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G坂
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2007/07/17

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  • Billie Holiday: Last Recordings (Verve)

    白鳥の歌と名高い『レディー・イン・サテン』から『ラストレコーディングス』の間に、ビリーは英国へ渡り貴重な動画を残す。 ヴァーヴに移ってから、ノーマン・グランツの勧めもあって習得した、後期ビリー・ホリデイの十八番である。第一コーラス目はほぼ原曲通りの歌い方だが、2コーラス目に入ってからの大胆なインプロビゼーションはどうだろう?「自分の人生を歌いながら、それを鮮やかに歌い飛ばす」晩年の彼女の面目躍如ではないだろうか? 同じことが、今回取り上げる『ラスト・レコーディングス』にも当てはまる。『レディー・イン・サテン』があまりにも内向的な曲想が続くのに対して(だからこそ、一枚のアルバムとして統一感があるのだが)、このアルバムは3回のセッションを集めたものであり、内容にも多様性がある。 1. All Of You 2. Sometimes I'm Happy 3 You Took Advantage Of Me 4 When It's Sleepy Time Down South 5 There'll Be Some Changes Made 6 'Deed I Do 7 Don't Worry' Bout Me 8 All The Way 9 Just One More Change 10 It's Not For Me To Say […]

  • Billie Holiday: Lady in Satin (Columbia)

    かつて英文学者の中野好夫先生がこう云うことをおっしゃっていた。「私は、学生の話を聞いていて、初めて『ハムレット』を読んで感動しました、傑作です、と言うやつをぜったいに信用しない」と。『ハムレット』には不可解な切断箇所があるし、初めて読んで感動できるようなたちの戯曲ではない、と言うのが中野先生の論旨であった。 実はこの話、『レディー・イン・サテン』にも当てはまる。このアルバムは、長いことビリーを聴いてきた人にしかピンと来ないし、ピンと来てはいけない作品なのである。なぜか?それはこのアルバムが「ビリー・ホリデイというジャンル」のあとがきであり、学生や初心者はいつの時代にあってもあとがきから読んで感想文を書いてはいけないのである。 吹き込みは1958年2月18-20にかけて。まだ亡くなるまで一年以上があるが、この時点でこの状況であったことが、逆にこれ以降の彼女の人生に襲いかかった不幸に怖気が震える。伴奏は彼女の声と対照的なまでに美しいストリングス入りのレイ・エリス楽団。そのレイ・エリス曰く「彼女は一つの音程を維持することさえ不可能であった。」 このアルバムに一曲一曲解説を加えることは、私には不可能である。なぜならばできるだけ精神性を排して技巧そのものに焦点を当てていく私の批評スタイルだと、全曲にだめ出しを加えてしまう可能性があるからだ。にもかかわらず、このアルバムを時折取り出しては聴く。それは私が「ビリー・ホリデイというジャンル」の虜になっており、このアルバムが彼女の「白鳥の歌」だからだ。 努々これから聞く人はこのアルバムから聴いてはいけない。ビリーが嫌いになるかもしれない。寺嶋靖国さんの言う「酔っ払い女がクダ巻いている歌」に聞こえるからだ。そして、初めて彼女をこのアルバムを聴いて感動してしまったとしたらもっと問題だ。心の問題を抱えているフシがある 😉 初めて聴くならまずは以前の記事で扱った、"Me、Myself, and I" "Sailboat in the Moonlight"を聴くとよい。 と言うことで、レディーを聴いてきた人向けにおすすめするとすれば、これが現状一番安価なバージョンじゃないかしら?

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