天台寺門宗の教会設立を目指して活動している細やかな道場です。 本尊は「大勢至菩薩」他に黄不動尊、毘沙門天、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩、八臂弁才天、吉祥天、大黒天など奉安。 仏教、特に密教に関する事を緩く綴っていけたらと思ってます。
旧暦二月となりました。 しかしここ数日本当に暖かいですね。 ひょっとして桜でも咲いてしまうんじゃないかと思うような陽気です。 ところで「如月」と書いて「きさらぎ」。 月の異名の内、「月」がつかないのは「弥生」と「師走」。しかし、「月」がつきながら「〜づき」と読まないのは「如月」だけですね。 「きさらぎ」については、「衣更着」で、まだ肌寒いので更に着物を重ねて着るというのが語源であるというのが一般的ですが、何故それを「如月」と表記するのか? これは元々古代中国で二月の事を「如月」と言ったのをそのまま日本で受け入れて、更にその後、日本で「衣更着」の音で読むようになったという経緯があるようですね。 …
恥ずかしながらこの連休中に今年初めてお茶の稽古に行きました。旧暦の話ではなく新暦で。 直近に伺ったのは去年11月で、今年はお正月も忙しくお初釜も失礼しておりました。全くもって絵に描いたような不詳の弟子です。 今回はいつも中々やらないようなお点前の稽古で(しかも抜き打ちで)大変勉強になったものの、分からない事だらけで、先生にその都度お尋ねをしながらの稽古となりました。 他の御流派はどうか分からないのですが、表千家の場合、基本的には余り細かい事を言わない傾向があるように思います。 元より無駄な所作は一つとても無いのですが、何故その茶碗を右で取るのか、何故その蓋を左で置くのかなど、その動作の理由をわ…
先日歌舞伎座二月興行の夜の部を拝見してきました。 最初に重厚な時代物、中幕に所作事、最後に少し砕けた世話物という見取り狂言のセオリー通りのスッキリとした狂言立てです。 中でも印象的なのは、やはり最初の「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」、玉三郎さんの「阿古屋琴責め」でしたね。 平家滅亡後、尚も生き残って頼朝暗殺を目論む悪七兵衛景清の行方を探す鎌倉方。その詮議の為に捕えられたのは都五條坂の遊君阿古屋。景清は清水観世音の篤信の信者で、程近い五條坂の遊女阿古屋と馴染みになり、いつしか客と遊女以上の関係になっていた為に、行方を知っているに相違ないと思われていたのですね。今日は堀川館の問注所に引き出…
旧暦1月23日、初三夜(はつさんや)です。 初三夜という言葉は多分ありません。通常三夜と言えば正しく三日月の出る旧暦の三日の夜の事だと思います。 しかし、二十三夜の月の事を親しみを込めて「三夜様」と言って拝む地域があるようで、それならば新年最初は「初三夜」でいいのかなと。 二十三夜の月の出は大体日付が変わってから午前2時くらいまでの間の事が多いと思います。また、実際の暦の日付と月齢は多少の異動があって、下弦よりも大分欠けた状態の月が上がって来る事もあります。しかし今日は月の出が午前1時前、2時半頃に丁度下弦の半月になる月齢を迎えます。これ、中々無い事です。 二十四節気の「雨水」も過ぎて段々春め…
今日は山梨県都留市に参りました。 まずは「すがや」さん かりんとう饅頭を師匠寺にお供えにお送りして、うちの分も少々購入です。 こちらのかりんとう饅頭、聖天様もお喜びになる、らしいです。 今日都留に来たのは、さすがにかりんとう饅頭を買いに来たわけではなく… こちら、天台寺門宗「開運山龍石寺」にお詣りの為です。 逆光でよく分からん写真になりました。 御住職の吉田玄勝先生は師僧ともご昵懇でいらして、私共一門も様々な形でお世話になっております。個人的には昨年加行に行かせて頂いた折に、師匠とはまた違った視点でアドバイスを頂いたのは今思い出しても誠に有難い事でございました。 今日は主に山門方の行法に関して…
旧暦の1月15日、小正月です。 元旦を大正月、15日を小正月といいました。 しかし現代の日本で小正月を意識する人も大分少なくなりましたよね。 その昔はこの日に元服の式を執り行っていた名残で、平成11年までは新暦の1月15日を「成人の日」と定めていました。しかしそれ以降ハッピーマンデー制度とやらで「成人の日」は1月の第2月曜日に変更されました。日本人のハッピーと共に失われるものもあるのではないでしょうか。 「松の内」と言えば全国的に7日までという認識の方が多いとは思いますが、お正月に関西に行くと7日以降も門松を出したままのお宅が殆どなんですね。これは本来関西が正しくて、昔は15日の小正月までが「…
初めて師匠寺でお札作りを手伝った時の驚きは忘れられません。普段何気なく当たり前のように頂戴していたお札に、これ程の手間が掛けられているとは! 現在師匠寺のお札は業者さんに発注した物に改めて内符を入れて作られていますが、古い上座のお弟子さん達は皆「昔は紙を折って一からお札を作っていた」とおっしゃいます。 私もまだまだ祈願数が多いわけではないので、今のところお札は全て手作りです。 今日はこのブログでお見せ出来る範囲でお札作りの様子をお伝え出来たらと思います。飽くまで空生院流です。 まずは奉書紙を裁断するところから始めます。 一枚の奉書を4枚に切り分けます。 裁断出来たらお札の本紙に当たる部分を所定…
師匠のブログにコメントなどとおこがましいにも程があるのですが、 「お預かり物」と言えば、私は佛像もお預かり物だと思っています。自分が発願して新たに作った佛像は別として、古佛はやはりお預かり物だなぁと。 よく愛してやまない骨董品を「自分が死んだら棺桶に入れてくれ」みたいな話を聞きますが、とんでもない話ですよね。 遥か昔から永い時間を経て、またこの後もずっと長い時間を生きていくであろう物を、ほんの少しの間だけ自分がお預かりする。 宗教法人のお寺にお祀りされているお佛像は未来永永拝まれ続ける可能性が高いかとは思います。しかし我々が新たに教会を設立しても非法人としてやっていかざるを得ない現状では、場合…
先日師僧に開眼して頂いた阿弥陀様も大分うちの壇に馴染んできました。 さて、私共のように在家出身で何も無い所から始めた者は、まずは拝むべき佛像を得るという事をしなくてはなりません。本尊にするべき御尊格と密教修行をするのならお不動様、この二体は必須ですね。 私の場合はまずは小振りな勢至菩薩像の古佛を得て、その後お不動様は三井の黄不動を写して新しく彫って貰いました。 それから後は不思議と佛像が増える時期が続きます。自分が意識して求めていたからとは思いますが、極々安価で入手できたご尊像もあってやはりご縁が無くては叶わぬ事なのだと思います。 私はやはり古佛が好きです。 今の佛師さんの彫ったものでも素晴ら…
しかし寒い「立春」となりました。 「寒」が明けたわけですが、今週もこれから最大寒波が襲来とのことですね。 旧暦は暦の分類上「太陰太陽暦」と言われますが、これは月の満ち欠けで月日を決める事によって段々と生じる季節との差を、太陽の動きを基に閏月を入れる事で修正しようというものですね。その為に古代中国で考え出されたのが「二十四節気」で、立春も勿論その一つですね。 中国では実際にもう少し春めく地域もあるのかも知れませんが、そのまま暦ごと輸入した日本にとっては全くもってピンときませんね。更に中国では二十四節気を細分化して「七十二候」というものを定めます。現代の日本では馴染みが薄いかもしれませんが、俳句を…
阿弥陀如来のご尊像がおいでになりました。 勢至菩薩とは深いご縁の阿弥陀様。 一般的には三尊像の中尊であり、金剛界蓮華部の主で密供の次第によっては勢至菩薩の部主となります。また勢至供の表白にも「弥陀の教化を助け」などという件があったりして、本尊勢至菩薩とは切っても切れないご関係です。 なので、随分前から阿弥陀様のご尊像を探してました。実際のところ阿弥陀様の古仏はネットオークションにもかなりの数が出るのですが、お像の出来栄え、状態、大きさ、立像なのか坐像なのか、また当然古いものは皆滅罪で拝まれてきているので、どのような因縁で造立されたものなのかも気になりますし、或いは特定の宗派の為に作られた御姿の…
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