これまで冊封国になる前の韓半島(ハンバンド)の歴史を、<古代韓半島>として振り返りました。今回アップして来た『王は愛する』の時代背景が、大陸と半島の歴史的関係のちょうど分岐点だったと思います。(冊封制度は、大陸が明の時代に完成したとされ、日本の室町時代にも明に朝貢したとの記録があります)元からの安全保障を得るべく、高麗第24代王が世子をいわば“人質”として元に預け、その世子(後の第25代・忠烈王)が...
새해 복 많이 받으세요(セ―ボン マー二 パドゥセヨ:新年のご多幸をお祈り申し上げます)『大君』を前にして~世襲制と派閥政治昨年から『ミスターサンシャイン』(第26代王・高宗の時代)を皮切りにして、朝鮮王朝の時代を遡ってみました。そして、『六龍が飛ぶ』で初代・太祖(李成桂)と第2代王・定宗(太祖の次男)、第3代王・太宗(同5男)を振り返りました。さらには、太宗の3男の第4代王・世宗の時代の『根の深い...
訓民正音の創制 Ⅳ(『根の深い木』第20話より)훈민정음(フン훈:instruct)(ミン민:peple)(チョン정:proper)(ウム음:sound)# まずは基本子音の歌https://www.youtube.com/watch?v=_HVpFa6-kmI訓民正音(フンミンジョンウム)の創制⑤~公布前後の道のり(★)反対賛成世宗が世子に職務の多くを任せて、本格的にハングル創成に取り掛かったのは1436年からとされます。世宗が自ら語ったの趣旨は、「庶民たちが各自の意...
(ソイが残した“解例書”)ハングル創成の秘話(24-2)エピローグ『根の深い木』最終話よりムヒュルから山砦急襲の報告「ソイはどうしたのか?」「チョナ、見失いましたがチェユンが追跡しています」「…」ソイがいないまま、景福宮(キョンボックン)の光化門広場では創成文字の公布式が始まります。チョン・インジ大提学からの会式の号令広場にカルペイが侵入。ヨンドゥが、「カルペイ…」「…」危険を察知したムヒュルがジャンプ!...
ハングル創成(24-1)民へのメッセージ『根の深い木』最終話よりテソン山ウサギ岩「殺せ!」ソイの危機に飛び込んできたチェユン刀をチョン・ギジュンの首に…。そして、ソイには、「川の渡しには内禁衛が待っている。急げ!」「オラボニは…」「早くいけ!」チェユンとユン・ピョンが刃を交えます。最初にチョン・ギジュンがチェユンの刀で痛手を受けます。その間に危機を脱したソイは走ります。しかし、「矢を放て!」のチョン・ギ...
ハングル創成(23)密本の砦『根の深い木』第23話より創成文字の公布にあたり宮廷外での普及活動が必要だと考えた世宗は、創成チームとチェユンたち兼司僕に活動を依頼しました。公布反対派や密本に知られないよう極秘の任務です。ソイは命を懸けていますから世宗に別れの挨拶をします。「任務が終わったらチェユンと共に新しい暮らしを始めたらよい。ただし、公布式典の際には見に来てくれ。必ず!これまで苦労を掛けてすまなか...
ハングル創成(21&22)創成文字の公開を前に『根の深い木』第21~22話より密勅世宗が極秘に出した指令は、女官4人を忠清道に派遣し宮廷外部からのハングル文字の普及を開始すること。そして、女官たちを守るのがチェユンとチョタク、パクポの兼司僕の3人。「公布が完了すれば、チェユンとソイの二人は幸せに暮らせばよい」「チョナ、私は普及のためには死をも恐れません」「そうか…、たとえ余が死んだとしても、これからはお...
ハングル創成(20)暗渡陳倉(兵法第8の計)『根の深い木』第20話より悲しみと希望「民ではなく“文字”を愛しているのではないか?」「民との分かち合いとは、民への(治世の)責任転嫁ではないか」と自問する世宗。チェユンは、「何を言うのですか?!すでに民は何百年も責任を負って来ました。朝から晩まで働いて税を納めて来たのです!」「…」「チョナ、胸が痛みますか?しかし、涙も胸を痛む権利もチョナにはありません!大...
ハングル創成(19-2)解例書~悲しみの王子『根の深い木』第19話より二人を悩ませる言葉とりあえず、ソイが岩場での窮地を救うことになりました。しかし、世宗は、本当は民を愛しているのか?「民よりも自分が創成した文字のことを愛しているのではないか?」と苦悶します。他方、チョン・ギジュンは、儒学の根本にある“生理学”に立ち返って自問します。「仏教では民はすべて弥勒になる。生理学上では民は君主になる。無知な民に...
ハングル創成(19-1)政策論議『根の深い木』第19話よりカリオンの検案所の地下道を抜けるとトダム行首(ヘンス)の家に繋がっていました。そこに通りがかりのオクトリが、「どうしたのですか?」チョタクが、「ヘンスもいないし、カリオンもいない!いったいどこに行ったのか?!」と問い詰めると、「カリオンは王様と内禁衛将と女官と一緒に裏山の崖に行った…」駆けだすチェユン(同じくユン・ピョンも崖に向かっています)断崖...
訓民正音(フンミンジョンウム)の創制④世宗が描いた真ん中の点を○(喉の形)として、ソイが描いた点を短い棒(━)とすれば、すべての母音を表現できます。例えば、「あ、や、お、よ、う、ゆ、い」は、아 야 오 요 우 유 이 (第12話では母音の形の完成でした)さて、1443年に創製した諺文(ハングル文字のこと)の公布(1446年)を前にして、訓民正音の公布に反対していた崔万里(チェ・マルリ)の上疏文(直訴)内容は、第一に、...
(ハングル文字の原型: 光化門広場の世宗像B1の博物館:2023.10月撮影)ハングル創成(18-2)密本の隠れ家『根の深い木』第18話よりムヒュルとイ・バンジチョ・マルセンからの命を受けてイ・バンジの宿に行ったムヒュル「…」「…」逃げ出したイ・バンジを内禁衛兵たちが取り囲みました。そこでムヒュルは衛兵たちに「10歩離れろ」と命じ、世宗の「討議をしたい」という言葉をチョン・ギジュンに伝えるようにと依頼します。「...
ハングル創成(18-1)小さな願い『根の深い木』第18話よりカリオンことチョン・ギジュンの検案所でイ・バンジと再会したチェユン「…」…なぜ師匠がここに…?干肉を買っただけで黙って出て行ったチェユンチョン・ギジュンはイ・バンジに向かって、「お前もカン・チェユンも王の家門には復讐の恨みがあるはずだ。一度だけ協力して欲しい」「…」チェユンが外で師匠を待って、目的を聞き、また懐かしい思いを語り合います。「どこでカ...
ハングル創成(17)師匠イ・バンジ『根の深い木』第17話より領議政(ファン・ヒ)と右議政(イ・シンジョク)が法殿内に入ろうとするとこころに、イ・シンジョクの腹心のチャン・ウンソク令監が密本のチョン・ギジュンからの伝言を持って駆けてきます。…即座に創成文字の公布を中止させろ。イ・シンジョクは、「今の状況では官吏たちを説得する自信がありません。それに科挙試験を控えていますから混乱を避けないといけません」...
(チャンヒョク)ハングル創成(16-2)取り引きなるか?『根の深い木』第16話より密本密本のスパイ:シム・ジョンス直提学が「新しい文字を公開する準備を進めている」との情報をもたらしますが、チョン・ギジュンは、「どうせ誰も使わないだろう。我々の最初の目的は集賢殿の廃止だ。そして、士大夫(儒学者)による宰相総裁制度を導入することだ」ファン・ヒ領議政とイ・シンジョク右議政は、「科挙試験(国家公務員試験)も近...
(シン・セギョン)(# まずは基本母音の歌)https://www.youtube.com/watch?v=JMQhMgICTtM訓民正音(フンミンジョンウム)の創制③『朝鮮王朝実録』では武器製造のような極秘事項まで記録されているにも関わらず、文字創製については公布までの記述が全くない。それほどまでに極秘に押し進められたと考えられる。当時は儒学者やソンビ(学徳を備えた人)が自分たちの権威主義がとぐろを巻いており、両班は文字(漢字)と学問を権力...
ハングル創成(16ー1)民への開かれた言論の道『根の深い木』第16話よりチェユンの小さな願い忠誠を誓ったチェユンのことを広平大君は、「アバママの御心ではなく、28文字で心変わりをしたことが悔しいです」「ハハハ、それも良いことだ」チェユンは忠誠を誓うと共に今後の作戦として、自分が“密本”の中枢を掴むとして、「私が“密本”に接近するために、広平大君は行方不明のままにして下さい」「!」「また、内禁衛将(ムヒュル...
ソイの頭の中には既にハングル文字の解説書が完成していました。ハングル創成(15-2)庶民への普及のための解説書『根の深い木』第15話よりひと夜のことでした。チェユンが文字を書いていました。ソイが来て、「…アボジ、…タム、トルボク…。オラボニ!もう書けたじゃない!」「これで合っているのか?」「んん…」翌朝、チェユンは広平大君の深い刀傷の治療のためにカリオンを呼びます。「ほとんどの治療は終わりました。ただ、急い...
ハングル創成(15)広平(クァンピョン)大君(テグン)『根の深い木』第15話より“密本”の人質となったソイと広平大君を救ったチェユン「感謝する」(刀傷を負っていた広平大君)「コマウォヨ、オラボニ…。どうか宮中に戻って傍にいて欲しいわ」チェユンはいきなりソイの手を掴んでその場から去ろうとします。「危ないところだった、死ぬところだった。こんな仕事は辞めろ。お前だけが命まで利用されているんだ」「いいえ、チョナ...
ハングル創成(14-2)動き出した密本『根の深い木』第14話よりチェユンが去って「戻ってくるのだろうか…」「チョナは最大の努力をされました」(ムヒュル)「すみませんでした、チョナ…」密本密本の情報屋のハンは、殺害した集賢殿(チュピョンジョン)のホ・ダム、ユン・ピル、チャン・ソンスから奪った資料を提示しました。資料には仏教経典、梵語の書の他、検死記録の中にある“君那弥欲”の4文字から、「主君は弥勒菩薩にな...
(前話)ハングル創成(14)アボジの遺書『根の深い木』第14話より「来たか…」「イ・ド(李裪)…」「…」(ソイは正殿の2階にいます)「チョナは脱獄したトルボクに“自らの道を歩め”とおっしゃいました」「そうだ」世宗(イ・ド)が玉座から降りると、ムヒュルも刀を抜いて身構えます。「お前は私ではなく自分を斬るために来たのではないか?」「…」「殺しに来たものがここで自決するのか?フフフ~、それこそ“クソッタレ”だな」「...
訓民正音(フンミンジョンウム)の創制①~②『根の深い木』第13話より先に以下のように引用しました。訓民正音の創制①「訓民正音(ハングル文字)は誰が創り、いつ頃から研究されていたのか、その問いに対して未だ明確な結論下すことができないのが学界の現実である。(しかし、)…君民正音は世宗がほぼ独りで創ったものだ。いや、彼独りで創るほかなかったと言えよう」(また、)「当時、訓民正音の創制は公に押し進めることがで...
ハングル創成(13)大義とは?『根の深い木』第13話より「タマ~、タマ!」…あの人がなぜ…。…本当にオラボニなのね…。「…、タムや!」「…」「…」「…」チェユンを追っていたムヒュルの腹心チョン・ドゥンニョンが突き止めました。「ミョンウム山だ!」この連絡が世宗に届きます。「張り紙が示していたのはミョンウム山でした。故シム・オン領議政の屋敷の近くのハンジ村です」「内禁衛たちを連れていけ!早く!」トルボクとタム「...
ハングル創成(12)走るふたり『根の深い木』第12話より福袋の絵と共に場所を指定した貼り紙…これはトルボクオラボニムしか知らないのに…、まさか生きているのか!?(“福”の字が未完成でした)ソイの頭の中はトルボクのことで一杯世宗が、「新しい文字の形が完成した。喉の形から○(無声の意味)を取り入れたのだ」と、喜びをハングル創成チームに披露し、「この文字で朝鮮八道の言葉(方言もある)を全部表現できるのか検証す...
ハングル創成(11)発音器官~音が出る仕組み『根の深い木』第11話よりねぎらいの酒世宗は成均館の裏山の岩場にカリオンを呼んで釈放後のねぎらいあえて三峯(鄭道伝の号)が士大夫(サデブ:官僚や儒学の修学者)の集会を催した場所を選びました。鄭道伝が“密本”の本元であることを話しますが、カリオンは、「賤民にはそのようなことは分かりません」と。また、この際に“解剖”の仕事があると伝えます。ソイからのお礼の手紙…...
ハングル創成(10)クソッタレ(Fucking Bullshit)!『根の深い木』第10話よりカリオンの逮捕ナム・サチョルが夜の11時頃に包丁で脅迫を受けた…。しかし、その時間には世宗がソイを検案所に使いに出していました。ただし、ソイは失語症なのでカリオンのアリバイを、「証言することができない…」「…」チェユンはムヒュルに、「なぜ私の部屋を捜索したのですか?」「お前は王命によりチャン・ソンス暗殺事件の捜査責任となっ...
ハングル創成(9)ハングル創成(9)白丁(ペクチョン)『根の深い木』第9話よりチェユンの復讐(父の仇をとる)の誓いを聞いて、世宗は「それほどまでの決意だったのか…」また、ソイは、自分が世宗の20年前の手紙の内容を曖昧に伝えたことがトルボクの父親の死(反逆罪)に繋がったと自責の念を持っているので、戻ってきた巾着(福袋)を手に、「きっと罪を償います」ソン・サンムンは、チェユンからの「君・那・弥・欲の意...
ハングル創成(8)My Way~誓いの道『根の深い木』第8話より三角山(サムガクサン)でのチェユンとユン・ピョンの戦いはチェユンの優勢でしたが、ユン・ピョンが先に切ったチョタクに再度刃を向けたので、中断。さらには、ムヒュルが近衛兵を連れてやって来たので一騎打ちはお預け。その間にユン・ピョンに殺害されたチャン・ソンス学士の遺体が消えていました。(赤い風呂敷にはチャン・ソンスがソイに渡す予定だった書籍が1冊...
ハングル創成(7)密本(ミルボン)VS天地(契)員(チョンジウォンまたはチョンジゲウォン)『根の深い木』第7話より第6話の終盤ではユン・ピルの遺体が消えたとの報告がカリオンからありました。遺体の安置所で独自の調べを進めていたのは集賢殿のソン・サンムン学士とパク・ペンニョン学士それを見ていたのは密本の刺客ユン・ピョン泮村(パンチョン)トダム行首がシム・ジョンス(集賢殿の直提学)に、「へガン先生からの命...
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これまで冊封国になる前の韓半島(ハンバンド)の歴史を、<古代韓半島>として振り返りました。今回アップして来た『王は愛する』の時代背景が、大陸と半島の歴史的関係のちょうど分岐点だったと思います。(冊封制度は、大陸が明の時代に完成したとされ、日本の室町時代にも明に朝貢したとの記録があります)元からの安全保障を得るべく、高麗第24代王が世子をいわば“人質”として元に預け、その世子(後の第25代・忠烈王)が...
大陸の元と高麗王朝1.王氏高麗ソン・ジナ作家は高麗末期を描いた『信義(シンイ)』で、当時の高麗最大の貴族・“奇(キ)”一族の家長キ・チョル(実在)を登場させました。妹は「元」の皇后となった『奇皇后』です。『王は愛する』では、ワン一族とウン一族を登場させています。いずれも貴族ではあるものの、史実としてはワン一族が王家の外戚です。リンの父親の妹が第25代・忠烈王の最初の妻(実在)です。ただし、父親(ワン...
王は愛する 第40・最終話 王は愛した…一度人生を体験して、もう一度人生をやり直してみたい。そうすれば二度目はもっと良い人生で、反省することは少ないかもしれない。(ウォン)# 以下は3人と師匠で作り上げたストーリーだと思います。イ・スンヒュ師匠のナレーション…元からの使節団は重要な情報を得ました。それはワン・ジョンからでした。…「私が反元勢力の主導者のことを知っています」と、ワン・ジョンはその勢力のこと...
王は愛する 第40話(上) 1297年の夏タンとサンサンがすっかり元気になって挨拶に来たので大喜びのタン「大丈夫なのですか?」「ええ、元気です。 ちょっとだけ、胃が痛みますけどね」「良かった!」「胃が悪くてもですか?」「良かった…」「ピヨンによく似て泣き上戸ですね」「そうなんです。 いつもオラボニに笑われていました」ハンカチを渡すチン・グァンでした。サンはこっそりと料理のコツを教えて欲しいとタンに…。家を...
王は愛する 第39話(下) 王は愛した~元からの調査団ウォンが宮殿に戻ると、元からの使節・調査団が到着していました。回復した王が玉座に座っています。「いったい秘書官は何をしているのか?」「使節団の面々にはたくさんの説明が必要でしたから…」「何を知りたいのでしょうかな?」調査を行った使節団が見せたものは小動物の死骸「元成殿の礎石から発見されました」「呪詛だと?!」「ワンビ媽媽は呪詛により亡くなったとい...
王は愛する 第39話(中) 陰謀の果てに(昨日のシーンのつづき)「私を裏切る気なのか? お前を救ったのは私だぞ。 衣食住を与えて、育てて来た」「一度も裏切ったことはありません。 命令に従い、たくさんの人を殺して来ました」 「これからもそうだ」「あなたは高麗のためだと言った。 しかし…」「あの女を殺せと言ったからなのか?」「ナウリこそ、元の国に高麗を歯向かわせようとしています。 国賊です」「ムソク!...
王は愛する 第39話(上) 解毒剤と玉璽~ムソクの良心今は人がいないウン判府事の元の屋敷駆けつけたウォンとリン。まず、リンは縛られたピヨンを見つけます。「助けて下さい!」「何があったのか?」「世子嬪媽媽とサンアガシが…」「どこなのか?」「もとのアガシの部屋の中です」「!」「これを!」「?!」「彼がくれた解毒剤です」「解毒剤?」「ええ、陽が沈む前までに飲む解毒剤です。 日没と共に死ぬと聞きました」# ム...
王は愛する 第1話(下) 娘・サンへの伝言ゴロツキたちのアジト「お前たちよりも役に立つ連中がいるそうだぞ!」「ところでどうしてこんなに武器が必要なのか?」「ウン・ヨンベク商団の荷物を奪う計画だからだ」「ウン・ヨンベクだと? 奴らの私兵は官軍よりも強いと聞いているぞ。 3日に一度は軍事訓練をしているぞ。 正気なのか?」「俺たちも刺客を集めている。 絹の一反もあれば一年分の稼ぎになるのにな~」「奴らは...
高麗(コリョ)の建国は918年。それから1392年(朝鮮王朝建国)までの474年は、後の朝鮮王朝(518年間)と同様に長い歴史です。ドラマ『王は愛する』は、高麗中期の歴史の転換点を舞台背景としています。脚本はソン・ジナ作家。(同名の小説をソン・ジナ作家が脚本にしたもの)また、ドラマ『信義(シンウィ)』も同じくソン・ジナ作家の脚本・小説で、舞台は14世紀末の衰退する頃の高麗でした。『信義』は第31代...
新羅の首都・慶州の仏国寺(プルグクサ)ドラマ『善徳女王(ソンドクヨワン)』と新羅(シルラ)の興亡大帝国だった高句麗が、唐と新羅の連合により足元をすくわれ、北に追いやられて渤海へと転じました。三国時代が終わった7世紀末のことでした。その唐と新羅の同盟関係ができる少し前のこと。新羅初の女王・『善徳女王』が第27代王として即位しています。ドラマはほとんどがフィクションなのですが、当時の時代背景としては、...
歴史を駆け抜けた八咫烏(やたがらす)ドラマ『朱豪』では、初めて国家のシンボルマークに三本足の八咫烏(やたがらす)がデザインされました。新羅と唐の連合軍に滅ぼされても高句麗のヤタガラスは歴史を駆け抜けます。1.南北の二国の時代へ668年、第28代の宝臓(ポジャン)王が新羅と唐との連合軍に屈服し、高句麗が滅びます。そこで新羅は、滅ぼした百済と高句麗の民や軍を吸収して、半島での覇権を我が物にしました。さ...
関西に渡来した豪族1.広隆寺と秦氏半島から4世紀から5世紀にかけて渡来した有力な豪族に、漢(あや)氏と秦(はた)氏の一族がいました。それぞれが奈良と京都に一大勢力を築き、とくに京都の秦氏は養蚕・機織り、農業灌漑の技術を伝播し太秦から嵯峨野にかけての農業用地開発と産業を発展させました。京都・右京区太秦(うずまさ)の広隆寺は、603年に秦河勝(はたのかわかつ)が聖徳太子から賜った仏像を本尊として建立し...
半島の三国時代ドラマ『朱蒙』のラストの解説ではソソノの次男が百済の建国者ではないかとの余韻を残しました。また、『太王四神記』では高句麗の版図拡大が描かれました。以下は高句麗、百済、新羅の三国時代の話です。1.三国時代後の第19代王・広開土(クァンゲト)大王(テワン)こと、タムドクが16歳で高句麗王となったのが391年でした。 広開土王の高句麗(コクリョ:고구려)が版図を拡大して次の歴史地図のような...
百済から来た王子~および聖徳太子のころ高句麗の王族・若光とその子孫が関東に根を下ろしたように、百済の王族・豪族の一部も日本に渡り、関西(大阪)に根を下ろしました。遡って、新羅と唐の連合軍により高句麗が滅びた話は前回でした(668年のこと)。それよりも少し前の660年に、同連合軍により百済が先に滅びています。しかし、残党によるゲリラ戦は各地で行われていました。1.百済のラストプリンス百済最後の王は義...
(高来神社:2017.11.02)高句麗の王族・若光 (1)1.そのミッション「日本書紀」によると、日本には552年に百済から仏教が伝来。また、聖徳太子が大切にもてなし、師匠として尊敬した慧慈(えじ)は高句麗から派遣(595年)された僧でした。もう一人特筆すべき高句麗からの人が、666年に渡来した「若光」で、彼は高句麗の王族の一人。当時の高句麗は新羅と唐の連合軍との厳しい戦闘状態にありました。日本からの援軍...
高句麗大帝国と『太王四神記』~生きて帰る伝説の王子『朱蒙(チュモン)』は40歳で王位をユリ王に譲り、亡くなります。そして、ユリ王の息子ムヒュルが高句麗の第3代・大武神王(ムヒュル)で、これは同じ作家と主演の『風の国』で描かれます。さらに、ムヒュルの子・ホドンの秘話は『自鳴鼓(チャミョンゴ)』です。高句麗の創世記が楽しめました。そして時は流れ、高句麗第19代・広開土大王の物語は、『太王四神記』へと引...
韓国ドラマ『太王四神記(テワンサシンギ)』と風水(プンス)(高句麗第19代王・広開土大王=タムドク:役はぺ・ヨンジュン)時代背景は次の版図のように韓半島(ハンバンド)には高句麗、百済、新羅の3国+αで、半島では戦が数々繰り広げられていました。そんな中で高句麗の第19代・広開土太王が国を拡大していく物語。なお、『太王四神記』以外にもドラマ『広開土太王』があります。1.風水と『太王四神記』中国神話において...
高朱蒙(コ・ジュモン)伝説と『朱蒙(チュモン)』# 先月、ふと立ち寄った鉄板焼きのお店のテレビ(フジテレビ系列の番組)では『朱蒙』が再放送されていました。レジェンドドラマなのですね。懐かしくなりました。物語のベースとなったのが、「高朱蒙伝説」韓国の『統一日報』2012年5月16日(日本語版)「韓国史を彩る王たちの物語(10)」にその伝説が掲載されました。「コンギョクコラ~!(攻撃だ~!)」1.高朱蒙...
おはようございます。昨日までの『大君』への拍手とランキングクリックありがとうございました。今日は感想を交えて以下の記事にしました。儒教精神なのか?~不条理な朱子学およそ200年後になって、第19代王・粛宗(スクチョン)が廃位された魯山君(ノサングン)の復位を認め、第6代王・端宗に追尊しました。他方、この追尊により、第7代王・世祖の蜂起が“背徳のクーデター”であったことを認めることにもなったのではない...
大君 最終話(4) たくさん愛します引退を決めたソン・オクとフィの二人でしたソン屋敷では庭を開放して、祝宴が開かれています。クッタンとドゥクシク「裏切者!」「なぜ私が裏切者なのですか?」「俺がチンヤン大君が与えてくれた地位を辞退して、 科挙試験を目指した時から、待つべきだった」「若旦那は両班で、私は下女です。 なぜ待たないといけないのですか?」「そうすべきだった。 ジャヒョンは恋人が死んでも待ってい...
御史とジョイ第3話(下)神社の前にて~良縁の話# ここは漢陽の妓楼でしょうか?パク大監の息子のパク・テソと仲間たちパク大監がやって来ます。「これから私が行うことを皆の者はよく見て置け!」「アボニム!」「お前には、世のための仕事だと思って銀山の開発を与えた」「何のことですか?」「暗行御史が殺された。 しかし、次に派遣された暗行御史がお前のことも調べるだろう」(自分のかかわりがないことを確かにするよう、...
# 第3話の本編を前にプロローグが数分流れます。ここで史劇のファンの方々にはこのドラマの時代背景がすぐに解ると思います。第16代王・仁祖(インジョ:在位1623~1649年)の時代です。1637年の清国軍との南漢山城での戦闘の模様、および、仁祖の長男(昭顕世子:ソヒョン)が清国の人質となった後に帰国(1645年)したシーンがありました。御史とジョイ第3話(上)Joy to the World「お元気でしたか、世子殿...
御史とジョイ第2話(下)郡守逮捕~忠清左道の郡守を逮捕イアンはユクチルに漁村での聞き込みを命じます。暗行御史のパク・ムギョン暗殺の際の船頭を探すためです。そして、遺体安置所に忍び込みます。ついに馬脾(マぺ)を使います「これからは私がこの件を処理する」と、パク・ムギョンが握りしめていた馬脾も押収さらに、グバルには常設の民兵の宿舎に向かわせます。(暗行御史のために馳せ参じる民兵を集めるため)ジョイは焼...
(ナビ)# ナビ:<朝鮮王朝>時代、庶民たちは離婚をしたという証明書(ナビ)を得ました。御史とジョイ第2話(上)ジョイのナビイアンは捜査を決断しました。忠清道に派遣されていた暗行御史のパク・ムギョンの遺体が海岸に漂着し、握りしめていた「馬脾(マぺ)」を見たからです。イアンはユクチルに両班の服で正装させて庁舎に向かいます。「もの申す! 出て来い!」助役には「漢陽のオ・ドンイン大監の甥だ!」と中央省庁の...
(タイトル画像より)御史とジョイ第1話(下)忠清左道の帳簿ボリの居酒屋(兼宿場)「ボリや~、いるの? ファン・ボリ~」ジョイは夫のギャンブル癖を証明するために証人を探していました。他方、ボリは「両班の側室になることにした」と、赤ん坊の服を縫っていました。「私を蝶々のように自由にして欲しいわ。 お願い。 この村の男たちは知らん振りなのよ」「でも私のお客様たちなのよね~」「私だって男たちのように科挙試...
(『御史とジョイ』第1話)御史とジョイ第1話(上)突然のご指名~勅書荒れる海の揺れる船内で一人の両班(ヤンバン)が刺され、「忠清道記録(公文書)」が強奪されます。その両班の手には「馬脾(マぺ)」と呼ばれる暗行御史(アメンオサ)の印籠。(# 暗い船内に浮かぶ影は郡守と助役か…?)そして、海に投げ捨てられた御史(オサ)の手が馬脾(マぺ)を守る…。翌朝の<漢陽(ハニャン:現在のソウル)>ワカメを洗って今日の...
# いよいよこれで50話の長編が終わります。私にとっては歴史の教科書のように、いやそれ以上のものだった…。最終話(下) 『華政』翌日が最後の審判(1651年)ポンリムは、「腐敗した権力者たちを我々の努力と意志の力で排除できた。 私は、この国を民の国である朝鮮へと戻していくつもりだ」との前置きを述べた上で王命を下します。昭容(スヨン)趙氏が“賜毒”のところにチョン尚宮、オクジュ、ウンソルも集まります。チ...
「華政」最終話(上)親友カン・イヌ「御医を呼びなさい!」「御医をすぐに呼べ!」「ジュウォンな…、アボジのことを責めないでくれ…。 たとえ罪は拭い去ることができなくとも…」迎賓館を襲ったカン・ジュソンポンリムは、「この多量の血の痕を見ろ。 これがお前が流させた血だ。 若者たちや自分の息子の血の痕だ」泣き崩れるカン・ジュソンでした。ポンリムは「内禁衛(ネグミ)はもちろんだが他の王室の兵を動員したカン・ジ...
『華政』第49話(下)カン・ジュソンの暴挙清国の検察・監察官キム・ジャジョムが現れたので、検察官に随行した団員の一人が「キム・ジャジョムが現れたことを、カン・ジュソンに伝えて来い。いったいカン・ジュソンは何をやっているのか…」と…。さて、交渉開始ジュウォンは、「新しい王は軍備の強化を急いでいます。 しかし、これは日本に対する防衛力の強化策です」「日本だと? 日本だけに対抗するのか?」「それに、 清国...
誰かがイヌの後を付けていると気付いたチャギョンは、「実は数日前からその気配があったのです、ナウリ。よく分かりませんが、暗殺者たちの狙いはナウリです」と。他方のイヌは、「カン・ジュソンの居場所を突き止める方法がある」として単独行動でした。「華政」第49話(上) 康仁祐(カン・イヌ)イヌとチャギョン「そなたが朝鮮までやって来たのは、俺と同じように媽媽への愛のためだったんだよな」「…」「お傍にいたかったん...
『華政』第48話(下)史実の果てに…ポンリム世子とジュウォン「私はこの王座の重さに耐えることができるのか不安だ。 私ができることは私の仲間たちと共に、この国の民・百姓たちの一人ひとりの守ることだけだ」「その運命を理解して忘れないでいるだけで十分だと思います、チョハ」「その座の権力と栄光だけを求めて権力を振り回す者もいますが、その権力の使い方と責任を知っている者もいます。 これはとてつもない大きな恐...
西人派の領袖・キム・リュを最後に標的にしたと思われる仁祖。彼が余命を懸けて示したのは“正義”であり、これは議場に集まった“反ポンリム世子+崇善君擁立”派閥を一掃することであったと考えています。自分の正室からの次男のポンリムを後継ぎにするための極秘の戦術が第47話で成功しました。キム・ジャジョムと側室の貴人・趙氏との決別でもあったわけで、これを遠くから眺めるチョンミョンは涙を流しました。最後の決戦だと思...
『華政』第47話(下)最後の王命清国の皇帝カン・ジュソンから大量の銀貨が届けられます。「つまり、兵を動かしてくれと言うのか?」チョンミョンとポンリムは、おそらくカン・ジュソンの最後の手段は“清国に頼るしかない”でしょうと。チョンミョンだけでなくソヒョン前世子もポンリムも含めて清のヨンゴルテ(龍骨大)将軍とのパイプがあるので、連絡を取る算段。仁祖は先が長くないことを知り、イ・シベクを呼びます「チョナ、...
華政 第47話(上) さらなる陰謀“二匹の猛獣がいるのに我々には1本の矢しか残っていない”という状況で、カン・ジュソンとキム・ジャジョムの二人を共に陥れる作戦が成功しました。しかし…。キム・ジャジョムを前に、ジュウォンとチョンミョン「これに何が書いてあったのか分かるでしょう?!」「…」「“大君と王を退位させて、崇善君を即位させる”と書いてありますよ」「何を…」「謀反を起そうとしていたのは公主媽媽ではなくて...
「華政」第46話(下)龍虎の格闘仁祖の病状が悪化しているとのことがチョンミョンにも伝わってきます。仁祖は内官に「いったいどれくらい余命が残っているのか?」と寿命を問います。この情報はソヨンにも伝わり、「計画を早めないといけない!」キム・ジャジョムはカン・ジュソンに会います。イヌとチョンミョン「ごめんなさい、ナウリ」「いいえ、媽媽からは“ミアナムニダ”の言葉は要りません。 後悔はしていません」「ナウリ...
華政 第46話(上) 希望の新星清国の皇帝(第2代・ホンタイジ)の前で土下座をされれるいという、歴史に残る屈辱の国王。仁祖(第16代)にとっては、清国の文化を吸収した昭顕(ソヒョン)世子よりも次男の鳳林(ポンリム)大君を可愛いと思ったに違いありません。ただし、傍には側室・昭容(スヨン:正三品)との長男・崇善君がいて、王位継承を誰にするか…?ソヒョン世子の毒殺を医官に命じたのは昭容。このことが明らかに...
『華政』第45話(下)晩年の仁祖体調が悪くて寝込んでいるとの仁祖キム・ジャジョムは内官に面会謝絶を命じます。その仁祖は世子ソヒョンの死後は気力を無くしています。# 内官・尚膳(サンソン)は王の私的面での世話係。ジュウォンはポンリムが過去にカン・ジュソンと手を組んだことが気掛かりで、世継ぎとなることには賛成しません。「権力とは使い方次第でどうにでも悪くなるからです。 媽媽! 大君には王になる資質がある...
# 1645年の春を前にしてのマラリア?スヒョン世子が風邪をひいたのだとは思いますが、留めを差した歴史上の容疑者は昭容(スヨン)のお抱えの医官イ・ヒョンイク(李馨益)であることは間違いなさそうです。「華政」第45話(上)悲しみの漢陽スヒョン世子は亡くなります「まさか…」東宮では…。「どうか目を開けてください!」(ジュウォン)「チョハ…」(チョンミョン)そしてヌンヤンと内官も悲しみに…。しかし、チョンミョ...
呪詛を使った濡れ衣事件はしばしばドラマ(史劇)に出て来ます。ここでは、ヨジョンが日々チョンミョンを狙っています。ただし、歴史における貴人(クィイン)・趙氏(ヨジョン)が悪女の本領を発揮するのは、世子(スヒョン)とそのピングンに子供(仁祖の初孫)が生まれてからです。目的は、仁祖との間に生まれた長男・崇善君(スンソングン)を世継ぎにするためです。1645年:世子が清国から帰ってから。1646年:ピング...
「華政」第44話(下)世子の死~王室への遺志ヌンヤンと昭容「食事を下げろ! 食べたくないと言っているではないか!」# 右上は“アワビ”でしょうか?「どうか健康を考えて下さい。 崇善君もそう言いなさい」「アバママ、どうかご健康を。 アバママが夕食を食べないと自分も眠れません」「お前も私のことを気にしてくれるのか…。 それなのに、あの世子はいったい…?」「チョナ、それは世子だけのことではありません。 裏には...