【岸信介】第7回:CIAとの関係の始まりと戦後日本での再起動(1948–1952)
釈放後の岸信介 ― 政界復帰への布石1948年12月、A級戦犯容疑での起訴を免れ釈放された岸信介は、当初は政治活動を控えていたが、GHQの占領政策が「民主化」から「反共」へと大きく転換する中で、徐々に政界復帰の準備を開始する。1950年になると、朝鮮戦争の勃発(6月
【岸信介】第6回:A級戦犯としての逮捕と収監(1945–1948)
敗戦後の岸信介 ― 戦犯リストに載ったテクノクラート1945年8月、日本はポツダム宣言を受諾し降伏。岸信介は東條英機内閣の商工大臣として戦時体制を設計・推進した人物であることから、連合国軍総司令部(GHQ)によってA級戦犯容疑者に指定された。彼は1945年12月、GHQ
【岸信介】第5回:帰国後の活動と戦時経済管理(1939–1945)
満州から日本本土へ ― 岸信介の「凱旋」1939年、岸信介は満州国での経済官僚としての実績を引っ提げて日本本土に帰国し、商工省に復帰する。日本国内ではすでに日中戦争(1937年開始)が長期化し、軍需拡大と資源管理が国家の最優先課題となっていた。このタイミングで
国務院実業部次長としての昇進岸信介は満鉄調査部から満州国の中心行政機関である国務院実業部へと移籍し、1939年にはその次長(副大臣格)に就任する。彼はこのポストを通じて、満州国の工業開発、エネルギー政策、国家経済計画の策定と実施の実権を掌握した。ここで岸
【 岸信介】第3回:満州との出会い ― 満州国建設のエンジニア(1930年代前半)
満州派遣の背景 ― 商工官僚から満鉄調査部へ岸信介が初めて満州(中国東北部)に渡ったのは1936年のことだった。日本の商工省官僚として頭角を現していた岸は、当時すでに対中経済戦略において「計画経済」を推進すべきだと考えており、その考えが軍部・関東軍と合致して
【 岸信介】第2回:生い立ちと若年期(1896–1920年代)
出生と家系 ― 明治日本の政治・官僚エリートの源流岸信介は1896年11月13日、山口県吉敷郡山口町(現在の山口市)で生まれた。本名は佐藤信介。後に岸家に養子入りするが、出生家系は代々官吏を輩出しており、弟・佐藤栄作は後に日本の首相となる。曾祖父・佐藤信淵は江戸
岸信介とは誰か?岸信介(きし のぶすけ、1896年11月13日 – 1987年8月7日)は、戦前・戦中・戦後を通じて日本の政治と行政の中枢を担った官僚・政治家であり、1957年から1960年にかけて内閣総理大臣を務めた人物である。東條英機内閣の商工大臣として軍需産業を統括し、戦
【日本】最終回:日本の民間人・学術機関・企業によるCIAへの協力 ― 情報・技術・経済戦争のフロントライン
🔐 最終回のテーマ戦後日本におけるCIAの活動は、軍事・政治領域にとどまらず、「民間・学術・企業」領域にも深く浸透していた。本回では、以下の3カテゴリにおける 間接的・準公式なCIA協力構造を明らかにします: 民間企業(通信・出版・エネルギー) 学術機関(
【日本】第9回:CIAと日本国内の反共ネットワーク ― 残置諜報(Stay-Behind)と民間協力者の実態
🔐 本回のテーマ戦後日本では、公然の再軍備と並行して、「秘密裏の諜報体制」が構築されていた。 その中核にあったのが、CIAと結びついた 「反共民間ネットワーク」および「残置諜報(stay-behind)」の仕組みである。今回は、この秘密体制において日本人がどのように
【日本】第8回:OSS・CIAによる日本の戦争犯罪調査と「起訴回避者リスト」
🔐 本回の主題戦後、OSS(Office of Strategic Services、のちのCIA)は、ナチス戦犯調査と並行して、日本の戦争犯罪者リストの作成・評価・起訴妥当性検討を行っていた。その過程で、「科学的貢献」「政治的利用価値」「情報提供協力」などを理由に、戦犯起訴が見送ら
【日本】第7回:日本統治下の朝鮮・満洲・中国におけるスパイネットワークの継承とCIAとの連携
🔐 概要アメリカOSS(のちのCIA)は、日本の植民地支配下で構築された諜報網の一部を戦後に再編・吸収しています。この回では、以下の点に焦点を当てて分析します: 満洲・朝鮮・中国における日本の諜報ネットワーク 日本敗戦後における情報網の米国への「転用」
【日本】第6回:CIAによる旧日本特務機関・科学者ネットワークの“再雇用”と監視(731部隊など)
🔐 関連背景第二次世界大戦後、アメリカはナチスの科学者を「オペレーション・ペーパークリップ(Operation Paperclip)」で引き入れたように、日本の科学者・特務将校にも“情報提供と引き換えに処罰免除または協力関係構築”を行っていました。これは本文書内では明示
【日本】第5回:日本の戦争犯罪人および帝国政府関係者へのCIA監視・諜報活動(JIGDA 関連)
🔐 関連エントリ・背景この文書の表紙にも記載されているとおり、資料全体は以下の法律に基づいて編纂されています: “Nazi War Crimes and Japanese Imperial Government Records Disclosure Acts” (ナチ戦争犯罪および日本帝国政府記録開示法)この法令に基づき
🔐 関連エントリ Bricha(ブリーハ) Bricha (Hebrew for "escape") was the organized illegal mass immigration movement of Jews from Eastern Europe [...] into Israel after WWII. 対象地域:ポーランド、チェコスロバキア、オーストリア、ドイツ
【日本】第3回:OSSによる日本関連プロジェクトの解析(CAESAR 他)
🔐 関連エントリ CAESAR Plan CAESAR was considered by the OSS as a double agent operation against the Japanese Intelligence Service in Italy (1945). Jose Garrette considered for possible use on Project. 🧩 CAESAR プロジェクトの詳
🔐 関連エントリ SYMPHONY 明示的な説明:Ben-Nathan, Asher - CONDUCTOR (cryptonym). Associated with Project SYMPHONY. 関係者:Asher Ben-Nathan(別名 Arthur Pier) 間接的関係:Bricha(戦後ユダヤ人の移動支援)との関係、ま
【日本】第1回:Aso TatsuoとOSS極東情報網 ― 暗号名 STBRANT-1 の実像
🔐 登録暗号名と関連ファイル STBRANT-1:OSSの資産識別コード(人物) TLBRANT:同一対象の通信コード名(Telegraph Line BRANT) LFSALAD:資産分類コード(Low Frequency SALAD;人的資源ファイル群)これらは、OSSが戦時末期から戦後直後にかけて運用した日本人
Research Aid: Cryptonyms and Terms in Declassified CIA Filesについて
この文書『Research Aid: Cryptonyms and Terms in Declassified CIA Files』は、CIAの機密解除されたファイルに含まれる暗号名(Cryptonyms)と用語の一覧をまとめたリストです。特に、第二次世界大戦後のナチス戦犯および日本帝国政府に関する記録開示法に基づいて公開され
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