【通りすがりの怪談】怪其之七十 ~鉛筆占い~
怪談 ~鉛筆占い~ 宵闇が教室を包み込む頃、慎太の鉛筆占いは始まった。それは最初はただの遊びだったはずだ。六つの面に「大吉」「吉」「中吉」「小吉」「凶」「大凶」と書かれた鉛筆をサイコロのように転がす。慎太は涼しい顔で言う。「これ、よく当たるんだぜ。この前、大吉が出たやつは、親が宝くじに当たったってさ」俺は冗談半分に尋ねた。「じゃあ、大凶が出たらどうなるんだ」慎太は表情一つ変えず、ごく当たり前のように呟いた。「大凶が出たら、死ぬよ」その言葉に、背筋が凍りついた。まさか、そんな馬鹿なことがあるはずがない。「今まで大凶が出たやつなんて、いるのか」慎太は頷いた。「ああ、いるよ」「誰だ」と聞くと、慎太は…
2025/06/20 22:57