本、漫画、映画など、心に残る作品を紹介するブログです。 作品は人を動かしたり、勇気づけたり、知らなかったことを知るきっかけになると思っています。 作品が社会を変えることを信じ、自分なりのメッセージを絡めて紹介します。
なぜこんなにも傷つている人がいるのだろうか。なぜ共感していながら人を救わないのだろうか。 「愛」や「感情」について深く考えさせれらた韓国小説、『アーモンド』を紹介します。 アーモンド (祥伝社文庫) [ ソン・ウォンピョン ]価格: 825 円楽天で詳細を見る あらすじ 主人公のユンジェは、感情の形成に関わる偏桃体(アーモンド)が生まれつき人より小さいために、“感情”というものが分からない。母と祖母に育てられ、「感情教育」をされてもなお学校では変人扱いされてしまう。ある事件により母と祖母が目の前で殺されても、彼は無表情のまま。そんな中、施設で育った少年・ゴニとの出会いによって、彼の中の感情が芽…
”ロマンチック”で無視していることはなにか『僕の狂ったフェミ彼女』
誰かから見たら、優しくてロマンチックな男。誰かから見たら、良い顔して女を下に見てるクソ男。 恋愛において何を求めるのかは、人によって違う。女がみな資金力があり可愛がってくれる男を求めているわけではない。そして世界には恋愛そのものをしない人だっている。 なぜ、恋愛になると、途端にすべての人の個性や望みが無視されることが多いのでしょうか。 そんな、恋愛やロマンチックに潜むジェンダーの問題に切り込んだ作品、『僕の狂ったフェミ彼女』。 恋愛における“そういうこと”にされている数々のもやもやだけでなく、韓国での家族・結婚の状況も知ることができる、素敵な1冊でした。 僕の狂ったフェミ彼女【電子書籍】[ ミ…
パートナーがいることを強制される世界になったとしたら、あなたは生き残ることができるだろうか? そんな世界を描いた映画、『ロブスター』(2015年)。 昨年実写化されたエマ・ストーン主演の『哀れなるものたち』のヨルゴス・ランティモス監督による作品です。 ロブスター(字幕版) コリン・ファレル Amazon 妻に捨てられてしまった主人公はあるホテルに監禁され、指定された期間内にパートナーを見つけなければ動物にされてしまうという、風刺の効いたSF設定。 そこで彼が選んだ動物というのが、ロブスター。パートナーを見つけることができず動物にされるなら、私はロブスターになりたいという。 恋愛至上主義への批判…
パンチのきいたタイトル。それを強調するかのようにでかでかと書かれた表紙。 タイトルを見た瞬間、吸い込まれるように手に取っていました。あまりにも的を射たタイトルなので、ブログタイトルもそのままにしてしまいました。 姫野カオルコさんの作品を読むのは今回が初めてですが、威力がすごかった。 結婚は人生の墓場か? (集英社文庫) 作者:姫野カオルコ 集英社 Amazon 結婚は人生の墓場か? (集英社文庫) [ 姫野カオルコ ]価格: 715 円楽天で詳細を見る 結婚は人生の墓場か?というタイトルを見た瞬間、「ああ、結婚して専業主婦になった女性が、家事におしこめられ社会生活を制限される状況を、墓場だと言…
昭和の未解決事件を描いた作品、罪の声。 映画化もされ話題となっていますが、すべては、巻末に書かれた、「あの子どもたち」に思いを馳せるためなのだろうなと感じています。 罪の声 (講談社文庫) 作者:塩田武士 講談社 Amazon 罪の声 (講談社文庫) [ 塩田 武士 ]価格: 1012 円楽天で詳細を見る この物語は、グリコ・森永事件という、1984年から85年に実際に起こった事件をもとに作られています。 グリコ・森永事件は、グリコ社長の誘拐に始まり、青酸ソーダをお菓子に混入しばらまくなどした、一連の企業脅迫事件です。 そして、この事件では、犯人からの脅迫文に、子どもの声が3度使われました。 …
羊と鋼の森。 「羊」と「鋼」、そしてその「森」である、ピアノを中心に、主人公の成長や劣等感の乗り越えなど、全ての人に当てはまる悩みに寄り添うような物語です。 他人に引け目を感じたり、自分なんて、と思っている人にこそ読んでほしい一冊です。 羊と鋼の森 (文春文庫) 作者:宮下 奈都 文藝春秋 Amazon 羊と鋼の森価格: 792 円楽天で詳細を見る センスは必要か 主人公は、ある経験から調律師という仕事に魅せられ、ついに自分も調律師になりますが、学校を卒業して働くことになっても自分のセンスのなさに落ち込み、自分がどれほどできないかを先輩と比べ常に劣等感を抱いています。 私は同じような経験が多く…
過去は実際以上に輝いて見えるもの。 自分がどんなに冴えない生活を送っていた学生時代でも、あの頃はキラキラしていたな、とか、キラキラしていた人と仲良かったしな私、とか。特に、今の自分が絶望的に受け入れられない時。 でも今を生きるためには過去とは決別しないとやっていけない。過去に少なからず翻弄されている自分にそう言ってやりたくなった作品、勝手にふるえてろ。 タイトルがかっこいいと思って見始めた本作ですが、共感と教訓がたっぷり詰まったリアルな物語でした。 勝手にふるえてろ 松岡茉優 Amazon 勝手にふるえてろ (文春文庫) 作者:綿矢 りさ 文藝春秋 Amazon 勝手にふるえてろ DVD 通常…
まっすぐ生きているか。自分の軸をぶらさず生きているか。 自分の進むべき道に迷ったり、自分がしてきたことが全て無意味に思える。自分は薄っぺらい人間なのではないかと思える。 人生の中で迷いはいつでもついて回り、結果は簡単には出ない。 悩んでいる時、「なにくよくよしているんだ」と、そして、「大丈夫、楽しもうよ」と引っ張り上げてくれる、 誉田哲也さんが描く「誰も死なない青春小説」とよく語られる本3部作、武士道シックスティーン、セブンティーン、エイティーン。 武士道シックスティーン (文春文庫) 作者:誉田 哲也 文藝春秋 Amazon 武士道シックスティーン 誉田哲也/著価格: 836 円楽天で詳細を…
タイトルに騙されるなかれ。 この本は戦国時代の話ではないし、横浜で起こった事実に基づいているわけでもないのです。 横浜大戦争は、横浜を舞台にそれぞれの区にいる土地神たちが、ナンバー1を巡って「戦争」をする物語です。 横浜大戦争 (文春文庫) 作者:蜂須賀 敬明 文藝春秋 Amazon 横浜大戦争 (文春文庫) [ 蜂須賀 敬明 ]価格: 968 円楽天で詳細を見る 横浜の知識がつく(笑) ここはタイトルからも分かる通り、「横浜」を舞台にしているので、横浜の各区には何があるのかや区の成立年の前後など、横浜について詳しくなれます。 正直、横浜といえばみなとみらいと想像することが多いですが、この本を…
開き直ったつもりでも、心の奥では割り切れていないことがある。例えば恋だったり、例えば親友だったり。 割り切ろうとしているのは、自分の身を守るため。 大人になっても(20歳を超えても)自分を成長させるには自分の身を守る殻を捨てなければいけないのかもしれない。 けれど、それができたら楽しいはず。 そんな、大人になってからの成長を感じたのが、綿矢りささん原作の映画、私をくいとめてです。 私をくいとめて のん Amazon 私をくいとめて (朝日文庫) 作者:綿矢 りさ 朝日新聞出版 Amazon [rakuten:book:20295749:detail] 私をくとめては、「おひとりさま」を満喫する…
オリジナリティあればOK!と開き直れる漫画「うたかたダイアログ」
こんなはずじゃなかった。小さい頃夢見た「自分」はこんなに普通で、平凡で、こんなに面白味のない人生を送っていたっけ? 高校の下校道には河川敷なんてないし、むしろ海も川もない。 いきなり自分が劇的にキレイになったり急にモテたりしない。 そんな日常だけど、だいたい将来予想通りにいかないし、そんなもんなんです。でも平凡でいいんです。自分らしく生きていけばそれでOK。 そう開き直ることのできるマンガです。 うたかたダイアログ 1 (花とゆめコミックス) 作者:稲井カオル 白泉社 Amazon うたかたダイアログ 1 (花とゆめコミックス) [ 稲井カオル ]価格: 471 円楽天で詳細を見る 全3巻のす…
素直に生きられているだろうか。 「あおい」を読んで私はそう思いました。 心が感じることに素直になるのは難しくて、それは頭が邪魔してくるから。 この本を読むと、心配なんて余計でどうでもいいと思えます。 あおい (小学館文庫) 作者:西 加奈子 小学館 Amazon あおい【電子書籍】[ 西加奈子 ]価格: 495 円楽天で詳細を見る なんでカザマ君? 主人公「さっちゃん」は年下彼氏の「カザマ君」と同棲しています。このカザマ君という男が強烈で、最初は正直、なぜこの人と付き合っているんだろう?と思ってしまうほどでした。3浪している学生だし、髪もボサボサ、ガリガリ… だからなかなか近寄りがたい変人だと…
爆笑必至ながら、自分らしい生き方について考えさせられるドラマ
何でも自由にさせてもらえるご身分、何でも自由に選べる時代… でありながらも、実際は世間体、今までの道のりを気にして自由には選べない。 心の底から笑い転げることができ、かつ「本当の自分」について考えさせられるドラマを紹介します。 The Marvelous Mrs. Maisel!! マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン4:ティザー予告 Amazon 舞台は1950年代のニューヨーク。 主人公ミリアムはアッパーウエストサイドのお金持ち。広すぎるマンションやお手伝いさんがいる状況からもその様子が分かる。 そんなミリアムの父は大学教授で、夫は大企業の次期社長。 …贅沢&おしゃれ倒して終わりそうな設…
想いはたくさんあるのだけれど、なんとなく言わないでいる。言わなくたって沢山の言葉や意見が代弁してくれるからいつも聞いているばかり。 そのうち、自分が感じていることはなんなのか分からなくなってしまう。 現代って、そんなことばかりではないでしょうか?私も、自分の想いや感じることに鈍感になってしまう毎日です。 そんな時に読んでほしい本が西加奈子さんの『きいろいゾウ』。不思議と、読み終わった後にするすると感情や想い、そして言葉が出てくるのです。 きいろいゾウ (小学館文庫) 作者:西加奈子 小学館 Amazon きいろいゾウ〔小学館文庫〕 [ 西 加奈子 ]価格: 722 円楽天で詳細を見る 本紹介 …
3日に1度は報道されるネグレクトや虐待の事実。 昔からあったのかもしれませんが、目にする機会が増えてきました。 昔に比べ専業主婦は減り、男女平等の意識が強まってきている今、その責任は本当に親だけにあるのか、考えるべきではないでしょうか。 その事について考えさせられた映画が、「誰も知らない」です。 誰も知らない 柳楽優弥 Amazon 誰も知らない [ 是枝裕和 ]価格: 3344 円楽天で詳細を見る 悔しい事件 母と子の関係 ①親権ってどうあるべきなのか? ②女性に多い傾向 タイトル「誰も知らない」 さいごに 悔しい事件 2004年に公開されたこちらの映画。幼い柳楽優弥さんが印象的ですが、辛く…
毎日悲しいニュースや辛い現実が目の前にある私たち。 悲しくて辛いことが多すぎるから、心も次第にとげとげしてくる。自分にも他人にも優しくなるなんてなかなか難しい。 そんな時に、悲しみを問い直し、生死を問い直し、心を落ち着かせてくれる本をご紹介します。 想ー像ーラジオー! 想像ラジオ (河出文庫) 作者:いとうせいこう 河出書房新社 Amazon 想像ラジオ (河出文庫) [ いとう せいこう ]価格: 495 円楽天で詳細を見る 本紹介 3.11と「死」 DJの一人おしゃべりが中心に進む「ラジオ番組」。 読み進めていくうちに、だんだん、この物語が3.11後の東北を舞台にしているのだと分かってきま…
初めまして。 ものがたりがたり。という名前でブログを始めてみました。 初回は自己紹介&ブログ紹介していきたいと思います。 自己紹介にしては長いかもしれませんが、最後までお付き合いいただけると幸いです。 ======================================= 私は現在、大学3年生の21歳です。 もともとブログに興味こそありましたが、何を書けば良いのか分からず始められませんでした。 ではなぜやっとブログ開設に踏み切ったのかというと、それは長いお話になるのですが… なんとなくの夢 私は高校2年生くらいの時から漠然と、「人の役に立つ仕事に就きたい!」「困っている人を助けたい!」…
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