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2006/01/22

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  • 「ブルー きみは大丈夫」

    原題はIf。もしもという意味と、イマジナリー・フレンドという意味の両方にかけている。主役の女の子がどういうわけか他人のイマジナリー・フレンドが見える設定で、前フリでジェームス・スチュワートが他人には見えないウサギが見える旧作映画「ハーヴェイ」がテレビで放映されている。ただハーヴェイはスチュワートには存在するが他人には存在しない玉虫色の存在なのだが、それがこのIFでは当人にすら見えなくなっているが本当に実在しているという設定で、それが本来他人である女の子にもその父親にもありありと(それも大勢)見えるしCGがまたこれでもかとばかりにキャラクターの質感量感実在感を出してくる。イマジナリー・フレンドの側からその主を見つけるのを女の子が手伝い、時にIFが現実に物理的な力を働きかけたりする。なんか現実的すぎるのです。...「ブルーきみは大丈夫」

  • 「違国日記」

    新垣結衣の部屋にある襖みたいなスライド式の板の敷居がきちっと正しい位置になかなか来ないでたびたびズレたり、細めに開いて向こうから新垣の顔が覗いたりと微妙な見せ方をしているのが面白い。血縁でいうと姉の娘だから姪なのだが、姉と疎遠なのが響いて姉夫婦が事故で亡くなって引き取ったあとも微妙な空気感で一線を守っているのが、この仕切りの扱いに表れているように思える。部屋はかなり散らかっているが本棚は生理されていて(母親の本棚もそう)、服も普段はだぼっとしたズボンを履いていたり髪もわざとらしい範囲でなくぼさぼさだったりメガネも微妙に太縁のをかけたりで、まあ小説家らしい。もとが美人だからむさくはならない。-YouTube「違国日記」-公式サイト「違国日記」-映画.com「違国日記」-IMDb「違国日記」

  • 「気違い部落」

    すごいタイトルだけれど、公開された昭和32年(1957年)には放送禁止用語というのはなかったから「気違い」も「部落」もパスできた、というわけでもなく、誰がどういう根拠で禁止したのかよくわからないまま同調圧力的に自主規制しているというのが本当のところだろう。冒頭、幕の前に森繁久彌が登場して口上を述べてから日本橋の川と橋が写るのだが、上を覆っている高速道路は影も形もない。昭和37年のオリンピックを控えて作られたのだからそういうことになる。そこから十三里半=54キロしか離れていない田舎(に見えるが現在の八王子市西部)を舞台に村人たちの群像劇が2時間14分かけて展開するわけだが、役者の揃いっぷりは今見るとすごい。芸術祭参加作品と出るから、当時とするとそれなりの格はあったのだろう。伊藤雄之助が結核(というのがまた時...「気違い部落」

  • 「蛇の道」

    ビデオ用映画だったオリジナルは見ているのだが、こんなだったっけと何度か思った。廃墟に拉致監禁した男にダミアン・ボナールが可愛い女の子のビデオを自分の殺された娘だと強引に見せ、同時に惨殺された医学的所見を淡々と朗読する場面ははっきり覚えていた。ゲシュタルト崩壊というのか同じ言葉を何度も繰り返すことで言葉が意味を失う。隠されていた真相があとで一応はわかる。オリジナル版のシナリオを書いた高橋洋の著書にずばり「地獄は実在する」というのがあるが、彼の発想には映像そのものが死んでは生き返る呪われたものというのがある気がする。そういう地獄感は描かれる対象としてあるので、映画そのものの呪いといったものはここでは薄い。食物を与えるかと見せてフードプレートをわざとひっくり返したり、失禁させて放水で身体を洗ったりといった拷問は...「蛇の道」

  • 「チャレンジャーズ」

    カメラがテニスボール目線になって激しくラリーを演じたり、テニスコートの地面が透明になって「刺青一代」みたいな真下から撮るアングルになったり、ずいぶんとケレン味のある演出をしている。音楽が画面に合わせるわけでもなくずうっと鳴り響いていたり、必ずしも必要なく時制が交錯したりというのもケレンに入るかもしれない。ラスト近くで車で出かけるシーンも、なんであんなに風が吹いて紙くずが散ってたんだろう。ラストのくくり方は、テニスのルールを良く知らないせいなのかどうなのか、ちょっと釈然としない。「ロンゲスト・ヤード」をフットボールのルールを知らないで見るようなもの。ふたりの男をひとりの女がかわるがわる手玉にとって、どっちが手玉に取り甲斐があるか比べているみたい。-YouTube「チャレンジャーズ」-公式サイト「チャレンジャ...「チャレンジャーズ」

  • 「数分間のエールを」

    輪郭線を書かないで色の塗り分けだけで表現するのは、どこかで見た覚えがあると思ったら「ロング・ウェイ・ノース」や「カラミティ」などのレミ・シャイエ監督の技法だったなと思い当たる。同監督だけの技法とも、直接の影響どうこうとも言えないだろうが。光の中でホコリが舞って煌めく表現がすばらしい透明感を出している。かと思うとスクラッチ=ノイズをわざと乗せたりしている。絵を描くなり音楽を作るなり、動画を撮影・編集するなり、とにかく人が表現に携わるにあたっての悩みをテーマにしているのかと思うと、主人公の朝屋彼方自身はひたすら眠たがっているくらいであまり悩まず、音楽をやっていた教師・織重夕や絵の才能を評価されながらあきらめる同級生・外崎大輔の方が先走って悩んでいる。自意識過剰な先生の方が無意識過剰な生徒に出会って再生する話と...「数分間のエールを」

  • 「ブワナ・トシの歌」

    1965年の製作。「拝啓天皇陛下様」が1963年だから渥美清が寅さん(第一作は1969年)に至る上り調子の最中の作品ということになる。IMDbの評価を見ると10点満点で5点というずいぶん低い評価。同じ羽仁進監督の「アフリカ物語」がやはり5点。アフリカ絡みなので今見ると無意識のうちにPCに抵触したということになるのか。渥美清はいかりや長介みたいにアフリカによく行っていたらしいが、浮世を離れたかったのか。今ではアフリカも憂き世だろうが。-YouTube「ブワナ・トシの歌」-「ブワナ・トシの歌」映画.com「ブワナ・トシの歌」-IMDb「ブワナ・トシの歌」

  • 「ジム・ヘンソン アイディアマン」

    ヘンソンが「セサミストリート」を作るにあたっておおっぴらに実験映画が作れると思ったというのが面白い。実際、幼児向けに噛み砕くのではなく白紙に思い切り大胆な絵を描くように幼児の感覚そのままに作っている。セサミより先にクッキーモンスターのキャラクターはあったというのにびっくり。調べてみたら、初登場は1966年スナック菓子"ホイールクラウンとフルート"のCM(ホイール・スティーラー)なのだそう。「ダーククリスタル」で架空の言語を使ったら試写を見たお偉方が黙り込んでしまったのでしぶしぶ英語を使うことにしたとか。舞台裏のメイキングがまた面白い。余談になるが「新八犬伝」のメイキングがあったらなと思う。メイキングどころか本編が散逸してしまっているのだから話にならないが。監督はロン・ハワード。ドキュメンタリーでもさすがに...「ジム・ヘンソンアイディアマン」

  • 「あんのこと」

    河合優実がドラッグから更生しようとする役、というといかにもな熱演が繰り広げられそうで真逆の温度の低い演技というより表現で一貫していた。佐藤二朗の刑事がガラ悪そうで麻薬からの更生施設を紹介したりヨガのトレーナーやったりして見かけによらず良い人なのかなと思わせて実はという展開なのだが、その実はというのがストーリー上の意外性でひっくり返すのではなくキャラクターとしては地続きでいる。母親が自分ではなく娘のことをママと呼んでいるねじれっぷりは、ちらっと「にっぽん昆虫記」で父親が娘に対してマザコンめいた感情を抱いていたのを思い出した。「かくしごと」が杏(あん)主演なもので、混同した。ざらっとした画面の感触や色味からしてフィルム撮りではないかなと思って見ていてエンドタイトルでラボ(現像所)の文字があったもので違うかもし...「あんのこと」

  • 「かくしごと」

    杏と佐津川愛美の昔なじみ同士が久しぶりに居酒屋で飲み、佐津川がビール2杯くらいどうってことないと自動車を運転した帰りに子供をはねてしまう。車で来ているのに飲むというのも、それを止めないというのもまずいのだが、佐津川が必死で頭を下げて頼むもので、杏もまずいとわかっていても強く言えない。それではねたどこから来たのかわからない子供を杏が認知症の奥田瑛二と同居している田舎の一軒家に連れ帰るもので、警察に知らせないのかよと思う。酒気帯び運転してたのを隠すわけで、ここで警察に通報するという選択肢を封じることになるが、かくして納得できないのと無理もないと思う間で揺れることになる。アウトドアで遊んでいて行方不明になった子供らしいというのがテレビニュースでわかり、その子の身体を見ると虐待の跡があるのと、親があろうことか捜索...「かくしごと」

  • 「ドライブアウェイ・ドールズ」

    コーエン兄弟が、弟のイーサンとイーサンの妻で共同脚本のトリシア・クックの事実上の共同監督という形に組みかわったわけだが、作風は変わったような変わらないような。だいたいこれまでの兄弟の作品歴でも内容スタイルともに大きな振幅がある。生首とかペニスの張方のコレクションとか、かなりロコツに刺激的なアイテムが並ぶのはこれまでにない感じではある。女三人のうち二人がベッドで過ごしていて、もうひとりから電話がある、その後は電話をかけてきた女とベッドにいた女のうちひとりが主に一緒に行動するという具合に三人の女の妙にアンバランスな関係が興味をつなぐ。二人組の犯罪者というのは「ファーゴ」にも出てきたな。太めのキャストが目立つのも兄弟作品の半ばトレードマーク。ヘンリー・ジェイムズの「黄金の盃」がかなり重要なアイテムらしく登場し、...「ドライブアウェイ・ドールズ」

  • 「ナイトスイム」

    プールに何か出るのは冒頭のシーンから明らかなのだが、その何かというのが相当に大風呂敷を広げていてふーむと思わせる。溺れた人間が化けて出るには違いないが、それ以前に水そのものに意思があるような描き方で、なんだかソラリスみたい。考えすぎか知らないが、コップがテーブルの上で滑っていく「ストーカー」のラストみたいな描写もあるので、タルコフスキーがかっているのは偶然ではない気がする。実際にプールの中で撮っているカットが多くて、相当な危険が伴っただろう。YouTubeか何かにアップされた短編を膨らませたらしい。今やホラーでは定番のコースです。-YouTube「ナイトスイム」-公式サイト「ナイトスイム」-映画.comNightSwim-IMDb「ナイトスイム」

  • 「明日を綴る写真館」

    今どき写真を撮るとなったらまずスマホが出てくるところだろうが、これがほとんど出てこない。インスタグラムを使う場面でしぶしぶといった感じで出てくるが、宣伝になるという誘いにも乗らずあっさり引っ込む。主人公の青年佐野晶哉はすでに写真の大きな賞を何度も取っていてメディアからも注目されているのだが、いともあっさり有名になるチャンスを投げ出して、平泉成の古びた写真館に押しかけ弟子入りする。物好きな、と思うし、写真館で展示されている平泉が撮った女の子の肖像写真に惹かれたかららしいのだけれど、どこがそんなに特別なのか、写真一発でわからせるというのは相当に難しいというより、まずムリ。一方でそれなりに注目されながら自分をいてもいなくてもいい存在と感じるという矛盾が、生煮えのまま投げ出されている。青年は佐藤浩市が持っていた吉...「明日を綴る写真館」

  • 「ライド・オン」

    石丸博也の吹き替えで見たのだが(2023年に声優業からの引退を発表したのを例外的に復帰したとのこと)、字幕版は広東語ではなく北京語だったらしい。ジャッキーの全盛期は香港=広東語とは切っても切れなかったから、香港が共産党一党独裁に呑み込まれていくのをどうしても思い出すし、ジャッキーも共産党に迎合していると伝えられる。とはいえ、今回の映画はジャッキーがかなり率直に老いを隠さず、話も映画界に絞ってかつての出演作の断片を散りばめて見せている。老いた姿をさらすのは馬でカバーする作戦で、馬がスタントをこなすにあたってかなり危険に見えるシーンもあるのだが、エンドタイトルで「この映画で動物を危険にさらしていません」の掲示が出たかどうか覚えていない。土台、やたら細かい字でずらずらっと大勢の名前が並ぶので読みきれない。ジャッ...「ライド・オン」

  • 「関心領域」(二回目)

    一回目に見た時は「あまりに見せなさすぎではないか」と書いたのだが、見落としているところ、聞き逃しているところはないか、再見してみた。もちろん二度見てあらためて確認したところはある。走っていく列車の煙が遠くから見えるのは絶滅収容所にユダヤ人を運ぶ列車だし、歯磨き粉に宝石を隠したというのはチューブに入れた練り歯磨きではなく蓋式容器に入れた歯磨きなのに思い当たるという調子。ただ基本的な不足感には変わりない。つまり、大量に「処理」されているユダヤ人たちが「生きていた」ところが痕跡ですらほとんど描かれていない。文字通りないものねだりなのだが、それでいいのだろうかとは思う。ユダヤ人を焼いた灰が川を流れてきて、懸命に風呂で子供たちを洗い流す情景が描かれても、アタマでそれとわかるに留まり、灰の元の人間の姿どころか、なぜム...「関心領域」(二回目)

  • 「告白 コンフェッション」

    生田斗真とダブル主演がヤン・イクチュンという韓国人なのは原作もそうなのだろうかと思って読んでみたら、ふたりの主人公は共に浅井と石倉という日本人だった。セリフは両国語ちゃんぽんで、どちらかだけ喋っていてもどういうわけか通じているのだが、不思議と不自然ではない。現にそういうことあるしね。日本と韓国の間にある大きな背景としてのわだかまりをモチーフにしているきのかとも思ったが、基本的には死んだひとりの女をはさんだふたりの男というぎりぎりまでコンパクトにしたドラマ。その割に背景の雪山やセットの作り込みなど手抜かりがない。上映時間が短いのがありがたい。-YouTube「告白コンフェッション」-公式サイト「告白コンフェッション」-映画.com「告白コンフェッション」-IMDb「告白コンフェッション」

  • 「映画 からかい上手の高木さん」

    原作でブランクになっている、中学時代の高木さんに西片がからかわれている情景と、高木さんと西片が成長して結婚して子供もいるまでに至る間を創作するという方法論で脚色している。原作では西片がからかい返そうとしては失敗する繰り返しで時間は止まっているのだが、映画化では母校で体育教師をしている西片のもとに高木さんが教育実習で帰ってくる三週間に期間をほぼ限定して、その間のドラマを構築する意図をはっきり持って作っている。登校拒否している男子生徒に高木さんがなぜ拒否しているのか訊くと、同級生の女の子にコクられたからという。この男子は絵が得意なのだが、いつも風景だけ描いて人物は描かない(対照的にコクった女子は合唱を指揮している)。この情景を切り取る映画そのもののカメラは、対照的に島の周囲の風景を人物にだけピントを合わせ背景...「映画からかい上手の高木さん」

  • 「ザ・ビートルズ Let It Be」

    ビートルズが屋上で演奏を始めると英国紳士然とした男がパイプをくわえたままハシゴを上がってくるのが可笑しい。彼に限らず屋上でビートルズを囲んでいるのがかなり年配の人たちで、路上から見上げている通行人も若者という感じではない。あちらの人は歳食って見えるということもあるにせよ。スタジオで小さな女の子が飛びはねてまわっているのがナチュラルで可愛い。当時でいうとかなりハプニング的な要素を取り込んだ作りなのではなかったかな。初めから狙ってたようには見えない。撮影にアンソニー・リッチモンドの名前が見える。ニコラス・ローグ監督とのコンビで有名な人。-YouTube「」ザ・ビートルズLetItBe-映画.comLetItBe-IMDb「ザ・ビートルズLetItBe」

  • 「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」

    作中、いかにも凡庸な日本国首相がテレビで今までさんざんウソをついていたけれど今回は本当のことを言うと宣言して実際に本当のことを言ったら、ディレイ処理で生放送より少し遅らせて放送していたのが明かされるというあたり、実際にやってんじゃないかなと思った。ディレイ放送というのを最初に知ったのは北京五輪(夏の方ね)のテロ対策でテロがあっても五秒なら五秒遅らせればその間にカメラを他の現場に切り替えてゴマかせるという対策をうっていたという話から。世界を結んで第九を合唱する時に音がズレないように少し遅らせる処理というのもあったなと後で思い当たった。キャラクターが多いから全員に目を配ってバランスをとるのに腐心していると思しい。空中に浮かんでいる謎の物体の素性がわかるにつれて話も風呂敷を広げるのから畳む方に方向を転換する。潜...「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション後章」

  • 「マッドマックス フュリオサ」

    あれ?と思ったのは、マックスみたいな恰好をしている人が出てきた時。フュリオサがマックスと出会うのはこの後の「怒りのデスロード」ではなかったっけと思い、そういえばマックスはフューリー・ロードの初めの方ではイモータン・ジョーのところで囚われの身になっていたから、ここで曖昧にいなくなるのと辻褄は合っているのだなとやっとわかった。みたいも何も、マックスその人だ。こっちもいい加減鈍いが、役者がトム・ハーディでも、もちろんメル・ギブソンでもないから混乱したわ。というか、フュリオサの前日譚という予備知識はあったけれど、マックスが出てくるとは実は思わなかった(これまたよく考えてみると、マックスが出てなかったらマッドマックスじゃないわ)。JacobTomuriがTheDogman/MadMaxという役名で出ている。世界観が...「マッドマックスフュリオサ」

  • 「関心領域」

    いかになんでも見せなさすぎではないか。ヘス一家が平和に暮らしている隣にアウシュビッツがあるという図すらほとんどわからなかった。隠して音で暗示するにしても、ブレッソンくらいにはわかるようにできなかったか。小さく見せて大きく暗示するのかと思っていたら、ラストシーン以外はそうはなっていないように思える。どうも見方を間違えたかもしれない。まずヘス夫妻とその家族を見てから、その背後を感じるか読み取るかするのを、背後ばかりに神経がいって、その割に受け取れた分は少ない。サンドラ・ヒューは「落下の解剖学」の主演なのだけれど、どうも影が薄い。-YouTube「関心領域」-公式サイト「関心領域」-映画.comTheZoneofInterest-IMDb「関心領域」

  • 「海洋探検家クストーの遺産」

    クストーが当時二十代はじめのまったく無名の高等映画学院(IDHECのちのLaFémis)の学生ルイ・マルの協力を得て作った「沈黙の世界」でカンヌのパルムドールを獲得したのが1954年。この時に乗ったカリプソ号がもともと機雷掃討艇(「ゴジラ-1.0」で神木隆之介たちがのってた、あれね)で、第二次大戦が終わって十年弱、おそらくお役御免で払い下げられたのだろう。その後ともに名をなしたマルとクストーが対談する映像が出てくるが、マルはすでにクストーが映像作りに経験とセンスを見せていたと証言している。晩年のクストーが海洋の汚染を身体でわかるようになり、心を痛め南極の開発をストップするよう働きかけ限定的ながら成果をあげた。昔の「沈黙の世界」を見返して、サメを叩き殺している場面を自ら批判したりしている。-YouTube「...「海洋探検家クストーの遺産」

  • 「ボブ・マーリー ONE LOVE」

    マーリーの仲間が映画「栄光への脱出(原題exodus)」のサントラを買ってきて聞かせるエピソードがあるが、この映画の内容というのはイスラエル建国を寿ぐものなのだね。作り手たちもユダヤ人が主。しかし現在のイスラエルがもともとこの地に住んでいたパレスチナ人たちを追い出すのみならず虐殺しているのを目の当たりにしている中、どうしてもアイロニカルに見えるのは否定できない。なお、「栄光への脱出」はハリウッド・テンの一人として偽名で脚本を書かざるを得なかった時期のダルトン・トランボが、「スパルタカス」と共に実名を公表した映画でもある。しかし分断した二大勢力を握手させるボブの実写がエンドタイトルの頭に来る意義は、実際に分断の極みみたいな世界に生きざるを得ない身としては、誰が善で誰が悪かと言う二分法が容易に逆転することがあ...「ボブ・マーリーONELOVE」

  • 2023年5月に読んだ本

    5月の読書メーター読んだ本の数:23読んだページ数:6279ナイス数:0あさきゆめみし新装版(6)(KCKISS)読了日:05月02日著者:大和和紀あさきゆめみし完全版7読了日:05月02日著者:大和和紀借金を返すためにマグロ漁船に乗っていました読了日:05月03日著者:菊地誠壱唐突ながら:ウディ・アレン自伝読了日:05月03日著者:ウディ・アレンひねもすのたり日記(第6集)(ビッグコミックス)読了日:05月03日著者:ちばてつや新書875江戸の科学者(平凡社新書875)読了日:05月04日著者:新戸雅章ビリーバーズ1(ビッグコミックススペシャル)読了日:05月04日著者:山本直樹ビリーバーズ2(ビッグコミックススペシャル)読了日:05月04日著者:山本直樹手塚治虫とトキワ荘(集英社文庫)読了日:05月1...2023年5月に読んだ本

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