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自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ https://blog.goo.ne.jp/studioyunfat

ブロガーによる00年代の映画ベストテン発表! 37名の映画好きたちのベストをご覧あれ

自分の映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品徹底批評 バカ映画は笑い飛ばし、真面目映画は、何故?どうすれば?…と熱く語り抜く

スタジオゆんふぁ
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塩尻市
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豊平区
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2009/03/15

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  • ボルテスV レガシー

    シーズン完走途中くじけそうになったが、なんだかんだで終盤はかなりドラマを盛り上げてくれた。全20話。オリジナルアニメが40話だったので、それでもだいぶ密度を高めた構成。知らない人のために解説すると、日本のテレビアニメ『超電磁マシーンボルテスV』をフィリピンで実写リメイクした連続ドラマである。フィリピンでは放送以来今日に至るまで放送されなかった日がほぼないというほどの国民的人気アニメとのこと。主題歌を歌う堀江美都子がフィリピンでのコンサートに出演のため現地入りすると国賓並みの歓待を受けたとか。その堀江美都子がこの実写版吹き替えでは主人公たちの母の役を演じていたり、オリジナルでは水木一郎が歌っていたエンディングを歌ったりして、熱い。ネットでかじった話だが、フィリピンでマルコスの独裁政権を倒した革命勃発の引き金...ボルテスVレガシー

  • レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989 アキ・カウリスマキ)

    何名かの方には、ええ?今さら?と笑われるかも知れないが、今さら、アキ・カウリスマキの1989年作『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』を鑑賞面白かった本作はレニングラードカウボーイズという架空のソ連のバンドのアメリカツアー?を描いたロードムービーアキ・カウリスマキはフィンランドの監督でソ連の人たちを描く義理はないが、あり得ないヘアスタイル、あり得ないファッションの架空バンドを描くにソ連の方がそれっぽい雰囲気ががったのだろう。あり得ないと言ったものの、この映画のヒットでレニングラードカウボーイズはプロ活動を開始し、架空のバンドが本物になった。1989年といえばまだギリギリソ連が存在していたころ。フィンランドの首都ヘルシンキとソ連の第二都市レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)までは、Googl...レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989アキ・カウリスマキ)

  • ノー・アザー・ランド 故郷は他にない

    ノー・アザー・ランド故郷は他にない監督バーセル・アドラー、ハムダーン・バラール、ユヴァル・アブラハーム、ラヘル・ショール-----鑑賞からだいぶ経ってしまったが、きちんと感想は書いておこう。おそらく今年の年末に私の2025年映画ベスト1になるであろう作品。しかし、これがベストになってしまうというほどにワーストな世界アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞したドキュメンタリー映画で、イスラエル人の監督とパレスチナ人の監督が共同監督として作り上げている。イスラエルから土地を奪われるパレスチナ人家族の姿を記録した作品。パレスチナの地で家族代々住んできた土地をイスラエル軍がそこは軍用地だからと退去をせまる、断れば重機で家も学校も強制排除。訴えてもイスラエルの裁判所も政府や軍の味方。付近の土地に入植してきたイスラ...ノー・アザー・ランド故郷は他にない

  • ハンス・ジマー・ライブ横浜公演(2025.5.20)レポート

    感動圧巻のハンス・ジマー・ライブ横浜公演。2025年5月20日。ライブからだいぶ経ってしまったが、この感動を書き残しておきたい何年も前からFacebookにハンス・ジマーのヨーロッパツアーの宣伝記事が上がってきていて、コメントに「ジャパンにも来てくれよハンス」とドイツ語翻訳して投稿したものだった。そんな私の招致活動のおかげに違いない!ついにハンス・ジマー日本初公演!これまで観てきた海外の映画音楽の作曲家のコンサートは、ジョン・ウィリアムズ、エンニオ・モリコーネ、ジェリー・ゴールドスミス、ダニー・エルフマンなどだけど、こうした人たちのコンサートはクラシック音楽のコンサートのような雰囲気だった。だがハンスのコンサートは違う。プラハライブのCD持ってるから雰囲気は知ってるつもりだったけど、ハンス・ジマーはロック...ハンス・ジマー・ライブ横浜公演(2025.5.20)レポート

  • アノーラ 映画評

    アカデミー賞作品賞受賞作にして、カンヌパルムドール受賞作。オスカーとカンヌは意外と相性悪くて、作品賞とパルムドールの両方を取った映画はつい最近『パラサイト』があったけどそれより前となると1955年の『マーティ』まで遡らねばならない。パルムドールとアカデミー作品賞または監督賞まで条件をゆるめても『戦場のピアニスト』が入るくらい。アカデミー狙いの作品とカンヌ狙いの作品は傾向が違うというかカテゴリすら違う気がするので仕方ないのだが、全く相性の悪かった70年の歴史を考えれば、ここわずか5年で2作も2冠作品が出たことは、アカデミー賞の傾向が変わってきたことを示している。カンヌに関係なく、一昔前ならノミネートすらされなかったような作品が作品賞とるようになったし。で、本題の『アノーラ』だが、なかなか扱いの難しい映画だ。...アノーラ映画評

  • 機動戦士ガンダムGQuuuuuuX劇場版評 後編

    ガンダムジークアクス劇場版の評の続きであるガンダムは書いていて楽しいなあ!!うちには、積みプラがいくつかMGハイザック、HGククルスドアンザク、HGガンダムエアリアル作る時間がなく、もう墨入れとかいいから素組みしちゃおうかとも思っているがそのうち、作る前に箱飲み、ランナー飲みしようかとなんでこんなこと書いたかと言うと、赤いガンダムとか、軍警ザクとか、軽キャノンとか、プラモ欲しいなぁって思ってそれにしても、ファーストのモビルスーツとも、Ζのモビルスーツとも全く異質のデザインのモビルスーツたち思い切ったなぁと思いつつ・・・もしかして何かの仕掛けだろうかと勘繰ってもいる劇場版の前半部、一年戦争編は、安彦デザインに近いキャラが活躍する。多少見た目は変わっているが、基本的にあの時テレビで見ていたシャアであり、ドレン...機動戦士ガンダムGQuuuuuuX劇場版評後編

  • 機動戦士ガンダムGQuuuuuuX劇場版評 前編

    観た映画の映評は必ず書こうと思っているけど、書くのが面倒くさくてついつい放置がち。機動戦士ガンダムGQuuuuuuX(大文字のGとQ、小文字のuが6つ、大文字のX)も書こう書こうと思っていたが…気がつくとテレビシリーズの放送が始まり、もう第6話。折り返してるじゃないか。さすがにそろそろ書かなくては書く機会を失ってしまうと思い、焦って色々思い出しながら書いてみる。しかしこれだけ寝かしたことの利点もある。もはやネタバレなど気にしなくていいということだ。なにしろみんな、テレビシリーズの考察や感想に忙しいから。テレビは火曜深夜の「上田と女がDEEPに吠える夜」との抱き合わせ放送枠になっていてうざいから、土曜日のBS12の放送でみようと思っていたが、中4日もあると、観た人みんながTwitterやyoutubeに上げ...機動戦士ガンダムGQuuuuuuX劇場版評前編

  • ザ•ルーム•ネクスト•ドア (ペドロ・アルモドバル)

    鑑賞してだいぶ経ったけど…ペドロ•アルモドバルの初めての英語長編作品。アルモドバル初めての英語作品だし、あまり台詞に依存しない映画にするのかと思いきや普通に会話劇。ティルダ•スウィントンとジュリアン•ムーアというキャスティングがそそる。アルモドバルと言えば、①VOGUEの写真みたいな現実離れした綺麗すぎる画と、②どこかイカれた(ように見える)キャラたちの倫理観のぶち壊れた世界のギャップと、そこに加えて、③え?!そう来るか!?なストーリーテリングの妙で魅せる映画作家と思っていた。自分が若い頃は②の印象が強烈すぎて、テンション上がるゴキゲンなぶっ飛びドラマを作る人みたいな目で見ていたが、だんだん自分が年をとってくると③の凄さに深く感銘を受けるようになった。そしてその物語に一貫しているのは生命への賛歌であり、女...ザ•ルーム•ネクスト•ドア(ペドロ・アルモドバル)

  • 女の園 (1954)(木下恵介)

    前から観たかった木下恵介『女の園』を、GW最終日に家でまったりのお供にチョイスして鑑賞。まったりしてる場合じゃないような壮絶な映画で、一人で観ながら色々なところで声をあげながら鑑賞してしまった。-----伝説的名作がまとめて公開される「映画奇跡の年」というものがある。1977年は『スターウォーズ』と『未知との遭遇』が公開され『アニーホール』が公開されたり『アーノルドシュワルツェネッガー鋼鉄の男』が公開されたりもして奇跡の年と言われる1968年も『猿の惑星』『ナイトオブザリビングデッド』『2001年宇宙の旅』が公開された奇跡の年だ。そして我が国の場合1954年(昭和29年)が奇跡の年と言われる。『七人の侍』『二十四の瞳』『ゴジラ』が公開された年だ。1954年のキネマ旬報ベストテンを見てみると、3位に『七人の...女の園(1954)(木下恵介)

  • いま映画『Flow』を観るべき6つの理由

    いま映画『Flow』を観るべき6つの理由ラトビアのアニメ映画『Flow』は必ず見るべき映画である。その理由は6つある。一つずつ説明していこう。----『Flow』を観るべき6つの理由その1ネコ映画史上No.1!そう、この映画はネコがかわいいのである。ネコが主役のネコ映画の歴史における史上No.1作品であることは間違いない!!!と書いたものの、ネコ映画??他に何あったっけ?トムとジェリー長靴をはいた猫銀河鉄道の夜猫の恩返しキャットウーマンドラえもん薬屋のひとりごとうーん???ほかに何があっただろうか猫が印象的な映画まで広げればエイリアン魔女の宅急便まあだだよ…だんだん苦しくなってきたまあ、とにかく伝統ある猫映画の歴史の最高傑作とよぶにふさわしい作品であることは観て頂けたらご納得いただけることだろう----『...いま映画『Flow』を観るべき6つの理由

  • 【映画ベスト100】 第5回 94位『渡り川』

    映画ベスト100地味に続けていきたい今回は第94位を紹介。まだ94位か…先は長い----------映画ベスト10094位『渡り川』(1994)(監督:森康行、金徳哲)(日本)----------ドキュメンタリー映画である。キネマ旬報の文化映画ベストワンを取った作品である。大学院の2年生の時に、つまりもうすぐ学生生活が終わるという時に映画館で観た。(文化映画ベストワン作品をわざわざ映画館に見に行くとは、当時の映画鑑賞に対する貪欲さはすごかったんだな)漠然と抱えていた不安、しっかり生きてこなかった気がしていて青春時代への後悔、いろんなものがもやもやしていた当時の自分に、何か明るい希望というか、やる気を出せてくれた映画だった。大学時代に見た映画の中でも心を動かされたって意味では相当大きな作品なのだが、実を言え...【映画ベスト100】第5回94位『渡り川』

  • 【映画ベスト100】 第6回 95位 難解な芸術映画『エクスペンダブルズ2』

    映画ベスト100を始めてみたが、100位ターミネーター、99位バックトゥザフューチャーって、結局エンタメ指向かい…って思われてそうなので、この辺で難解な芸術映画をランクインさせてみる。----映画ベスト100第95位『エクスペンダブルズ2』(サイモン・ウェスト)(2012)-----映画史上三大難解映画作家といえば、タルコフスキー、フェリーニ、そしてスタローン…と呼ばれているそうである。出典は忘れた。いやフェリーニなんてわかりやすい、むしろキューブリックだとか、ブニュエルを忘れるなとか、テレンスマリックだってとか、色々意見はあるだろうが、それでも三大の一人がスタローンであることは誰もが認めるところだと、どっかで聞いたことがあるような気がしないでもない。本作『エクスペンダブルズ2』はまず、出演者が無名な役者...【映画ベスト100】第6回95位難解な芸術映画『エクスペンダブルズ2』

  • 教皇選挙 (エドワードベルガー)

    いま『教皇選挙』を観るべき6つの理由映画『教皇選挙』はこのゴールデンウィークで必ず見るべき映画である。その理由は6つある。一つずつ説明していこう。----『教皇選挙』を観るべき6つの理由その1トランプによる分断社会の縮図がそこにあるローマ教皇がお亡くなりになる。新たな教皇を決めるための総選挙「コンクラーベ」が始まる。どこの世界もそうだが、有力候補ってのは声の大きい者である。過激な物言いをする者は反発も食らうが支持する者も出る。本作のテデスコ枢機卿の物言いはいかにも保守で、図らずもあのトランプをものすごく彷彿とさせる。映画は大統領選挙の前に撮られていたはずなので、意図したわけではなかろうが、社会のありようをしっかり捉えていたと言えるだろう。ツィッターを見ても分かる通り、声の大きい者同士だけで罵り合いをするこ...教皇選挙(エドワードベルガー)

  • 【映画ベスト100】 第5回 97位『子連れ狼』、96位『トニー滝谷』

    自分の中で勝手にgooブログ終了記念企画にしている「映画ベスト100」。11月の終了まで駆け抜けたい。今回は97位〜96位----映画ベスト10096位『トニー滝谷』(市川準)(2005)97位『子連れ狼子を貸し腕貸しつかまつる』(三隅研次)(1972)----97位『子連れ狼子を貸し腕貸しつかまつる』(三隅研次)(1972)70年代映画の殺伐とした空気感が好きである。とは言うものの、この映画の殺伐感はどの年代てあっても異常だ。斬れ、斬れ、ぶった斬れ、殺してなんぼの男、公儀介錯人・拝一刀。彼が刀を振るえば血が飛び散る。だけでなく、切られた人体パーツがそこかしこに散る。殺しの恍惚、残虐の興奮、これに近しい感情をこれに匹敵する熱量で描き切った映画は『キック・アス』(2010)くらいしか知らない。シリーズ化もさ...【映画ベスト100】第5回97位『子連れ狼』、96位『トニー滝谷』

  • 【映画ベスト100 】 第4回 98位〜100位

    さて、ベスト100と言いながら101位以下を紹介していた前3回だったが、ようやく本題に入る101位まではタイトル紹介だけで、いくつかピックアップして紹介記事を書いたが、ここからは全作品に短めの、時には長めの、紹介記事をつけていこうと思う。では、第100位から98位をご紹介----98位デジャヴ(トニー・スコット)99位バックトゥザフューチャー(ロバート・ゼメキス)100位ターミネーター(ジェームズ・キャメロン)-----100位『ターミネーター』前回記事で101位を『ターミネーター2』とした。もちろん2も好きだし、1と2はセットでオススメしたい作品ではある。だがしかし、どちらか選べと言われれば、私の場合『1』である。映画としては『2』の方が優れていると思う。しかしSFとしては『1』の方が優れていると思う。...【映画ベスト100】第4回98位〜100位

  • 映画ベスト100 第3回 「ベスト100」の意義について、そして101位〜140位

    gooブログ終了のカウントダウンがゆっくり進むが、ベスト100は続ける映画ベストテンというのはよく聞くだがなぜベスト100なのか…について考えてみたベストテンの場合、「この人はこういう映画が好きなんだな」「そうかそれが3位か!」みたいな、「その人が何を選んだか」が重要である。ベスト100も同様ではあるが、それと同じくらい重要な企画意図が、「何を選ばなかったか」ではないかと思った。だからベスト100と言いつつ101位〜200位の発表を進めているのは、私がどの作品を100から落としたかを表明しておく意味もあるかと思ったのだ。例えば前回の投稿で私は『メメント』を176位とした上で、「これぞノーランの最高傑作」とコメントした。という事は私は『ダークナイト』も『インセプション』も『オッペンハイマー』もベスト100に...映画ベスト100第3回「ベスト100」の意義について、そして101位〜140位

  • 【映画ベスト100】 第2回 ベスト100を始めた理由と141位~180位

    前回に続けての映画ベスト100の前準備投稿としてのベスト200gooblogが2025年11月にサービス終了と聞いて、寂しいいろいろあるブログの中で、一番使いやすいように感じていたブロガー30名以上に寄稿してもらい、「ブロガーの00年代ベストテン」なんて企画をやってみたり、その10年後には「10年代映画ベストテン」をやってみたりブログ通じて知り合った方も多かったし、いい媒体だったなぁfacebookやtwitterって、自分の過去記事を探すのがえらく面倒でブログはほんと自分の投稿内容を整理できるし、いつでも読み返せるし、今後もどこかに引っ越しして使っていきたいさて、本題映画ベスト100を書こうと思い立ったのは、最近twitterで映画ベスト100という投稿をしている方を見かけたからだその方の選ぶベスト10...【映画ベスト100】第2回ベスト100を始めた理由と141位~180位

  • 【映画ベスト100】 第1回・まずは181位~200位

    多分需要はないけど、映画ベスト100なんてものを自分もやってみようと思い立ちましたエンタメに寄りすぎたベスト100にはしたくないし、かといってゲージュツに寄りすぎたベスト100にもしたくない誰もが楽しめるベスト100ではなく、誰よりも私が楽しめるベスト100を心がけてみました自分の心の核になっているような作品や、こいつはすげーとそれまで知らなかった映画の新たな魅力に気づかせてくれた作品から中心にセレクションしていますまずは、ベスト100候補の作品を200まで絞り込むことから始めましたそして、そこから、自分の中で一つ一つの作品に対して、これとこれならどっちが勝ちか、というとても苦しい選抜バトルを行って順位付けをしましたまずは、ベスト100にもれた100作品を列挙するところから始めますそういうわけで長い連載に...【映画ベスト100】第1回・まずは181位~200位

  • 90年代の広末涼子を思い出す

    広末涼子の映画というと、デビュー作の「20世紀ノスタルジア」が鮮烈だった。この作品は個人的には1990年代を代表する日本映画の一つだと思っている。90年代日本映画ベストテンには間違いなく入れる。高校生の女の子(広末涼子)が自称宇宙人の同級生と映画を撮るという物語。ところどころ挿入されるミュージカルシーンもみずみずしく、二人の一夏の不思議な青春になんかうっとりと魅入った。本作は96か97年ごろの公開だったと思う。しかし撮影はその2年くらい前。撮影完了後しばらく置いとかれて多少の追撮をして完成、公開となったと記憶している。そして狙ったわけではなくたまたま映画公開と同じくらいの時期に広末大ブレイクしたのである。にもかかわらず、映画はヒットしたとは言い難く、私のような一部の映画好きでだけ語られるような映画で終わっ...90年代の広末涼子を思い出す

  • ヴァル•キルマー追悼まとめ

    ヴァル•キルマー追悼まとめトムクルーズ「彼の作品にどれほど感銘を受けたか、彼が『トップガン』に参加し、後に『トップガンマーヴェリック』で帰ってきてくれたことが、私にとってどんなに光栄で感謝すべきことだったのか、言葉では表現できません。彼は映画を愛していました。私たちに多くを与えてくれました。今日この場で、彼との素晴らしい思い出を共に振り返りながら、静かな時間を共有できたらと思います。次の旅路に幸あれ」ジムキャリー「私は今日、ヴァル・キルマーという一人の人間を思い出しています。世代を代表する才能であり、消えることのない演技の数々を遺してくれました。彼の芸術的な偉業は、最も困難な時期を乗り越えた優雅さと勇気に匹敵します」ジョシュブローリン「じゃあな相棒。寂しくなるよ。君は賢く、手強く、勇敢で超クリエイティブで...ヴァル•キルマー追悼まとめ

  • R.I.P.バル•キルマー

    好きな俳優がまた一人バル•キルマー『トップガン』のアイスマン、たまらなくかっこよかった『ウィロー』で、主人公のウィローを助ける乱暴者の剣士(50年代の日本映画なら三船敏郎が演じたであろう役)マッドマーディガンで冷静沈着なアイスマンと真逆なしかし皆に愛されるヒーローを演じた『トゥルーロマンス』で、クリスチャン•スレーターの妄想上のロックスターをたしかノンクレジットで演じて、最高だった『バットマンフォーエバー』でマイケルキートンの後を継ぎバットマン=ブルースウェインを演じる。一作だけだったのが残念だ。『ヒート』の実質的なクライマックスの路上での大銃撃戦でアサルトライフル持って走りながら撃つその姿にしびれた『セイント』の、あの全編ツッコミどころのようなヒーローは大いに笑った『ゴースト•アンド•ダークネス』でライ...R.I.P.バル•キルマー

  • 中央線グリーン車は思った以上に便利でオススメ

    山梨県大月市にある岩殿山に登った。登山の様子については以下動画をご覧いただくとして、↓↓帰りの電車の話上野東京ライン、湘南新宿ライン、総武線快速等で運用していたグリーン車連結が中央線でも始まった。そのニュースを聞いた時だれが使うのだろうか?と正直言ってそう思った。例えば大宮から鎌倉とか、上野から熱海とかそれからいなら使ってもいい気はするが、八王子や立川から新宿や東京行くのに追加料金払ってグリーン車乗るだろうか?と思った。御茶ノ水から総武線に乗り入れて千葉、成田まで行くとかならわかるが。しかし、今回、大月から乗ったということもあったが、使ってみるととても快適だった。私は東武伊勢崎線沿線に住んでいる。新宿・中央線方面に行くには、日比谷線直通列車で秋葉原に行き、そこから総武・中央線というルートになる。大月への往...中央線グリーン車は思った以上に便利でオススメ

  • アカデミー賞2025雑感

    監督賞ノミネートなくても作品賞受賞は珍しくなくなり、編集賞ノミネートなければ作品賞はないの法則もコーダが破り、もはや過去データなど受賞予測にまったく役立たなくなったオスカーまだ成立してるのは「脚本部門と作品賞はセット受賞」の法則くらい。で、今年はといえば、去年に引き続き作品、監督、脚本、編集、ついでに主演と総なめで、あれれまた昔の法則に戻りましたか?ともあれ、圧勝のアノーラ、これは観なくっちゃ作品賞といい長編アニメといい、低予算作品応援の傾向を感じる。良い事だ。青でも緑でもないゾーイさん、良かったねマコーレーの弟くんも良かったね脚色賞をとった教皇選挙が面白そうだ。観たいな。007主題歌メドレーニューボンドが決まったわけでもなく、Amazonがブロッコリ家から権利もらったニュースがあんま明るい感じがしないこ...アカデミー賞2025雑感

  • ジーン•ハックマン追悼鑑賞①『スーパーマン2冒険篇 リチャード•ドナー•カット』

    名優ジーン•ハックマンを偲んで出演作をいくつか見てみようと思いたち、不定期で感想を書いていく。ジーンの追悼鑑賞作として相応しいかというとそうでもない作品だが、前から気になっていたスーパーマン2のリチャード•ドナー版を観る。本作でジーン•ハックマンはスーパーマン役のクリストファー•リーブを差し置いて最初にクレジットされる。第1作はマーロン•ブランド→ジーン•ハックマン→クリストファー•リーブの順でクレジットされたが、本作ではジーン→クリス→マーロンの順である。ジーンはそれほど出番も見せ場もないけれど、やはりジーン•ハックマンのレックス•ルーサーが出てくるとよくわからないホッコリ感がある。アメコミ映画としてのスーパーマンの世界観構築に一番貢献している。シリアスにしすぎない。マーロン•ブランドとクリストファー•...ジーン•ハックマン追悼鑑賞①『スーパーマン2冒険篇リチャード•ドナー•カット』

  • ジーン•ハックマンの訃報を受けてクリントとモーガンがコメント

    クリント•イーストウッドジーンほど素晴らしい俳優はいない。強烈で直感的。決して間違った演技はしなかった。彼はまた親友でもあった、とても寂しい。モーガン•フリーマン私のキャリアにおける個人的なハイライトのひとつは、素晴らしい才能を持つジーン・ハックマンと共にフランス映画『GardéaVue(アンダーサスピション)』を世に送り出したことだ。そしてもちろん…『許されざる者』。安らかに眠れ、友よ。#ジーンハックマンClintEastwoodMourns'DearFriend'GeneHackmanAfterActorIsFoundDeadat95:'NeveraFalseNote'GeneHackman's'Unforgiven'costarsClintEastwood,MorganFreemanandFranc...ジーン•ハックマンの訃報を受けてクリントとモーガンがコメント

  • ジーン•ハックマン

    心から大好きだった俳優ジーン•ハックマンが亡くなったというニュースを見て、愕然としている『フレンチ・コネクション』ジーン・ハックマンさん死去妻と遺体で発見される享年95|シネマトゥデイ映画『フレンチ・コネクション』(1971)でアカデミー賞主演男優賞を受賞した俳優ジーン・ハックマンさんと、妻のベッツィ・アラカワさんが現地時間26日、米ニューメキシコ...シネマトゥデイジーン•ハックマンという俳優を好きになったのはいつからだろう?スーパーマンだろうか?深夜放送で観たポセイドンアドベンチャーかもしれない。最高の俳優だったチョウ•ユンファとハリソン•フォードと同じくらい好きだったジーン•ハックマン好きなら観るべき10選クリムゾン•タイドフレンチ•コネクション2フレンチ•コネクション許されざる者目撃地獄の7人訴訟...ジーン•ハックマン

  • 映画評 「陪審員2番」 (クリント•イーストウッド監督)

    クリント•イーストウッドの最新作にして、本作を持って監督引退と宣言した作品である。(どこかの宮崎さんとかカウリスマキさんみたいに撤回してくれることを願う)イーストウッドが映画界の伝説、映画史に残る監督であることは間違いないのだが、その最新作で最終作(暫定)が、日本では劇場公開されることなく配信オンリーとはどういうことだろう。アメリカでもごく小規模での公開だったらしい。出演者も、主人公は「マッドマックス怒りのデスロード」でニュークを演じたニコラス•ホルトでそこまで有名ではないけれど、他にはトニ•コレット、J.K.シモンズ、キーファー•サザーランドと結構有名どころが出ているし、内容は地味だがクオリティはここ10年くらいのイーストウッド作品としてはトップクラスの緊迫の法廷劇で、扱いの低さが納得いかない。いかにも...映画評「陪審員2番」(クリント•イーストウッド監督)

  • カーリング日本選手権決勝

    カーリング日本選手権決勝男子も女子もすごい試合だった男子優勝SC軽井沢準優勝ロコソラーレ(ロコ男子)女子優勝フォルティウス準優勝北海道銀行男子は最後メジャー計測でミリ差でSC軽井沢山口さんの雄叫びと、いつもクールな李空君の涙が感動女子は最後の最後に北海道銀行追いつきエキストラエンド最後、全部出し切った両チーム最後はフォルティウスさやかさんのドローショットで決まるフォルティウス、オリンピック決定戦に進出おめでとう。よかった。決定戦はSC軽井沢女子とロコソラーレとフォルティウスか、なんて楽しみな試合なんだ北海道銀行の若いみんなのキラキラした感じよかったよ。まだまだこれから素晴らしい試合をありがとう!カーリング日本選手権決勝

  • 2024年映画賞 (備忘録)

    そういえば映画賞の季節去年全然見てないので何が来るのかさっぱりわからない備忘録的に外国映画報知映画賞シビルウォー日刊スポーツ関心領域毎日オッペンハイマー秘宝シビルウォーブルーリボンオッペンハイマー日本映画TAMA映画賞夜明けのすべて/ぼくのお日さま報知正体日刊スポーツ侍タイムスリッパーヨコハマ映画祭夜明けのすべて毎日夜明けのすべて映芸青春ジャック止められるか俺たちを2ブルーリボン侍タイムスリッパーあとこれから発表の大きいところはキネ旬、日アカ2024年映画賞(備忘録)

  • 2024 ふりかえり登山・トレラン 山ベスト5

    2024年、5月にトレラン講習会に出て、その後トレランシューズを買って、関東の低山メインで走った。そのうち歩く方の登山熱もぶり返し、登山靴とザックも新調。思い返すと結構あちこち走ったり登ったりした。というわけで2024年の山ベスト5を!5月埼玉日和田山305mトレラン講習会5月群馬横川〜信越線廃線跡ラン6月埼玉武蔵丘陵自然公園クロカン6月茨城筑波山877m7月神奈川弘法山234m〜念仏山347m8月茨城宝筐山461m9月群馬赤城山1827m10月東京御岳山928m11月埼玉宝登山497m12月神奈川大山1252m12月東京高尾山599m〜小仏城山670m1月神奈川鍋割山1272m5位宝筐山461m筑波山の隣にある山。そこまで来て筑波山に登らずこっち行くという選択をする人は少ないかもしれないが、筑波なんて何...2024ふりかえり登山・トレラン山ベスト5

  • 2025年1月の戸田市議会選挙が考えうる最低最悪の結果になった

    数年前まで暮らしていた戸田市の市議会選挙が考える限り最悪の結果となった。絶対に議員にしてはいけない人物がトップ当選している。その男は自称元コメディアンで、ジョーカーを気取って顔を白塗りにして迷惑行為を行うといううすら寒い活動していた。戸田市民は忘れたのだろうかあの男が東京都知事選でワイセツポスターを貼り散らかしてヒンシュクをかったことを今回の選挙でも立花孝志が応援に入ったにもかかわらず、戸田市民は投票しようと思ったのだろうか。立花の愚劣な行為の数々を支持するあの男をいいと思ったのかその男、河合ゆうすけは、市民のために暮らしをよくしようとか、政治を変えようとか、そんな思いは持っていない。草加市議を任期途中で投げ出して、東京都知事選に立候補し、やったことといえばワイセツなポスターを貼り散らかしてヒンシュクをか...2025年1月の戸田市議会選挙が考えうる最低最悪の結果になった

  • 2024 アニメベストテン!

    2024アニメベスト10!映画全然見なかった2024ですが、テレビアニメはやたら見ました。こちらはベストテン選んでもいいくらいは観ている気がするので、2024放送または配信されたアニメの中から個人的なベストテンを書いてみたいと思います----------10位「小市民シリーズ」高校生の探偵が推理で数々の謎を華麗に解決…というほどではなく解決する事件がどれもこれも些細な、どうでもいいような事件ばかりで、なんだかほほえましい。どうやって洗い物を出さずに美味しいココアを作ったのか、からしシュークリームロシアンルーレットに当たったのは誰だったのか、などなどそして、時折入る、鈴木清順風のカット割りのシュールさ派手にならず、大したことは起こらず、無駄に難解な演出を最初は楽しんでいたが、だんだん慣れてきて飽きてきたころ...2024アニメベストテン!

  • 2024ふりかえり テレビドラマ編

    自分はあまりドラマを観ない人で、全話完走するのは多い年で年に3つくらい、少ない年で0くらいなものだった。大ヒットドラマもスルーしがちで、あまちゃんも半沢も逃げ恥も、去年でいうとふてほどとやらも観ていないそれでも2024年は例年になくドラマを結構観たと言っても全話完走したのは「さよならマエストロ」「虎に翼」「ベイビーわるきゅーれエブリディ」「無能の鷹」「下山メシ」5つか。記事一つ書くほど、観たぞ!ってほどでもなかった。でもこの機会に感想を----「さよならマエストロ」クラシック音楽系ドラマはわりとチェックするようになって、一昨年(2023)も「リバーサルオーケストラ」は全話観た。その「リバーサルオーケストラ」と比べたら、はっきり言うとはるかに面白かった。リバーサルのすぐキレる割に具体的なこと言わないパワハラ...2024ふりかえりテレビドラマ編

  • 2024年ふりかえり 映画ベスト

    例年、その年の個人的な映画ベストテンを発表するなどということをやってきたが、去年末はなんか忙しくて書いてる暇がなかった。なので、年を越してからになるが、今年も書いてみたい。とは思ったものの、去年劇場鑑賞した映画は数えてみると6本しかなく、ベストテンどころかベスト5も選ぶ資格はない。去年はランニングに全てを注いで、映画はちょいとおろそかになってしまった。だから今年はベストワンだけ…と言いつつ、去年鑑賞した映画についてはロクに語っていなかった。見た、とブログにも旧Twitterにも書いてすらいない作品もある。(ちなみにトランプ大嫌いな私は当然マスクも嫌いなので大統領選以降旧Twitterに記事をアップしていない)たった6作品だし、見た映画全部について今更ながらあれやこれや書いてみたい。去年劇場鑑賞した作品は以...2024年ふりかえり映画ベスト

  • ブロガー&SNS映画レビュアーの2010年代映画ベストテン_ TOP

    映画を愛する皆様、こんにちは2020年1月より当ブログで募集を開始した「ブロガー&SNS映画レビュアーによる10年代(2010~2019)の映画ベストテン。その集計が完了しました。企画には23名の方にご賛同いただきました。ブログやTwitterで映画批評、レビュー、感想、徒然と映画について10年間書き続けてきた方々、そしてシネフィルな若手映画監督や、映画のスタッフ、映画祭運営担当者などです。2010年から2019年にかけて公開された日本映画、外国映画それぞれのベストテン(投票作品数は日本映画115タイトル!外国映画158タイトル!!)、およびベスト監督とベスト男女優を選出しました。ちなみに・・・当ブログはアフィリエイトなどは行っていないので閲覧が増えても1円も入ってきません投稿してくださった方々も完全にノ...ブロガー&SNS映画レビュアーの2010年代映画ベストテン_TOP

  • 追悼 冬木透さん

    追悼冬木透さん初めて買ったサントラアルバムはウルトラセブンだった。セブン、帰ってきた、エース、レオ、ザ⭐︎、80とウルトラマンシリーズの音楽はこれだ!という世界を作ってくれた帰ってきたのMATのテーマ、通称「ワンダバ」は怪獣と戦う勇敢な人たちになりきらせてくれたワンダバはTACもUGMも素晴らしかった。MACの曲はワンダバコーラスがなかったが、かっこよかったセブンの怪獣登場シーンのティンパニによる曲が好きだウルトラホーク1号発進シークエンスの曲が好きだ(発進シークエンスをフルサイズで観れる『ダークゾーン』は必見だ)帰ってきたウルトラマンの活躍シーンのトランペットのメロディが好きだ本編であまり使われなかったがレオの戦いのテーマも好きだついウルトラばかり思い出すが、「ダグラム」や「ガリアン」の音楽も冬木透だ。...追悼冬木透さん

  • 2024夏シーズンアニメ感想

    夏期(7〜9月シーズン)のアニメのうち、全話完走したものの感想を『異世界スーサイドスクワッド』『小市民シリーズ』『ザ•ファブル』『逃げ上手の若君』『推しの子(2期)』★★★★★★→最高★★★★★☆★★★★☆☆★★★☆☆☆★★☆☆☆☆★☆☆☆☆☆→最悪-----『異世界スーサイドスクワッド』★★★★☆☆DCコミックのヴィラン(悪もの)どもがチーム組んで…剣と魔法の異世界に送り込まれる。先に来ていた悪党どもが異世界を支配しようとしていて、悪党同士の戦いが始まる。みたいな物語。DCコミックにそんなに詳しくないので、出てくるキャラで知ってるのはジョーカーとハーレイクィンくらい。あんま面白くないなぁ…と思いながらもハーレイが可愛いというその一点が最後まで観るモチベになった。まあ、でも、アクションカッコいいし、ギャグ...2024夏シーズンアニメ感想

  • 映像作品とクラシック音楽 第104回 『響けユーフォニアム3 』のサントラを聴きながら振り返る ~最終楽章

    というわけで、もう最終回が終わって3ヶ月になろうというのに、響けユーフォ3の振り返りです。私も最近はユーフォロスも抜けて、推しの子が面白過ぎるぅとか言っちゃってるんですが、それでもユーフォ3期を思い返すとまた熱い感動がよみがえってきてしまいます。めちゃくちゃ長い記事になってしまい恐縮ですが、一気に最終回まで駆け抜けましょう第一話冒頭シーンの答え合わせと、何が何でも今年中に見てほしいと言ったことの理由の解説が最後にありますよ!!----------前回は主に第10話について書きました。今回は11話から最終話(第13話)まで駆け抜けます。第11話ですが、久美子演説により北宇治吹部は一体感を取り戻し関西大会を突破します。麗奈も久美子演説に心を動かされ二人の仲も急速に修復されます。だがしかし久美子にはもう一つの重...映像作品とクラシック音楽第104回『響けユーフォニアム3』のサントラを聴きながら振り返る~最終楽章

  • 映像作品とクラシック音楽 第103回 『響けユーフォニアム3 』サントラを聴きながら振り返る〜後編

    さて、前回に続いてのユーフォ3期の振り返りとなります。今年の4月から放送開始したこの作品、出だしこそスロースタートな感じはありましたが、8話くらいから毎回怒涛の展開で、特に10話以降は毎回神回という壮絶さでした。久美子と麗奈と真由と、北宇治高吹奏楽部の行末を固唾を飲んで見守ったのでした。物語も中盤になってくると、真由が毎回のようにオーディション辞退しようかと久美子に問いかけることの執拗さに久美子でなくても少しイラッとしてきます。私たちはユーフォ1期で、当時1年生だった麗奈が実力で3年生の香織先輩を蹴落とし、その麗奈を「命をかけて」と言うとオーバーに聞こえますが、それくらいの覚悟で支持した久美子のことを知っています。部長である久美子は北宇治吹部が実力至上主義であることに妥協の余地は一切ありません。麗奈と2人...映像作品とクラシック音楽第103回『響けユーフォニアム3』サントラを聴きながら振り返る〜後編

  • 葬送のフリーレン オーケストラコンサート

    2024/9/21横浜パシフィコ国立大ホール作曲エヴァン・コール指揮田尻真高演奏東京フィルハーモニー管弦楽団ゲストmilet#フリーレンオケコン#葬送のフリーレン圧巻、感動miletさんのエンディングテーマも聴けて大満足アンコール1曲目はエヴァンさん自身指揮のスペシャルメドレーアンコール2曲目は撮影OKとのことで東京フィルの演奏素晴らしい-----エヴァン・コールの音楽の魅力は、民俗音楽っぽさ、とりわけケルト音楽っぽいところにある。だから一瞬だけジェームズ・ホーナーがフラッシュバックしたのかと、今日のコンサートで思った。サントラでは数々の古楽器が使われていたが、オケコンでは古楽器の数を絞り、バイオリンなど現代の楽器に置き換える編曲を行ったという。エヴァンさんは流暢な日本語で(「あかん!」とか関西弁も交えた...葬送のフリーレンオーケストラコンサート

  • 響けユーフォニアム3 サントラを聴きながら振り返り 前編

    4月より始まった響けユーフォニアム3。6月末の最終回までそれは至福の3ヶ月でした。最終回からしばらくユーフォロスに襲われていたのですが、7月末になってやっと発売されたサントラ盤アルバムを聴いて、再びあの頃の熱い想いが蘇ってまいりました。改めてサントラを聴きつつ『響けユーフォニアム3』を振り返ってみましょう。もしまだ観ていない方がおられましたら、配信でも良いので、必ず今年(2024)のうちに観てください。今年でなければいけないのです。なお、響けユーフォニアムテレビシリーズのシーズン1、2(久美子1年生編)について書いた過去記事は↓映像作品とクラシック音楽第25回『響け!ユーフォニアム』-自主映画制作工房Stud!oYunfat改めALIQOUIfilm映評のページつい先日、一気呵成に全話視聴してしまい、感動...響けユーフォニアム3サントラを聴きながら振り返り前編

  • パリオリンピック 印象深い外国人選手ベスト5

    パリオリンピックが終わりました。アスリートの皆さんありがとう。というわけで、個人的に印象深かった外国人選手5選5位出口クリスタ(カナダ)柔道女子57kg級金メダル。インスタがイケメンすぎる美女。二の腕に惚れそう。しかも塩尻出身。4位インディア(オランダ)女子ブレイキンで日本のAMIちゃんを準決勝で追い詰めたダンサー。AMIちゃんが決勝まで温存しておくつもりだった技を準決勝で使わせた。ここで敗れては元の木阿弥ここで使うもやむなし、と鬼滅の悲鳴嶼さんみたいなことを思ったかは知らないが、最強技を使わせたインディアさんのパワフルさを私は忘れない3位テディ・リネール(フランス)柔道男子100kg超級のリビングレジェンドなスター選手。フランス母国開催でありながら金メダルを取れなかった柔道大国フランスに最後の最後で金メ...パリオリンピック印象深い外国人選手ベスト5

  • r.i.p. ロバート・タウン

    脚本家のロバート・タウンが亡くなった私の生涯ベストテンに入る映画『チャイナタウン』の脚本家だ。『チャイナタウン』ではアカデミー賞の脚本賞を受賞し彼の代表作と言っていい。しかし『チャイナタウン』のプロデューサーロバート・エバンスの自伝「くたばれハリウッド」を読むと、非常に複雑な事情があったことがわかる『チャイナタウン』のタウンによる最初の脚本はエバンスにも、ニコルソンにもポランスキーにも、誰にもさっぱり理解できないものだったという。タウンによるとロサンゼルスがいかにして水を手に入れたか、という物語だったそうだ。監督ポランスキーはタウンの脚本を独自の解釈で愛憎劇に重きを置いて撮った。タウンは認めなかった。しかしエバンスとニコルソンはポランスキーを支持し、ポランスキーの映画として完成した。タウンは不満たらたらだ...r.i.p.ロバート・タウン

  • エヴァン・コール 「葬送のフリーレン」オリジナルサウンドトラック

    3月で一旦終了してしまいましたが、もちろん皆さん「葬送のフリーレン」観てましたよね。フェルンがプリプリしてるの見てほっこりしてましたよね。フェルンとシュタルクに対してあなたも「もう付き合っちゃえよ!」って思ってましたよね。断頭台のアウラに「自害しろ」ってフリーレンと一緒に言ってましたよね。いやぁ、面白かったですね。でもこのアニメ、音楽がまた良かったんですよ。フリーレンと言えば、主題歌を、最近岸田と一緒にアメリカ行って夜遊びしていたとか言う二人組のなんとかって音楽ユニットが歌ったのも話題でしたね。もちろん皆さん知ってますよね。「🎵君は完璧で究極のアイド…」…ん?あ、そっちじゃない?まあ、クラシックと映画音楽と少しジャズしか興味ないおじさんなのでそいつらはほっとくことにします。問題なのは主題歌...エヴァン・コール「葬送のフリーレン」オリジナルサウンドトラック

  • アニメ 2024年4〜6月期見始め…

    フリーレンと薬屋ロスに襲われるかと思いきや、そんな暇もないほど次の曲が始まるのです。「ゆるキャンシーズン3」やったーまたナデシコに、リンに、チアキに、イヌコに、エナとちくわに、ベロ酔い先生に会えるぞ、とワクワクマックスで見始めたゆるキャン3だけど、あれあれ?監督が変わったぞ。え、なんで?と、少し不安になりつつも、本編が始まってみればいつものように何も大したことの起こらない相変わらずのゆるキャンぶりに安心シーズン2の終盤に出てきたなでしこの幼なじみの綾ちゃんがレギュラー化するのか?声は黒沢ともよさん。スキップ、メタリックルージュ、響けと何にでも出るね「烏は主を選ばない」いや、ほんと、原作も知らないし、前情報何もなく、和風ファンタジーだから(フリーレン、ダンジョン飯と洋風ファンタジーが続いたので)面白そう、観...アニメ2024年4〜6月期見始め…

  • アニメ2024_1〜3月期

    ちょいと書くの遅れたけど、2024年1〜3月期の印象的だったアニメについて『葬送のフリーレン』昨年10月期から続けての第二期。観ていくうちにどんどんハマっていく。ジャンプ漫画ならすぐにバトルが始まるのに、この作品はバトルになりそうになってもするりするりとかわしていく。フリーレンが伝説すぎるからか。それでも一級魔法使い試験編は、色んな個性的な魔法使いが入り乱れ楽しかった。デンケンさんの「男なら殴り合いじゃーッ!」は笑った。1期からオープニングは変わったがエンディングは変わらずmiletのAnytimeAnywhereで、「せめて、会いたいなんて言わないから、今日だけは思い出していいかな」のくだり聞くたびになんか知らんけど泣けてくる。そしてエヴァン・コールさんの劇伴音楽がほんと素晴らしく、サントラ予約してしま...アニメ2024_1〜3月期

  • サントラCD評 ジェームズ・ニュートン・ハワード『NIGHT AFTER NIGHT』

    思ってたより遥かに素晴らしいアルバム作曲家ジェームズ・ニュートン・ハワードが手がけたM・ナイト・シャマラン監督作品の音楽集。サントラそのままではなく、JNHが編曲し直し、オーケストラとコーラスに加えて、ジャン=イブ・ティボーデのピアノと、ヒラリー・ハーンのバイオリンが印象深くフィーチャーされている。特に原曲ではそこまで入らなかった、あるいは全く入らなかったピアノが全曲にわたって添えられて、まるでJNHのピアノ協奏曲の趣き。映画音楽としては「職人」的な仕事の多いJNHだが、彼は本当はこんな美しい曲を思う存分書きたい人なんだ。そしてJNHにそうした音楽の場を提供し続けてきた監督はM.ナイト・シャマランだけだった。ジェームズ・ニュートン・ハワードは90年代以降、ハリウッドのフロントラインを走る作曲家だ。誰もが知...サントラCD評ジェームズ・ニュートン・ハワード『NIGHTAFTERNIGHT』

  • 2023年映画ベストテン

    本当はアキ・カウリスマキ観てから書こうと思っていたのだけど、とりあえず現時点でのベストテン。2022年作品も混じってますが、まあ今年になって見た作品ということで-----1位『RRR』(S.S.ラージャマウリ)2位『TÁR/ター』(トッド・フィールド)3位『フェイブルマンズ』(スティーブン・スピルバーグ)4位『月』(石井裕也)5位『Yokosuka1953』(木川剛志)6位『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol3』(ジェームズ・ガン)7位『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(マーティン・スコセッシ)8位『ほかげ』(塚本晋也)9位『苦い涙』(フランソワ・オゾン)10位『君たちはどう生きるか』(宮崎駿)次点『特別編響け!ユーフォニアムアンサンブルコンテスト』(石原立也)その他印象的な作品『西部戦線異常な...2023年映画ベストテン

  • アニメ2023ベストテン!

    今年(2023)はずいぶんアニメをたくさん見てしまった。一年の締めくくりに今年見たアニメベスト10なんてのを発表してみようと思う。といってもリアタイで新作アニメチェックしてるわけではなく、主に配信での鑑賞なので2023年の新作アニメのベスト10ではなく、私が2023年に見たアニメのベスト10である。といってもあんま古いのは選外にして2022年以降の作品から選んでみた。あと劇場アニメも選外としている。では第10位からカウントダウン形式で…第10位『葬送のフリーレン』原作は未読。剣と魔法のファンタジー世界ものとしては世界観はオーソドックス。やはり面白いのは魔王を倒したところから物語が始まり、かつての冒険の仲間たちがみな年老いて亡くなっていく中で1人あの頃と変わらず若い見た目を保っている長寿族のエルフの冷めた眼...アニメ2023ベストテン!

  • アニメ感想「パリピ孔明」

    パリピ孔明のくせにスッゲー面白かった諸葛孔明が現代の渋谷に転生し、ある女性シンガーの軍師となって彼女をスターにしていく話。くっだらねーけどうける〜…なノリで見続けていたのだが、気がつくとガッツリハマっていた。パリピ孔明のくせに燃えて泣かせる。原作も読む。ストーリーはアニメと原作でほぼ同じだが…アニメの方が格段に面白い当たり前だが原作コミックからは音楽が聞こえてこない。この場面はすごく素敵な歌が聞こえているんだろうな、と想像しながら読むしかない。漫画としての演出不足かもしれない。だがアニメは実際に素敵な歌が、歌詞が、メロディが聞こえてくる。KABE太人と孔明のラップ対決も原作で吹き出しで読むのと、アニメで実際にラップで聴くのとでは感動も興奮も段違いだ。(KABEの声とラップは千葉翔さんで「青のオーケストラ」...アニメ感想「パリピ孔明」

  • 映像作品とクラシック音楽 第99回 ジョン・ウィリアムズ×サイトウキネンオーケストラ コンサート(東京サントリーホール2023.9.5) 後編

    23年9月5日サントリーホールでのジョン・ウィリアムズ来日コンサートのレポートの後編です。前半ステファン・ドゥネーブによるE.T.などで会場は相当温まっております。休憩を挟んで後半が始まります。オケのメンバーが席に着くとやはり緊張感が高まります。そして、ついに登場です。ジョン・ウィリアムズ!!中学のころようやく映画の面白さに気づかせてくれた多くの映画でしょっちゅうその名前を見たJohnWilliamsが、今目の前を、本物が歩いている!もっとも7年前にフィラデルフィアで見ているのですが、しかししかし我らがジャパンの地でまた姿を見る事ができるなんて!!会場は当然の総立ち、万雷の拍手!さすがに91歳、スタスタとは歩きません。おじいちゃんぽい歩き方です。指揮台の上り下りの際にはコンマスが介添えしておりました。そし...映像作品とクラシック音楽第99回ジョン・ウィリアムズ×サイトウキネンオーケストラコンサート(東京サントリーホール2023.9.5)後編

  • 映像作品とクラシック音楽 第98回 ジョン・ウィリアムズ×サイトウキネンオーケストラ コンサート(東京サントリーホール2023.9.5) 前編

    9月5日の東京のサントリーホールでのサイトウキネンオーケストラとジョン・ウィリアムズのコンサートに行ってまいりました。相当な倍率だったチケット抽選に運よく当たったのです。コンサートからだいぶ経ってしまいましたが、なんか感動の余韻が続いて言葉にするのをためらっていたのですが、思い出しながらコンサートの様子を書いてみたいと思います。9月5日。その3日前に長野県松本市で行われたセイジオザワ記念音楽祭の今年の目玉企画でもあり、それと同じプログラムとなります。松本には15年住んでいたこともあり、本当はそっちのコンサートに行きたかったのですが、そちらはチケット抽選に外れました。松本では演奏の後に小澤征爾さんが登壇しジョンがハグしたりと、とても感動的な場面があったそうです。コンサートは、前半をステファン・ドゥネーブが指...映像作品とクラシック音楽第98回ジョン・ウィリアムズ×サイトウキネンオーケストラコンサート(東京サントリーホール2023.9.5)前編

  • 映像作品とクラシック音楽 第97回 『モリコーネ 映画が恋した音楽家』

    久々投稿となります。今回は、劇場公開時に見逃してしまったエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー映画を配信で鑑賞したのでそれについてです。モリコーネは、私の投稿だとジョン・ウィリアムズの次くらいによく取り上げる作曲家ですね。って、もうクラシックCD鑑賞部屋の投稿っぽく無いですね。本作はイタリアの作曲家で主に映画音楽の世界で活躍したエンニオ・モリコーネのドキュメンタリーで、生前のモリコーネへのインタビューを中心にまとめられたものです。モリコーネ本人だけでなく、モリコーネと関わった人たち、モリコーネをリスペクトする人たちへのインタビューも多く含んでいます。重要なのは本作の監督がジュゼッペ・トルナトーレというところですね。そうです、『ニューシネマパラダイス』の監督です。ぺーぺーのルーキーだったトルナトーレが、デビ...映像作品とクラシック音楽第97回『モリコーネ映画が恋した音楽家』

  • アニメの感想『リコリス・リコイル』

    日本は平和で治安の良い国で、殺人鬼やテロリストに襲われるなんてことは全然無い…というのは実は大嘘で日本は日夜テロリストどもに攻撃を受けているのだが、それをリコリスと呼ばれる特殊暗殺部隊が秘密裏に始末し襲われた痕跡を全て消していたのだ。リコリスは10代の女の子たちによって組織されたチームで(なんで?)、彼女らは戸籍がなく、多分基本的人権の対象外の存在だ。隊員は普段は女子高生風の制服に身を包み(なんで?)、鍛え抜かれた銃撃と格闘スキルと最先端技術を駆使して戦うのである。んで、そのリコリスの隊員であるタキナは、仲間を助けるため命令違反を犯してテロリストどもを皆殺しにしたことを咎められ、リコリス本部の華型部隊から閑職へと左遷される。新たな任務は喫茶リコリコの店員となって、喫茶リコリコが本部から時々請け負う仕事をす...アニメの感想『リコリス・リコイル』

  • アニメの感想『ハコヅメ 交番女子の逆襲』

    交番勤務の新人女性警官川合麻依は警察官のあまりの激務さと働けば働くほど市民に嫌われていくようなやりがいのなさにモチベだだ下がり。今日こそ辞めてやると辞表を書いて出勤したその日…ペア長が突然の交代になると告げられ、新しいペア長として美人で凄腕だが「部下へのパワハラ」で降格になったと噂される藤聖子が交番に転属してくる。スーパー婦警の藤と、ダメダメ警官の川合のコンビの愚痴まじりつつ治安を守る交番勤務の日々が描かれる。----電子版コミックで実は相当ハマっていた漫画で、アニメもあると最近知って一気見。そんでやっぱり面白い原作に極めて忠実なのは最近のアニメみんなそうだけど、ハコヅメは独特の語り口が魅力でありアニメに向いてないのでは?とも思っていた。なにしろアクション的な見せ場はほぼ無くて、ゆるめのトークが主体の原作...アニメの感想『ハコヅメ交番女子の逆襲』

  • 映像作品とクラシック音楽 第93回 『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』

    前回は絶賛放送中のアニメ『青のオーケストラ』について書きまして、ストーリーや映画的演出のうまさに心打たれるものがありつつも、アニメ表現としての物足りなさにフラストレーションが溜まるのも事実で…そうしていると、以前にも書いた『響け!ユーフォニアム』をまた観たくなりまして、未見のままだった、響けユーフォの劇場版にして、TVシリーズ第2シーズンの続きに相当する『誓いのフィナーレ』を観たのでした。…いやあ、京都アニメーションの技術力と表現力は本当にすごい。予算の差もあるのかもですが、明らかにそれだけの問題ではない凄さがありました。『青のオーケストラ』もこれと比べられたら可哀想です。格が違います。青オケで描く弦楽器と比べて、響けの管楽器の方がアニメ表現しやすい、というのはあるかもしれません。弦楽器は腕を大きく動かし...映像作品とクラシック音楽第93回『劇場版響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』

  • 『響け!ユーフォニアム 〜アンサンブルコンテスト〜』

    映像作品とクラシック音楽第96回『響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』いい歳したおっさんが女子高生吹奏楽青春アニメを公開初日から観に行ってしまうのです。好きだから良いじゃないですか。久美子たんに、麗奈様にまた会いたいんだもん!さて、本作はこないだ紹介しました「響け!」シリーズ劇場版第3作『誓いのフィナーレ』のラストの直後くらいからのスタートとなります。北宇治高2年の久美子が新部長に就任。3年の優子元部長や夏樹元副部長、それからスピンオフ映画で主役だった鎧塚みぞれセンパイと希美センパイらは、引退しております。副部長に塚本(久美子の元カレ)、そしてドラムメジャーには麗奈様が就任しています。そんな新体制の北宇治吹奏楽部での久美子の初仕事はと言うと、アンサンブルコンテストの代表選出をかけて、部内を3〜...『響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』

  • 『TÁR / ター』(映像作品とクラシック音楽 第94回)

    映画が始まると、非西洋的で、非東洋的(中国や日本では無さそうくらいの意味)な響きの少女の歌声がかかります。物語的にはリディア・ターとフランチェスカ(リディアの秘書)とクリスタ(後に重要な役割を果たす女性指揮者)らが民俗音楽の研究をしていたころ、南米奥地の部族の歌を収録したものだと言うことですが、そんなことよりオープニングシーンで気になって仕方ないことがありました。オープニングクレジットが、明らかにエンドクレジットなのです。普通はオープニングクレジットは、主要なスタッフとキャストだけを紹介するものですが、本作ではオープニングからその他大勢的な細々としたスタッフ名を流します。エンドクレジットなみの長さなので、結構な尺です。体感10分、実際には多分5〜6分の長ーいクレジットで映画が開幕します。これが昔のフィルム...『TÁR/ター』(映像作品とクラシック音楽第94回)

  • 怪物 [監督:是枝裕和]

    是枝裕和監督の『怪物』を観たのですが、なにやらモヤっとする映画でありました視点が変わることで一つの事件も見え方が全然違う…という是枝監督の一貫した姿勢を、今回さらに重層的に展開した脚本はうまいと思います…が…最後に種あかし的な展開が悪いわけではないのですが…『誰も知らない』や『万引き家族』は、あの子供たちや家族に「うらやましい」という感情を抱きました。そのうらやましさがあまりに大きな代償を伴うからこそ映画は痛みの記憶と共に深い余韻と社会性を得たように思います。けれども『怪物』を観て私が抱いた感情は、ただただ「かわいそう」でした。『誰も知らない』や『万引き家族』が、この電車はいつか行き止まりに着くと分かっていながら降りられなかった人たちの物語だとするなら、怪物は行き止まりに向けて加速のスロットルを上げてしま...怪物[監督:是枝裕和]

  • 狼 男たちの挽歌・最終章

    なんだか急にジョン・ウーを見たくなって、ソフトを持っていない幾つかの作品を配信で鑑賞。-----------【狼の映画史的な位置づけ】「狼・男たちの挽歌最終章」は、原題「喋血雙雄TheKiller」という。「男たちの挽歌」シリーズとは全然関係ないが、邦題で勝手にシリーズにされてしまった。まあ、スピルバーグの「続・激突!カージャック」とかセガールの「沈黙の~」とか邦題にはよくあることだ。英題の「TheKiller」は分かりやすいが、広東語題の「喋血雙雄」とは…漢文苦手なので間違っているかもしれないが、「喋血」が「血の海」、「雙」は「双」にあたり、血の海に立つ両雄…みたいな意味かな?ちなみに「喋血雙雄」は広東語としての文法的な意味とは少し別な意味もあって、高倉健主演・石井輝夫監督の「ならず者」の香港公開時のタ...狼男たちの挽歌・最終章

  • Yokosuka 1953[監督:木川剛志]一通のFacebookメッセージから始まる日米戦後史の闇

    鑑賞からだいぶ経ってしまい申し訳ありませんが木川剛志監督のドキュメンタリー映画『Yokosuka1953』の横須賀上映に行ってきましたのでその感想をあげます。一言で言って、最高に素晴らしい映画。未見の方、ぜひ見てください。RRRくらい強くオススメします。2017年の「第9回商店街映画祭ALWAYS松本の夕日」にてグランプリを受賞した『替わり目』の木川剛志監督による渾身のドキュメンタリー映画。キネマ旬報ベストテンの文化映画ベストテンで22位にランクインされた(2022年度)実はかれこれ観るのは2回目なのですが、大きい会場で観るのは初めて。今回、あの『Yokosuka1953』が、横須賀で上映されるというので、これは観たい!と思って片道2時間かけていってきました。統一地方選の真っ只中だったので、早速小泉進次郎...Yokosuka1953[監督:木川剛志]一通のFacebookメッセージから始まる日米戦後史の闇

  • ザ・ホエール [監督:ダーレン・アロノフスキー]

    かつて『ハムナプトラ』シリーズでイケメン冒険野郎として名を馳せた(ほどでもないか)ブレンダン・フレイザー。そういえばこないだのアカデミー賞で久しぶりに名を聞いた。冒険野郎といえばハリソン・フォードが80超えてなお失われた聖櫃のころとあまり体型が変わらずまだインディやろうってのに、ブレンダンはあの頃の女の子をキャーキャー言わせていた(のか?)頃の面影は見る影もなく、半分くらいはメイクアップとは言え別の意味でキャーキャー言わせそうな姿に変わってしまっていた。調べるとしばらく姿を見なかったこれまでの期間、なかなか大変だったらしく、セクハラにあったり、体調を崩したり、結婚が破綻したり、心もズタズタな生活だったそうである。そう思うと、今回のブレンダンの役も、ここ10数年の彼の生活と少しダブるところがある。そういえば...ザ・ホエール[監督:ダーレン・アロノフスキー]

  • 映像作品とクラシック音楽 第89回 ジョン・ウィリアムズ 松本コンサートの演目を予想する

    ジョン・ウィリアムズが10月に松本で行われるセイジ・オザワ松本フェスティバルで指揮棒を振ります。ついにこの日が来たか!生きててよかった!っていうかジョンさん元気すぎ!そこで今回は、松本でジョン・ウィリアムズ指揮でサイトウキネンオーケストラが演奏する曲目を予想してみるという不毛なことをやってみます。そこまでやってチケット取れなかったら恥ずかしいですね。------さて松本でのコンサート演目予想について参考にするのはプレスリリースの簡単な紹介文(スターウォーズとE.T.とハリーポッターはもう決定しているっぽい)あと最近の作品や、日本がらみの曲を演奏するだろう…という予想2016年のフィラデルフィアコンサート2020年ウィーンフィル2021年ベルリンフィルでの演目特に2016年フィラデルフィアは重要です。今回の...映像作品とクラシック音楽第89回ジョン・ウィリアムズ松本コンサートの演目を予想する

  • 映像作品とクラシック音楽 第88回 『リバーサルオーケストラ』最終回終わったのでまとめ感想

    日テレのドラマ『リバーサルオーケストラ』が最終回を迎えてだいぶ経ちました。演出、脚本には激しく文句を言いたいのですが、サントラも買っちゃったし、門脇麦さんの演技はやはり素晴らしかったし、いったい初音は誰が好きなんだ?!的な恋のゆくえを気にしたりと、なんだかんだで結構楽しんだ全10話でした。時代の波や社会の偏見と戦う的な深刻な話には全くせず、ごく普通で平凡な、つまりは身近な悩みにフォーカスして、クラシック音楽を題材にしながらおやつ感覚でライトに楽しめるドラマにしたことも良かったと思います。しかし、それでも言わせてもらうと、演出と脚本!もうすこしなんとかならんかったの!?さすがにそれは言わせてほしいというところをいくつかと、そんな中でも演出の良かった場面について思い出しながら書いてみたいと思います。なお最初に...映像作品とクラシック音楽第88回『リバーサルオーケストラ』最終回終わったのでまとめ感想

  • フェイブルマンズ 〜主にジョン・ウィリアムズの音楽について

    お疲れ様です。アカデミー賞は『エブリシングエブリウェアオールアットワンス(以下エブエブ)』の圧勝に終わりましたが、作品賞候補になっていたスピルバーグ作品も忘れてはいけません。エブエブで助演男優賞を受賞した、キーホイクワン君の映画デビューはスピルバーグ映画でした。スピルバーグの横に座る奥様のケイト・キャプショーはキー君のそのデビュー作での共演者でしたし、作品賞のプレゼンターがそのデビュー作の主演俳優のハリソンフォードなわけで、キーホイクワンのための受賞式に見えたわけです。そしてキー君のデビュー作で音楽を務めたジョン・ウィリアムズもまた今回アカデミー賞候補になっておりました。やっと彼らと肩を並べる位置にキー君が帰ってきましたが、みんなこの40年近く越えられない山であり続けキー君は己の力でその山に登ったのです。...フェイブルマンズ〜主にジョン・ウィリアムズの音楽について

  • アカデミー賞2023

    予想と結果の答え合わせ20部門中14部門的中…と言っても作品、脚色、主演男女、助演女優と主要どころを外したのでちっとも自慢になりません作品×トップガンマーヴェリック→エブエブ監督○ダニエルズ(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス以下エブエブ)脚本○エブエブ脚色×トップガンマーヴェリック→ウーマントーキング主女×ケイト・ブランシェット→ミシェル・ヨー主男×オースティン・バトラー→ブレンダン・フレイザー助女×アンジェラ・バセット→ジェイミー・リー・カーティス助男○キー・ホイ・クワン撮影○西部戦線異常なし編集○エブエブ作曲○西部戦線異常なし歌曲○RRR美術×バビロン→西部戦線異常なし衣装○ブラックパンサーワカンダフォーエバーメイク○ザ・ホエール視覚○アバターウェイオブウォーター音響○トップガンマー...アカデミー賞2023

  • ブレードランナーLIVE (2023/3/5渋谷bunkamuraオーチャードホールにて)

    私、生涯で一番好きな映画は?と問われると1秒の迷いもなく『ブレードランナー』と答えます。なにをどう贔屓目に見てもクラシック音楽と関係ない映画ですが、強いて言えば生演奏の演奏会であるところがクラシックっぽいと言えなくもないので、無理矢理は承知でここに書きます。目次●ブレードランナーLIVEの感想●蛇足1ブレードランナーサントラアルバム、ニューアメリカンオーケストラ版について●蛇足2ブレードランナー初心者のための公開バージョン解説-----ブレードランナーLIVEの感想----2023/3/5渋谷bunkamuraオーチャードホールにて『ブレード・ランナー』(リドリー・スコット監督、1982年作品…を再編集し1992年に「最終版」と銘打たれて公開されたバージョン…をさらに再編集し2007年に公開された「ファイ...ブレードランナーLIVE(2023/3/5渋谷bunkamuraオーチャードホールにて)

  • 映像作品とクラシック音楽 第84回 『戦艦ポチョムキン』ショスタコーヴィチ版

    #映像作品とクラシック音楽#ショスタコーヴィチ#エイゼンシュタイン皆様こんにちは今回取り上げるのは『戦艦ポチョムキン』です。あまり大きな声で言いたくないのですがコロナにかかっちゃいまして、1日寝てるだけなのも辛いもので暇つぶしに見たのが、DVDコレクション棚から10年以上ぶりに取り出した『戦艦ポチョムキン』でした。『戦艦ポチョムキン』は1925年のセルゲイ・エイゼンシュテイン監督のソ連映画です。社会主義プロパガンダ映画には違いないのですが、そうした思想性を凌駕する美しさと面白さがみなぎる映画史に残る傑作です。エイゼンシュテインは「モンタージュ理論」を実践するように本作を作りました。モンタージュとは語弊を恐れず大雑把に言えば「フィルム編集」のことです。映画にチョー詳しい奴からは違うだろって秒でツッこまれると...映像作品とクラシック音楽第84回『戦艦ポチョムキン』ショスタコーヴィチ版

  • 映像作品とクラシック音楽 第83回 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

    #映像作品とクラシック音楽#アルビノーニのアダージョ#マンチェスターバイザシークラシック音楽が印象的な映像作品についてうだうだ語るシリーズ、今回はケネス・ロナガン監督の2016年作品『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を取り上げます。アカデミー賞で作品賞他6部門にノミネートされ、脚本賞と主演のケイシー・アフレックが主演男優賞を受賞しました。ケイシー・アフレックはベン・アフレックの弟で、ベン・アフレックのマブダチのマット・デイモンが本作ではプロデューサーを務めています。タイトルの「マンチェスター・バイ・ザ・シー」とは舞台となる町の名前です。アメリカ北東部、マサチューセッツ州の町です。「海辺のマンチェスター」とでも訳したくなりますが、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の4単語が町の正式名称なので「バイ・ザ・シー...映像作品とクラシック音楽第83回『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

  • アカデミー賞予想2023

    毎年外しまくっていますが、外す原因はわかっています。過去のデータを元に○○賞候補になると受賞するとかしないとか分析すると外すのですだから今年は思いっきり逆張りで予想しようと思います作品トップガンマーヴェリック監督ダニエルズ(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス以下エブエブ)脚本エブエブ脚色トップガンマーヴェリック主女ケイト・ブランシェット主男オースティン・バトラー助女アンジェラ・バセット助男キー・ホイ・クワン撮影西部戦線異常なし編集エブエブ作曲西部戦線異常なし歌曲RRR美術バビロン衣装ブラックパンサーワカンダフォーエバーメイクザ・ホエール視覚アバターウェイオブウォーター音響トップガンマーヴェリックアニメピノッキオ長ドナワリヌイ国際西部戦線異常なし-----もはや監督賞と編集賞で候補になってな...アカデミー賞予想2023

  • 映像作品とクラシック音楽 第82回 『リバーサルオーケストラ 第一話』

    第一話物語…さいたまのとあるポンコツオーケストラの立て直しのため市長の息子でヨーロッパで活躍する指揮者の常盤朝陽が呼び戻される。あまりのオケのポンコツぶりにやる気を無くす朝陽だが、その市役所で働く地味な女性が実はかつて天才バイオリニストとして一世を風靡しつつも、突如楽界から姿を消した谷岡初音であることを知り、彼女をコンマスに迎えてオケを一流に叩き上げようとする。しかし初音は頑として演奏を拒むのだった…---------普段あまり連ドラを見ない私ですが、オーケストラネタであることと、「映像作品とクラシック音楽」のネタ作りのために観てみました(笑いや、それだけではないです主演の門脇麦さんが好きなのです自分自身とまったく違う人間になりきれるすごい女優です『さよなら、くちびる』という映画がありまして、インディーズ...映像作品とクラシック音楽第82回『リバーサルオーケストラ第一話』

  • 映像作品とクラシック音楽 第81回 『ブラック・スワン』〜「白鳥の湖」の狂気の舞台裏

    あけましておめでとうございます。100回目指してコツコツと今年も書き続けます。今回は2010年のダーレン・アロノフスキー監督作品『ブラック・スワン』です。物語はニューヨークのとあるバレエ団でプリマを目指すナタリー・ポートマン演じる若いバレエダンサーが、新解釈『白鳥の湖』のプリマに大抜擢されまして、しかし極度のプレッシャーと、白鳥と黒鳥の演じ分けで神経をすり減らしていき、狂気に支配されていく…というものです。ナタリー・ポートマンは『レオン』の女の子で男女問わずキャーキャー言われた少女時代でキャリアをスタートさせたアイドル女優でした。『スターウォーズ』新3部作で後のルークとレイアの母となるパドメ・アミダラに大抜擢され、愛するアナキンがダークサイドに堕ちていく事で心を病んでしまったパドメがちょいとだけダブってく...映像作品とクラシック音楽第81回『ブラック・スワン』〜「白鳥の湖」の狂気の舞台裏

  • 2022年の映画ベスト

    毎年恒例私の年間ベストベストテンなどと言えるほど鑑賞したわけではないのですが、配信鑑賞も含めてなんとか10本あげてみました。といってもこの時点でノーウェイホームもベルファストもシンウルトラマンもクライマッチョもベイビーブローカーもアバターも観てません。そんなんだからベスト映画を選ぶ権利なんてないのかもしれませんなお鑑賞タイミングの問題で2021年の作品も混ざってますが、まあご容赦ください1.コーダあいのうた2.ケイコ目を澄ませて3.パラレル・マザーズ4.トップガンマーヴェリック5.私たちの家族6.ドライブ・マイ・カー7.機動戦士ガンダムククルスドアンの島8.ウェストサイド・ストーリー9.パワー・オブ・ザ・ドッグ10.ベイビーわるきゅーれ-----10位ベイビーわるきゅーれ(監督:阪元祐吾)女の子にガチアク...2022年の映画ベスト

  • 湘南国際マラソン出走記 2022/12/4

    だいぶたってしまったが、湘南国際マラソンの出走記をつけておこうと思った2022年12月4日9時スタート湘南国際マラソンフルマラソンを出走湘南国際マラソンのエントリーは2回目。ただし前回はコロナのため中止となり、走ったのは今回が初めて松本マラソンや千葉アクアラインマラソンは「難コース」だったが、湘南国際マラソンは優しいコース海岸沿いの国道を大磯から江ノ島までまっすぐ走り、折り返す。起伏はほとんどなく、道も大体まっすぐ。晴れていたので海も富士山もよく見えて景色も素晴らしい。さらにランナーに優しいことに、グロスタイムでなくネットタイムを公式記録としてくれるので、自己ベスト更新狙いの人に良いだろうちなみにグロスタイムとは、スタートの号砲がなってからゴールするまでの時間。普通はこちらが大会公式記録となる。ネットタイ...湘南国際マラソン出走記2022/12/4

  • パラレル・マザーズ 〜アルモドバル円熟の力を駆使した社会派映画〜

    自分の中で気がつくと非常に大きな存在になっていたペドロ・アルモドバル。コロナ以来映画館から遠のいてしまったが、それでもアルモドバルだけは観たいという思いで東京に出向く。ちなみに今回初めて株主優待を使って映画観ました。東京テアトルの株持ってるのです。引っ越してから渋谷新宿が遠く…映画鑑賞のホームグランドは西新井か越谷レイクタウンのシネコンになってます。東京なら有楽町日比谷は行きやすく、今回はヒューマントラスト有楽町で鑑賞------アルモドバル映画の見た目の特長はVogueの写真みたいな「異様に」オシャレで綺麗な画である。ここで「異様」と言ったのが、アルモドバル映画の見た目以外の特長、主に脚本がキレイでオシャレしてる場合じゃないような気がするからだ。アルモドバル映画はやはり脚本が最大の魅力だと思っている。そ...パラレル・マザーズ〜アルモドバル円熟の力を駆使した社会派映画〜

  • ケイコ 目を澄ませて

    これはしみた自分の中では「コーダ」を超えて今年のベスト1級ってその並び…(にする自分のあざとさ)主人公に感情移入させる映画ではない。主人公は発生言語で喋れないことも相まって心情をほぼ語らない。人間なんて結局1人でしょ、という旨の彼女の台詞もある。我々は傍観者にならざるを得ない。頑張れと叫んでも彼女には聞こえない。しかし我々も目を澄ませ、彼女の気持ちを苦しさを理解した気になれる…が、痛みに耐え生き苦しさに耐え不安と恐怖と向き合う彼女の本当の勇気は想像するしかなく、きっと想像以上だろう。それでも多分戦い続けることを選んだケイコに、私たちは言葉でなく気持ちでエールを送る年末ギリギリに素晴らしい映画に出会えて、心からありがとうと思う良くも悪くも想像の域を出ないメジャーな大作にはない、チャレンジャー感覚特に日本映画...ケイコ目を澄ませて

  • 映像作品とクラシック音楽 第80回 『波止場』〜レナード・バーンスタイン唯一の映画音楽

    2回ほどスベリ覚悟でジョン・ウーの映画について書きました。そこから「鳩」つながりで『波止場』です。そういえば波止場の主人公は鳩飼ってましたっけ。ジョン・ウーがリメイクすればいいのに!というわけで今回はエリア・カザン監督の1954年作品『波止場』を取り上げます。(昭和で言うと29年、『七人の侍』『二十四の瞳』『ゴジラ』の年ですね)アカデミー賞で作品賞を受賞し、マーロン・ブランドがアカデミー賞主演男優賞に輝いた、名作として認知されている作品ですが、クラシック音楽ファンにとってはもう一つ重要な要素のある作品です。レナード・バーンスタインが唯一手がけた映画音楽こそ『波止場』のサントラとなります。あれ?唯一って『ウェストサイド物語』は?って思うかもしれませんが、あれはブロードウェイ版のバーンスタインのスコアを使った...映像作品とクラシック音楽第80回『波止場』〜レナード・バーンスタイン唯一の映画音楽

  • 映像作品とクラシック音楽 第79回 クラシック音楽でふりかえるジョン・ウー映画史(ハリウッド以降編)

    前回に続けてクラシック音楽を軸にジョン・ウー監督の映画史を振り返ります。誰も興味を持たないかもしれませんが、あえて空気を読まずに続けます【クラシック音楽的ジョン・ウー映画史ハリウッド編「カルミナブラーナ」っぽい曲/『ミッションインポッシブル2』】イギリスがアヘン戦争で中国から99年間の期限付きで分捕った香港ですが、その期限切れが迫ってきた90年代。この時期、香港で自由な映画作りを謳歌してきた映画人たちがこぞってハリウッドに活動拠点を移していた印象があります。ジョン・ウーも然りでした。彼の80年代のガンアクション映画が中国共産党に好まれるわけないような気がするので、彼の判断は間違いではなかったと思います。が、しかし、ハリウッドの、予算は100倍でも色々とがんじがらめな映画作りのシステムがジョン・ウーにあって...映像作品とクラシック音楽第79回クラシック音楽でふりかえるジョン・ウー映画史(ハリウッド以降編)

  • 映像作品とクラシック音楽 第78回 クラシック音楽でふりかえるジョン・ウー映画史(香港編)

    前回の小津安二郎につづいて、クラシック音楽とからめて語るのが難しそうな映画作家を、無理矢理からめて書くシリーズです。私は好きな映画5つあげろと言われたらほとんど迷いなくスラスラと言えるのですが、好きな映画監督5人あげろと言われると迷ってしまいます。まあでも5人の中には結局入れるんだろうな…って1人が香港のジョン・ウー監督になります。今回はジョン・ウー映画で聞こえてきたクラシック音楽を思い出しながら、ジョン・ウー監督の映画史を振り返ってみたいと思います。無理があるのはわかっているのですが、たまには趣味性全開で書かせてください(って、いっつもじゃねーかって?)------ジョン・ウー(呉宇森)は主に香港で後にハリウッドでも活躍した映画監督です。スローモーションで二丁拳銃で鳩飛ばす監督と思えばだいたいあってます...映像作品とクラシック音楽第78回クラシック音楽でふりかえるジョン・ウー映画史(香港編)

  • 映像作品とクラシック音楽 第77回 『秋日和』~小津安二郎映画からかすかに聞こえるモーツァルト

    前回の『レイジングブル』で微妙に小津映画に言及しました。もう一度書くと、『東京物語』のメインテーマが、マスカーニのカバレリアルスティカーナ間奏曲に似ている、というそれだけのことでしたが。その流れで小津映画におけるクラシック音楽について書いてみたくなりました…といったものの小津映画ほどクラシック音楽が似合わない作品もない気がしないでもありません。なんてったって、行きつけのバーで「おかみ、例のあれかけてよ」なんて言ってママさんが軍艦マーチのレコードかけるような世界です。笠智衆が娘の原節子を連れて能楽を鑑賞しに行ったり、笠智衆が同窓会で楠木公の辞世の詩吟をうたったりする世界です。そもそもがドラマチック性を極限まで排したような音楽設計がされるのが小津映画で(『お早う』みたいな例外もありますが)、クラシックに限らず...映像作品とクラシック音楽第77回『秋日和』~小津安二郎映画からかすかに聞こえるモーツァルト

  • 2022松本マラソン記

    11/13の松本マラソンのために、久々に松本へ松本マラソンは2017年の第一回に出場。松本マラソンにはその後も2度ほどエントリーしたが、ひとつは台風で中止に、もう一つはコロナで中止になった第一回松本マラソンの完走タイムは4時間15分。今回もそれくらいのタイムを目指す。マラソンで4時間以内で走ることを「サブ4」と呼ぶ。サブ4達成には平均5分30秒/キロで走る必要がある。あれ?240分÷42.195=5.69でしょ、だから5分40秒/キロでいいんじゃないの?…と思うかもしれないが、違うのである。マラソンには「グロスタイム」と「ネットタイム」という二つのレコードがある。ネットタイムはスタートラインからゴールまでの時間グロスタイムは号砲からゴールまでの時間公式記録となるのはグロスタイムの方であるだから参加人数の多...2022松本マラソン記

  • 映像作品とクラシック音楽 第76回 『レイジング・ブル』〜マスカーニの楽曲が心に沁みる〜

    今回はマスカーニの楽曲が印象的に使われる1980年のマーティン・スコセッシ監督作品『レイジング・ブル』を取り上げます。『レイジング・ブル』は実在のボクサージェイク・ラモッタの半生を描いた映画です。スコセッシの代表作、さらには80年代アメリカ映画の代表作とまで言われる作品です。AFI(アメリカンフィルムインスティテュート)の歴代アメリカ映画ベスト100(2007年版)では第4位に選出されています。ちなみに123は市民ケーン、ゴッドファーザー、カサブランカです。ちなみのちなみに『タクシードライバー』は52位、『グッドフェローズ』は92位でした。さておき、『レイジング・ブル』と言えばデ・ニーロです。本作の演技でアカデミー賞で主演男優賞を受賞しましたが、今見ても『レイジング・ブル』のデ・ニーロの演技は上手いとか凄...映像作品とクラシック音楽第76回『レイジング・ブル』〜マスカーニの楽曲が心に沁みる〜

  • 映像作品とクラシック音楽 第75回 エンニオ・モリコーネ オフィシャル・コンサート・セレブレーション

    11/5東京国際フォーラムにて行われた「エンニオ・モリコーネオフィシャル・コンサート・セレブレーション」に行って参りました。その圧巻・感動のコンサートの鑑賞記録であります。エンニオ・モリコーネは言わずと知れたイタリアの作曲家で、主に映画音楽で活躍した方です。2020年に亡くなりました。このコンサートはエンニオの息子のアンドレア・モリコーネが指揮し、モリコーネ音楽を支えたミュージシャンやスタッフと、東京フィルハーモニー交響楽団が、エンニオ・モリコーネの代表曲の数々を演奏します。アンドレア・モリコーネですが、単にエンニオの息子だからというだけでの登場ではなく、長年父を支えてきた方でもあります。エンニオ・モリコーネの代表作のひとつ映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のサントラの、その中でも特に人気の高い曲に「愛の...映像作品とクラシック音楽第75回エンニオ・モリコーネオフィシャル・コンサート・セレブレーション

  • 映像作品とクラシック音楽 第74回 『銀河英雄伝説』後編 〜宇宙に響くベートーベン!ドボルザーク!〜

    クラシック音楽の印象的な映像作品を紹介するこのシリーズ。前回に引き続き80~90年代のSFアニメ『銀河英雄伝説』を取り上げます。はるか未来、銀河全域に進出した人類は、銀河帝国と自由惑星同盟がほぼ勢力拮抗状態で銀河を二分していました。その二つの勢力を経済力で影から支配するフェザーン自治政府もからんで、銀河の覇権をかけた戦争が行われけております。銀河帝国のラインハルト・ローエングラムは若くして帝国の艦隊司令にまで上り詰めましたが、内心では皇帝を倒して帝国を我が物にしようという野心を燃やしております。戦争の天才とも評されるラインハルトが唯一恐れるのが、自由惑星同盟で若くして提督にまで昇進したヤン・ウェンリーであります。彼は野心はまるでなく、戦争を嫌っていますが、同時に戦術にかけてはラインハルトも一目置くような天...映像作品とクラシック音楽第74回『銀河英雄伝説』後編〜宇宙に響くベートーベン!ドボルザーク!〜

  • 映像作品とクラシック音楽 第73回 『銀河英雄伝説』前編 〜宇宙に響くマーラー〜

    マーラーが印象深い映像作品を紹介しようと思いまして、『ベニスに死す』はもう書いたし…となればこれでしょう!『銀河英雄伝説』です80年代末から90年代にかけて制作されたアニメ番組です。はるか未来、銀河帝国と自由惑星同盟の戦争で、野望に燃える帝国軍人ラインハルトと、惑星同盟の戦争嫌いの天才軍略家ヤン・ウェンリーの2人を主軸に描くSF作品です。スターウォーズの例もあるように宇宙とシンフォニーは親和性高いのですが、この作品ほどクラシック音楽を、特にマーラーをこれでもかと効果的に使った映像作品は他にありません。なにしろ第一話の冒頭から、マーラー交響曲3番の第一楽章のあのホルンの力強い冒頭部が高らかに鳴るのです。クラシック音楽ファンは、おいおいいったい何が始まるんだ!?とツカミバッチリです。マーラー3番が流れる中、簡...映像作品とクラシック音楽第73回『銀河英雄伝説』前編〜宇宙に響くマーラー〜

  • 映像作品とクラシック音楽 第72回『ライムライト』とチャップリンの音楽

    今回はチャップリンを取り上げますクラシック音楽とチャップリンと言えば、だれもが『独裁者』のハンガリー舞曲の床屋のシーンを思い浮かべると思いますが、ここではクラシック音楽ではないですが『ライムライト』を取り上げますチャップリンは生涯で3回アカデミー賞を受賞していますが、いわゆる主要部門、つまり作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞は一度も受賞していません。3回のうち2回は「名誉賞」で、あと一回が実は「作曲賞」になります。作曲賞は1973年に『ライムライト』の音楽に対して授与されました。ところが『ライムライト』の初公開はロンドンで1952年でした20年もたってからの受賞理由はといえば、ロサンゼルスで『ライムライト』が初公開されたのが20年もたってからの1972年だったからです。じゃあなんで初公開まで20年かかった...映像作品とクラシック音楽第72回『ライムライト』とチャップリンの音楽

  • 『トップガン マーヴェリック』〜作家性を打ち消してきた「トム映画」というジャンル

    トップガン・マーヴェリックについて連投しちゃう------そういえば大スターには2種類がある作家性を重視するスターと、作家性を求めないスターだスタローンとシュワルツェネッガーを比べてみようシュワルツェネッガーは自分を売り込むために強い作家性を持つ監督と組むことを望んだ。ジェームズ・キャメロン、ポール・ヴァーホーベン、ウォルター・ヒル、アイバン・ライトマン…対してスタローンは彼の映画で監督が注目されることはあまりない。スターになった後だとレニー・ハーリンくらいで、多くの映画は監督など誰でも良いような映画だった。トム・クルーズを考えた時、彼はシュワルツェネッガーのように作家性を追い求めた時期を経て、スタローンのように作家性を求めないスターになっていった気がする。しかしトムは誰と組もうとも彼の映画はトム映画だっ...『トップガンマーヴェリック』〜作家性を打ち消してきた「トム映画」というジャンル

  • トップガン・マーヴェリック その1…ネタバレ物語沿い所感

    観賞からだいぶたってしまいましたが、やっぱりこの映画の映評は書いておかねばなるまい…と思い書きますトップガンマーベリックといっても、もうこんな時期だし、観た人向けネタバレ全開で、批評なんてもんではなく物語に沿った副音声解説っぽく…------映画が始まりますビデオで何十回と見た『トップガン』のオープニングと同じ曲が聞こえてきます。サントラでは「トップガン・アンセム(トップガン讃歌)」という曲名で収録されているインストナンバーの、エレキギターを抜いたバージョンです。ドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマープロダクションと表示されます。このプロダクション名は前作と同じです。しかしドン・シンプソン氏は90年代に亡くなっています。もちろんこれは当時の相棒だったジェリー・ブラッカイマーの、そしてトムクルーズからの...トップガン・マーヴェリックその1…ネタバレ物語沿い所感

  • 映像作品とクラシック音楽 第71回 『羅生門』『七人の侍』でお馴染み早坂文雄の現代音楽CD「早坂文雄 作品集」

    ここ何回か伊福部昭の音楽について書いてきたので、伊福部昭の親友でライバルだった早坂文雄について書いてみたくなりました。タイトルを現代音楽としましたが、早坂文雄が亡くなったのは1955年。ストラビンスキーやショスタコーヴィチより前に亡くなった方の音楽をクラシック扱いしないのも変ですかね早坂文雄の純音楽作品を集めたCD「早坂文雄作品集」を紹介しつつ早坂文雄について書いてみます。------早坂文雄(1914-1955)は、映画音楽の世界においては黒澤明作品や溝口健二作品を彩った作曲家として、映画史に名を刻んでいます。特に黒澤明の『羅生門(1950)』や『七人の侍(1954)』、溝口健二の『雨月物語(1953)』や『山椒大夫(1954)』などが代表作になります。日本映画を世界に広めた立役者の一人と言っても言い過...映像作品とクラシック音楽第71回『羅生門』『七人の侍』でお馴染み早坂文雄の現代音楽CD「早坂文雄作品集」

  • 映像作品とクラシック音楽 第70回 「伊福部昭 SF交響ファンタジー第3番」 〜もしかして思想性の強い曲?〜

    前回伊福部昭SF交響ファンタジー第2番を紹介したのに続きまして、今回は第3番の紹介です。こちらも第1番、第2番とともに1983年に初演されました。------冒頭、不安げなフルートの弱い音から始まり突如として伊福部節とでも言うような大迫力の演奏が割り込んできます。『怪獣総進撃』のオープニング、東宝マークからタイトルの流れの短い曲です。映画だとこの後有名な怪獣総進撃マーチに続くのですが、マーチ部は第1番で散々やったのでここではありません。オープニングに続けて今度はティンパニがドンドコドンと景気良く、リズミカルに叩かれます。バーバリズムというよりこれはメカニズムと言ってもいい雰囲気で、巨大なメカが動く様を表現した曲です。『キングコングの逆襲』よりメカニコングのテーマです。メカコングではありません。メカニックコ...映像作品とクラシック音楽第70回「伊福部昭SF交響ファンタジー第3番」〜もしかして思想性の強い曲?〜

  • 映像作品とクラシック音楽 第69回『ラスト・キャッスル』のテーマ曲と9.11

    伊福部昭SF交響ファンタジー第3番について書く予定でしたが、ふとカレンダーを見ると9/11だったので、予定を変えて…------9.11から21年リンクは映画『ラスト・キャッスル』(2001年、ロッド・ルーリー監督、ロバート・レッドフォード主演)のためにジェリー・ゴールドスミスが作曲したテーマ曲ですが、曲名が「September11th,2001」となっています。ラストキャッスルは別に9.11を描いた映画ではありません。この曲名には二つの理由があり、一つは作曲されたのがまさにあの日、2001年9月11日だったからというもの。出来すぎな話な気もしますが、実際『ラスト・キャッスル』の録音が行われたのは9月の初旬から20日ごろにかけてで、あながち嘘とか盛ったりとかってわけでもありません。もう一つは本作の作曲中に...映像作品とクラシック音楽第69回『ラスト・キャッスル』のテーマ曲と9.11

  • 映像作品とクラシック音楽 第68回 伊福部昭SF交響ファンタジー第2番

    伊福部昭によるSF交響ファンタジー第1番〜第3番は1983年に初演されました。このうち第1番は(このシリーズの第40回でも書きましたが)、序盤に有名なゴジラのテーマが流れることもあり、一番人気があり演奏機会も非常に多い作品です。しかしながら第2番と第3番については、なかなか単品で演奏されることはなく、なんならその存在すら知らない人も多いように思われます。クラシック音楽ファンで伊福部ファンで映画音楽ファンで怪獣ファンな私としましては、1番に比べてあまり有名でない2番3番を紹介する使命があるように思いましたので、書いてみたいと思います。------「伊福部昭SF交響ファンタジー第2番」演奏時間は初演の演奏タイムをもとにするとSF交響ファンタジー中最も長く16分くらいです。10曲程度の特撮映画の楽曲を組曲風に並...映像作品とクラシック音楽第68回伊福部昭SF交響ファンタジー第2番

  • 映像作品とクラシック音楽 第67回 『スローターハウス5 』〜「音楽 グレン・グールド」と表記される映画

    今回はジョージ・ロイ・ヒル監督の1972年のちょっと変わったSF映画『スローターハウス5』を紹介します。別に「スローターハウス」シリーズのパート5というわけではありません。スローターハウス、訳すと屠殺場で、「第5屠殺場」という施設の名前です。ドイツ軍の捕虜になった主人公が送られた収容所の通称であり、また凄惨な空襲にあったドレスデンのメタファーでもあります。ジョージ・ロイ・ヒルは大好きな監督です。アメリカンニューシネマ組の中では一番好きです(スコセッシやスピルバーグはニューシネマじゃないのか?問題はありますが)ニューシネマの代表作とされる『明日に向かって撃て!』や、アカデミー賞受賞した『スティング』、ほかに『ガープの世界』『リトルドラマーガール』など数々の傑作を放ってきた監督です。その彼の『明日に向かって撃...映像作品とクラシック音楽第67回『スローターハウス5』〜「音楽グレン・グールド」と表記される映画

  • 映像作品とクラシック音楽 第66回 もう一度『2001年宇宙の旅』~ハチャトゥリアンの「ガイーヌのアダージョ」~

    お久しぶりですクラシック音楽と映像作品シリーズ、前回投稿から1ヶ月も経ってしまいました。じつはその間に新しい住人として猫2匹が加わりまして、まあドタバタしていたわけです。久しぶりの投稿は、このシリーズの第一回で書いた『2001年宇宙の旅』についての2回目の投稿となります。前回は、主にアレックス・ノースの幻のオリジナルスコアについて書きました。また2001と言えば、ツァラやドナウが有名なわけですが、それらについての投稿でもありません。映画の第三章の冒頭部にかかるハチャトゥリアン作曲のバレエ「ガイーヌ」より「ガイーヌのアダージョ」についてです。ガイーヌのかかるシーンとそこまでの展開をざっくり紹介しますと-----------まず壮大なツァラの冒頭部がかかってタイトル猿たちがうっきうっきと水場の取り合いをしてい...映像作品とクラシック音楽第66回もう一度『2001年宇宙の旅』~ハチャトゥリアンの「ガイーヌのアダージョ」~

  • 『機動戦士ガンダム ククルスドアンの島』 ~ 思想性から非情さへの変遷

    ガンダムの映画を劇場で観たのは実はこれがたったの3回目。『めぐりあい宇宙』を小学のころ、『逆襲のシャア』を高校のころにそれぞれリアルタイムで観ているそれ以外のガンダム映画は、すべてテレビかレンタルで観た。『ガンダム』と『哀戦士』の時は小学低学年だったし、『F91』のころはガンダムへの興味が薄れていたし、『Z』3部作は単純にあまり見る気がしなかった。Zは後に配信で観たが、新たに書きおろされた絵がひどかったり、ラストの改変もひどかったし、あまりいいところのない作品だった。『F91』は後年になって見てみると結構面白かった。『閃光のハサウェイ』は、最近WOWOWで観て、画は綺麗で演出もかっけーけど、あんまりおもしろくなかった…さておき、今回なんでわざわざ劇場で観たのかと言えば、やっぱりファーストガンダムが好きだか...『機動戦士ガンダムククルスドアンの島』~思想性から非情さへの変遷

  • 参院選2022の個人的な所感

    今回の選挙結果は衆参ともに憲法改正(改悪)派が3分の2を占める結果となり、憲法改悪を阻止したかった私としては極めて不愉快な結果となりました。投票率はわずか52%とのことで、我が国の根幹たる憲法が改正されようとしているのに国民の半分は投票を放棄しました。なんでもどうぞ反対しません、とした国民の半分にも責任はあると思います。自民や維新が支持された以上に我が国の問題を表しているのはN党がまたも議席を取り、政党要件を満たす2%の得票率を取ってしまったことです。市議会議員を辞職して別の市で立候補する理由がそっちの方が議員報酬が高いからだったり、居住実態が無くて当選無効になった党員に党首自らがどうしてもっと上手く偽装しないんだと叱責する映像を党公式youtubeにアップしたりする、なんというか遵法意識などまるでなく、...参院選2022の個人的な所感

  • 西日本豪雨から4年…改めて客観的事実を記します

    西日本豪雨から4年改めて客観的事実を記します西日本豪雨→7月5日から8日にかけて梅雨前線が西日本付近に停滞し豪雨により大きな被害をもたらした----気象庁は7月5日午後2時に東京と大阪で緊急会見を開いて警告広島県7月5日17時15分災害対策本部設置7月5日夜に自民党有志で宴会。出席者には安倍晋三、岸田文雄などのちにコロナ担当大臣となる西村康稔がツイートで実況《会場では、首相の地元・山口の地酒「獺祭(だっさい)」と岸田氏の地元・広島の地酒「賀茂鶴」が振る舞われ、出席者からは「どっちを飲むんだ」などと意味深長な声も出た。》《地元秘書から、地元明石淡路の雨は、山を越えたとの報告を受けました。秘書、秘書官と随時連絡を取り合いながらの会でした》7月6日広島岡山鳥取に大雨特別警報7月6日、広島市安芸区で濁流に家々がの...西日本豪雨から4年…改めて客観的事実を記します

  • 映像作品とクラシック音楽 第65回 武満徹の『乱』

    今回の映像作品とクラシック音楽ですが、念願だった黒澤明監督『乱』のサントラ(音楽:武満徹)を入手したので、そのレビューをしたいと思います。『乱』の音楽についてはこのシリーズの第10回でも少しばかり書きました映像作品とクラシック音楽第十回黒澤明監督作品・後編〜『乱』『夢』『まあだだよ』-自主映画制作工房Stud!oYunfat改めALIQOUIfilm映評のページ映像作品とクラシック音楽第十回黒澤明監督作品・後編〜『乱』『夢』『まあだだよ』クラシック音楽好きのインディーズ映画監督の齋藤新です。今回は連続3回となってしまった...gooblog重なる部分もありますが、ご容赦くださいませ。さて『乱』の音楽ですが、サントラで改めて聞くとやはり映画音楽としてはこれが武満徹の最高傑作だという思いを新たにするのです。し...映像作品とクラシック音楽第65回武満徹の『乱』

  • 「自民党の改憲草案の通りに憲法が変わったら日本ヤバい」の件

    ----「憲法改正」について話題になる時、右も左も9条についてばかり語るような気がします。もちろん大きな争点には違いないのですが、自民党の改憲草案は9条だけ変えようとしているわけではありません。自民党改憲案を読むと9条改憲よりもはるかに問題のあることがあちこちに書かれています。むしろ9条改憲は、もっと危険なことを隠すための目くらましではないのかと思うくらいです。ヤバいことはたくさん書かれていますが、特にヤバいと感じることを列挙します。99条36条21条24条への追記97条の削除新設98条--------【99条の改憲でどうなる】現在の憲法・国民が国を暴走させないためにある自民党草案の憲法・国が国民に対して命令するためにある憲法とは…という根本的なところを変えるもっとも危険な案です--------【36条の...「自民党の改憲草案の通りに憲法が変わったら日本ヤバい」の件

  • 『ゴジラVSキングギドラ』

    久しぶりに見る公開時に劇場で観たたしか12月公開で、大学受験前の最後の模試の日で、模試があるの忘れていて、あ、模試だったと思って、現実逃避で映画館に行ったその当時はなんだろこの映画…と思ったが、それは見返しても基本的には変わらない。けれども日本とは?祖国とは?について真剣に考えた映画として少し感動できる。かつて戦場でゴジラに助けられた男が、巨大企業グループの会長として日本を経済発展させ、やがては世界を経済で支配する運命にある。それがタイムトラベルにより世界線が強制変更されると、潔く自分の人生を終わらせることを選ぶ。この男を演じているのが、黒澤映画ファンにはお馴染みにして、怪獣映画ファンとしてもガス人間第一号だったりX星人の司令官だったりで有名な土屋嘉男であるということも重要だ。X星人の司令官として特撮史に...『ゴジラVSキングギドラ』

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