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  • 嗚呼問答

    ソクラテスといえば「問答」です。問答というのは、対話を通して相手の無知を自覚させた後に高度な認識へと導く手法のことを指します。例えるならば「指導碁」です。『ヒカルの碁』において藤原佐為が進藤ヒカルを教導したのと似ています。ソクラテスは問答を通じて真理を追究し、藤原佐為は囲碁を通じて神の一手を追求したのです。持つべきものは本因坊秀策の碁盤(霊付き)ですね。 ソクラテスは、近所をブラブラほっつき歩きながら、誰彼構わず問答をしかけました。いきなり話しかけられたり、ステーキを出されたりすれば誰でも驚きますよね。いかつい顔をした老人がてくてくと歩み寄ってきて「正義についてあなたはどう思いますか?」「あな…

  • ペシミスティック

    シオランという人物を御存知でしょうか。「そんな奴は知らない。それよりも塩ラーメンを食べたい。この寒さに震えた身体を温めるためには、アツアツのラーメンをすするのが最適だ」という人もいるでしょう。ちなみに、私は味噌ラーメンが好きなので、ついでに注文しておいて下さい。ただ、好きと言っても、積極的に好きというわけではありません。ラーメン自体はあまり好きではないのですが、あえて選ぶとすれば味噌ラーメンが他のラーメンよりも多少なりともマシだろう、ということです。例えるならば「ドガースとベトベターならどっちが好き?」と聞かれて、しぶしぶながらベトベターを選ぶようなものです。やはり毒ガスというのは、身体的にも…

  • ニートェ

    ドイツの哲学者に、フィヒテという人物がいます。彼は「人がどんな哲学を選ぶかはその人間がどんな人間かによる」という言葉を残したことでも知られています。ですが、そんなことよりも知られておくべきことがあります。それは、彼の親友の名前が「ニートハンマー」ということです。ニートがハンマーを振り回す光景を想像してみて下さい。恐れ、呆れ、憐れ、帰れなどの様々な感情が心中に去来することでしょう。触らぬ神に祟りなしでございます。 ニートと言えば『レジェンドオブドラグーン』を思い出す人も多いでしょう。このゲームは、PS後期の名作RPGです。このゲームの主人公であるダートの生まれ故郷の名前が「ニート」なのです。しか…

  • 勤怠倦怠

    ふとした拍子に昔のことを思い出すことがありますよね。「いいえ。私にはそんな経験は一切ないわ。私には過去も未来も関係ないの。なぜなら私は今この時を全力で生きているからよ!」と声高に叫ぶ貴婦人もおられるかもしれません。おそらく、学生時代に英語の時制にさんざん苦労した経験をお持ちの方なのでしょう。確かに、英語には「過去完了」や「未来完了進行」などのややこしい時制があります。そんな難物の時制を前にして自暴自棄になる気持ちは痛いほどわかります。Ouch! 痛いと言えば「痛いの痛いの飛んでけ」を想起する人も多いのではないでしょうか。これは、ちょっとした傷を負っただけなのに、烈火のごとく泣き叫ぶ子供をなだめ…

  • マルの世界

    我々が産声を上げたこの島国においては「正解」を意味する記号として「〇」が使われています。そのため、〇の形状をした事物を目にすると「〇ということは、この場所には入っても大丈夫ということだな」と早合点する人も少なからずいます。例えば、マンホールを勝手に開けて地下道に住み着くタートルズがそうです(彼らはニューヨーク在住ですが)。街の平和を守るために奮闘中のタートルズに励ましの言葉と腐りかけのピザを贈ろう! ピザ食い亀のことはさておき、海外においては「〇」という記号が「不正解」を意味する国がたくさんあります。なので、日本の感覚をそのまま現地に持ち込むと、あらゆる齟齬が生じてややこしいことになるのです。…

  • ネームチェンジ

    時代の変遷とともに、物事の呼称は変わります。近年で言えば、看護婦が「看護師」になり、スチュワーデスが「キャビンアテンダント」になり、ヴォルデモートが「名前を言ってはいけないあの人」になりました。ただ、ヴォルデモートの場合、社会的な要請に従って呼称が変わったわけではありません。あくまでも、ヴォルデモートを恐れる人々が自発的に呼称を変えただけです。この点はヴォルデモートの名誉のために付け加えておきます。ついでに鼻も付け加えておきましょう。 ヴォルデモート以外で私が気になる呼称は「手投げ弾」です。いつのまにやら、手榴弾を手投げ弾と呼ぶようになりました。おそらく、私がコールドスリープを行っている間に改…

  • 腕メモ

    夏が過ぎて秋になると、個人的に嬉しいことがあります。それは「腕に文字を大書できる」ということです。既にご存知の通り、腕というのは私有財産であり、広大無辺なメモパットの役割も果たします。そのため、肌寒くなって長袖を着用するようになると、誰の目を気にすることなく、腕に様々な文字を書きなぐることが可能になるのです。素晴らしき哉、人体! もちろん、何の考えもなしに腕に文字を書き連ねるわけではありません。私は矮小な現存在ですが、それなりに小細工を弄するのです。腕に文字を書く際には、語呂合わせを用いるのがベストです。例えば、納豆の場合は「710」と書きますし、ゴミ袋の場合は「53296」と書きます。 腕に…

  • 耳をふさげば

    ここ数年の間に、ワイヤレスイヤホンを装着した人をよく見かけるようになりました。今はもうすっかり慣れましたが、当初はかなり違和感がありました。「耳から飛び出している白い物体はなんだ?もしかして鼻水が固まったのか?ついに人類は耳から鼻水を出すように進化したのか?」という具合に様々な疑問が去来しました。まぁ魚雷が去来するよりはマシでしょう。総員退避せよ! かくいう私は、未だに普通のイヤホンを使っています。いつの間にか「普通の」という語句が付くのが当たり前になっていますが、普通のイヤホンはこのことについてどう思っているのでしょうか。「ワイヤレスイヤホンが普及する前は『イヤホン』と呼ばれていたのに、憎い…

  • 幻惑のくん

    先日、放心状態で休憩していたら、以下のような会話が耳に入ってきました。 Aさん「そういえば、○○さんって何歳なの?」 Bさん「確か50歳ぐらいだったと思うけどなぁ」 Aさん「え?そうなの!?○○さんってもっと若いと思ってたよ」 Bさん「なんで?」 Aさん「だって、社長が○○さんを呼ぶときは『○○くん』ってくん付けするじゃん」 要するに、Aさんは「くん付けで呼ばれているから」という理由で、○○さんのことを実際よりも若いと思っていたようです。私がその会話を聞きながら考えていたのが「くん付けで呼ばれているから若いというのであれば、トムヤムクンも若いということになるよなぁ」ということです。 御存知のよ…

  • 季節人

    人それぞれ「季節の変わり目になると思い出すもの(人)」があると思います。私の場合、「シーズンさん」がそれに該当します。シーズンさんというのは、昔の職場にいた「季節の判定にやたらと厳しい人」に対して私が一方的に付与したニックネームです。シーズンさんの季節の判定はとにかくシビアであり、それはまるで極寒の冬を連想させるほどでした。 最初にシーズンさんの真価に触れたのは、冬から春に変わる時期でした。4月の暖かい日だったので「いやぁもうすっかり春ですねぇ」と呟いたところ、シーズンさんは厳めしい顔をこちらに向けながら「いやいやいや、まだまだ冬だよ!だって寒さがドンドン来てるもん!」と叫んだのです。その御尊…

  • 赤い軍艦

    先日、PS2のゲームを発作的にプレイしたくなったので、数年ぶりにPS2本体を押し入れから引っ張り出しました。長いこと放置していたので埃を盛大にかぶっていたのですが、白いモワモワ(埃の塊)が本体を包み込む様子が何やら神秘的だったので結果オーライです。持つべきものはミステリアスな外観ですね。 白いモワモワをかき分けて、本体にソフトをセットしたのですが、うんともすんとも言いません。「これはいよいよ御陀仏か。まぁ年代物だし仕方ないな」と観念しかけたのですが、最後のあがきとして、ネットで本体の復旧方法を調べてみることにしました。なんにせよ、やれることはやっておいた方が無難です。 這々の体で辿り着いたサイ…

  • マウステイル

    私は今まで普通のマウスを使っていたのですが、2か月ほど前から、ワイヤレスマウスを使うようになりました。ワイヤレスマウスを導入するきっかけとなったのが、世に知られる「仁義なきケーブルの戦い」です。私が所持する慎ましやかなノートパソコンは、USBポートが2つしか付いていないので、電源のケーブルとマウスのケーブルがこんがらがってしまうのです。その様相はまさしくモンジャラであり、くんずほぐれつを体現しています。 このままの状態を放置していたら、大規模なケーブル戦争の勃発は避けられません。なので私は、仲介役として2本のケーブルの間に割って入りました。ケーブルからの抵抗が多少ありましたが許容範囲です(報復…

  • 不可思議なビーン

    数学者のピタゴラスは、豆を嫌っていました。「俺も数学は嫌いだわ。ルートの記号なんか滑り台にしか見えないし」という人もいるでしょう。全くもって同感です。しかしながら、ピタゴラスの豆嫌いは、そんじょそこらの嫌いのレベルとは隔絶しています。ピタゴラスは教団を組織していて、そこに所属する全員に対して「俺は豆が大嫌いだ!だからお前らも豆を食べるな!」と強制したのです。なんというか「私は〇〇ちゃんが嫌いだから、あなたも〇〇ちゃんと話しちゃ駄目だからね!」と言い放つ女子小学生みたいですね。身勝手の発露でございます。 ピタゴラスが豆を嫌いになった理由は様々あります。「豆を食べない方が安眠できるから」といった穏…

  • ピタゴラスウッシ

    ピタゴラスは、古代ギリシャの哲学者です。ピタゴラス本人を知らなくても「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「ピタゴラスイッチ(NHKの番組)」を知っている人は多いでしょう。ピタゴラスは、哲学者としても数学者としても活躍しました。労働者としても納税者としても活躍している私達と相通じる部分がありますね。賃上げ要求じゃあ! 真偽の程は不明ですが、ピタゴラスは、ある定理を発見した際に、生贄として牛を神に捧げたと言われています。牛からすれば、たまったものじゃありません。うららかな春の日差しを全身に浴びて、のんきに草を食んでいたら、ピタゴラスが突然やってきて「俺は定理を発見した。だからお前を生贄として神に…

  • 銅像を鑑みる

    ここ数日は『考える人』について考えています。『考える人』はどこの誰が見ても、「あぁこの人は何かしら考えているんだろうなぁ」とわかるので、一ひねり加えると深みが増すと思います。例えば『カンガルー人』ならどうでしょうか。『考える人』の前を一瞥して通り過ぎる人でも、『カンガルー人』の前ではピタッと足が止まります。「カンガルー人ってなんだ?カンガルーと人間の融合体か?出生証明書にはどのように記載するんだ?』と様々な疑問が生じること請け合いです。こちらの思うつぼですね。カンガルーのお腹の袋に取り急ぎ収納しましょう。 『考える人』は拳を顎に当てているので、差別化を図るために『カンガルー人』は拳を前に構える…

  • 思考回廊

    銅像といえば『考える人』を思い浮かべる人が多いと思います。ロダンが製作したこの銅像は、思索を巡らせている人物を描写した像として知られています。ただ、『考える人』を目にしている各人が考えていることは異なります。『考える人』という対象は同じであっても、『考える人』について考えていることは千差万別なのです。ややこしいことこの上ないね! 私の場合、『考える人』を目にして考えることは2つあります。1つめは「ロダンじゃなくてダンロだったら『暖まる人』になっていただろう」というものです。暖炉の炎に照らされて編み物をしているおばあさんの姿が目に浮かびます。おばあさんの外部(身体)は炎によって暖められていますが…

  • マンデラ・マンチャ

    皆々様は「マンデラ・エフェクト」というものを御存知でしょうか。マンデラ・エフェクトとは、事実とは異なる記憶を大勢の人が共有している現象のことを指します。「大勢の」というのがポイントです。なので、貴女と近所のタカシ(ドラ息子)が同じ思い違いをしていても、それは単なる偶然に過ぎません。「タカシと同じ思い違いをしているなんて・・・これはきっと運命に違いないわ・・・理想のタイプとは正反対だけど試しに付き合ってみようかしら・・・」と早合点するのは危険です。タカシよ、残念だったな! ただ、マンデラ・エフェクトには、科学的根拠はありません。あくまでも「大勢の人が共有している思い違い」をそのように呼んでいるだ…

  • 弟子入りの妙味

    クセノポンという人物をご存じでしょうか。私の親戚ではありません。クセノポンは、古代ギリシャの哲学者です。あのソクラテスの弟子としても知られています。「俺は知らなかったよ・・・」という人もいるかもしれませんが、落ち込む必要はありません。無知の知(自分が無知であることを知っていること)こそが大事なのです。むち打ちになったらすぐに医療機関を受診することぐらい大事です。 クセノポンがソクラテスの弟子になった経緯は以下の通りです。ある日、クセノポンが街をプラプラと歩いていたら、目の前にソクラテスが現れました(ポケモンの世界だったら、迷わずにモンスターボールを投げつける状況です)。ソクラテスはクセノポンに…

  • 労働物語

    先日、『ロード・オブ・ザ・リング』をレンタルで観ました。この映画は『指輪物語』を原作としたファンタジー映画です。ホビットやエルフなどの様々な空想上の生物が多数登場するので「私は今、やむにやまれぬ事情があって人間の姿に身をやつしているのだが、本来の姿は純情可憐な妖精なのだ」という誇大妄想狂にはピッタリの映画ですね。素晴らしき哉、妖精! 事前情報が全くない状態で本作を鑑賞したのですが、上映時間の長さに度肝を抜かれました。「尻子玉を抜かれるよりはマシだろ?」とほざく河童はどっかの池へ帰って下さい。『ロード・オブ・ザ・リング』は3部作であり、それぞれの上映時間が3時間ほどなので、合計すると9時間にもな…

  • 万能はネギに鍛えられたか

    豊葦原の瑞穂の国において「万能ネギ」が大変な重荷を背負っているのは周知の事実です。「いやいや、そんなことはないだろ。それはお前の思い過ごしだろ。モヘンジョダロ」という意見もあるかもしれません。ですが、少し想像してみればわかることです。もしも貴方が「万能人」と呼ばれたらどうでしょうか。一回こっきりならまだしも、その生命が存する限り「おい!そこの万能人!」と呼ばれ続けるのです。これは地獄の責め苦に等しい所業でございます。 以上の理路によって、万能ネギを窮地から救うべく、早急な対処(改名)が求められます。もちろん、万能ネギ側から報酬を頂くつもりは一切ありません。こういう事柄は無報酬で行うからこそ楽し…

  • 万能の耐えられない重さ

    最近は、暇さえあれば万能ネギについて考えています。様々な思考を巡らせた末に「万能という言葉が良くないのだ。もはや改名するしかない」という結論に達しました。やはり、万能という言葉があまりにも重すぎるのです。「万能のネギ」は「全能の神」に比肩するほどの高みにまで押し上げられています。思えば遠くへ来たもんだ。 万能ネギからすれば「俺に何の恨みがあって、これほどの高さにまで引き上げるのか」と不満の一つも漏らしたくなるでしょう。例えるならば、赤ちゃんに「高い高い」をしているときに、勢い余って宇宙にまで飛ばしてしまったようなものです。まだ地球という惑星に生まれ出たばかりなのに、いきなり宇宙空間に放り出され…

  • オールマイティーネギ

    私はスーパーの店内をうろつき回ることを日課にしているのですが、その度に気になるのが「万能ネギ」の存在です。その荘厳かつ尊大な名称を目にすると「世間の重荷に耐えられずにポッキリと折れてしまうのではないだろうか」と心配になります。万能ネギの心境は如何ばかりか。ネギリンガルが発明されたあかつきには、その真意を探るためにスーパーに馳せ参じる所存です。 万能ネギと言えば「オールマイティーパス」を連想せずにはいられません。連想しなくても良いものを連想してしまうのが人間の性分です。オールマイティーパスとは、ドラえもんのひみつ道具の一つであり、どこにでも入れる通行証のことです。このオールマイティーパスを印籠の…

  • しょっぱいギャンブラー

    うだるような暑さの中では「よし!これから飯をかっ喰らうぞ!腹部をパンパンに膨張させるぞ!」という暑苦しいテンションにはなかなかなりません。生存本能に基づいて、淡々と食事を口にするという人が大半なのではないでしょうか。「いいや、そんなことはないぜ!俺はいつでも食欲旺盛だぜ!俺の胃袋は宇宙だぜ!」という人は生粋のフードファイターなので除外します。 ふと思ったのですが、フードファイターの主人公の「井原満」という名前は、胃と腹を満たすという意味に変換できますよね。ドラマが放送されてから20年ほど経った今になって、ようやく気が付きました。もちろん、20年間ずっと「井原満という名前には何らかの意味が込めら…

  • 輝かしきストイシズム

    ギリシャ哲学の一派として「ストア派」というものがあります。禁欲主義を標榜するストア派の哲学者は「ストイック」と呼ばれていました。ダラダラとした生活を営んでいる私のような人間とは対極の言葉ですね。ストイックな生き方を実践している人を目にする度に、ストマックが痛くなってしまいます。腹痛を不屈の精神で克服するのがストイックなのだ! ストア派という名称は、創始者のゼノンが柱廊(ストア)で講義を行っていたことにちなんでいます。なので、もしもゼノンがキャバクラで講義を行っていたら「キャバクラ派」になっていたし、歯医者で講義を行っていたら「歯医者派」になっていたのです。危ないところでした。歯医者派の場合、歯…

  • お荷物プレゼント

    イエス・キリストがこの世に生を受けたとき、東方の三博士は贈り物を携えて彼の元を訪れました。言うなれば、出産祝いですね。その贈り物というのが「黄金(おうごん)・乳香(にゅうこう)・没薬(もつやく)」でした。それぞれの頭文字を取って「お荷物」と覚えると良いですね。覚えてもとくに良いことはありませんが、とくに悪いこともありません。人生というのは得てしてそういうものなのでしょう(諦観)。 それはさておき、黄金・乳香・没薬にはどのような意味が込められているのでしょうか。まずは「黄金」です。黄金というのは、当時においても、とても貴重なものでした。東方の三博士は、将来の王になるイエスの財産として、黄金をプレ…

  • フライング・サンタ

    一時期に比べたら減りましたが、今でもマスクをして屋外を歩いている人はたくさんいます。この暑い時期によく見かけるのが「顎マスク」の人です。それらの人は、自身の顎に対して並々ならぬ愛情を注いでいるから、顎にマスクをして保護しているのではありません。ただ単に「屋内ではマスクをするけど、屋外ではマスクをするのが面倒くさい。いちいちマスクを外したり付けたりするのも面倒くさい」というだけなのです。わかるわかるよ君の気持ち。 そんな顎マスクの人を見かける度に「サンタがいる・・・」と私は思うのです。顎に白いマスクをずり下げたその姿は、白ヒゲをたくわえたサンタにそっくりなのです。今でこそ慣れましたが、顎マスクが…

  • 気まぐれセプテンバー

    現代日本に生息する私達が8月という灼熱地獄を生き抜けるのは「9月になれば気温が下がるから」という展望があるからでしょう。「今はとんでもない暑さだけど、もう少しすれば涼しくなる」という予測があるからこそ、連日連夜の猛暑をしのぐことができるのです。残暑お見舞い申し上げます。 しかしながら、予測はあくまでも予測に過ぎません。ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』の中で「太陽が明日も昇るだろうというのは一つの仮説である」と述べているように、実際に明日になってみなければ、太陽が昇るかどうかはわからないのです。「9月になれば気温が下がる」という予測に全面的に依拠していると、現実にそうならなかった場合に大き…

  • スーパーターン

    この時期、スーパーで買い物をしていると、子供達の姿をよく見かけます。「その子供というのは座敷わらしのことか?もしそうだったら俺は見たくないな。なぜなら俺は極度のビビりだから」という人もいるかもしれません。安心して下さいチキン野郎。私が言及しているのは、物理的な肉体を備えた現実に存する子供のことです。持つべきものは曖昧模糊とした霊感ではなく、眼前の光景を明確に把握する視点です。 買い物をしながら広い店内をグルグルと回っていると、至るところで子供と出くわします。呆けた表情を浮かべながら棚の合間を彷徨っている子供の姿を目にする度に、ディメンター(ハリー・ポッターに登場する吸魂鬼。人間のポジティブな感…

  • 次元飴

    私達は3次元の世界に生きていますが、物理学者の中には「この世は3次元ではなく、11次元である」と主張する一群がいます。私はこの主張を知ったとき「3次元でも手に余るのに、11次元もあってどうするんだろうか。あまりにも過剰だよなぁ」としみじみと思いました。余剰の次元たちは果たしてどこに行くのでしょうか。知る由もないし、知ったこっちゃありません。 上記の「11次元仮説」に関連して思い出したのが、子供の頃の床屋における記憶です。私は子供の頃、近所の床屋で散髪をしてもらっていました。幼少期の私は、世にも稀なる角刈りボーイだったのです。その床屋では、散髪が終わった後に、箱の中から飴玉を進呈するという、なん…

  • 利便事

    先日、ブライアン・ウィルソンの自伝を読みました。ビーチ・ボーイズのファンにはよく知られていることですが、ブライアンは子供の頃、父親によく殴られていたそうです。「ブライアンも難儀な子供時代を送っていたんだなぁ。よく立派に育ったよなぁ」と思いながら本を読み進めていたのですが、ブライアンも何度か父親に個性的な方法で仕返しをしていたようです。 ある日、ブライアンはウンコをしたお皿を携えて「はい、ランチだよ」と父親に渡したそうです。この時点でかなり常軌を逸しているのですが、それはひとまず置いておきましょう。ウンコがこんもりと盛られた皿を目にした父親は「これはトイレへ持っていけ」と冷静に答えたそうです。ブ…

  • 飛んでもハッサン

    先日、ドラクエ6をクリアしました。ドラクエシリーズは何作かプレイしているのですが、6は初めてだったのでワクワクしながらプレイしました。最初にパッケージを見たときに「主人公の髪は青いのか。随分とパンキッシュだな」と思ったのですが、隣にいるハッサンを見て唖然としました。そうです。何を隠そう(隠す気は毛頭ない)ハッサンの髪は紫であり、あろうことかモヒカンなのです。ハッサンの奇抜すぎる頭部に比べれば、主人公の頭部など霞んでしまいます。マヌーサ(相手を霧で包んで幻惑する)をかけるまでもありません。 終盤までは順調にスイスイとプレイしていたのですが、ラスボスのデスタムーアに完膚なきまでに叩きのめされたので…

  • メロスのランナウェイ

    先日、オーディオブックで『走れメロス』を聴きました。「やっぱりメロスは名作だよなぁ。邪智暴虐の王は除かなければならないよなぁ」と感じ入っていたのですが、ある部分でピタリと思考が停止しました。それは、メロスが人質として、友人のセリヌンティウスを紹介する場面です。 「その場面のなにがおかしいのだ?日陰者のセリヌンティウスが脚光を浴びる素晴らしい場面じゃないか。さてはお前は暴君か?」という疑念の声もあるかもしれません。残念ながら、私は暴君ではなく山賊です。私の職業はさておき、この場面でメロスは「私が期日までに戻ってこなかったら、セリヌンティウスを絞め殺して下さい」と言っているのです。 私はそのセリフ…

  • アース虎セネカ

    今年に入ってから、哲学書をちまちまと読んでいます。今まで「哲学書のようなお堅い内容の本を読んだら、私のふやけた精神は粉々に砕け散ってしまうのではないか」という懸念から哲学書と相対する機会を積極的に忌避してきました。ですが、私の気のゆるみが招いた怠慢によって、哲学書どもに四方八方を取り囲まれてしまったのです。そのような窮地に至っては、もう観念するしかありません。もはやこれまで。お縄を頂戴する。沖縄に招待してほしい。 そんなこんなで様々な哲学書を読んだのですが、最もおもしろかったのはセネカの本でした。セネカは、1世紀に活躍したローマの哲学者です。イエス・キリストとほぼ同い年なので、道端でばったりイ…

  • 野菜だもの

    農林水産省の定義によると、野菜に分類されているけれど、一般的には果物として認識されているものは「果実的野菜」として扱われているそうです。なんか「善人的ヤクザ」みたいで違和感があります。そういえば『龍が如く』の桐生一馬は典型的な善人的ヤクザですね。天啓システム(特定の出来事を経験することで新技を取得するシステム)は秀逸です。エウレカ! 果実的野菜の代表は、スイカやメロンです。スイカは野菜と言われてもあまり違和感はありませんが、メロンはその限りではありません。有閑マダムのような気品あふれる姿で「ワタクシは果物に見えるかもしれませんが、実は野菜ですのよ。ごめんあそばせ!」と言われたら、もはやひれ伏す…

  • 復権省

    ものの本で読んだのですが、ジャンヌ・ダルクが処刑された数年後に、彼女の復権裁判が行われたらしいですね。その裁判では、ジャンヌ・ダルクに関する様々な証言がされたそうです。「ジャンヌ・ダルクは本当に優しい子だった」「ジャンヌ・ダルクは祖国のことを心の底から想っていた」などの肯定的な発言がたくさんあったのだとか。 一見すると良い話に思えるかもしれませんが、そんな裁判をするぐらいなら、最初から処刑しないでもらいたかったですよね。もし私がジャンヌ・ダルクだったら、確実に化けて出ています。都合よく裁判という場なので「出るところに出てやるわよ!」という決め台詞もバシッと決まります。なんだか『ステキな金縛り』…

  • パンクッション

    私はスーパーでよくバナナを買うのですが、家に帰るまでの間にバナナがダメージを受けて痛んでしまうのが悩みの種だったんですよ。「そんなものが悩みの種だなんて笑わせやがるわ」と柿の種を食いながらほざく愚人もいるかもしれません。ただ、悩みの種を放置すれば不満が増し、柿の種を放置すれば腐臭が増すのは厳然たる事実です。求めよサラダ与えられん。 スーパーで金銭と引き換えに購入したバナナは、その他の購入物と一緒にバッグに入れて自転車のカゴに安置するのですが、自転車の振動でバナナに相当なダメージが加えられてしまうのです。なので、家に辿り着いた後のバナナは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジャケットのような姿…

  • ロカールルール

    この苦界には「ロカールの交換法則」というものがあります。この法則は「人間は一つの部屋を通過するとき、それとは知らずに必ずそこに何かを残し、代わりに何かを取っていく」というものです。なんかわかったようなわからないような説明ですが、転んでもただでは起きないというか、身代わり出頭というか、まぁだいたいそんな感じです。 卑近な例を挙げると、オナラをしながら部屋を通過したら、その部屋にいる人から「めったやたらに放屁するな!」という罵声を浴びるようなものです。つまり、オナラを浴びせる代わりに、罵声を浴びるのです。もちろん、前者と後者のどちらの立場を選ぶかは貴方次第です。赤の他人に放屁の判断を委ねてはなりま…

  • 拉麺慕情

    先日、待ち時間にテレビ番組のラーメン特集を観たんですよ。出演者たちは自分の好きなラーメンやトッピングを和気あいあいと話し合っていました。私はその様子を好々爺のような表情を浮かべながら鑑賞していたのですが、内面は冷麺のように冷え切っていました。そうです、何を隠そう私はラーメンが好きではないのです。知ったこっちゃねぇ! 前世における業なのかもしれませんが、ラーメンを見ると「煮えたぎる地獄の血の池でもがき苦しむ亡者の姿」を連想してしまうんですよ。グツグツと沸騰するスープの中で、今まさに虜囚が溺れかけているのです。見るに堪えません。「そんなカマトトぶっても無駄だ。俺はお前が薄目を開けてその様子を目に焼…

  • トレインイーティング

    私は普段、自転車で通勤しているので、電車に乗る機会はほとんどないんですよ。なので、たまの機会(銭形警部に追われてるときなど)に電車に飛び乗ると、物珍しさから周りをキョロキョロと見渡してしまうんですよね。その際に毎回気になるものがあります。何を隠そう、吊り革です。だらしなく垂れ下がってる吊り革に必ず目がいってしまうんですよ。 私の場合、吊り革を見る度に、おにぎりの姿を連想するんですよ。吊り革の三角形の空洞の部分に、米と海苔とおかずを詰めてギュッとやると、物の見事に想像上のおにぎりが出来上がるというわけです。かなり危ない精神状態かもしれませんけどね。なぁに今に始まったことじゃあございやせん。持つべ…

  • 白鞄派

    久しぶりにちょっとクリーニング屋に行ったんですよ。「衣服を洗濯する前に、お前の汚れ切った精神を洗濯しろよ。上等なおべべを着て気取ってみたところで、肝心の中身が下等なら台無しだぞ」という意見もあるかもしれません。まったくもっておっしゃる通りでございます。二の句が継げぬ。 取るに足らないお説教はさておき、クリーニング屋に行くと名前を聞かれるじゃないですか。そういう時に本名を名乗る人はどれぐらいいるんでしょうかね?受取証明書をもらえれば良いので、鈴木とか小林とか高橋とか適当に名乗っている人も結構いると思います。幼名や源氏名でも良いですね。私にはそんなもんないけど。 それで、クリーニング屋に行って名前…

  • 良い子はマネー次第でね

    夢うつつの状態で聞いた話によると、子供が百円玉を拾って交番に届けると、その百円玉と親に宛てた手紙を封筒に入れて手渡されるらしいですね。これは本当なんですかね?まず第一に、子供の定義が気になります。「子供の定義はなにか?」と考えている時点で子供ではないことは確かです。私の気が確かかはわかりません。カインよ、俺は正気に戻ったのか? 取りも直さず、手紙の内容が気になりますよね。一体どんなことが書かれているのでしょうか。「この手紙は再生紙で作られています」とか「この手紙には3年前に殉職した刑事の怨念が宿っています」とかですかね。刑事の迷える魂よ、どうか安らかに眠っておくれ。私にはお祓いすることしかでき…

  • baby or body

    人それぞれ、何か物事を始めるときに「このぐらいの期間は続けよう」という目安があると思います。私の場合は、10カ月を目安にしています。10カ月が経過すれば、人の子が誕生しますからね。「その子は一体どこの子なのよ!?本当に私たちの子なの!?」と猛り狂う奥方もおられるかもしれません。どこの子だろうが関係ない。人の子は皆、人類の子なのである。 なので、これから新しいことを始める際には、新生児室で赤子と対面している自分のにやけた顔つきを想像すると良いと思います。いくら赤子の前とはいえ、弛緩しきった表情を周囲の人々に晒すのは抵抗がある、という繊細な神経の宿主もおられるでしょう。そんな貴方には「そんなことは…

  • 隅っこネズミ

    私はよく漫画喫茶に行くんですけど、個室に備えつけられてるパソコンの画面に、色々なコンテンツのアイコンが並んでいるんですよ。もちろん、アダルト系のコンテンツもありますよ。そこの殿方、ご心配めさるな。貴殿の願いは叶い、その目的は十全に果たされることだろう。果てた後に資質が問われるのだ。 それで、その店のアダルト系のアイコンは、画面の中央に並んでいるんですよ。だから私は、退出するときに、マウスカーソルを可能な限り画面の隅に置いておくんですよ。それはなぜかと言うと、マウスカーソルを画面の中央に置いておくと「状況証拠から推察するに、こいつはアダルト動画を観てやがったな。ふしだらな奴め」と店員に思われてし…

  • ミステリアス盤上遊戯

    将棋を題材にした漫画や棋士が書いた本をたまに読むんですけど、肝心の将棋のルールは未だによくわからないんですよね。「味方の歩が敵地に入ると金になる」という噂は又聞きしたことがあります。おそらく、敵に金銭をもらって寝返ったんでしょう。随分と現金な駒ですね。そういう奴は嫌いじゃない。むしろ好ましい。 現時点で私が確実にわかっているのは「敵の王を絶命させれば勝ち」ということだけですね。疑問なんですが、追い詰められた王は命乞いとかするんでしょうか?それとも、潔く自分の負けを認めて、辞世の句を詠むんですかね。まぁ駒というのはその性質上、人語を介さないので、たとえどんなに素晴らしい句を詠んだとしても無駄なん…

  • 年寄りのニアミス

    シャバの世界でのほほんと暮らしていると、たまに防災無線で「迷い人のおたずね」が流れますよね。「こういう風体の人が行方不明になりました」というやつです。それで先日、惰眠をむさぼっていたら「70代の男性が行方不明になりました」という放送が流れたんですよ。 「70代の男性が行方不明?近場の天国にでも散歩しに行ったんだろう」と思って聞き流していたら、放送で行方不明の男性の特徴を読み上げ始めたんですよ。まぁ特徴といっても、多重債務者やギャンブル依存症とかの内側の特徴じゃなくて、あくまでも外見上の特徴ですね。一見してわかる特徴というか、個体識別に必要な情報です。 それで、その男性の特徴が間延びした声で読み…

  • 本海

    私は本が好きなので、よく図書館に行くんですよ。見るも無残なボロボロの身なりで。まぁ服装のことはさておき、私がよく行く近所の図書館では、夕方になると「小学生のみなさんは早くお家に帰りましょう」という館内放送が流れるんですよ。私はその放送を耳にする度に、身がすくむ思いがするんですよね。 なぜかと言うと、その放送が流れた直後に席を立つと「あれ?こいつはもしかして小学生なのか?小学生にしてはでかいし、小学生にしては老けてやがるな」と周囲の人々から奇異の眼差しを向けられてしまうからなんですよ。これはいたたまれないです。People Are Strange. だから私は、放送が流れてから30分間は身じろぎ…

  • リターナーのバナナン

    私はスーパーでバナナをよく買うんですけど、バナナの立ち姿を目にする度に「今生においてバナナとして生を受けなくて本当に良かったなぁ」としみじみ思うんですよ。というのも、バナナは買ったときは黄色くてツヤツヤしているものの、3日もすれば黒い点々が浮き出てきて、1週間もすればどす黒い塊に変貌するじゃないですか。その状態を私は便宜的に「深淵バナナ」と呼んでいます。ニーチェへの贈答品に最適ですね。 「バナナの許可も取らずに、深淵バナナなどと勝手に呼んでも良いのか?バナナが気分を害するかもしれないじゃないか」という臆病風に吹かれた腑抜け野郎もいるかもしれません。そのような懸念はごもっともでございます。しかし…

  • アンドレイバモス

    私は起床時間の大半を霞がかった状態で過ごしているので、たまに雑談の輪の中に加わると「君は人の話を聞く気が全くないよね」と叱責されることがあるんですよ。完全に図星です。自分ではしっかりと相槌を打っているつもりなんですけどね。やはり識者の目はごまかせません。なかなかどうして渡世というものは、一筋縄ではいかないものです。 相槌といえば、鍛冶屋が刀を造るときに「師匠が槌を打つ合間に弟子が槌を打つ」という行為が由来だそうですね。餅つきのような和やかな光景が目に浮かびます。ただ、鍛冶屋の場合、物が物だけに弟子の心身には尋常ならざる緊張感が漲っていることでしょう。もしも相槌を打つことに失敗したら、師匠が激高…

  • 我が白髪

    最近、私の頭皮に白髪が数本ゲリラ的に出没しました。「よくもおめおめと顔を出せたものだな」と感心しきりでございます。それにしても、白髪というのは、なんともはや難儀な存在ですよね。俗世間においては、白髪は数多ある老いの象徴の一つとして認知されています。そのため、己の頭皮に白髪が顕現するやいなや、蛇蝎の如く嫌う人も少なくありません。過激派の中には、有無を言わさずに白髪染めスプレーを振り掛ける人もいます。 白髪サイドとの会談の席を設けずに、問答無用で相手の身を黒く染め上げるというのですから、なんとも野蛮な行為であると言えます。白髪サイドから「俺のこの身を黒く塗ってくれ!頼みますわ!」と要請されたのであ…

  • クリスタル知らんて

    匍匐前進しているときにふと思ったのですが、「尿管結石」の語感の強さは凄まじいですよね。なんと言うか「人造破魔石」に通じるポテンシャルを感じます。人造破魔石というのは『ファイナルファンタジーⅫ』に登場する重要なアイテムです。人造という名の通り、天然の魔石ではなく、人為的に造成した魔石です。その威力は極めて強大であり、一国を滅ぼすほどの力を有しています。オソロシイヨ! 人造破魔石と尿管結石の違いは、その対象と規模にあります。人造破魔石は世界の国々を破滅させ、尿管結石は個人の膀胱を破滅させます。言うなれば「巨大な抽象と微小な具体」という具合です。どちらがより切実な問題かというのは、それこそ人それぞれ…

  • 焦眉之急~冷戦~

    私は洋画をほぼ毎日鑑賞しているのですが、欧米人の役者の顔を見ていると「眉毛と睫毛が共存共栄していること」に驚きます。欧米人の中には、彫りが深い顔面を所有している人が少なくありません。そのため、眉毛と睫毛の間隔がほとんどないという人が結構います。世間一般に通底する認識では、眉毛と睫毛の間に存するスペースはいわゆる「緩衝地帯」です。その地帯が広大であることによって、物理的な衝突を避けているわけです。言うなれば、ノーマンズランド(誰のものでもない土地)ですね。 であるからして、眉毛と睫毛の間隔が極端に狭い人の場合、眉毛と睫毛が常に緊迫した状態を保っていることになります。四六時中、年中無休で臨戦態勢と…

  • 胃人伝

    人はそれぞれ「食事をする際に脳裏に浮かぶ光景」があると思います。「俺は光景など浮かばないぞ」と言う人は今すぐに捏造して下さい。私の場合、胃の内部の様子を思い描きながら食事をするのが通例となっております。「習慣は第二の天性なり」という言葉もあるように、習慣として定着したことは、ちょっとやそっとじゃ変わりません。なので、悪い習慣を積み重ねていくと収監されることもあり得ます。肝に銘じたいですね。 胃液が逆流するように話を本題に戻します。食事をしている最中に胃の内部の光景を想像してみると、非常に惨たらしい様子が脳裏に浮かびます。なにせ、噛み砕かれて細切れになった食べ物の欠片がまるで隕石のように猛スピー…

  • ハイアイブロウ

    このゲゼルシャフトには「眉唾」という言葉があります。眉唾の意味は「騙されないように用心すること」です。でも、いくら用心のためとはいえ、自分の眉毛に唾を塗りたくるのは気が引けますよね。まぁ実際に、眉毛に唾を塗りながら練り歩いている人がいたら、周囲の人たちは恐れをなして近づかないと思うので結果オーライです。災い転じて福となす。背に腹は代えられないし、眉に唾は付けたくない。少なくとも私の場合はそうです。貴方は如何ですか? しかしながら、少しばかり考えてみると、また違った光景が立ち現れてきます。この俗界には、自由意志に基づいて自前の眉毛を剃り落とし、眉墨を駆使して理想的な眉毛を描くというアーティスティ…

  • トムボウイ

    「瞳孔」という言葉から連想するものは千差万別でしょう。私の場合、瞳孔と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ハシビロコウのつぶらな瞳です。あの瞳孔の開きっぷりは他の追随を許しません。そもそもの話、ハシビロコウに付き従うような物好きが存在するのでしょうか。「私はハシビロコウさんに憧れて、この動物界に生を受けました。ハシビロコウ御大のためならば、命を捧げることも厭いません」というような異常思考の持ち主がいたら、そっと距離を置くことをお勧めします。触らぬ神に祟りなし。 俗世間には、ハシビロコウの瞳孔の開き具合に圧倒されて、深夜になってもなかなか寝付けない人がちらほらいるとかいないとか。おそらく、常軌を逸した…

  • 大球捜査網

    前々から思っていたのですが、マルマインってこの世から滅する気マンマンですよね。退場を前提として設計されてるとしか思えません。「だいばくはつ」を覚えるのは言わずもがなであり、一番の問題はその名前ですよ。せっかく前任者のビリリダマから「マ」を渡されたのに、マルマイ「ン」であっさりと終わらせちゃってますからね。おそらくマルマインは、この世界にもしりとりにも未練がないんでしょう。なかなかにして潔い球体ですね。 ついでに書き添えておくと、マルマインとかいうモンスターは「バクダンボール」というあだ名で呼ばれているらしいです。マルマインが入社してきて「私のことはバクダンボールと呼んで下さい!特技は即座に爆発…

  • ダークフォース

    古代ギリシャの哲学者であるエピクロスが提唱した概念として「アポニア」と「アタラクシア」というものがあります。「そんな概念なんてあたしゃ知らないよ。そんなことよりもパチンコの当たり台が知りたいね」という欲深き御夫人もおられるかもしれません。知らざあ言って聞かせやしょう! アポニアは肉体的な苦痛がない状態を指し、アタラクシアは精神的な苦痛がない状態を指します。「なんだいそりゃ。パチンコと全然関係ないじゃないか。拍子抜けだね」という意見もあるでしょう。そんな面倒くさい人のためにパチンコで例えるならば、いわゆる「フィーバー状態」です。アポニアとアタラクシアが相乗効果を発揮すれば、あの悪名高い「沼」さえ…

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