落葉掻きひっそり出を待つ竹箒
臥せる子に母のしぼりりんご汁
爪割れる空き地の草の末枯れて
ひょうひょうと風に吹かるるへちまかな
セザンヌのリンゴがひとつころがれり
母の忌にふっと空見て秋の雲
古写真孫七五三母笑顔
林檎の実ナイフが刺してありにけり
紫を残してあけび料理する
林檎噛む歯ににじむ血に齢知り
一夜にて庭一面の杜鵑草〔ほととぎす〕
りんご剥ぐ指先見つめ唾を飲む
すだちの香こんがりきつねの焼き魚
辻の桐葉を落とせない訳があり
手の皺に命の走る温め酒
あこがれの杳かになりて林檎食む
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