2020年7月
田舎の細いバス通り沿いに建つ数軒の家の間を曲がる。 「婦長は実家で痴呆の父親を介護しながら暮らしている」とそう聞いて来た。緩やかに段々になった田んぼの中の一…
院長が学の手を取って自分の手に包みながら、ぼんやりそれを見つめ、「痛かったろう」とつぶやいた。 学のガーゼで押さえられた左目から血の混ざった涙が頬を伝って…
幼い学は私を信頼し切っていて私の言葉を疑わなかった。 「何でも出来るようにならなくっちゃね」と私は機嫌よく言って、食器洗いや洗濯物の干し方を教える。 学は…
伯父である院長が学を養子にすることになったが、学は院長夫婦に懐かなかった。 それもそのはず、私は前々から学に院長だけでなく院長妻の悪口を吹き込んでいたの…
妊娠を告げた途端逃げ出した男に、彼女は未練の切れ端も見せなかった。 彼女が「学」を身篭った当時、寮にはたくさんの独身看護婦が住んでいて、身寄りのない彼女の…
私は何十年かぶりに実家のある村に戻って来たが、田舎に引っ込んだからと言って反省していると思わないでほしい。 たとえ加害者の私の出番は終わりでも、私が付け…
お久しぶりです。又は、はじめまして。 当ブログのブランクは長すぎの約10年間。 その間、リアル生活には色々ありましたが、妄想物語を書くことからはすっかり離れ…
2020年7月
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