羽生市内で目にする “城”の字は? ―城橋―
羽生城の遺構は消え去っても、羽生の町なかで散見される「城の字」。例えば、葛西用水路に架かる「城橋」がある。かつて城のたもとには「しろばしや」という店があり、意識せずとも羽生市民にとっては馴染みのある名称かもしれない。ただ、葛西用水路の掘削は1660年で、羽生城が廃城したのは1614年だから、城が軍事施設として機能していた頃には、橋は存在していなかったことになる。用水路の掘削は、既存の堀を利用したとすれば何らかの橋が存在していたかもしれないが、少なくとも「城橋」という名称ではなかっただろう。『新編武蔵風土記稿』には、城橋付近に城の大手(正門)があったと記されている。同書は羽生城の構造についても触れられている。が、江戸後期に編纂されたものであり、城の遺構が当時どこまで残っていたのか疑問視される。遺構が皆無では...羽生市内で目にする“城”の字は?―城橋―
2023/06/28 06:42