日本の中小企業は、 事業承継問題という構造的課題に直面している。 帝国データバンクの調査(2024年)によれば、 全国の中小企業のうち後継者不在率は60%を超えており、 特に地域経済を支える小規模企業においては深刻である。 政府や金融機関も M&Aや事業引継ぎ支援センターの...
49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、第2創業し。いばらの道を歩みながらも。現在は古希を射程距離にしながらもM&Aで明るい老後を迎えている経営者人生を綴ります。
中小企業の事業承継は「親族」「社員」「M&A」の3つです。5年先、10年先あなたは誰に会社を託すのでしょうか。 1親族への承継 身内の子供に承継させるのが一般的ですが、後継者不在の中小企業が増えています。後継不在とは身内に子供がいないというだけではなく、子息はいるが、既に社...
その1でも述べましたが後継者不在から事業継続できない中小企業が増えています。少子高齢化という構造問題が日本経済に重くのしかかっているのです。さらに、少子高齢化以外にも後継者の価値観の変化で実子が親の会社を継ぎたがらなくなってきていることも事実です。 価値観の変化とは、同族中...
後継者が存在せず、自社の出口がわからずに毎日を送っている中小企業経営者が多数存在します。 同族企業の事業承継をとらえた場合、先代社長から後継者にバトンタッチする時期の商品や、ビジネスモデルが十年経過しているならば、事業承継した商品やビジネスモデルだけでの事業継続は不可能・・...
ワールドベースボールクラシック(WBC)は日本チームが世界一になり、大谷選手、ダルビッシュ選手が脚光を浴びた一方で、松坂大輔さんが準決勝で始球式を行っていましたので、彼の仲介人とM&Aの仲介人に焦点を充ててみたいと思います。 2007年、米大リーグレッドソックスへの入団が決...
前編からの続きです。 売却の本契約が終了すれば、譲渡側企業社員へのM&A発表が控えています。M&Aは秘密保持で始まり、秘密保持で終了するため、会社売却による経営者交替は突然社員に発表されることになるのです。 社員への発表は、契約締結から十日後の朝礼時と決まりました。社員発表...
二〇〇二年年二月二十六日、私のM&Aは正式な本契約である「株式譲渡契約」を締結するに至りました。本契約の締結は京都に本社がある譲り受け側企業において予定されていましたので、私は前日から京都に宿泊することにしました。宿泊先は譲り受け側企業の配慮で、一流ホテルに私たち二人分の予...
自社を売却しようとする際、自社の顧問税理士を蚊帳の外においてはいけません。 そうかといって、 売却を税理士任せにしてもいけません。 私は自社の顧問弁護士に一切相談せず売却を決断しました。さらに、仲介会社を自力で見つけ、M&Aを進めましたが、私のケースは例外的な流れの売却だっ...
前編からの続きです。 私の経営していた会社は、買収監査の一年前、所轄の税務署から税務調査を受け、「優良申告法人」として表彰されたという経緯があります。そのときに、資料準備の統括をしたのが妻であり、二人で税務調査のインタビューに応じた経験がありました。 税務調査時に要求があっ...
M&Aの中で、買収側が売却側企業に対し財務や事業状況を等の調査を行うデュデリジェンスという過程があります。「買収監査」です。 デュデリジェンス前の基本合意契約までは、私の提供している経営資料が正しいものとして交渉が進められ、譲渡額の合意まで行います。買収側の企業にとっては、...
私が売却した会社の経営権と代表権を説明しましょう。 売却時の役員は、創業者である父が代表取締役会長、後継者の私が代表取締役社長、取締役に母と妻という、典型的な同族中小企業の役員構成でした。 私が売却した同族企業の役員構成を知り、みなさんはどのように思うでしょうか。 社長は私...
前編からの続きです。 私の会社は、偶然にも同業者へ譲渡することができました。同業者であれば、私の会社は経営者と組織が変わるだけです。これならば、従来どおり同業界間の営業競争を続けるだけで、他の業界からの影響は回避されます。 私の行動は、M&Aには似つかわしくなかったかもしれ...
M&Aの大きな山場のひとつが「基本合意契約」の締結です。トップミーティングの後、譲渡側企業が私のプレゼンテーションに共鳴し、互いに理解を示せば、あとはさらに具体的な話を詰めていくことになります。 しかし、どちらか一方が懸念を示せば、以後の進展は閉ざされます。譲渡側にお見合い...
前編からの続きです。 M&A仲介アドバイザーは、私の代理人として買収側企業に事前説明を行いますが、M&A実務のプロである仲介アドバイザーは決算書の数字と概要の把握はできても、売却側の経営の詳細については経営者以上には知りえません。 さまざまな経営上の事例や実績を加えながら、...
売却しようとする企業のことを冷静に分析すれば、売却するからにはなんらかの問題を抱えているはずです。中小企業がM&Aを行う理由の大半は、後継者不在ということに起因するといわれています。 後継者不在という理由での企業売却は、その言葉の響きからは、会社の業績や体質にはまったく問題...
M&A譲渡先の候補者探しについて述べてみたいと思います。 当然のことながら、結婚は相手がなければ成立しません。売り手と買い手によるトップミーティングは、企業間の〝お見合い〟を連想すると理解しやすいでしょう。恋愛結婚は独自に恋愛の相手を見つけ、相思相愛の関係が続けば結婚に至る...
前編からの続きです。 前編で3つの戦略を説明しましたので、残るは多角化戦略です。 多角化の選択には2つの道があります。既存事業の一部門として多角化を進めるか、別会社で多角化(第2創業)を行うかという選択です。さらに、別会社の設立は、既存会社が出資する別会社か、後継者が個人で...
自社の進むべき道を決める一つの手法として、ここでは、アンゾフの企業戦略に知的資産報告書と事業承継の問題を重ね合わせ、自社の出口を判断する一つの方法を述べてみます。 アンゾフの企業戦略は、イゴール・H・アンゾフという経営学者により、1965年に出版された企業戦略論の中で示され...
前編からの続きです。 資金力と経営体力の弱い中小企業において、不祥事が勃発してからの対応ではすでに手遅れです。業種や企業規模に関わらず、社員からの内部告発など受けぬよう、法令尊守の徹底が企業内にどれだけ浸透しているかが企業の存続と発展の鍵かもしれません。 しかし、法令順守を...
消費生活用製品安全法という法律があります。 事業者は「製品欠陥の有無に関わらず、重大事故の発生を知った日から起算して十日以内に監督官庁に報告しなければならないというものです。 意図的に隠した場合は制裁が待ち受けています。意図的に経営者が隠そうとしても、いつかは内部告発で大問...
昨今のM&Aは、中小企業の事業承継の手法のひとつとして認識され、自社を売却するのにも抵抗感が薄れてきたようです。 しかし、売却を決断しようとする経営者の深層心理は、風評被害を懸念するのではないでしょうか。 売却当時の私の心の中は「社員はどのように私を見るだろうか」「「地域内...
3年前、タレントの志村けんさんが新型コロナウイルスに感染し、あっという間にお亡くなりになりました。私の知る限りでは、志村さんは独身で,ご両親は他界され、奥さまやお子さんはいらっしゃらないようですので、家族を路頭に迷わすことはないようです。 予測のできない突然の不運や「まさか...
私が会社を売却して20年が経過しています。20年も前に売却した過去の経験をなぜ今頃になって投稿しているのか多くの方々が不思議に思っているかもしれません。20年も前の私の売却経験に対し、若い経営者は興味を持たないかもしれませんね。 当時、中小企業M&Aに理解を示す人は一部でし...
株式譲渡で会社を売却すると、「一株当たりの金額 × 持ち株数」で譲渡金が支払われます。 私がM&Aで会社を売却する前のことですが、 社長であった後継者の私が、私の父である会長(創業者)に退職金を支払い、勇退してもらうには、とてつもない金額の退職金が必要であることが分かりまし...
その2からの続きです。 売却手続きが進むにつれ、株券ばかりでなく、土地・建物の不動産の問題等、M&Aの最終的な契約が近付いてくればくるほど、さまざまなトラブルが発生しましたので、軍師的存在のアドバイザーの能力のすばらしさとありがたさを実感しました。これは実践した者でなければ...
その1からの続きです。 私の会社は創業時から株主への株券の発行がおろそかになり、そのまま何十年も推移していました。私の会社の場合、創業当時は株式会社を設立するには七名の株主が揃わないと会社登記ができず、一株でも二株でも他の株主を確保する必要があったため、株式会社設立の最低条...
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日本の中小企業は、 事業承継問題という構造的課題に直面している。 帝国データバンクの調査(2024年)によれば、 全国の中小企業のうち後継者不在率は60%を超えており、 特に地域経済を支える小規模企業においては深刻である。 政府や金融機関も M&Aや事業引継ぎ支援センターの...
信頼構築型M&Aモデルの提言(後編) 前編からの続きです。 また、「日常業務で多忙な経営者にインターンの1週間は負担が大きい」との指摘に対しても、以下のように反論できる 第一に、M&Aは企業の命運を決する重大な意思決定であり、1週間の現場体験すら行わずに意思決定することは、...
近年、日本の中小企業を取り巻くM&Aにおいて、買収者による経営破綻、従業員の大量離職、譲渡企業の財産毀損など、深刻なトラブルが頻発している。背景には、仲介業者主導のスピード重視型M&Aや、買収側による不十分な経営理解、譲渡側の不安や情報の非対称性が存在するのではなかろうか。...
中小企業では、後継者不足が原因で廃業する企業が急増しており、日本経済への影響が懸念されています。 経済産業省・中小企業庁の試算では、2025年までに約245万社の中小企業経営者が70歳に達すると予想されており、その半数が後継者がいない問題により廃業する可能性が高いとされてい...
昨今の起業環境は大きく変化しており新たな潮流が生まれている。その代表例が、無担保・無保証人での融資が可能になったことにより、従来のように自己資金を蓄えることなく、起業家が迅速に事業をスタートできる環境が整いつつある。 まず、従来の起業では自己資金や担保、保証人が求められるこ...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体で...
要 要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体で...
M&Aトラブルを多くのメディアが報道しています。 「地方金融機関が核となるサーチファンドと連動したスタートアップ支援」の論文も残すところ僅かとなりました。 今回は残り3回のインターバルとして、M&Aトラブルを解消するサーチファンドの活用を述べてみます。料理の箸休め的感覚でご...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体で...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体での...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体での...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体での...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創生に求められる地方金融機関の役割 地方創生において、地方金融機関は地域経済の中心的な存在であり、その役割は非常に...
地方金融機関が核となるサーチファンドと連動したスタートアップ支援 要旨及び目次↓ 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2022年11月、日本政府は「スタートアップ育成5か年計画」を公表した。スタートアップの創出と成長を支援する...
1 はじめに 地方の経済衰退や中小企業の後継者不足が進む中で地域の産業再生や地方創成が急務である。地方金融機関を核としたサーチファウンドと連動したスタートアップ支援は、地域経済の活性化に大きな可能性を秘めている。 地方金融機関は、地域内で様々な取り巻きを持っているため、地域...
新しい事業承継の自論を論文として書いてみました。新年から掲載します。 地方金融機関が核となるサーチファンドと連動したスタートアップ支援(要旨・目次) 要旨 地方金融機関は地域経済における中心的な役割を果たしており、その信頼性や地元との深い繋がりを活かしてスタートアップ支援に...
中小企業では、後継者不足が原因で廃業する企業が急増しており、 日本経済への影響が懸念されています。 経済産業省・中小企業庁の試算では、 2025年までに 約245万社の中小企業経営者が70歳に達すると予想されており、 その半数が 後継者がいない問題により廃業する可能性が高い...
日本国内におけるサーチファンドの普及はまだ初期段階ですが、地方金融機関が注目しはじめ設立機運が高まっています。 サーチファンドは、1984年に米国のスタンフォード大学ビジネススクールで誕生しました。ビジネススクールでMBA取得後、起業する選択肢以外に、企業を買って経営すると...
資産超過とは、貸借対照表の「資産の部」の合計額が「負債の部」の合計額を上回っている状態を指します。健全な会社は資産超過の状態にあり、資産と負債の差額である純資産の額もプラスの金額となり黒字会社と呼ばれています。 一方、負債の総額が資産の総額を上回っている状態は「債務超過...
標題の文章をCHat GPTで検索してみました。 読者のみなさんも次のワードをCHat GPTに入力してみてください。 「中小企業のM&A講演のパイオニア鈴木均はどんな人」 私の自己紹介をCHat GPTが代行してくれます。 結果は次の通りでした。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ...
前編からの続きです。 21年前私がM&Aを実践した時、私は現在の姿を鮮明に脳に焼き付けました。売却後、3人の子供たちがいるので、別会社を設立し新たな事業を成功させ、子供たちが社会人となったならば、夫婦二人でマンションを購入し、お互い好きな道を確立しながら、会社組織に振り回さ...
現在の私は、M&A売却益で設立した資本金1000万円のスモール企業のオーナーです。 以前は数名のスタッフがいたのですが、組織自体を断捨離し、社長が私、専務が妻という、たった二人だけのわがままな経営体といってもいいかもしれません。わがままというのは、現在は利益を追及する経営で...
当ブログ「人生100年時代のM&A物語」は、私の会社売却経験を基に投稿しているものです。2022年12月12日の初回投稿から、昨年10月の投稿で114回を迎えました。8ケ月程休止していましたが、休止中も多くの読者の皆様にアクセスいただき本日現在6694人の皆様にご笑読頂いて...