Nepenthes ampullariaネペンテス アンプラリア種小名のampullariaは「つぼ型の」の意味です。ピッチャーの形状に由来します。ボルネオ、マルク諸島、ニューギニア、マレー半島、シンガポール、スマトラ、タイに広く分布します。通常は低標高地帯に生えますが、一部1,000m程度の標高に産する系統のものもいるようです。主に土壌湿度の高めの林床に自生します。自生地自体は明るい日陰となるような場所が多いですが、ツルは20mも樹...
Nepenthes alataとgracilifloraについて(文献解説)
2013年にNepenthes alata(ネペンテス アラタ)がいろいろと再分類されたというのは有名な話ですが、どういった再分類がされたのかという部分について特に日本語でのまとめは未だに無いようなので、今さらではありますが当該論文を元に簡単にまとめます。→2023/11/29出版の「食虫植物: 多様性と進化 長谷部 光泰 (著)」にて解説がありました。N. alataグループと呼ばれる似たような形を持つネペンテスについて触れられていますが...
ムラサキミミカキグサ(Utricularia uliginosa)
ムラサキミミカキグサUtricularia uliginosaウトリクラリア ウリギノーサ種小名の
長寿命前葉体について諸々以前コケシノブ科の前葉体について記述しましたが、その他の長寿命な前葉体についても忘れないようにまとめてみます。自分の知識のまとめと、シダに興味あるけど論文読むの面倒くさい人向けの記事です。気力のある方は原文を読んでいただいた方が誤解がなく良いかと思います。(誤訳あるかもですし…)「前葉体」って何?という方は前回記事を→https://hakoniwamemotyo.blog.fc2.com/blog-entry-488.html長...
モスファンLomariopsis sp.アクアリウムで使われている本種。一般的にはモスということで
Sarracenia oreophila var. ornata
Sarracenia oreophila var. ornataサラセニア オレオフィラ var. オルナタ種小名のoreophilaは「山を好む」、変種名のornataは「華やかな、装飾された」の意味です。ピッチャーに入った強い葉脈に由来します。かつてはS. oreophilaの自生地ではvar. oreophilaと一緒に見られましたが、この変種ピンポイントの密漁が相次ぎほとんど姿を消しました。2012年現在で確認されている最後の個体群はアラバマ州リトルリバーキャニオン国立...
Sarracenia rubra ssp. gulfensis
Sarracenia rubra ssp. gulfensisサラセニア ルブラ ssp. ガルフェンシス種小名の
Sarracenia minor var. okefenokeensis
Sarracenia minor var. okefenokeensis Red Eyesサラセニア ミノール var. オケフェノキーネス種小名の
Sarracenia leucophylla f. viridescens
Sarracenia leucophylla f. viridescens CKサラセニア レウコフィラ f.ビリデセンス種小名のleucophyllaは「白色の」、品種名のviridescensは「緑色の、緑色になる」の意味です。突然変異個体のため分布ははっきりしていません。アラバマ州ボールドウィン郡で1993年に1株、翌年に2株見つかったのが最初です。その後も稀にS. leucophylla自生地で見つかっていますが、まだその場所に残っているか、またこの先も存続していけるか...
Drosera falconeri Wangi formドロセラ ファルコネリ ワンギフォームオーストラリアのノーザンテリトリー州固有種で、Sect. Lasiocephalaに分類されるペティオラリス系や熱帯ドロセラ(熱ドロ)と言われる分類のドロセラです。種小名の
Sarracenia rubra ssp. wherryiサラセニア ルブラ ssp.ウェリー種小名のrubraは「赤い」、亜種名のwherryiは「植物学者のEdgar T. Wherry氏への献名」です。元々は地質学者でしたが、土壌pHの研究中に食虫植物と出会い、そのまま興味を惹かれ植物学者になった人物です。S. oreophilaやS. rubra ssp. jonesii (S. jonesii)を発見しています。本種はアラバマとフロリダ、ミシシッピの一部に自生します。形状としてはalabamensisと似...
Sarracenia alata var. ornataサラセニア アラタ var. オルナタ種小名のalataは「翼のある」、変種名のornataは「華やかな、装飾された」の意味です。ピッチャーに入った強い葉脈に由来します。ミシシッピ州とルイジアナ州東部に点在し、全体的には数が少なめの傾向です。ピッチャーに赤から紫の葉脈が入り、特に上部や口のすぐ内側は強い脈となります。他のS. alataとは異なり、縦に走った葉脈だけでなく横方向にも強い葉脈があ...
Sarracenia alata var. rubrioperculata
Sarracenia alata var. rubrioperculataサラセニア アラタ var. ルブリオパキュラータ(ルブリオペルクラタ)種小名のalataは「翼のある」、変種名のrubrioperculataは「赤い蓋」の意味です。ピッチャー開口部から蓋の裏側の色に由来します。ミシシッピ州とルイジアナ州東部に分布します。変種としての特徴としてピッチャー開口部、喉元から蓋の裏側が赤~濃い紫、黒色に染まります。また葉脈パターンがvar. ornataと同じ網目模...
Sarracenia alata var. alataサラセニア アラタ var. アラタ種小名のalataは「翼のある」の意味です。ピッチャーの全面に走る翼に由来します。分布は2つに分かれていて、東ルイジアナ州から西アラバマ州に至る東部地域と、テキサス州東部からルイジアナ州西部までの西部地域に分かれます。自生地は他のサラセニアと同様の貧栄養湿地やマツのサバンナと言われるような場所です。var. alataは基本変種で、逆説的ですが他の変種に...
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Nepenthes ampullariaネペンテス アンプラリア種小名のampullariaは「つぼ型の」の意味です。ピッチャーの形状に由来します。ボルネオ、マルク諸島、ニューギニア、マレー半島、シンガポール、スマトラ、タイに広く分布します。通常は低標高地帯に生えますが、一部1,000m程度の標高に産する系統のものもいるようです。主に土壌湿度の高めの林床に自生します。自生地自体は明るい日陰となるような場所が多いですが、ツルは20mも樹...
Pinguicula mesophyticaピンギキュラ メソフィティカ種小名の
Drosera albonotataドロセラ アルボノタータ種小名のalbonotataは「白いマーク」の意味で、花弁の付け根につく特徴的な2つの白い模様に由来します。1つの花弁には2つのマークですが、花冠全体をみると花の中心部が白くなっているように見えます。西オーストラリア州ウェスタンウィートベルトに分布します。ワンドゥー林(Wandooと言われるユーカリの一種の林)や低木林のラテライト土壌や砂質粘土ローム土壌に自生します。木々...
Drosera niveaドロセラ ニベア種小名のniveaは「白い」の意味です。明るい白色の花の色に由来します。疎らな低木林やヒース地帯の水はけの良い砂質土壌に自生します。特に濃い白~ベージュ色の砂地を好んで分布しています。Drosera citrinaとは非常によく似ています。かつてはDrosera citrina var. niveaとして変種扱いされていた時期もあります。D. citrinaは黄色の花でD. niveaは白い花というのが一般的な認識ですが、それとは...
Utricularia odorata Na Chaluai, Thaiウトリクラリア オドラタ種小名のodorataは「香りのある」の意味です。花に香りがあるそうですが、鼻が悪いためかよく分かりません。本来は蜂蜜のような香りがするそうです。東南アジアとオーストラリア北部に分布します。雨季と乾季が顕著な地域では雨季に生育し種で乾季を凌ぐ一年草サイクルで生活しています。この株については花がやや小さく、花が密集しないタイプです。典型的な株であ...
今年もやってまいりました冬のワクワク球根ドロセラ展。以下の通り開催いたしますので、万障繰り合わせの上、ぜひお越しください。第2回ワクワク球根ドロセラ展日時: 2025年2月8日(土)11:00~17:00場所: 高井戸地域区民センター 3階 第1・2集会室 アクセス入場料:無料内容:球根ドロセラの展示・即売 食虫植物やその他の植物の即売会主催:グラスラ @grandsura 鍵の君 @kaginokimi0077球根ドロセラとは球根...
Catopsis occultaカトプシス オカルタ種小名の
Utricularia multispinosa ウトリクラリア マルチスピノーサフトヒメタヌキモ(?)種小名の
日本に自生している「ヤチコタヌキモ」には対応する学名として「Utricularia ochroleuca」があてられています。今回はその学名と和名の対称は正しいのか、そして日本にUtricularia stygiaは分布しているのかの2点を検証していきます。内容を要約しますと、・ヤチコタヌキモは狭義のUtricularia ochroleucaではない・日本にUtricularia stygiaは分布している(いた)という2点になります。1.U. ochroleucaとU. stygiaさて、本題...
Darlingtonia californica 'Othello'ダーリングトニア カリフォニカ 'オセロー'属名のDarlingtoniaは植物学者の「William Darlington氏への献名」、種小名のcalifornicaは「カリフォルニアの」の意味です。種としての基本情報は通常種のDarlingtonia californicaの記事をご覧ください。この'Othello'はBarry Meyers Rice氏によるダーリングトニアの登録栽培品種(Cultivar)です。品種名の由来はシェイクスピア作の悲劇『Othello...
Nepenthes × ventrataネペンテス ベントラタNepenthes alataとNepenthes ventricosaの自然交雑種とされています。最初に非常に有名な本種ですが、少々取り扱いに問題を抱えた種でもあります。本種はNepenthes alataとNepenthes ventricosaの自然交雑種とされています。しかし現在N. alataはN. gracilifloraと区別され、多くのN. alataはN. gracilifloraと再分類されています。(詳しくはコチラ)園芸ではN. gracilifloraの方が圧...
Utricularia involvensウトリクラリア インボルベンス種小名の
Pinguicula nahuelbutensisピンギキュラ ナウェルブテンシス南米ピンギの1つで、国内では一番普及しているものです。種小名の
Drosera regiaドロセラ レギア種小名の
Drosera hyperostigmaドロセラ ヒペロスティグマ種小名の
Drosera pygmaea Palmdale RDドロセラ ピグマエア パームデール RD種小名の
Drosera lasianthaドロセラ ラシアンサ種小名の
Drosera pulchella Red 44Aドロセラ プルチェラ(プルケラ) 種小名の
Sarracenia rubra ssp. jonesii(= Sarracenia jonesii)サラセニア ルブラ ssp. ジョネシー(ジョーンジィ・ジョーンジィアイ・ヨネスィイ)種小名の
Pinguicula hemiepiphyticaピンギキュラ ヘミエピフィティカ種小名のhemiepiphyticaは「半着生性の」の意味です。本種が樹の幹に着生した状態で見つかることが多いことに由来します。オアハカ州固有でSierra de Juárezの北斜面に分布します。アクセス困難な場所が多いため、既知の自生地以外にも自生しているものと考えられています。標高1500-2900m地点の雲霧林の苔むした樹幹や岩に着生します。メキピンは岩上着生種が多いのです...
Pinguicula balcanica Pirin NP, Bulgaria, 2851mピンギキュラ バルカニカ種小名の
Drosera tokaiensis トウカイコモウセンゴケ日本固有種のモウセンゴケです。種小名のtokaiensisは「東海地方の」の意味です。本種の産地に由来します。和名はトウカイコモウセンゴケ。東海地方を中心に北陸地方から近畿地方、中国地方と四国、九州の一部に分布し、日当たりのいい貧栄養な湿地や斜面に自生します。本種はモウセンゴケとコモウセンゴケの雑種が倍数化して稔性を獲得したことで生まれた6倍体の複倍数体種(異質倍数...
Utricularia bisquamata 'Betty's bay'ウトリクラリア ビスクアマタ種小名の
ゲンリセアの栽培方法について私なりの方法をご紹介します。あくまで私なりの方法、一例ですので、これを叩き台にして自分なりの栽培方法を編み出していただければと思います。目次ゲンリセアとは用土鉢の選び方水やり温度光量・日照肥料開花について増殖方法病害虫ちょっとしたコツ・注意各論・種類ごとのプチ解説終わりに参考文献ゲンリセアとはタヌキモ科ゲンリセア属に分類される食虫植物です。系統上はミミカキグサ(タヌキモ...
Genlisea nigrocaulisゲンリセア ニグロカウリス種小名のnigrocaulisは「黒い茎」の意味です。日当たりがいいと黒く染まる花茎に由来します。とはいえこの種特有の形質ではなく他のゲンリセアでも花茎が黒くなるものはちょくちょくあるのですが。ブラジル、ベネズエラ、ガイアナに分布します。生育標高は390~1300mの中高地、時にはテプイの上の2700m地点にまで登ります。開けた泥炭質の湿地や岩場の砂や有機物が溜まったくぼみな...
Drosera citrinaドロセラ シトリナ種小名の
Pinguicula rotundifloraピンギキュラ ロツンディフロラ種小名のrotundifloraは「丸い花の」の意味です。丸みを帯びた花の形状に由来します。メキシコのタマウリパス州とヌエボレオン州に分布し、標高1300~1400m地点の石膏や石灰岩、石綿でできた斜面に自生します。Pinguicula immaculataと同じ自生地で見られることもあります。丸っこいいわゆる多肉系の種で、Sect. Agnataに属します。一応丸い輪郭の花が特徴です。ただこれも...
Pinguicula giganteaピンギキュラ ギガンテア種小名のgiganteaは「巨大な」の意味です。名前の通り葉は16cm以上、直径は30cmを超え、捕虫葉の面積という点ではPinguicula属で最大種となります。オアハカ州のRio Santo Domingo渓谷の標高600~1,000m付近に自生します。南向き石灰岩の崖に着生し、岩の隙間に根を降ろすほかにしばしばアガベ等の植物の根元にも着生するようです。ここは熱帯雨林気候のため年間を通して水分豊富で暖...
Pinguicula rectifoliaピンギキュラ レクティフォリア種小名の
少し長い記事になりますので初めに要点を書きますと、タイトル通り「日本のヒメタヌキモは本当に全てUtricularia minorなのか?」という内容です。まだまだ観察不足ですが、時間にも探索旅費にも限りがありますのでここで一度記事にまとめました。目次日本におけるヒメタヌキモの分類海外における水生Utriculariaロシアで見つかった不明種のUtricularia sp.Utricularia sp. はUtricularia multispinosaUtricularia multispinosaは...
日本におけるヒメタヌキモはいくつかの変異が認められています。かつてはその1つ1つを種内分類群として記載した品種(forma)がありましたが、栄養環境による形態的差異の範囲であるとして全てシノニムとしてヒメタヌキモ(Utricularia minor)の下に統合されています。今ではほとんど用いられることのない分類ですが、興味深い形態と思いますのでここで一度まとめてみます。Utricularia minor L.(ヒメタヌキモ)日本で一般的な...
Pinguicula sp. Tolantongoピンギキュラ sp. トラントンゴ不明種のメキシカンピンギです。名前の由来はおそらく本種が採取された地域です。Tolantongoはイダルゴ州にある地域で、渓谷を中心としてリゾート地として親しまれています。Tdentenga、Tolantenga、tolentendaなどのラベルがされていることもあります。(該当する地域が見つからずこれらはおそらく誤字由来とのことです)Pinguicula ehlersieaの一種か近縁種の可能性が高...
Drosera pauciflora GPF (Giant Pink Flower)ドロセラ パウシフロラ種小名の
Drosera verrucata Robust formドロセラ ベルルカータ ロバーストフォーム種小名の
ムジナモ交配種(巨椋池産緑ムジナモ × ボツワナ産赤ムジナモ)Aldrovanda vesiculosa var. vesiculosa Lake Ogura, near Kyoto × var. rubescens Okavango delta, Botswanaアルドロバンダ ヴェシキュロサ var. ヴェシキュロサ × var. ルベセンスムジナモの種内交配種です。区別のためここではA. T. Cross氏の提唱した赤ムジナモに対する変種のvar. rubescensを採用します。種子親は日本で比較的よく出回っている京都の巨椋池産の...
珍しく告知の記事です。球根(塊茎)ドロセラの展覧&即売会が行われます。そちらに(賑やかしで)関わらせていただけることになりましたので、こちらでも宣伝させていただきます。ワクワク球根ドロセラ展日時: 2024年2月23日(金・祝)10:00~12:00場所: すみだ産業会館 9階 第4会議室 (アクセス)入場料:無料内容:球根ドロセラの展示・即売 食虫植物やその他の植物の即売会球根ドロセラと呼ばれるオーストラリア産...