暗殺』はドラマ『ミスターサンシャイン』制作のヒントだけでなく、登場人物や時代背景などで大きな参考だったと思います。まずは次(↓)の紹介動画です。(映画の予告編より)http...
(Goodbye Mr. Sunshine)『ミスターサンシャイン』への海外(英語圏)の視聴者からのコメントを紹介しておきます。(おおよその意訳を挿入しています)①Thank you all for your good efforts in making this drama such a good one. This is the first Kdrama that I thoroughly enjoyed without any complaints whatsoever apart from the sad ending. (悲しい結末でありながらも、何の不満もなく楽しめた韓国ドラマはこれが最...
ミスターサンシャイン 最終話(6:おわり)~エピローグ伊藤博文「処理しろ。奴らはただの暴徒だ。 消えるべき名前だし、初めから存在してはいけないのだ」「…」「外信には一人の名前も漏れないようにしろ。 歴史に残してはいけない」他方、髙宗に報告するイム・グァンス「義兵、ファン・ウンサン、イ・サンボク、キム・ナムジン…。 キム・ギュテ、ソ・ホジョング、イ・チャンホ…」「ご報告いたします…。 陛下…」「…」ユージ...
ミスターサンシャイン第24話(再終話:5)切り離した連結器先頭車両では機関士に銃を突き付けて、「死にたくなければ、早く汽車を出発させろ」「さっきは、遅らせろという話でしたが…」「!」「は、はい。分かりました。 出発します」「何があってもこの汽車を停車してはなりません」「分かりました。隊長」「この運転席には鍵を掛けて下さい」ユージーンは黒田男爵の手を掴んで、動き出した汽車に飛び乗ります。# ここはユー...
ミスターサンシャイン第24話(4)第4小隊~ユージーン隊長エシンは子供たちに食べ物を分け与えた後、オルゴールで♪グリーンスリーブスを流していました。そこにユージーン「朝鮮のものですから、返します」(髙宗から頂いた太極旗でした)「第4小隊はこの外国人が率いる」(ファン・ウンサン)「…」「分かりました。第4小隊は一人ですね。 私がそのナンバーワンです」翌朝「この太極旗は皇帝からの送り物だろう? 凄い!」...
ミスターサンシャイン第24話(3)北の大地・満州へドンメがもう帰ろうかという時に、エシンが来ました50銭…、「返済の期日だわ」「今日は会えないと思っていた」「…」「これで完済だ。 もうここに来る必要はない」「ここを去るの? どこに? 助けるわ」「アガシには助けることはできない」「体調が悪いと聞いているわ。 何かの手助けをしたい」「またアガシの駕籠に乗れというのか? 今度は断る」「俺が無心会に入った時...
日韓併合~謝罪と許し1.ドラマと史実(1)1907年8月1日これまでのドラマの中で折々に紹介した『韓国併合』(海野福寿『韓国併合』岩波書店、1995年5月)では、・軍隊解散は詔勅が発布された翌日の8月1日の午前10時、6000人余の将兵が対象となり、宮中侍衛の歩兵大隊640人だけが残された。・「(詔勅の)知らせを受けた歩兵第一連隊第一大隊長・朴星煥(パク・ソンファン)の抗議の自殺をきっかけに、同大隊兵...
ミスターサンシャイン第24話(2)英国『デイリーメール』紙~記者マッケンジーヒソンの記事…日本軍は6人の罪もない庶民を暴徒として射殺した。日本はついに朝鮮を領有化し、その蛮行は留まることを知らない。2000万人の朝鮮の同胞よ、恐怖の中でも雷のように嵐のように立ち上がろう。「社長、本当にこれを配信するのですか? 日本の検閲が厳しくなって来ましたよ」「…」「大韓日報は既に廃刊になりました」「たとえそうで...
ミスターサンシャイン第24話(最終回:1)レジスタンス(抵抗運動)閣僚の記念撮影…(字幕)イ・ジヨン 1905年の5人の逆臣の一人(右)「キム・ヒョンソプ大監の孫だと? 子孫がこんなつまらん職に就いているのか?」「写真を撮影させていただくことは大変名誉なことです。 この写真は朝鮮の歴史を刻むこととなり、 後世にも伝わることでしょう」「記録に残るようにしっかりと撮影してくれ」…そうだ。 お前たちは歴史...
「心配無用だ。 君は君の国、朝鮮を守ることだ。 俺は君を守るからだ」# ユージーンのこの言葉チェ・ユジンは両班屋敷の奴婢の子供として生まれ、両親を奪われて亡命。米国海兵隊の士官として成人して、時を経て在ソウル米国公使館の武官として祖国にリターン。彼の名は今はユージーン・チョイです。「朝鮮王国」への忠誠心ではなく、「エシンを守る騎士」としての義兵運動への参加です。ミスターサンシャイン第23話(5) 君...
ミスターサンシャイン第23話(4)チェ・ユジン(ユージーン)の決心~エシンとその仲間を守ること花月楼「グローリーホテルが事故に遭ったので、 ここで宿泊したいとのことです。 飲食もご希望です」「こいつは…?」「ここのオーナーは?」「私がオーナーだ」「いや、ここはク・ドンメの持ち物の筈で、 会いたいと思っていたが…」「馬鹿な話だ。 奴はずいぶん前に死んだ。 この客が理解できるように、案内しなさい」そこに...
「新しく買ったこの靴可愛いでしょう?」ミスターサンシャイン第23話(3) 赤い靴~眠ってしまったヒナキム・ヒソンの実家「アボジとオモニ。 この子は彼女の弟で、彼女は俺の妻になる」ヒソンの父親は妻に向かって、「アイゴ!アイゴ、アイゴ! お前も何か言え!」ヒソンの母は黙っていましたが、口を開いて、「ヒソンの言う通りだわ。 子供連れで大変でしょうけど、心配は要らないわ」あっけにとられる父親に、「アボ二ム...
ミスターサンシャイン第23話(2)俺たちがいる~3人の女性を守る三銃士ユージーンとエシンが乗った人力車が日本軍兵士2人に止められます。車引きに、「そこをどけ! 中の者を調べる!」「…」ユージーンは拳銃を構えて、「動かないでくれ」と車引きの肩越しに兵士を狙います。そこに、銃声が2発!(以前オルゴールを修理した)鍛冶屋でした。スングから貰った米国製のライフルで日本兵を倒しました。「彼女の出血がひどい」...
ミスターサンシャイン第23話(1)イ・ヤンファ(ヒナ)の願い~幸運のブレスレット(第23話の最初はグローリーホテルの爆破に至るいきさつが描かれます)ヒナはイルシクとチュンシクの店を訪れてお願いごと(彼らは髙宗の退位に際して喪に服していました)「花鳥風水の簡素な絵が好きだわ」「どうぞ…」「シン・ユンボクとかキム・ホンドとかの作品はありますか?」「もちろんです。 全部俺たちが贋作しています」「ふふふ…」...
ミスターサンシャイン第22話(5) 1907年8月1日~国軍の解散(#)伊藤博文と李完用(イ・ワニョン)「家も財産もすべて燃えてしまい、先祖の位牌まで失いました」(# 義軍の標的になったからです)「さぞかし大変な思いだったのだろうな。 朝鮮人はだいたいが無知で、よく反抗する。 だからその芽は初めから摘んでおいた方が良い」「…」「新しい皇帝には軍隊の解散をさせる勅命を出させる」「はい」<1907年8月1日>軍...
現在のウクライナ戦争…、そして世界史の窓を開くと…、作家が言うように「私たちが忘れてはならないのは義軍のこと」。第二次世界大戦の際に立ち上がったフランスのレジスタンス活動。そして日韓併合の前に立ち上がった韓国半島の「義軍」のことです。いずれも踏みにじられた祖国を守るための活動でした。ミスターサンシャイン 全24話(イノライフ・エンタメ・ニュースより)イ・ビョンホンとキム・テリがフォースを放ったメイン...
ドラマ『武神』が再放送されているので、高麗武士について以下記事にします。1.ドラマ『武神』の背景文班・武班の両班(ヤンバン)制度が始まるのは高麗時代からですが、958年から唐の制度を参考にして導入された科挙(国家公務員試験)では、文科・雑科や僧侶を格付けする僧科が創設されたのみで、武人を登用する武科はありませんでした。したがって、武班職を得るには世襲か武功による抜擢のみでした。しかしながら、弱体化す...
『イ・サン』再考(6)外戚による勢道(せど)政治へ1.イ・サンと貞純大妃との関係まずは、映画『王の涙~イ・サンの決断(韓国原題:「逆鱗」)』を振り返ります。1776年にサンが慶煕宮(キョンヒグン:ソウルのいちばん西にある宮殿)で即位して、翌年の25歳になる前のこと。ある蒸し暑い夏の日(映画では雨)、慶煕宮に暗殺団が侵入しました。この史実に基づいて映画は作られました。サンが寝殿で本を読んでいたところ...
『イ・サン』再考(5)~サンの死の謎歴代27人の王の平均寿命は約46歳。運動不足や偏った食事のために、高血圧症や糖尿病が多かったそうです。また、当時のことですから、熱いシャワーが期待できず、アルコールなどでの消毒方法もないので皮膚病が多かったようです。ドラマ『亀巖ホジュン』では、王子の腫物の膿を吸わせるために、蛭(ヒル)を使ったシーンがありました。現在の東南アジアでも蛭の池に足をつけて、悪い血を吸...
(御陵で父親を偲ぶサン: 『イサン』最終話より)李祘(イ・サン)の遷都計画1.遷都計画のころサンは、父親の墓を京畿道・水原(スウォン)に移し(1789年)、それから何度も行幸・墓参りに出向くことになります。また、その水原に“華城(ファソン)”を建設し始めたのが1794年2月です。その際には、丁若鏽(チョン・ヤギョン)という若手の実学者が活躍して2年半ほどで外壁が完成しています。墓参りだけでなく築城の...
『イ・サン』再考(3)即位の経緯1.第21代王・英祖の決断~サンの即位問題李祘(イ・サン:後の正祖・チョンジョ)の祖父・英祖が81歳の時(1775年11月30日)、高官たちを集めて言いました。気力が失せてきて政務が難しくなったからです。# 英祖(ヨンジョ)は<朝鮮王朝>第21代王。 ドラマ『トンイ』にあるように、淑嬪・崔氏(トンイのこと)の息子・ヨニングンです。「兵曹判書(ピョンジョバンソ:軍務の役...
(イ・サンが建設した“華城”の建設資料:国立故宮博物館で2015.04撮影)「王の涙~(原題:『逆鱗』)」(4)この世のためにお風呂からあがって久々にサンに会いに行こうと…。サンに向かって、「母親の恵慶宮が“毒”を盛ろうとした」「…」「しかも、10歳の女の子に指示した。 どう処分しましょうか?」「ご随意に…」貞純大妃(チョンスンテビ)は、恵慶宮(へギョングン)の処罰を考えているところなので、直接会って話をしてお...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城”:2015.04撮影)映画『王の涙~逆鱗』(3)刺客たちhttps://www.youtube.com/watch?v=2mUfBSYsar0&list=RD45UAworljWk&index=4(Youtubeより)ウルスを待つ老論派ウォレの養父カプスは養父殺害の際に、足元に血痕を残していました。それを発見した内禁衛将に尋問を受けました拷問に耐えつつカプスは、「王に合わせてくれ」と。サンの前に引き出されたカプスサンはカプスとの過去のことを思...
ドラマ『逆賊』では、ホン・ギルドンの父親・アモゲが中国の皇室が好んだという“黒細麻布(フクセマポ)”に目を付けて生産・輸出のビジネスを展開しました。# 美しい黒い麻布でした。こちらは映画『逆鱗』でのイ・サンの衣装。(製作2013年、日本公開2014年)実際に映画でヒョンビンが来ていた王衣(夏服)です。素材は黒い麻。(2014年の日比谷の映画館にて)# さて、ドラマ『イ・サン』ではサンが奴婢制度の廃止とと...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城の南の門”:八達門・2015年撮影)# ドラマ『イ・サン』で描かれていた第21代王・英祖は、晩年になっては老論派(守旧派)との対立を避けて政治の安定のみを図っていたことが脚本(セリフ)からも読み取れました。また、認知症の初期でもあったのでしょうか少々短気でもあり、感情の起伏もあり、老論派+貞純(チョンスン)大妃の策略にも気づかなかった点が強調されているようです。そんな...
『イ・サン』再考(2)~サンの仲間たち(テーマソング)https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?&q=youtube+%e3%82%a4+%e3%82%b5%e3%83%b3+ost&&mid=81EE4A1CB6CEBA91D48E81EE4A1CB6CEBA91D48E&&FORM=VRDGAR1.孝懿(ヒョンイ)王后・金氏(ドラマでの王妃役はパク・ウネ)王妃は9歳(1762年)でサンと結婚しました。その後はサンだけでなく義母にあたる恵慶宮(ヘギョングン)・洪氏(ホンシ)にも精一杯仕えて...
『イ・サン』再考(1)~悪女列伝の最悪女帝1.貞純(チョンスン)王后 彼女は極めつけの“歴史的なワル”と言えましょう。まずは時代背景。儒教の教義を巡る論戦は表面上のことで、病巣だと言われ続けていた王朝内の官僚や両班たち。彼らの私利私欲が根底にあり、勢力・派閥争いの渦を巻き起こしていました。そんな王宮では南人(ナイン)派や小論(ソロン)派を退けて老論(ノロン)派が各部署を牛耳っており、中でも外戚・金家...
これまで冊封国になる前の韓半島(ハンバンド)の歴史を、<古代韓半島>として振り返りました。今回アップして来た『王は愛する』の時代背景が、大陸と半島の歴史的関係のちょうど分岐点だったと思います。(冊封制度は、大陸が明の時代に完成したとされ、日本の室町時代にも明に朝貢したとの記録があります)元からの安全保障を得るべく、高麗第24代王が世子をいわば“人質”として元に預け、その世子(後の第25代・忠烈王)が...
大陸の元と高麗王朝1.王氏高麗ソン・ジナ作家は高麗末期を描いた『信義(シンイ)』で、当時の高麗最大の貴族・“奇(キ)”一族の家長キ・チョル(実在)を登場させました。妹は「元」の皇后となった『奇皇后』です。『王は愛する』では、ワン一族とウン一族を登場させています。いずれも貴族ではあるものの、史実としてはワン一族が王家の外戚です。リンの父親の妹が第25代・忠烈王の最初の妻(実在)です。ただし、父親(ワン...
王は愛する 第40・最終話 王は愛した…一度人生を体験して、もう一度人生をやり直してみたい。そうすれば二度目はもっと良い人生で、反省することは少ないかもしれない。(ウォン)# 以下は3人と師匠で作り上げたストーリーだと思います。イ・スンヒュ師匠のナレーション…元からの使節団は重要な情報を得ました。それはワン・ジョンからでした。…「私が反元勢力の主導者のことを知っています」と、ワン・ジョンはその勢力のこと...
王は愛する 第40話(上) 1297年の夏タンとサンサンがすっかり元気になって挨拶に来たので大喜びのタン「大丈夫なのですか?」「ええ、元気です。 ちょっとだけ、胃が痛みますけどね」「良かった!」「胃が悪くてもですか?」「良かった…」「ピヨンによく似て泣き上戸ですね」「そうなんです。 いつもオラボニに笑われていました」ハンカチを渡すチン・グァンでした。サンはこっそりと料理のコツを教えて欲しいとタンに…。家を...
王は愛する 第39話(下) 王は愛した~元からの調査団ウォンが宮殿に戻ると、元からの使節・調査団が到着していました。回復した王が玉座に座っています。「いったい秘書官は何をしているのか?」「使節団の面々にはたくさんの説明が必要でしたから…」「何を知りたいのでしょうかな?」調査を行った使節団が見せたものは小動物の死骸「元成殿の礎石から発見されました」「呪詛だと?!」「ワンビ媽媽は呪詛により亡くなったとい...
王は愛する 第39話(中) 陰謀の果てに(昨日のシーンのつづき)「私を裏切る気なのか? お前を救ったのは私だぞ。 衣食住を与えて、育てて来た」「一度も裏切ったことはありません。 命令に従い、たくさんの人を殺して来ました」 「これからもそうだ」「あなたは高麗のためだと言った。 しかし…」「あの女を殺せと言ったからなのか?」「ナウリこそ、元の国に高麗を歯向かわせようとしています。 国賊です」「ムソク!...
王は愛する 第39話(上) 解毒剤と玉璽~ムソクの良心今は人がいないウン判府事の元の屋敷駆けつけたウォンとリン。まず、リンは縛られたピヨンを見つけます。「助けて下さい!」「何があったのか?」「世子嬪媽媽とサンアガシが…」「どこなのか?」「もとのアガシの部屋の中です」「!」「これを!」「?!」「彼がくれた解毒剤です」「解毒剤?」「ええ、陽が沈む前までに飲む解毒剤です。 日没と共に死ぬと聞きました」# ム...
王は愛する 第1話(下) 娘・サンへの伝言ゴロツキたちのアジト「お前たちよりも役に立つ連中がいるそうだぞ!」「ところでどうしてこんなに武器が必要なのか?」「ウン・ヨンベク商団の荷物を奪う計画だからだ」「ウン・ヨンベクだと? 奴らの私兵は官軍よりも強いと聞いているぞ。 3日に一度は軍事訓練をしているぞ。 正気なのか?」「俺たちも刺客を集めている。 絹の一反もあれば一年分の稼ぎになるのにな~」「奴らは...