chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
prisoner
フォロー
住所
東京都
出身
東京都
ブログ村参加

2006/01/22

arrow_drop_down
  • 「ぼくとパパ、約束の週末」

    小学一年生のとき、同級生に今思うと発達障害らしい子がいて、休み時間になってもどういうつもりか校庭でタイヤの味噌すり運動をじいっと凝視していて先生たちがよってたかって教室に戻るよう言ってきかせても全集中で、結局特殊学級に転校していった。発達障害児を他の生徒と混ぜて教育すべきかどうか日本でも議論が存ずるところだが、ドイツではこうやって混ぜるのがどの程度一般的なのだろうと思った。いじめられるのは目に見えているもの。肉体的な障害と違って一見他と変わらないのにわがままを言っていると思われ、実際列車の中でパスタとソースがきちんと分けられず少し触れているとパニックになって口うるさいおばさんに叱られる。父親が板挟みになって気の毒とも思うが、へこたれそうなところをタフに乗り越えていくのが頼もしい。-YouTube「ぼくとパ...「ぼくとパパ、約束の週末」

  • 「にっぽんぱらだいす」

    娼婦たちがプラカードを持って労働組合よろしくデモをするなんてシーンがある。労働者には違いないわけだが。先日見た「五番町夕霧楼」(1963)でも団結して交渉するシーンがあった。彼女たちが大挙して引っ越していくラストでロシア民謡が流れるあたり、社会主義的なカラーが当時はかなり一般的だったのかなと思わせる。菅原通済本人が字幕つきで登場するので、どんな人なのか調べてみたら小津安二郎のタニマチ的な実業家にして政治家。小津作品に出演もしている。麻薬・売春・性病の三悪追放を唱えて、そんなこと言えるのも自分が女遊びを堪能したからだろうなどと陰口を叩かれた。売春禁止法が公布されたのが1956年、施工が57年で、この映画の公開が1964年だから、溝口健二の「赤線地帯」の1957年がもろに法律に制定をめぐって動いていた時期なの...「にっぽんぱらだいす」

  • 「五番町夕霧楼(1963)」

    メインタイトルで早めに監督の田坂具隆と撮影の飯村正彦が二人並んでクレジットされ、最後に「そして」「佐久間良子」と締めくくられるのには驚いた。「そして」って何ですか。いかに佐久間良子を売り出すのに力を入れていたかがうかがわれる。クライマックスにあたる河原崎の吃音の見習僧が金閣寺に放火して火の手が上がるのを直接描かず、佐久間が誰がやったのかうすうすわかっていて火事を見ている姿で代えたあと、木暮実千代以下の女たちの会話に移って、佐久間は出てこなくなる。佐久間に口止めされていたことを河原崎に言うのが木暮だからその分のうしろめたさも込めていたのかもしれない。もとより木暮は立場からすると水揚げの四割を天引きする女将という悪役になっていてもおかしくない一方で遊女たちの面倒をみなくてはいけない立場でもあるわけで、千秋実の...「五番町夕霧楼(1963)」

  • 「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」

    前作はもう四半世紀前で、それに対応して劇の内容も丸一世代経ち、適当に前作のフッテージが顔を出す。作品のルックを保ちながら前作のオープニングの林の野戦から戦艦と砦を舞台にした海戦へと、それに合わせて闘技場の中を水で満たすという新趣向を同居させた。画面の色あいなどはそれほど変えてないが、映像技術は相当に高度になったのだろう。水など必ずしも本物は使ってないのではないか。「ゴジラ-1.0」であれだけリアルな水の表現ができたのだから。デンゼル・ワシントンがシェイクスピア劇の数々の役を彷彿させる複雑多彩でどう展開するかわからない顔を見せる。コニー・ニールセンが唯一前作と共通する役で出ているわけだが、前作より芝居の見せ場は多いくらいで、当人も納得できたでしょう。劇の構造とすると、かなりシンプルな貴種流離譚にまとめられる...「グラディエーターII英雄を呼ぶ声」

  • 「ベルナデット 最強のファーストレディ」

    初めに字幕で、これは実在のシラク夫人ベルナレッドを主人公にしているけれど、ホントかどうか保証の限りではありませんよと意味の一文が出るが、あとで果たせるかなウッソだあーと言いたくなる展開になる。エンドタイトルのコーラスの使い方など、ギリシャ悲劇のコロスのパロディ的な扱いですね。カトリックの告解の制度の扱いなども、相当にふざけている。カトリーヌ・ドヌーヴが貫禄。無敵感、ハンパない。そういえば、フランスには女性大統領って出ていない。首相は出ているけれどNo.1の座についたのは、今のところいない。これがアメリカや日本だと不公平感が出るけれど、これ見てるとフランスではそうでもない(気がする)。ミッテランだったか、一時期本妻のほか愛人が五人くらいいて、愛人と元愛人の誰がどの順番で並ぶか決めておいたという逸話を聞いたこ...「ベルナデット最強のファーストレディ」

  • 「陽のあたる坂道(1958)」

    裕次郎の背中を丸めてポケットに手を突っ込んでいる姿はこの映画の製作の3年前の1955年に公開された「エデンの東」のジェームス・ディーンそっくりだなと思うと同時に(公開当時もよくそう言われたらしい)、ディーンとは対照的な根っからの向日性というか、ひねくれそうでひねくれない明るさ、屈託のなさは他の登場人物が形容する通り。もっともそれはかなり場面が進行してからで、初対面の女性の胸をさわって「僕の憲法」などと言う出だしなど、裕次郎の兄かと思うようなふるまいでいささか呆れた。さわる相手が裕次郎と結婚する前の北原三枝ではあるのだが。そこから始まって気がついたらわざとらしくなく移行しているのだから不思議。タイトルバックで文字通り陽の当たる坂道を下ってからまた上がって屋敷に着くのがどこか象徴的。メインタイトルで監督の田坂...「陽のあたる坂道(1958)」

  • 「動物界」

    オープニングの車の中のシーンで、ポテトチップを食べる息子にそんな塩分が多い身体に悪いもの食べるなと言う父親自身がタバコを吸っているのが、おまえが言うかを地でいっていて、さらに「自然」なものとは何かというテーマにもつながっている。人間が別の生き物になっていくのを爪が抜けたり喉の奥から鳥?の羽を吐いたりと粘液感覚を重視してデジタル技術はあまり使わず特殊メイクを採用しているのが、アナログSFX時代の「ザ・フライ」を思わせる。別の生き物になるというのがどういう寓意なのか、一意的には解釈できないようにしてある。「ザ・フライ」がエイズの象徴だといった解釈が公開当時に一部で流布したが、それに収まらないように。息子が動物に変わっていくのはわかるのだが、その動物が具体的に何なのかははっきりしない。変身した母親「らしい」動物...「動物界」

  • 「ヴェノム ザ・ラストダンス」

    三部作できれいに終わったわけだが、それだけにいい加減エンドタイトルに予告入れるのには食傷気味。ユニバースを続けるのはわかってるんだから、残尿感というか、余韻を損ねていけない。中ほどで出てくる六人編成の特殊部隊が宙に並んで姿勢を崩さずに釣られている姿が気に入った。-YouTube「ヴェノムザ・ラストダンス」-公式サイト「ヴェノムザ・ラストダンス」-映画.comVenom:TheLastDance-IMDb「ヴェノムザ・ラストダンス」

  • 「イマジナリー」

    母親が黒人なのに娘たちが白人というのに(?)となるが、娘たちは父親=白人の連れ子で、前妻も白人というのがだんだんわかってくる。このあたりの設定の説明がどうも手際が悪くて、不必要に混乱する。イマジナリーフレンドというと子供には見えているが大人には見えないというのを想像するのだが、この場合継母には見えていてそれ以外の大人には見えない、のかな、と思うとベビーシッターの男の子には見えたりするのだから、これまた混乱する。継母の回想が冒頭とラスト近くに置かれていて、隣に住む老婦人がその内容に踏み込んだ解説をしたりするのだけれど、もうちょっとシンプルにいきませんかね。老婦人が解説役なのかと思うと、これまたひっくり返ったりする。視点がほぼ継母に置かれていて、こういうと何だが継母というのは仇役になることが多いのを、あえてか...「イマジナリー」

  • 「本心」

    エンドタイトルで真っ先に、監督より前にどーんと「原作平野啓一郎」と出たのには驚いた。あまり例がないのではないかな。三吉彩花が当人役というわけでもないのに「三好彩花」という役名で出ているのも珍しい。耳で聞く限り、ミヨシアヤカ、とまったく区別がつかない。本編では「本心」のタイトル文字のそばにTheRealYouと出る。ここではVF(VirtualFigure)と呼ばれる仮想キャラクターはもっぱら視覚と聴覚を置き換えた錯覚の上に成り立っていて、他の三つの感覚、特に触覚は仮想に対する実体を代表する位置づけを占めていると言っていいだろう。下世話な発想になるが、触覚=セックスを代行できるようになったらどうなるだろうと思った。「ソラリス」のステーションを訪れる“お客”は性交可能だった。三好は元セックスワーカーで、それで...「本心」

  • 「ルート29」

    詩集の映画化というのは「夜空はいつでも最高密度の青空だ」以来か、あまり例はないと思う。がっちりとした構図、抑揚をつけないセリフ、それ以前に間と沈黙を重視した作り、独特の省略法、など独自の演出スタイルをすでに持っているのをうかがわせる。同じ森井勇佑監督の「こちらあみ子」に続いて大沢一菜が準主演しているのが、姉妹編的な位置づけと共に妙な言い方になるが韻を践んだ感じ。難解というのではないが、ふっと気を抜いたら場面がとんで、だからといって退屈して眠くなったわけではなく、ふっと睡魔に囚われてそのまま意識がとんだ。タルコフスキーで眠ったことはないと記憶しているのだが、眠るときはこんなものかと思う。-YouTube「ルート29」-公式サイト「ルート29」-映画.com「ルート29」

  • 「湖の琴」

    途中で幻想シーンのような黄色一色のお堂のシーンがあり、ヒロインの佐久間良子が出てこないこともあってやや場違いな印象もあって、どこかで見たようだなと思ったらバックを菜の花の黄色で埋め尽くした内田吐夢監督の「恋や恋なすな恋」(1963)で、この「湖の琴」は1966年だからこちらの方が後。どこまで影響があるのかは不明だが、同じ東映京都ではある。蚕の繭から茹でてとった絹糸を干すのにおそろしく長細い建物を用意したのはずいぶん贅沢なセットの使い方。絹糸が何かの縁に見えてきたりする。佐久間良子の白い着物の生地がスクリーンで見ると、ものすごく良いものであろうことがわかる。二代目中村鴈治郎が毎度ながらのねっとりしたヒヒ爺を好演。樹木希林が悠木千帆名義で出演している。-YouTube「湖の琴」-映画.com「湖の琴」-IMD...「湖の琴」

  • 「アイミタガイ」

    伏線というかパズルのようにエピソード間の対応関係を編むのが丹念すぎてややうるさく感じるきらいはあるが、思いがけない結びつきに驚かされる。中村蒼がいまどき満員電車の中でカバーをかけた文庫本を読んでいるのが珍しく(私もやっているが)、あとでそれが思いがけず役に立ったりする。水路や川に隔てられている場面が多く、それが逆に人と人の間を半ば偶然のようにつながっていないようでつながっていることを想像させる。亡くなった藤間爽子のスマートフォンに黒木華が送るLINEメッセージを、西田尚美が見ているのだから「既読」がついているはずだが、それを特に強調しないのがいい。-YouTube「アイミタガイ」-公式サイト「アイミタガイ」-映画.comAimitagai-IMDb「アイミタガイ」

  • 「ロボット・ドリームズ」

    中盤、遠くにニューヨークのツインタワー、世界貿易センタービルが見えたと思ったらそれきり出てこない、と思ったら終盤まとめて出てきた。あれが存在しているということは20世紀なのか、あるいはパラレルワールドなのか。ロボットが途中から胴体を大型のツインテープレコーダーにして、アースウィンド&ファイアーの「セプテンバー」をかける。犬とロボットとが互いに出てくる夢を見て、それが現実かと思わせて夢、といういわゆる夢オチを繰り返す。ふたりのうち、どちらが主になるというわけではなく平行したままくるりくるりと入れ替わる。住所のプレートに「DOG」と書いてあるのがなんだか可笑しい。バーベキューセットのそばに置かれていたドレッシングの瓶のレッテルに「…OWN」と書いてあった。ポール・ニューマンの「Newman'sOwn」のもじり...「ロボット・ドリームズ」

  • 「レッド・ワン」

    封切がクリスマスよりだいぶ前の11月8日だったのだが、むかしむかし「サンタクロース」という映画がクリスマスシーズンに合わせて公開され、クリスマスを過ぎたらどーんと客足が落ちたという故事があって、わざわざ合わせてもはじまらないということになったかな。世界中の子供たちにプレゼントを配ってまわるって、サンタはどうやってそんな離れ業をやってのけるのかと考えるのは子供だけというか子供でもやらないだろうが、代わりに大人が商売でやることになる。「サンタクロース」もそうだったが、かなりひねた話にならざるを得ないのも一緒。クリスマスシーズンというと画面が雪で白くなっている印象が強いが、かなり文字通りダーク。プレゼントを縮小しておいて魔法をかけると(あるいは解くと)膨張するというのは、スノードームに縮小した人間を入れるのと一...「レッド・ワン」

  • 「十一人の賊軍」

    戊辰戦争で官軍側が幕府軍(賊軍)を押し気味の中、中立を保っていた新発田(しばた)藩が幕府軍につくと見せて、処刑を待つばかりの罪人たちを無罪放免と引き換えにするのを約束して時間稼ぎをし、その間に幕府軍から官軍に乗り越える工作をするというわけだが、裏切り・寝返りの連鎖がどうもきちんと観客に<打ち込まれる>ところまでいかず、どうしてそうなったのかよくわからないまま先に進んでしまう。笠原和夫脚本の「仁義なき戦い」だと、どうしてそうなったかわからないなりにいつの間にか納得させられてしまう(特に3作目「代理戦争」)のだが、描かれていないところで何をしていたのかブランクになっている部分を想像に預ける処理が巧みとは言えると思う。山田孝之をはじめとした罪人たちに対するに、れっきとした剣術道場の道場主の仲野大賀といった本来水...「十一人の賊軍」

  • 「リトル・ワンダーズ」

    飾り文字風の字体のタイトルと、伝承風の語り口で、どこか古色がついたような印象がある。実際に16ミリフィルム撮りでそういうカラーを狙ったらしい。兄弟と年かさの女の子の3人が動力つき自転車でぶっとばしていくオープニングは覆面をしていることもあって子供なりになかなかワイルド。3人がゲームをやろうとしたらパスワードを入れなければいけないように兄弟の母親に設定されていて、その母親の身体の具合が悪いので代わりに買い物に行ったら最後に残っていた卵を粗暴そうな男にとられてしまい(事実あとで刑務所帰りとわかる)、レシピに必要だから1個でいいからと懇願するが意地悪に拒否され、男のピックアップトラックの荷台にひそかに乗り込んで男のかなりヘンな家族がいる家に行くと、今度はその家族がトラックに乗り込んで、という具合にすごろくみたい...「リトル・ワンダーズ」

  • 「ノーヴィス」

    音のスタッフから監督になるというのは珍しいと思うのだが、撮影監督から監督になるのはそれほど珍しくないのと、これだけ映画における音の比重が大きくなったのを考えると、もっと増えてもいいかもしれない。ウォルター・マーチみたいに画と音の編集両方をやる人もいるわけだし、「ようこそ映画音響の世界へ」といった映画が独立して作られたりもしているし。たまたまボート競技を扱った映画として「がんばっていきまっしょい」と続けて見ることになったわけだが、偶然にせよ、あまりに対照的。あのキラキラした画面に対して終始曇りか雨で、さらにそれに不協和音がかぶさる。孤立しがちだった主人公がチームプレイの中で友情を育むのと、孤立を通り越して他を突き飛ばすように拒絶するのと、ヒロインのあり方も対照的。Noviceとは新人、初心者、新米といった意...「ノーヴィス」

  • 「パリの灯は遠く」

    タイトルバックの絵(あとでオークションにかけられている)をはじめ、出てくる絵画や家具や調度など、すごく贅沢。アラン・ドロンの役が美術商だからばかりではなく、ジャンヌ・モローの出番などヴィスコンティかと思うくらい。美術担当は「天井桟敷の人々」のアレクサンドル・トローネル。考えてみるとジョセフ・ロージーとヴィスコンティは「失われた時を求めて」の映画化を望んで果たせなかった同士でもあった。後半、画面から贅沢色が消え、ドロンの服装もトレンチコートに中折れ帽といった「サムライ」以来のものになる。アラン・ドロンについて佐藤忠男は「太陽はひとりぼっち」評で「かぎりなくゼロ、という感じの俳優である」と評したし、「世にも怪奇な物語」の一話「ウィリアム・ウィルソン」ではもろに分身役をやっていた。そのドロンがもうひとりのミスタ...「パリの灯は遠く」

  • 「ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~」

    監督のタマラ・コテフスカは北マケドニア出身で「ハニーランド永遠の谷」が米アカデミー賞にノミネートされ、日本でもアップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺で公開された。背丈が3.5mある操り人形アマル(アラビア語で希望という意味)にヨーロッパ各地を旅をさせ、その声をパスポートも持っていないシリアの少女が当てるというユニークな方法を採用している。前に「FLEEフリー」というドキュメンタリーにしてアニメーションという映画があったが、あれは顔バレを防ぐためにアニメにしたので、同じように不自由な立場にある人(たち)を表に出して、さらに国内にいる少女たちと観客とが想像でつながるというわけだろう。人形は行く先々では歓迎されるが異人でもあり、荒く編まれた格子から操っている人たちの顔も見える。籠の鳥という寓意と、しかし実際に入っ...「ザ・ウォーク~少女アマル、8000キロの旅~」

  • 「八犬伝」

    鶴屋南北役の立川談春が奈落で逆さまになって登場すること自体が虚実の逆転を表しているのだろうけれど、「東海道四谷怪談」自体が忠臣蔵の裏返しということがわからなくなっている、どころか四谷怪談も忠臣蔵もどうかすると知らない日本人が増えてきているのではないかな。ここのところ映画にもテレビにもなってないし。八犬伝となると、もとがバカ長くてNHKで放映されていた人形劇もほとんど散逸しているのだが、それでも辻村ジュサブローによるデザインの人形は強い印象を残した。正直、生身の人間がやっていても八犬士のキャラクターに関しては今回の実写化は負けている。屋根の上のアクションシーンがかなり力が入った出来なのだが、締めくくりが曖昧。屋根から落ちてどうなったのか、ぽんととんでしまってよくわからない。山田風太郎の原作がすでに馬琴と北斎...「八犬伝」

  • 「がんばっていきまっしょい」

    原作小説は30年前に書かれたものだが、このアニメ版はスマートフォンが出てくることからも一応現代を舞台にしているのだろう。ただし、喫茶店とかCDショップなどやや古い店を描いて松山の風情を残そうとしている。監督の櫻木優平の名前が脚本や編集はともかくかなりニッチと思しいデジタル技術の開発?も含めたところにクレジットされていて、この職能は何をしたのだろうと何度も思った。キャラクターの瞳が昔の少女マンガそこのけにデジタル技術で色違いになっていて、さらに波がキラキラが光っている。正直、「あしたのジョー2」のパラフィン紙を使ったらしい光り方の方が水気があった気がする。ちょっときれいすぎやしないか、気になったくらい。-YouTube「がんばっていきまっしょい」-公式サイト「がんばっていきまっしょい」-映画.com「がんばっていきまっしょい」

  • 「シン・デレラ」

    ゴジラにもウルトラマンにも仮面ライダーにも何かと「シン」が頭にくっつく中でおあつらえ向きに「シン・デレラ」とは出来すぎ。フェアリー・ゴッドマザーというキャラクターを創作して、これが三つの願いを聞く代わりに魂を売り渡せというよくある類なのだが、これにひとひねりしてあるのがミソ。シンデレラ物語はもともと残酷ないじめ色が強いからこういうアレンジは予想の範囲内だが、ゴア描写は期待にたがわぬもの。王子さまの金玉をガラスの靴のヒールで潰せばもっとよかった。シンデレラが一瞥すると次々と舞踏会のドアが閉ざされるあたりなど、まるっきり「キャリー」で、ぬかりなく炎上シーンを交えている。色調が古いフィルムみたい。-YouTube「シン・デレラ」-公式サイト「シン・デレラ」-映画.comCinderella'sCurse-IMD「シン・デレラ」

  • 「トラップ」

    女性シンガーの大がかりなライブを父娘が見に来たところで殺人鬼の捕り物が行われるのだけれど、その後一般家庭のコンパクトなスケールに縮小するのはヒッチコックの「知りすぎていた男」が大がかりなオーケストラ演奏シーンで盛り上げたあと小規模な「ケ・セラ・セラ」の歌でまとめたのを思わせる。もっとも縮めた規模であまり何度も繰り返すもので、映画自体がだんだん間延びしてしぼんだ印象になってしまう。監督脚本はM・ナイト・シャマランで、ライブを行う女性歌手を実娘のサレカ・シャマランがやっている。父親も毎度ながらヒッチコックばり(にしては出番が多い)に顔を見せる。シャマランとしてはケレン味が薄い。その分物足りなくもある。調べてみたらハカセ役がヘイリー・ミルズというのにちょっとびっくり。ずいぶんとお久しぶり。-YouTube「トラ...「トラップ」

  • 「テンダーメタルヘッズ」

    インスティトゥト・セルバンテス東京のドキドキ・アニメーションÑ(エニェ)にて鑑賞。アテネフランセのスペイン版といった施設(というのも失礼だが)。↑を見ればわかる通り、目鼻を思い切り省略してほとんどのっぽらぼうにしたキャラクターデザインが新鮮。ミケルとファンホという若者ふたりがヘビメタに出会うまでがかなり尺をとっていて、初めから友情を結ぶわけではなく喧嘩から始まったり、未成年なのに酒を売った金でギターとドラムスを買おうとしたら金が足りないとかいったお話の上での回り道の描き込みがいい。周囲の大人たちがズルかったり偽善的だったり男にだらしなかったりでおよそ頼りにならない。-YouTube第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭映画上映会「テンダーメタルヘッズ」Heaviestendres-IMDb「テンダーメタルヘッズ」

  • 「ゼンブ・オブ・トーキョー」

    出てくる女の子たちについてまるで知らないで見たのだが、案外顔の見分けがついた。歳いくつなのかなと思ったら、実年齢で高校生くらい。常識的に考えてそれくらいなのだろうがそれにしても、つるんとして見えた。大人たちをことさらに対照的に描いていない。歳はくっていても、それほど「大人」ではないせいか。隅田川や浅草周辺をまわっているルートが主で、インバウンドの外国人を含めて銀座とか東京の「よそ行き」の顔はあまり出てこない。それが案外と新鮮。-YouTube「ゼンブ・オブ・トーキョー」-公式サイト「ゼンブ・オブ・トーキョー」-映画.com「ゼンブ・オブ・トーキョー」

  • 2024年10月に読んだ本

    10月の読書メーター読んだ本の数:21読んだページ数:4823ナイス数:1ジャンヌ(文春デジタル漫画館)読了日:10月02日著者:安彦良和幻の怪蛇バチヘビ読了日:10月06日著者:矢口高雄なぜ「政治とカネ」を告発し続けるのか読了日:10月10日著者:上脇博之お菓子の家の魔女(ROMANBOOKS)読了日:10月12日著者:宇能鴻一郎盗伐林業現場からの警鐘読了日:10月13日著者:田中淳夫こち亀づくし爆誕(ジャンプコミックスDIGITAL)読了日:10月14日著者:秋本治NHK「100分de名著」ブックスフランクル夜と霧読了日:10月15日著者:諸富祥彦謎とき『風と共に去りぬ』(新潮選書)読了日:10月16日著者:鴻巣友季子頭山満――アジア主義者の実像(ちくま新書)読了日:10月17日著者:嵯峨隆こち亀づく...2024年10月に読んだ本

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、prisonerさんをフォローしませんか?

ハンドル名
prisonerさん
ブログタイトル
prisoner's BLOG
フォロー
prisoner's BLOG

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用