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G坂
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2007/07/17

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  • ミュージシャン組合

    ミュージシャンの悲鳴を聞くに付け、組合の大切さを痛感する。かつてジェームズ・ペトリロと云う強面の組合長がいて、やかましいミュージシャンをまとめ上げて吹き込みストを決行し、ミュージシャンの待遇も改善された。 http://jazz.fukao.info/img/petrillo.png 最初に軍門に下ったのはデッカといわれている。ここはベイシーに対して「奴隷制的契約」を交わした糞レーベルだ。これは大手のコロムビアとRCAが組合に対して提訴した瞬間に折れたともいわれている。 一方この時期がちょうどビバップ形成期と被り、尚且つパーカーとガレスピーが所属していたアール・ハインズのバンドのレーベルが大手だったので、その頃の記録がないと云う意味で音楽史的には賛否両論だが、組合はやはり大切だと思う。

  • ラバーマンという曲

    「ラバーマン」の器楽演奏というと、まず頭に思い浮かぶのはパーカーのラバーマンセッションである。同じダイアルセッションのタイトルにある「ムース・ザ・ムーチェ」という名のヤクの売人が逮捕されてしまい、麻薬が手に入らなくなったパーカーがウィスキーを1リットルも飲んでヘロヘロになったまま吹き込んだ伝説的な演奏である。 このセッション後、パーカーはホテルに戻ったが、意識朦朧としたまま全裸でホテルをうろつき、おまけに失火まで出してしまって逮捕。その後カマリロ州立病院に収容され麻薬中毒の治療を行う。 ポストカマリロで彼は再びラバーマンに挑戦する。 わが敬愛する油井正一先生は「忌まわしい記憶がよみがえったのか、生硬で闊達さに欠ける」とおっしゃっているが、私としては、おそらくパーカーはこの時いつもみたいな奔放なアドリブを目指したのではなく、きっちりテーマとフェイク(くずし)をやりたかったのではないかと睨んでいる。事実、パーカーのテーマ解釈こそこの曲のメートル原器になっている。 パーカーの影響のみならず、この曲の楽想から女性声域であるアルト(サックス)に名演が多い。とりわけリー・コニッツの演奏は彼のバラッド演奏の真骨頂ではなかろうか。実に素晴らしい。 そして、パーカーにスーパーサックス(パーカーのラインをサックスのソリで模写したバンド)があるように リーの演奏はピアノのクレア・フィッシャーがオーケストライズしている。 ソニー・スティットは、パーカー在命中は彼に遠慮してアルトを吹かなかったと言われるが、パーカー没後、パーカーの後継者は俺だと云わんばかりにアルトを吹く、サックスの天才である。彼は何度も、それこそアート・ペッパーともデュオで「ラバーマン」を録音しているが、個人的に一番好きなのはこの「バーニン」バージョンである。

  • Lover Manという歌

    Lover Man と云う曲は1941年 Jimmy Davis, Roger ("Ram") Ramirez, and James Sherman によって書かれた曲だが、この曲がヒットするのはニューヨークのクラブ「ダウンビート」でビリー・ホリデイが歌っているのを聴いたコモドア・レコードのミルト・ゲイブラーが「ヒット間違いなし」と感じてデッカ・レコードに吹き込ませたことによる。そして彼の直感の通り、ビリーのこの吹き込みは大ヒットを記録する。 I don't know why but I'm feeling so sad I long to try something I never had Never had no kissin' Oh, what I've been missin' Lover man, oh, where can you be? The night is cold and I'm so alone I'd give […]

  • バップと云う音楽

    Twitterではプロフにアマチュアバッパーと自称しているように、ジャズの中でもバップと云うスタイルが一番好きだ。 70年代末にジャズを聞き始めたが、最初スイングから入ったので「ベニー・グッドマンやグレン・ミラーがジャズ」と思っていた矢先、FMラジオの伝説的名番組「アスペクト・イン・ジャズ」で油井先生が「バップの巨人達」と題してかけていたこの曲を聴いたのがバップとの出会いである。 それまで聴いていた歌謡曲やスイングジャズ、あるいはロックと比べてなんと軽い響きでクールなんだろう?というのが最初の感想である。その後モーダルな奏法を知ってもっと軽やかというか、フワフワとした演奏も知ったが、やはりバップは一番カッコいい。ニューヨークの香りがする。 バップ曲で一番まとまりがいいのは「コンファメ」だろうが、 個人的に好きなのは、Bbのブルーズ "Relaxin' at Camarillo" である。この驚異的なリズム感から来るメローディー。テーマをなぞっているだけでもバップをやっている気になれる。 また、ウォーデル・グレイのテナーが実にレスターっぽくて好きだ。 トリスターノ楽派はバップの、とりわけパーカーの影響を極度に排したと言われているが、レニーの呪縛を逃れたリー・コニッツは後半でパーカーのアドリブソロをそのままコピーしてユニゾンしている。 そう、いくら抗ってもやはり戻ってきてしまう、バップはイングリッシュドレープスーツと同じく、永遠にかっこいいのである。

  • Billie Holiday: Last Recordings (Verve)

    白鳥の歌と名高い『レディー・イン・サテン』から『ラストレコーディングス』の間に、ビリーは英国へ渡り貴重な動画を残す。 ヴァーヴに移ってから、ノーマン・グランツの勧めもあって習得した、後期ビリー・ホリデイの十八番である。第一コーラス目はほぼ原曲通りの歌い方だが、2コーラス目に入ってからの大胆なインプロビゼーションはどうだろう?「自分の人生を歌いながら、それを鮮やかに歌い飛ばす」晩年の彼女の面目躍如ではないだろうか? 同じことが、今回取り上げる『ラスト・レコーディングス』にも当てはまる。『レディー・イン・サテン』があまりにも内向的な曲想が続くのに対して(だからこそ、一枚のアルバムとして統一感があるのだが)、このアルバムは3回のセッションを集めたものであり、内容にも多様性がある。 1. All Of You 2. Sometimes I'm Happy 3 You Took Advantage Of Me 4 When It's Sleepy Time Down South 5 There'll Be Some Changes Made 6 'Deed I Do 7 Don't Worry' Bout Me 8 All The Way 9 Just One More Change 10 It's Not For Me To Say […]

  • Billie Holiday: Lady in Satin (Columbia)

    かつて英文学者の中野好夫先生がこう云うことをおっしゃっていた。「私は、学生の話を聞いていて、初めて『ハムレット』を読んで感動しました、傑作です、と言うやつをぜったいに信用しない」と。『ハムレット』には不可解な切断箇所があるし、初めて読んで感動できるようなたちの戯曲ではない、と言うのが中野先生の論旨であった。 実はこの話、『レディー・イン・サテン』にも当てはまる。このアルバムは、長いことビリーを聴いてきた人にしかピンと来ないし、ピンと来てはいけない作品なのである。なぜか?それはこのアルバムが「ビリー・ホリデイというジャンル」のあとがきであり、学生や初心者はいつの時代にあってもあとがきから読んで感想文を書いてはいけないのである。 吹き込みは1958年2月18-20にかけて。まだ亡くなるまで一年以上があるが、この時点でこの状況であったことが、逆にこれ以降の彼女の人生に襲いかかった不幸に怖気が震える。伴奏は彼女の声と対照的なまでに美しいストリングス入りのレイ・エリス楽団。そのレイ・エリス曰く「彼女は一つの音程を維持することさえ不可能であった。」 このアルバムに一曲一曲解説を加えることは、私には不可能である。なぜならばできるだけ精神性を排して技巧そのものに焦点を当てていく私の批評スタイルだと、全曲にだめ出しを加えてしまう可能性があるからだ。にもかかわらず、このアルバムを時折取り出しては聴く。それは私が「ビリー・ホリデイというジャンル」の虜になっており、このアルバムが彼女の「白鳥の歌」だからだ。 努々これから聞く人はこのアルバムから聴いてはいけない。ビリーが嫌いになるかもしれない。寺嶋靖国さんの言う「酔っ払い女がクダ巻いている歌」に聞こえるからだ。そして、初めて彼女をこのアルバムを聴いて感動してしまったとしたらもっと問題だ。心の問題を抱えているフシがある 😉 初めて聴くならまずは以前の記事で扱った、"Me、Myself, and I" "Sailboat in the Moonlight"を聴くとよい。 と言うことで、レディーを聴いてきた人向けにおすすめするとすれば、これが現状一番安価なバージョンじゃないかしら?

  • Billie Holiday: At Carnegie Hall (Verve)

    First Set: Roy Elderidge (tp), Coleman Hawkins (ts), Carl Drinkard (p), Kenny Burrell (g), Carson Smith (b), Chico Hamilton (d) 1. Lady Sings The Blues With Reading From Lady Sings The Blues 2. Lady Sings The Blues 3. Ain't Nobody's Business If I Do 4. Trav'lin Light With Reading From Lady Sings The Blues 5. […]

  • Benny Goodman: Carnegie Hall Jazz Concert (Sony)

    75年前の今日、1938年1月16日、ジャズ史上最も重要といわれるコンサートが開催された。ベニー・グッドマンによるカーネギー・ホール・コンサートである。それまで下賤な音楽と思われていたジャズが、クラシックの殿堂カーネギー・ホールで演奏された瞬間である。 このコンサートの模様がレコードとして世に出されたのはそれから12年後の '50年のこと。コンサートの実況は大型ディスクにカッティングされ、1枚は米国国立図書館収められていたがもう1枚が行方不明だったところ、たまたまベニーの娘が家の中から見つけ出したと言われている。しかし、こんな大切な記録が行方不明になるっていったい… 曲目は Disk 1-Side A 1. Don't Be That Way 2. One O'clock Jump 3. Dixieland One Step (= Sensation) 4. I'm Coming to Virginia 5. When My Baby Smiles at Me 6. Shine 7. Blue Reverie 8. Life Goes to a Part Disk 1-Side B 1. Honeysuckle Rose 2. Body and Soul […]

  • Billie Holiday: All or Nothing at All Disc 2 (Verve)

    Disc 2は'57年1月7,8,9日のセッション計13曲が収められている。 1. Day In, Day Out 2. Darn That Dream 3. But Not For Me 4. Body & Soul 5. Just Friends (Instrumental) 6. Stars Fell On Alabama 7. Say It Isn't So 8. Our Love Is Here To Stay 9. One For My Baby (& One More For The Road) 10. They Can't […]

  • Billie Holiday: All or Nothing at All Disc 1 (Verve)

    ビリー・ホリデイ後期の最高傑作は下に取り上げた’55年8月23日と25日のセッションだと思うが、それに劣らず素晴らしいセッションがある。'56年8月14日と18日のセッション、そして「ビリーのマラソンセッション」と言われる’57年1月3日から9日までの土日を除く5日間のセッションである。これらのセッションは、生前3枚のアルバムに分散されて収録されていた。All or Nothing at All, Songs for Distingue Lovers(邦題『アラバマに星落ちて』), Body and Soul であるが、この3枚を2枚組にまとめ、なおかつ吹き込み順に並べた好アルバムを紹介する。 タイトルは1枚目のアルバムと同様 All or Nothing at All。Disk1には'56年8月14日と18日、および'57年1月3日と4日の15曲が収められている。 1. Do Nothin' Till You Hear From Me 2. Cheek To Cheek 3. Ill Wind (You're Blowin' Me No Good) 4. Speak Low 5. We'll Be Together Again 6. All Or Nothing At All 7. Sophisticated […]

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