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2006/01/22

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  • 「誰がキャプテン・アレックスを殺したか」

    自称ウガンダ初のアクション映画。こういう映画の作り方があるのかとちょっとびっくりする。ずうっとバックでナレーションというにははしゃぎすぎの「これこそ映画だ」「豹と虎の一騎打ち」といったコメントがラップみたいに絶え間なく流れ、「演じるはセルジオ・アーネスト」とゴダールもびっくりの異化効果が挟まったりする。爆発とか弾着で血が噴き出すといった処理はほとんど合成。レンズが汚れていてもおかまいなし。銃撃戦とカンフーがまぜこぜで、「映画を真似した映画」という文脈に則っている。-YouTube「誰がキャプテン・アレックスを殺したか」-映画.comWhoKilledCaptainAlex?-IMDb「誰がキャプテン・アレックスを殺したか」

  • 「化け猫あんずちゃん」

    化け猫あんずちゃんが目の前に現れた時のかりんちゃんのリアクションを引いたサイズで描いているのが上手い。昨今の墓が集合住宅みたいなコンパクトな味気ない体裁になったのを見せておいて、まだ小学生のかりんちゃんが亡くなった母親を文字通り地獄にまで追いかけていくのだが、その地獄のイメージが荒野にちょっと異国的な扉や塀を配するのと現代ののっぺりとした道具立ての混在というのが面白い。考えてみると、今の一般的な地獄絵図というのは割と異国的ではないか。地獄から死んだ母親を取り返しに行くという「オルフェ」みたいな話だが、借金づけになっている父親が半分地獄に沈められているというくだりが怖くて可笑しい。あんずちゃんの声が森山未來というのは先日の「大いなる不在」のイメージとはずいぶんと異なるが、微妙に周囲に溶け込まない役柄という意...「化け猫あんずちゃん」

  • 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

    本題というべきアポロ11号による月面着陸映像が実はフェイクだった(のかもしれない)という「カプリコン1」的モチーフが出てくるのが中盤過ぎと割と遅くて、それまではスカーレット・ヨハンソンのいかにも海千山千の広告屋とチャリング・テイタムの元空軍パイロットで元宇宙飛行士候補のNASAスタッフの喧嘩友達式のロマンスが発展していくクラシックなラブストーリーが占める。クラシックな味わいは音楽や服装もそうだし、ワイプといった技術的処理にも見られる。アポロ計画の時は「宇宙飛行士の妻」というカテゴリーがあるくらいで、宇宙飛行士はもちろんNASAのスタッフも全員男。ちなみにソ連の女性宇宙飛行士のワレンチナ・テレシコワがボストーク号宇宙を飛んだのは1963年、アメリカ初の女性宇宙飛行士サリー・ライドがチャレンジャー号で飛んだの...「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

  • 公開講演会「映画監督・黒沢清氏を迎えて」

    篠崎誠監督が聞き手になって黒沢清監督から話を引き出す土曜午後いっぱいの四時間半。まずフランスの叙勲に合わせてフランス映画人たちのビデオメッセージが上映される。レオス・カラックスのは下ネタ入り。三部構成で、第一部は、立教大学に入学して当時は無名の蓮實重彦の授業をとり、いくつか出た課題のうち、鈴木とつく映画人を三人挙げよというのがあって、鈴木清順、鈴木則文までは出たけれど、三人目で困った、鈴木達夫、鈴木晄と後で答え合わせしたが、特に正解はないといった授業で初め百人くらい出席していた学生が秋頃には十人くらいになっていた、代わりに蓮實信徒になって教えを広めないといけないくらいの気持ちになっていたとのこと。それからいくつかの映画の抜粋をスクリーンに映しながら解説する。「ジョーズ」よりオープニングの夜の海岸シーン、女...公開講演会「映画監督・黒沢清氏を迎えて」

  • 「大いなる不在」

    藤達也の認知症演技がセリフの言い方は正常なのに内容はどこでどうショートしているのかわからない飛び方を見せる。その中で体裁を取り繕うのが習い性になっているのか、恩師を偲ぶ会(当人は物理学者らしい)らしき会合だとまったく破綻を見せないのがまた見ようによっては小憎らしい。話している相手が誰なのかしばしばわからなくなって相手(主に森山未來)にしてみれば腹が立ってくるのと、もともと不仲なのが相乗効果を出したり逆に打消しあったりする。このあたりに散乱ぶりは初めの方で明らかに人物を鏡に写して見せる画作りをしているのでそこで暗示していたのかもしれない。時制が交錯する構成で(部屋の散らかり具合で時間経過を描き分けている)、前の方で言ったセリフの内容が後で出てくる実際の場面と微妙に食い違っていたりする。-YouTube「大い...「大いなる不在」

  • 「NIMIC ニミック」

    「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督の12分の短編。チェロ奏者のマット・ディロンが朝、アイマスクをしてベッドで寝ている妻のそばで目覚め、茹で卵の朝食を摂り、出勤してチェロの練習をして、といった日常的なスケッチが綴られるのだが、地下鉄で向かいの席に座った女性ダフネ・パタキアに時間を訊いたのをきっかけに、その女性がいつの間にか家庭内でもオーケストラの地位も彼の座に居座ってしまう。妻と女が夫婦みたいに並んでそこに子供もいる家庭という図になるわけだが、何事もなかったかのように淡々としているのがなんともいえず異様。-YouTubeNIMICニミック」-公式サイトNIMICニミック」-映画.comNimic-IMDb「NIMICニミック」

  • 「あのコはだぁれ?」

    予備知識なしで見ていて、なんだかこの場面見覚えあるぞとデジャヴに何度も襲われたのだが、なんのことはない「ミンナのウタ」の姉妹編みたいな映画なのでした。その他「呪怨」でおなじみと言っていい白塗りでこそないが名前も同じ俊雄くんが布団の中にいつの間にか潜り込んでいたりする。余談になるが、「呪怨」で俊雄と似たような白塗りの女の名前が伽耶子という明らかに韓国名なのはどういうことだろう。在日一世の作家・李恢成の作品が映画化もされた「伽倻子のために」。俊雄という名を聞くと、今村昌平監督の「女衒」で緒形拳の恋敵役の王(ワン)を演じた俳優が柯俊雄といって、台湾人なのだが、1945年生まれと日本のぎりぎり占領下の生まれ。当時の台湾では日本人風の名前をつけることが多かったらしい。マキタスポーツが幽霊というと恨みつらみをしょって...「あのコはだぁれ?」

  • 「スーパーティーチャー 熱血格闘」

    生徒のひとりが「キッズ・リターン」のボクシングみたいな感じで格闘技をやっていて、そこでドニー・イェンが柄の悪い連中から救いに乗り込んでいって控室で立ち廻りになる。ずらっと並んだ控室のロッカーが高さといい音といい効果的に使われている。学園ものとドニー・イェンとの取り合わせというのが新鮮で、とにかくやたらと強くて頼もしくて、それが当たり前というキャラだから生徒たちも自然と馴染むというわけ。-YouTube「スーパーティーチャー熱血格闘」-映画.comBigBrother-IMDb「スーパーティーチャー熱血格闘」

  • 「お母さんが一緒」

    お母さんが一緒と言いながら、温泉旅館の向かいの部屋に泊まっているのにも関わらず、三姉妹の母親の出番はない。そのあたりいかにも舞台劇的なのだけれど役者たちがみっちり芝居していてしかも暑苦しくならない。全員思い切りどうしようもないキャラなのを、どうしようもないなりに笑いとばす感じに仕上がっていて快調。夜が明けるとともに温泉の湯煙が朝日の中で光って旅館の外の景色が見えるようになり、自然に解放感が出てくる。もともとCSのホームドラマチャンネルの連続ドラマだったのを再編集したというが、その連続ドラマ版見られないものか。-YouTube「お母さんが一緒」-公式サイト「お母さんが一緒」-映画.com「お母さんが一緒」-IMDb「お母さんが一緒」

  • 「やさしい女」

    ドミニク・サンダはこの時十七歳のはずだが、頬の線など稚いところが大人びた感じ、特に目つきと同居している。監督のロベール・ブレッソンはほとんど素人だけを起用してそれも一度きりで二度と使わないので有名だが、素人の素材の「自然さ」よりは明らかに型にはまった「不自然さ」に合わせている。能面芝居の中からこぼれる生々しさと言い直せるかもしれない回想形式をとっていて投身自殺したサンダの遺体から生前の彼女にフラッシュバックで遡るのだが、これはドストエフスキーの原作の構成をほぼ踏襲したもの。遺体がオブジェとしてごろっと転がされているあたりの即物感が、そのまま生前の姿にも通用する。-YouTubeやさしい女-映画.comUnefemmedouce-IMDb「やさしい女」

  • 「THE MOON」

    韓国一国が開発した月探査ロケットが月に向かう間、太陽嵐を受けて機器は故障、三人の宇宙飛行士のうち二人までがEV(船外活動)中に事故死する。それから残された一人が独断で月の上に立ち、隕石が降り注ぐ中着陸船を離陸させるが地球には帰れないとなると、ジェット噴射式のドローンを抱えて月面に降下、NASAの救助を待つという命が百個あっても足りない危機また危機を乗り越える。危機を次々と突破していく強引さとタフネスとツッコミどころ満載ぶりは韓国製らしい。いったん現場を離れたメンバーが乞われて復帰するのは「アポロ13」、泣かせるのは「アルマゲドン」といったところ。いくらなんでも倫理的許容範囲を超えているところはあって、そういうところに限って登場人物が揃って泣いていたりするのだね。宇宙連盟(だったっけ)という8か国からなる合...「THEMOON」

  • 「メイ・ディセンバー ゆれる真実」

    どういう意図でミシェル・ルグラン作曲による1971年の映画「恋」(原題GoBetween=仲介者)のピアノによるテーマ曲をほぼ全編に流したのだろう。「恋」の内容はというと、20世紀の初めのイギリスの田舎に預けられた13歳の少年ドミニク・ガードが年上の令嬢ジュリー・クリスティに憧れ恋するのだが、クリスティの方はガードを使い走りとしてしか遇さず、別にたくましい小作人の男アラン・ベイツとできていたというもの。タイトルこそ「恋」だが、実態はジョセフ・ロージー監督、ハロルド・ピンター脚本らしい残酷劇といっていい。この映画に出演した時のクリスティの実年齢は31歳。「メイ・ディセンバーゆれる真実」のモデルになった実際の事件の女の方は36歳だから、まあ近いといっていい。相手の少年の設定は13歳だから合致する。年上の女性と...「メイ・ディセンバーゆれる真実」

  • 「YOLO 百元の恋」

    役者が極端に体重を増減させる場合、「レイジング・ブル」のデニーロだとボクサー体型に絞ってから増量したわけだが、ここでの主演(兼監督)のジア・リンはエンドタイトル見ると増やしてから絞ったらしい。しかも他の出演作を見るともともと太ってたわけではない。太ったまま戻らなくなったらどうするのだろうと勝手に心配してしまった。安藤サクラはどうしてたのだろう。安藤サクラ主演のオリジナル版「百円の恋」とはかなり展開が違っていて、ひきこもりになって身体も心も緩んでいたヒロインが家を出て百円ショップで働くところからタイトルがついたのだが、ここではテレビ局で働く従妹が持ってきた仕事でそれまでにも増した屈辱を受ける。身体が絞れてきたヒロインがロードワークを始まるところから高らかに「ロッキー」のテーマ曲そのものが鳴り響き、練習風景の...「YOLO百元の恋」

  • 「密輸 1970」

    プロレスのバトルロイヤルさながらに入り乱れる複数の勢力が密輸されたお宝を争う中で、一番体を張っているのにふだん割を食っている海女さんたちが逆転勝利するのがわかっていても痛快。コン・ゲーム式に~と見せかけて実はという語りを時制を前後させて織り込む手際もいいし、ベトナム戦争後という時代背景を生かしてナイフでの接近戦もたっぷり見せるサービスつき。海中撮影に相当な危険や困難さが伴ったのは想像に難くないが、やすやすとやってのけている(ように見える)。海女のサブリーダー格がリーダー以下のメンバーを裏切ったかのように思わせる語りが上手い。税関=役人を徹底してワルく描いているのが思い切りがいい。日本の昔の歌謡曲みたいな曲調の唄がずうっと流れて、ときどき対位法的な効果を出す。-YouTube「密輸1970」-公式サイト「密...「密輸1970」

  • 「リコーダーのテスト」

    「はちどり」のキム・ボラ監督がそれに先立つ2011年に発表した28分の短編。フィックスを主とした、空間把握に優れた画面構成がすでにここに見られる。セリフに頼らず、淡彩のスケッチのようでニュアンスが豊か。ボロいラジカセと、どういうわけか象嵌か何かの立派な細工が施された台に乗ったテレビが1988年のソウル・オリンピックを伝える。主人公の小学生低学年のキム・ウニがリコーダーを家に忘れて電話で母親に持ってきてと頼むが容れられず、教室でバンザイみたいなポーズをとっている(↑)罰を受ける冒頭からなんともいたたまれない感じ。キムはともだちのハンナの母親がノックしてから部屋を出入りするのに驚くので、逆に出入りする時ノックしないのがわかる。ハンナは育ちが良くてピアノも弾く。対照的にキム一家は狭い部屋をムリに分けて寝起きして...「リコーダーのテスト」

  • 「フェラーリ」

    事故の場面が凄惨で、ギャラリーを文字通りなぎ倒す。なんでろくな防護柵もなしに車がびゅんびゅん走り抜けるそばで見てられるのだろうと疑問に思うくらい。エンツォ・フェラーリが公私ともに最も追い詰められていた年に焦点を当ててるもので、レースシーンがお待ちかねという感じでまとまって描かれてもアンチクライマックスで終わることもあって、あまり解放されずに終わってしまう。レースカーがコースアウトしても割りと平気で他の車に乗り込んだりするのには驚いた。妻ペネロペ・クルスが愛人シャーリーン・ウッドリーの存在を知らない様子なのにあれまと思う。-YouTube「フェラーリ」-公式サイト「フェラーリ」-映画.comFerrari-IMDb「フェラーリ」

  • 「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」

    ユアン・マクレガーとクララ・マクレガーの実の父娘が父娘役で共演したのが話題の一作(配役序列はクララが一番、ユアンが二番)。娘のアルコールとドラッグの依存症の治療施設まで父が連れていくまでのロードムービーで、依存症にしてはかなり症状の描写がぬるいのは気になった。父娘一般の話に寄せたのかもしれないが。車内のシーンで首振りパンを繰り返したり、時制を無視したカットバックしたりと、どうも落ち着かない演出。-YouTube「ブリーディング・ラブはじまりの旅」-公式サイト「ブリーディング・ラブはじまりの旅」-映画.comBleedingLove-IMDb「ブリーディング・ラブはじまりの旅」

  • 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」

    新人ドミニク・セッサ(2002.10.25生)がちょっとサム・シェパード似のオオカミ顔で野性味とナイーヴさを併せ持っていて、注目に値する。「シャイニング」ばりに雪に降りこめられた大きな校舎の一部でしか暖房をかけていないという設定で、一度にではなく段階的に登場人物が減っていくあたりが上手い。「いまを生きる」を思わせる男子校で調度など70年から71年にかけてのレトロ色が入っている。ベトナム戦争で息子を亡くしたダヴァイン・ジョイ・ランドルフの姓がLamb(仔羊)というのがなんとも皮肉で象徴的。デジタル撮影でフィルムのテイストを出すのに選んだ技法(公式サイト所収)が面白い。人を罵倒するのに「おまえは人の形をした陰茎癌だ」という表現は初めて見たわ。-YouTube「ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリディ」-公式サ...「ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリディ」

  • 「言えない秘密」

    台湾映画のリメイクとあとで知る。お話の仕掛けで本来不自然になってないとおかしいところをひっかからないように処理しているのは良し悪し。泣かせようとしているのかしていないのかよくわからない。部屋の様子が変貌していく時間経過あるいはその逆の処理は中途半端で、あんまり変わっているように見えない。-YouTube「言えない秘密」-公式サイト「言えない秘密」-映画.com「言えない秘密」-IMDb「言えない秘密」

  • 「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」

    潜水艦というとドイツのUボートの印象が強いけれど、ここに出てくるのはイタリア海軍の潜水艦。1940年に潜水艦が当時は中立だったベルギーの一般船を撃沈し、投げ出された乗組員たちを救助するという矛盾した行動に出る。一般船籍とはいってもイギリスに軍事物資を運んでいたわけで、沈めても言い訳は立つのだが、あえてそうしない。イタリアというと1861年にイタリア王国に統一されるまでは各地方バラバラだったわけで、この映画のセリフでもシチリアと××(失念した)とでは別の国というより別の星だなどと言われている。二度までも助けられた恩を忘れた捕虜にファシストと罵られて艦長がすごく怒るのだが、ファシズムの語源はラテン語の「ファスケス」(fasces、束桿)で、逆説的に束にならない、まとまらない集団といった意味を志向しているように...「潜水艦コマンダンテ誇り高き決断」

  • 「Shirley シャーリイ」

    エリザベス・モスのシャーリー・ジャクソンがそっくりのメイクで演じるのだが、それ以外のキャラクター設定がなんだかモヤっている。現実と小説世界の区別があまりつかないように描いているからそうなるのだが、なんだか必要以上にわかりにくくしているように思える。ちょっと「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」みたいな感触がある。-YouTube「Shirleyシャーリイ」-公式サイト「Shirleyシャーリイ」-映画.comShirley-IMDb「Shirleyシャーリイ」

  • 「クワイエット・プレイス DAY 1」

    音をたててはいけないという設定が秀逸だなと改めて思う。沈黙の緊迫感とそれが破れた時のメリハリに加え、ここでは俳優たちがセリフに頼らないパントマイムか事実上サイレント映画の芝居で大半を押し切っている。ポータブルラジカセに有線イヤホンを刺して聞くのがやや古い感じなのが、街の古色がついたクラブの道具立て同様に生きている。ラストで音楽を思い切り流すのが「決まった」感じ。今回は前作までと違い、都会を舞台にしてガラスをばんばん割って大きな音を出すのも差別化している。-YouTube「クワイエット・プレイスDAY1」-公式サイト「クワイエット・プレイスDAY1」-映画.comAQuietPlace:DayOne-IMDb「クワイエット・プレイスDAY1」

  • 「EO イーオー」

    一匹のロバが主役というか、狂言回しをつとめる。ロバというとおとなしく従順で黙って苦役に耐えるというイメージだが、それぞれあまり統一性のないエピソードを串刺しにして描いている。ブレッソンの「バルタザールどこへ行く」が受難のロバのイメージで貫徹したとすると、こちらは一種のアンソロジーとして描いたと言える。例によって、この映画では動物は殺しておりませんと出るが、内容上当然ではあるず、ロバの姿をフレームから外してボコボコに暴行するシーンはある。-YouTube「EOイーオー」-映画.comEO-IMDb「EOイーオー」

  • 「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

    ハロルドが旅を始める動機が思いつきみたいで、なんだか納得できないなりにそういう人なんだろうと思って見ていたら終盤伏線のピースが組み合わさってなるほどと思うことになる。中盤、巡礼みたいになってきて妙に持て囃されるあたり、このまま勘違いしてほしくないと思うが、幸いそうはならない。あちこちの道端で食べ物が置いてあるあたり、実態としては喜捨=施しであり贅沢いわなければモノは十分あるのだろうな。途中から同行してくる若者がハロルドの息子と自然にだぶってきて、というより息子がいたことが明かされるストーリーテリングは原作者が脚色も兼ねた長所と弱点が出ていると思しく、わかりやすく画面に出してしまうのがちょっと物足りない。-YouTube「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」-公式サイト「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」-映...「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

  • 「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」

    「シンドラーのリスト」同様にナチスからユダヤ人を救い出した人物の実話だが、オスカー・シンドラーが自分の工場で働かせるユダヤ人の経費を安くあげるという打算的なところを見せた上でそれを見逃せなくなるという複雑な役どころだったのに対し、ごく単純に見て見ぬふりはできなくなるという感情が素直に描けている。アンソニー・ホプキンスと若い時をやるジョニー・フリンのつながり具合がまた淡々としていて、このままさりげなく終わるのかと思うと終盤ぐっと盛り上がり、当人は心残りがあるようだったのが、思った以上に命を救った重さが実感される。-YouTube「ONELIFE奇跡が繋いだ6000の命」-公式サイト「ONELIFE奇跡が繋いだ6000の命」-映画.comOneLife-IMDb「ONELIFE奇跡が繋いだ6000の命」

  • 「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」

    驚いたのは、一卵性双生児の役を演じているのはてっきり一卵性双生児そのものだとばかり思ってたのだが、新人ティティヤー・ジラポーンシンがひとり二役の合成で演じているのだという。こういうと何だが、タイみたいに「発展途上」と思われている国柄で、画面も大半は田舎を舞台にいかにも鄙びた感じでまとめているもので、そんなに高度な合成技術を使っているとは思わなかった。とにかく本当に同じ顔の人間が二人いるとしか思えない。もう一度見て確かめてみるか。そして一卵性双生児そのものなのは監督のワンウェーウ・ホンウィワットとウェーウワン・ホンウィワットのふたりの女性の方というのがまたびっくり。また驚いたのはティティヤーが2005年1月4日生まれ、つまり撮影時はおそらくハイティーンだったわけで、てっきり日本だと中学生くらいの歳だとばかり...「ふたごのユーとミー忘れられない夏」

  • 「ディア・ファミリー」

    予告編の押しつけがましさにはヘキエキして、こういう調子でやられたらかなわないなと思ったが、「キングダム」の二作目の予告編もそんな調子だったが本編みたらそうでもなかったので、予告編だけで決めるのはどうかと思って本編の見参に及んだ。それともうひとつ医学とはまったく無縁の銀行員が子供の命をすくうために猛勉強して研究上の奇跡を起こす実話ものとして「ロレンツォのオイル命の詩」があったが、あれの監督は当人が医者でもあるジョージ・ミラーだからそれが一種の説得力にもなっていたと思うが、今回はそれは期待できない。で、前半三分の二くらいは樹脂関連のメーカーの社長・大泉洋が異常にポジティブで諦めるということをおよそ知らず心臓に疾患を抱えた娘のためにひたすら人工心臓の開発に邁進するわけで、いささか「プロジェクトX」のようでもあり...「ディア・ファミリー」

  • 「バッドボーイズ RIDE OR DIE」

    アルマンドという見慣れないキャラクターが出てきてウィル・スミスが息子扱いするのだが冒頭で「初の」結婚式を挙げるのだから息子などいるわけないと思ったら、未見だった三作目の「フォー・ライフ」見たら魔女と言われた女が獄中出産したスミスの息子に間違いなく、あれまと思った。獄中に刑事の息子がいるなんて普通思います?射撃ゲームみたいに画面の手前に拳銃を握った手があったと思ったらそのまま反転して銃を構えた二人の正面の姿になる、といったカットの画面デザインは新鮮。ドローンを爆撃に使うのも。マーティン・ローレンスが冒頭で心臓発作を起こして冥界?をさまよってからときどき行動が無茶苦茶になるという設定はまあどうかしている。オープニングタイトルでドン・シンプソンがジェリー・ブラッカイマーと並んで名前が出たので、シンプソンが生きて...「バッドボーイズRIDEORDIE」

  • 「朽ちないサクラ」

    警察と一口に言っても捜査と公安と事務とではまるで役割が違う、そのあたりの描き分けが不十分な感はある。同じ原作者で同じ広島の警察を舞台にしていても「孤狼の血」の脂っこさとは対照的にすっきりしている。セリフの中に出てくる人名が誰のことなのかなかなか顔と結びつかず、正直字幕出したらどうかと思った。昔の東映の実録ものみたいになりそうだが。冒頭のつかみの殺し場が時間の順序からいくともっと後の方に来るはずだが、そのあたり混乱する。カルトのテロ描写は周回遅れながら最近やっと描けるようになったかとは思う。もっと大物のカルトが現実にのさばっているからではあるが。-YouTube「朽ちないサクラ」-公式サイト「朽ちないサクラ」-映画.com「朽ちないサクラ」-IMDb「朽ちないサクラ」

  • 「九十歳。何がめでたい」

    初めの方で草笛光子が読む新聞の人生相談で相談するがイメージショットでひょっこり相談者の木村多江が実際に居間に現れるかなり凝った演出すると思っていると、そういうさりげない技巧が後までつながって展開していくのが「そしてバトンはつながれた」などの前田哲らしい。だいぶ前に脚本で組んだ「食鬼」でもそういう技巧派ぶりを見せていた。唐沢寿明の髪型が思い切り変な以外は自然。佐藤愛子が著書の書名から装丁までまんま再現しているのはちょっと驚いた。場内は当然ながら年配者ばかり、かなりいい着物を着ているのが作中の草笛光子=佐藤愛子同様。佐藤愛子の家の中は裕福で気ままな暮らしをうかがわせる調度で統一され、愛子の娘の結婚相手の男の姿はない、どうやら唐沢寿明のように「一度嫌いになった男とまたよりを戻すとこなどあるわけない」らしい。女三...「九十歳。何がめでたい」

  • 2024年6月に読んだ本

    6月の読書メーター読んだ本の数:18読んだページ数:4429ナイス数:0同志少女よ、敵を撃て読了日:06月01日著者:逢坂冬馬虚人と巨人国際暗黒プロデューサー康芳夫と各界の巨人たちの饗宴読了日:06月01日著者:平井有太篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝(河出文庫た24-1)読了日:06月03日著者:竹熊健太郎新装版範馬刃牙コミック1-21巻セット読了日:06月08日著者:板垣恵介_インティマシー・コーディネーター--正義の味方じゃないけれど(論創ノンフィクション)読了日:06月08日著者:西山ももこスピリチュアル漫画家!読了日:06月08日著者:魔夜峰央なんだかんだで!女のはしょり道読了日:06月10日著者:伊藤理佐完本麿赤兒自伝-憂き世戯れて候ふ(中公文庫)読了日:06月12日著者:麿赤兒小悪党:あ...2024年6月に読んだ本

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