林道脇、林縁部に大きな花びらのスミレが咲いていました。印象的な白地に中央が青色のスミレです。調べてみると外国産のスミレでした。こんな田舎の雑木林に外国産のスミレ。近くにはホウチャクソウが咲いているところに外国産のスミレ。暗い雑木林がそこだけ明るい華やかさがありました。名前は、ヴィオラ・ソロリア’プリセアナ’でした。無茎種です。ヴィオラ・ソロリアはアメリカスミレサイシン(亜米利加菫細辛)の学名です。'プリセアナ'はヴィオラ・ソロリアの園芸品種10種類に分類される内のひとつです。「’’」は園芸品種を表しています。側花弁に髭が見えます。北アメリカ東部から中部が原産で、明治期に園芸植物として渡来。アメリカスミレサイシンの英名commonbluevioletは、南軍の軍服の青色のスミレの意味だそうです。葉っぱも大きいです...ヴィオラ・ソロリア’プリセアナ’
図書室のある公民館のまわりの花壇に八重のスイセンが咲いていました。ヤエザキニホンズイセン。漢字で、八重咲き日本水仙。二ホンズイセンはヒガンバナ科スイセン属の小皿を持った種(スイセンのこと)の中国産の変種です、スイセンを基本種(母種)とした変種といういことです。ヤエザキニホンズイセンは個体群と生息していなく、二ホンズイセンの個体群の中で変異を起こした個体で個体群として独立して生息していないので学名が付くまでには至っていないようです。二ホンズイセンは星型の花びらの中央に黄色い冠を持ったスイセンです。この黄色い冠を副花冠と言って、小種名の小皿に形容されているんですね。二ホンズイセンは他のスイセン同様に、花びらはガクの外花被片3枚、花びらの内花被片3枚です。雌しべは1本、雄しべは6本。副花冠は雄しべが変化したものだそで...ヤエザキニホンズイセン(八重咲き日本水仙)
ヒトリシズカ(一人静)=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区
キンラン(千葉市重要保護生物指定種)を探して雑木林の林道を下って行くと都川に出ました。あと1kmも行かないで都川の最上流になる場所です。目の前の田んぼは水を入れ始めたばかりなのか乾いた土から湿った土に色を変え、ところどころに水溜りを作っています。いくつもの水溜りが合わさって田んぼに水が溜まり、田植えの季節を迎えます。田んぼと都川を渡ると林道は西に90度折れ上り坂になります。林道の南側は切り立った斜面、北側は徐々に下に見える都川です。南側が斜面なので北斜面で直接日が当たりません。ウラシマソウがあっちこっちに。なんでウラシマソウは2種類の本葉の出方があるんだろうなどと考えながら斜面を見ながら歩いていると、白い色が目を横切りました。斜面に近づいてよく見るとブラシのような花です。ヒトリシズカです。キンランが見つけれなか...ヒトリシズカ(一人静)=千葉市要保護生物指定種~千葉市緑区
ヤブヘビイチゴ。漢字で、藪蛇苺。バラ科のインドのキジムシロ属の種で、在来種です。なにかヘビイチゴと言われると毒があるんじゃないかと思われますが、日本には毒のある苺はありません。ただ、味が・・・・です。ちょっと細長めの葉っぱがヘビイチゴと区別できるところです。ヘビイチゴの方がちょっと横長の葉っぱです。ヘビイチゴの方がヤブヘビイチゴより花びらは小さいと説明されても、その場に両方の植物があればわかりますが、片方だけしかない場合では同定の基準の表現としてどうだろうと思います。大きい目立つガクはヘビイチゴの特徴です。花びらのひとつ外側の器官を「がく片」、そのまた外側の器官を「副がく片」と呼びます。オランダイチゴ属、キジムシロ属に見られ、副ガク片はガク片とともにつぼみを保護しています。ガク片は尖がってます。副ガク片は先端が...ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)
ミツバアケビはアケビを基本種(母種)とした変種とか品種ではありません。ミツバアケビ。漢字で、三葉木通、三葉通草。アケビ科アケビ属の3枚の葉の種です。学名Akebiatrifoliata、属名はアケビ属、小種名は3枚の葉です。それでも、似ています。花が咲いていれば違いはわかりますが、花期以外は小葉の枚数を数えて5枚なら「アケビ」、3枚なら「ミツバアケビ」で区別できます。ミツバアケビの花は濃紫色です。雌雄同株の雌雄異花で大きめの雌花と小さめの雄花が咲きます。アケビの雌花と雄花の記事です。比較してみてください。新しいタブに表示されます。雌花です。雄花です。掌上複葉で、小葉の枚数は3枚です。アケビと違って、葉っぱの縁は不規則な波状の鋸歯があります。総状花序に雌花数個と総状に小さな雄花を10数個つけます。アケビと同じで、...ミツバアケビ(三葉木通)の雌花と雄花
アケビ。漢字で、木通、通草。アケビ科アケビ属の5つの部分からなる種。学名の属名Akebiaは日本名のラテン語形で、日本語のアケビは世界共通呼び名です。つる性の落葉低木です。秋にはどこを食べたらいいんだ?種はどうしたらいいんだ?と思う甘い実をつけます。雌雄同株、雌雄異花でひとつの蔓から雌花と雄花に分かれて咲きます。雌花です。棒状の雌しべ(柱頭)が6~9本放射状に広がっています。3枚の花びら(花弁)に見えますが、ガク(がく、萼片)です。雄花です。雄しべは6本が房状に中央に集まっています。学名の小種名の5つの部分は葉っぱ5枚の意味でしょう。雌花のつぼみです。色は白~薄紫です。蜜のない花です。花粉の移動をどう誘っているのでしょう。雄花は雌花よりひと回り小さく、まとまって咲いているのを見ることが出来ます。(CanonIX...アケビ(木通)の雌花と雄花
ホタルカズラ(蛍蔓)=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区
図書室のある住宅地の花壇に星のような瑠璃色の花を見つけました。ホタルカズラ。漢字で、蛍蔓。ムラサキ科ムラサキ属のつる性の多年草です。他県ではレッドリストに指定されて種なので調べてみると、千葉市でもカテゴリーCの要保護生物に指定されていました。つぼみのときは紫色、咲くと瑠璃色になります。花の時期は茎は立ち上がり、つるの様に横には這いません。花期が終わると横に這っていくそうです。雑木林に瑠璃色のたくさんのホタルカズラが咲いていたら神秘的でしょうね。つっこみどころ満載の花の構造ですね。何しろ雄しべも雌しべも見えない。あの白く膨らんだ間の5つの穴と中央の穴に長いストローを持った昆虫が、ストローを挿し込むと見えないけど中にある雄しべに触れて花粉が落ちて、雄しべに囲まれた雌しべに花粉がついて受粉する。自家受粉ですね。花の構...ホタルカズラ(蛍蔓)=千葉市要保護生物指定種~千葉市緑区
ヒゲコスミレの学名はViolajaponicaf.barbataです。Violajaponicaはコスミレを表していて「日本のスミレ属」を意味しています。生息環境、特徴などコスミレと同じです。Violajaponicaf.barbataに『f.』という記号があります。formaの略字で「品種」を表します。学名は植物個体を表すのに「属」+「種」というニ名法をとっています。Violaが「属」でスミレ属、japonicaが「種」で日本の種ということを表しています。ところが、「ちょっと違うんだな」という植物もでてきます。野山が主な生息なのに海辺に生息している、違うのは花弁の色だけ、毛があるだけで他は同じなど、『明らかに他の個体群と比べて差異があるが、種や変種に細分化されるほど、分類的に大きな差異ではない』のときに、『f...ヒゲコスミレ(髭小菫)~学名に品種(f.)がつく植物
図書室に行く道の家の門柱横の花壇に綿毛がいっぱいで足を止めてしました。フキの綿毛です。初めてフキの綿毛を見ました。花壇にこれだけの綿毛があると「お~」と声を出してしまいますね。フキ。漢字で、蕗。キク科フキ属。フキは雌雄異株なので、綿毛をつけているのは受粉を終えた雌株ということになります。受粉後花茎を伸ばして1m近くにもなるものもあるようだけど、ここのフキは小さいです。いろいろな綿毛があるんですね。短髪もこもこふわふわ。(CanonIXYDIGITAL510IS)フキ(蕗)の綿毛
お雛様が飾ってあった公民館に五月人形が飾られていました。本格的ですね。三段飾りです。1段目は兜、屏風、太刀、弓。2段目は陣笠、太鼓、軍扇、鯉のぼり、吹流し、篝火(かがりび)。3段目は粽(ちまき)、八足台、柏餅。兜です。左側に太刀、右側に弓、その隣に吹流しがあります。柏餅ですね。粽(ちまき)ですね。(CanonIXYDIGITAL510IS)公民館に五月人形が飾ってありました。
『やっと気付いてくれたね。きみはいつも草ばかり見ていて木には目もくれなかった。気付いてくれてうれしいよ』きみの声が聞こえててくる。「こちらこそ、見ることが出来てうれしいよ」きみの名前は、ミヤマシキミ。漢字で、深山樒。別名、橘木斛(たちばなもっこく)。ミカン科の日本のミヤマシキミ属(学名に日本が入っています)。樹高1m前後の常緑低木です。山にあってシキミの葉に似ていることからミヤマシキミと名前がついたようですが、樹高が低いことと、果実がマンリョウに似ていてマンリョウより大きいのでオクリョウと呼んでいた時期もあったようで、庭木にされています。「こんにちは」葉の上の茎に半球上の円錐花序をつけます。よく見るとあっちこっちにたくさんの花をつけた円錐花序があります。雌雄異株です。単純に、雄株の雄花には黄色い葯のついた4本の...ミヤマシキミ(深山樒、橘木斛、たちばなもっこく)
今年は去年と違う場所でマルバスミレが咲いているのを見かけました。今年は、切り通しの道路の土手に咲いていました。2018年は雑木林の道の真ん中でした。2018年のマルバスミレの記事です。葉っぱの丸みの特徴がよく似ているスミレに、アオイスミレがあります。マルバスミレは葉っぱも花びらも丸くてかわいいです。マルバスミレの柱頭はカマキリの顔の形に似た三角形です。側花弁にひげが見えます。マルバスミレは花びら(花弁)が大きくてわかりやすいので、スミレの花びらの名前を説明します。花びらの上の2枚を上弁、中ほどの左右2枚を側花弁、下の1枚を唇弁と呼びます。弁は花びらのことです。後ろに飛び出た器官を距と呼びます。スミレの同定には側花弁のひげの有無と距の色と形が重要になってきます。側花弁にひげが有るものと無いものの2種類あるそうです...マルバスミレ(丸葉菫)2019
名前の由来を調べて思ったのは、この草を使って「母と子の形のお餅を作った」とされている春の七草のひとつの「御形(ごぎょう、おぎょう)」の説明で、ゴギョウが先で春の七草の浸透でハハコグサになったのじゃないかな。ハハコグサが一般的なら「ハハコ」で良かったと思う。もともと普段からいろいろな形のお餅に入れていた草で「ゴギョウ」と呼ばれていて、室町時代に七草が庶民に浸透していく際にお餅の形は母子の形になって、草の名前もハハコグサになったと考える方が納得がいく気がします。ハハコグサ。漢字で、母子草。別名は、御形(ゴギョウ、オギョウ)。キク科ハハコグサ属の越年草です。茎の先端に花のかたまりをつける「頭状花序」です。先端の花と下の方の花が、母が子を抱く姿と見えます。筒状花なのでこれで花が開いている状態です。まだつぼみの下の方の子...ゴギョウ(オギョウ、御形、ハハコグサ、母子草)
風が強かったけど夕方散歩に出かけました。よく行く公園です。この公園の南側は大規模造成で谷津を含めた雑木林がひとつなくなりました。その谷津の続きの北側に公園があります。風向きや風の強さなどによって造成現場のむき出しの土が、谷津に沿って飛んで公園を覆います。公園の入り口付近で自転車に乗った中学生の集団は「痛い痛い」と叫びながらすれ違っていきました。公園の谷津に入った瞬間、目の前が茶色です。中学生の「痛い」の意味がわかりました。流れている土にあたると痛いのです。持っていたタオルで口を覆っていつも座るベンチまで行って写真を撮って、すぐ引き返しました。実際は写真以上に目の前が茶色でした。鉄塔の方向が南です。自然破壊の結果です。土と砂の違いは大きさだけでなく、土は腐植土などの有機物を含んでいます。前向きに、飛んだ土が新しい...土が飛んで霞んでいました。~2019年4月5日
あっ、こんなところに白いスミレが咲いています。石塀と側溝の間から咲いています。ナンザンスミレ(南山菫)の変種のヒゴスミレ(肥後菫)でした。正面のお顔。横顔。上から。白いスミレは綺麗ですね。ヒゴスミレはナンザンスミレやエイザンスミレより葉が細く切れ込みも細かく裂けて、基部は完全に5裂しています。葉の切れ込みのあるスミレでは一番葉が細いのではないでしょうか。細かい石をかぶっていました。(CanonIXYDIGITAL510IS)石塀と側溝の間からヒゴスミレ(肥後菫)
キジムシロはバラ科のオランダイチゴに似たキジムシロ属の多年草です。モモブトカミキリモドキはカミキリモドキ科の後ろあしが太い甲虫です。モモブトカミキリモドキのお食事は肉食ではなく、花の蜜です。かなり集中して蜜をなめていますね。カミキリモドキの体液は毒素を含んでいて、触るとかぶれるので注意が必要です。女の子のモモブトカミキリモドキの後ろあしは太くありません。「だって、女の子だもん」キジムシロ。漢字で、雉筵。キジムシロは茎は葉っぱの外に向けて這うように伸びていき、葉っぱを囲うように花が咲きます。それが名前の由来の、「雉が座る筵(むしろ)」のようです。名前の由来通り、花は葉っぱの周りに咲いていますね。(CanonIXYDIGITAL510IS)キジムシロでお食事中のモモブトカミキリモドキの女の子
散歩のコースに歩道の一部がコンクリート舗装になっているちょっと広い場所があります。そのコンクリート舗装の継ぎ目から白い花のスミレが咲いていました。白い花のスミレは何か凛としていてきれいですね。アリアケスミレ。漢字で、有明菫。スミレ科スミレ属の無茎種の一種です。アリアケスミレは花の色が、白色から紫色の筋がたくさん入って紫色に見えるまでいろいろあります。花の色が変化に富んでいることを有明の空にたとえて、「有明菫」と呼んでいるそうです。葉っぱの形状は丸型ではなくて、スミレと同じ細長のべら型です。継ぎ目から元気に咲いています。スミレの種別でよく目にするのが『無茎種』『有茎種』という用語です。花は茎の先につくというのが植物の基本です。花があるんだから茎はあるでしょ、と考えてしまいます。いや、考えました。スミレの花の長く伸...舗装の継ぎ目から、アリアケスミレ(有明菫)
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