近年、気候変動が不動産市場に与える影響について注目が集まっています。洪水リスクが高まる中で、不動産価格や取引動向にどのような変化が起こっているのか。そして、空き家売却がこの流れの中でどのような役割を果たしているのか。今回はこれらのテーマを深掘りします。 洪水リスクと不動産価格の新しい視点 6 .今後の課題と展望 洪水リスクと被害の観点からは、大きく分けて 2 つの研究上の課題と展望が考えられる。第一に、研究蓄積の地理的偏在に関する課題がある。洪水による物件価格の割引は、不動産市場が直面する洪水リスクを表す重要な定量的指標である。そうであるにもかかわらず、同分野の研究蓄積は米国に集中している…。 清水勇蔵; 馬場弘樹. 気候変動と不動産取引―不動産価格に対する洪水のインパクト. 日本不動産学会誌, 2021, 35.1: 112-117. 気候変動が進むにつ..