奥出雲 / たたら製鉄 / 棚田
実家の庭から眺めた冬の風景(奥出雲町 佐白)ここは雲南から仁多に入ってくる街道の最初の宿場町だったと聞きます。冬は、かつてのまちの骨格が浮かび上がります。雪の粒子で覆われると、新建材も人工の構築物も、木や草や遠く山並みまで連続していきます。学生時代、鈴木恂さんがご自身の原風景として雪で覆われた冬の北海道のことを、人工物と自然がすべて白一色で溶けあう風景のことを語られたことを今でも覚えています。 良質な砂鉄と並んで重要なのは火のちからです。火のちからとはすなわち豊かな山林を意味しました。鉄師 御三家と言われる 田部家、櫻井家、絲原家は日本での有数の山林の大地主でした。たたら製鉄を陰でささえてきた…
2023/11/08 08:31