壁にぶつかったとき、わずかでも……
3月はなるべく穏やかに過ごそうと心がけているのに、毎年バタつく。詰めなければならない事業、切られるのを待つ伝票たち、あくびをしながらこちらを見ている実績報告書、腕を組んで構えている来年度の契約書や申請書……。その他、組織改正に伴う荷物の運搬があって、慌ただしさに目が回る。3月、編集者のY氏と打ち合わせをした。改めて編集方針を話し合うと案外すっきりした。なるほどそういうことか。テトリス棒が溝にはまった音が聞こえた気がした。以前渡した原稿は、行動規制を余儀なくされたコロナ禍を挟んだせいか、原稿用紙800枚を超えていた。さすがに書きすぎた。ゆえにY氏を煩わせることになり、どのような形にするか、これまで何度となく話し合ったが、漠然としたまま月日が流れた。ここに来て、版元の編集方針がはっきり見えた。改めて原稿を読み...壁にぶつかったとき、わずかでも……
2024/03/22 01:30