吾輩は猫である。名はまだない。だが「社ネコ」と呼ばれている(らしい)。 きっかけはテレワーク。飼い主が毎日パソコンを開き、電話に出たり、「MTG入ります」とか言って静かになったり。その横にぴたりと寄り
吾輩は猫である ― 別姓「磯野一家といえぬ」(反対派視点)篇 ―
吾輩は猫である。名はまだない。それでも、玄関に掲げられた“表札”が変わるたび、家の空気も、どこか落ち着かなくなることを知っている。 最近、人間たちは「夫婦別姓にすべきだ」と言っているらしい。だが吾輩は
吾輩は猫である。名はまだない。今日も朝から窓辺で丸くなり、黙って世を見ていた。 テレビでは騒ぎが起きている。誰かが失言をしたとか、反論が遅いとか。言ったら叩かれ、言わなきゃもっと叩かれる。発言とは、刃
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、動物番組で気になる鳥を見つけた。ハシビロコウ――まったく動かない。動かぬまま、鋭い目で世界を見つめている。 人間たちは彼を「不気味」「怖い」と言う。だが、吾輩に
吾輩は猫である。名はまだない。だが夕方五時を過ぎると、そわそわする。なぜなら、飼い主が「まだ帰ってこない」からである。 あの人間は、朝の七時に出かけて、夜の九時にようやく戻る。「仕事が終わらないんだ」
吾輩は猫である。名はまだない。だが街角の雑踏のなか、あの赤いベストを着た人間のそばにいることが多い。 彼は駅前の片隅に立ち、「ビッグイシューいかがですか」と声を出す。その声は風に消えそうで、しかし芯が
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、背中のあたりが少々こわばっている。お気に入りのタンスの上にひょいと飛べなくなった。 すると飼い主が、こう言った。「猫にもツボってあるのかな?」そして連れて行かれ
吾輩は猫である。名はまだない。最近よく行く家の主(あるじ)は、お昼になるとテレビの前でうとうとし、ポストに届く“ねんきん定期便”をじっと眺めている。 「これだけじゃ足りないわね」と、ひとりごと。その声
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、体が少しだるい。水をやたらと飲むようになり、トイレの回数も増えた。 獣医は言った。「腎臓の機能が落ちてきてますね」そしてこうつぶやいた――「これが人間なら、治療
吾輩は猫である。名はまだない。だが今日が飼い主の誕生日であることは、知っている。毎年この日、部屋に花が飾られ、ケーキの甘い香りが漂い、飼い主はひとりでワインを開ける。 「おめでとう」と誰かに言われるよ
吾輩は猫である。名はまだない。だが毎週日曜夕方、テレビから流れる「さざなみの家族像」には、少々見覚えがある。磯野、フグ田、波野――名字は違えど、屋根の下に笑顔があった。 だが現実では、「別姓では一家と
吾輩は猫である。名はまだない。だが今日、ポストに届いていた一通の封筒を見て、人間たちはざわめいた。「まさか、おまえに召集令状…?」 冗談ではない。もし猫に兵役義務などというものが課されたら、世界は一変
吾輩は猫である。名はまだない。だがこのたび、与党の全会一致により「首相」に選ばれた。※なお理由は「人間よりマシかもしれぬ」であった。 組閣は順調だ。・外務大臣:三毛猫(海外の匂いに敏感)・財務大臣:黒
吾輩は猫である。名はまだない。それでも、政治には少し興味がある。いや、正確に言えば、「飼い主の機嫌が家計と連動している」ため、吾輩にも無関係ではないのだ。 2025年の日本では、選挙のたびに「変えなき
吾輩は猫である。名はまだない。だが今朝から、部屋の空気がどこかそわそわしている。飼い主がエプロンを直しながら言った――「今日は新人歓迎ランチなのよ」 人間の世界では、新しくやってきた誰かを“歓迎”する
吾輩は猫である。名はまだない。このところ飼い主が、やたらとキーボードを叩いている。聞けば「技術士試験の勉強中」だという。 しかも、相手は吾輩ではなく“チャットジーピーティー”?「おぉ、これはいい切り口
吾輩は猫である。名はまだない。だが今朝のニュースで、人間が「脳にチップを埋めた」と聞いて、思わず耳がぴくりと動いた。 ニューロリンクというらしい。脳の信号を読み取り、文字を打ち、記憶に触れ、ついには心
吾輩は猫である。名はまだない。2025年の日本は、どうやら忙(せわ)しない。 AIが書き、ロボットが運び、冷凍されたラーメンが自動で茹であがる。猫用の翻訳首輪なるものも登場したが、吾輩は断固として沈黙
吾輩は猫である。名はまだない。だが「ミスター」と呼ばれる男の名は、街角のテレビから今も流れてくる。そう、長嶋茂雄――というらしい。 野球という遊びのなかで、彼はひときわ派手に、そして自由に動いたそうだ
吾輩は猫である ― アドバンスト・イノベーション・モビリティ篇 ―
吾輩は猫である。名はまだないが、最近ニュースで「AIM」という言葉を耳にするようになった。アドバンスト・イノベーション・モビリティ――実に舌を噛みそうな名だが、どうやら人間たちが未来へ向けて“何かすご
吾輩は猫である。名はまだないが、背筋には自信がある。ところが近ごろ、人間どもが「猫背を治したい」と騒ぎ出した。姿勢が悪いと健康に悪い、肩がこる、見た目が老ける――ふむ、やかましい。 そしてついに、飼い
吾輩は猫である。名はまだない。季節の風がじめりと変わる頃、人間たちはそわそわし始める。「ボーナス出た?」「今年は減ったらしい」――どうやら“賞与”なるものが出る季節らしい。 飼い主もその例外ではなく、
吾輩は猫である ― 年金底上げ篇 ― 吾輩は猫である。名はまだない。縁側で日向ぼっこをしていたら、飼い主がニュースを見て呟いた。「年金が底上げされるらしいわ。ほんま助かるわぁ」 人間というのは老後が近
吾輩は猫である。名はまだない。今朝もキッチンから「ヴイィィン」という音が聞こえた。飼い主がスムージーなるものを作っているらしい。 バナナにベリー、豆乳にヨーグルト。ときどき葉っぱのようなものも入ってい
吾輩は猫である。名はまだないが、今日は「リングキャット」なる大役を仰せつかった。 聞けば、これは人間の結婚式とやらで、指輪を新郎新婦の元へ届けるという重責らしい。なるほど、可愛い衣装を着せられ、首輪に
吾輩は猫である。名はまだないが、港町の堤防の上で、今日も風を読んでいる。最近、この海をめぐって人間たちが騒いでいた。「処理水が放出される」「魚が売れなくなる」――そんな声が飛び交っていた。 だが今は、
吾輩は猫である。名はあるが、ここでは呼ばれたくない。キャリーに入れられ、揺られ揺られて、連れてこられたのは“あの場所”――動物病院である。 入口の空気からして異様だ。消毒薬の匂い、犬の遠吠え、震えるハ
吾輩は猫である。名はまだない。台所の下の奥深く――その暗がりに、静かに眠る白い袋がある。「備蓄米」と書かれたその袋は、飼い主が災害用にと買い込んだものらしい。 いつかの地震、どこかの停電。ニュースに触
吾輩は猫である。名はまだないが、劇場の天井裏から舞台を見守っている。今日もまた、スポットライトの中で、二人の魔女が歌っていた。 ひとりは緑色の顔を持つ、風変わりな魔女。もうひとりは、金髪がまばゆい人気
吾輩は猫である。名はまだないが、両国国技館の裏手で暮らしている。今日、ひとりの力士が横綱に昇進したらしい。テレビの中では白い綱が締められ、記者の声とフラッシュの嵐。人間はやはり、「強さ」に拍手を送る生
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吾輩は猫である。名はまだない。だが「社ネコ」と呼ばれている(らしい)。 きっかけはテレワーク。飼い主が毎日パソコンを開き、電話に出たり、「MTG入ります」とか言って静かになったり。その横にぴたりと寄り
吾輩は猫である。名はもう覚えている。あの人が呼ぶ、やわらかな声の響きとともに、毎年よみがえるのだ。 今夜は七月七日。年に一度だけ、あの人が帰ってくる。遠くの国で働いているらしく、普段は画面の中にしかい
吾輩は猫である。名はまだない。だがこの家で、一番風の流れに敏感な存在である。 いつもの場所で昼寝をしていると、突然、天井の機械が異音を立てた。「ぶおっ…」「ギギギ…」――これは異常だ。さっそく吾輩は監
吾輩は猫である。名はまだない。だが、毛はある――ふさふさと、たっぷりと。 世に長毛種と呼ばれる猫の中でも、吾輩は誇り高き“モフ界”の住人である。冬場は暖かく、写真映えは抜群、撫でられれば「高級ラグ」と
吾輩は猫である。名はまだない。だが、飼い主の“頭の色”が急に変わったことには気づいた。 「どや、若返ったやろ?」そう言って、椅子の前でくるくる回る。確かに、もっさりしていた髪はキリリと短くなり、色も以
吾輩は猫である。名はまだない。だが今日は、少しだけ“甘い日”であった。 朝から飼い主が落ち着かない。スーツではないが、どこか勝負服のような服装。将棋盤を持ち、扇子を忍ばせ、「社会人団体戦、行ってきます
吾輩は猫である。名はまだない。このところ、空は泣き続けている。庭の土はぬかるみ、窓辺の景色もどんより霞んでいる。 「また雨か…」と、飼い主がぼやくたび、吾輩はそっと窓辺に座る。この季節を嫌ってばかりで
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、飼い主が鏡の前でうなっている。 「太ったかも」「二の腕が…」「映えない…」 スマホを手にしては、誰かの投稿と自分を比べ、ヨガ動画を見ながら、溜息をつく。 その横
吾輩は猫である。名はまだない。それでも、玄関に掲げられた“表札”が変わるたび、家の空気も、どこか落ち着かなくなることを知っている。 最近、人間たちは「夫婦別姓にすべきだ」と言っているらしい。だが吾輩は
吾輩は猫である。名はまだない。今日も朝から窓辺で丸くなり、黙って世を見ていた。 テレビでは騒ぎが起きている。誰かが失言をしたとか、反論が遅いとか。言ったら叩かれ、言わなきゃもっと叩かれる。発言とは、刃
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、動物番組で気になる鳥を見つけた。ハシビロコウ――まったく動かない。動かぬまま、鋭い目で世界を見つめている。 人間たちは彼を「不気味」「怖い」と言う。だが、吾輩に
吾輩は猫である。名はまだない。だが夕方五時を過ぎると、そわそわする。なぜなら、飼い主が「まだ帰ってこない」からである。 あの人間は、朝の七時に出かけて、夜の九時にようやく戻る。「仕事が終わらないんだ」
吾輩は猫である。名はまだない。だが街角の雑踏のなか、あの赤いベストを着た人間のそばにいることが多い。 彼は駅前の片隅に立ち、「ビッグイシューいかがですか」と声を出す。その声は風に消えそうで、しかし芯が
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、背中のあたりが少々こわばっている。お気に入りのタンスの上にひょいと飛べなくなった。 すると飼い主が、こう言った。「猫にもツボってあるのかな?」そして連れて行かれ
吾輩は猫である。名はまだない。最近よく行く家の主(あるじ)は、お昼になるとテレビの前でうとうとし、ポストに届く“ねんきん定期便”をじっと眺めている。 「これだけじゃ足りないわね」と、ひとりごと。その声
吾輩は猫である。名はまだない。だが最近、体が少しだるい。水をやたらと飲むようになり、トイレの回数も増えた。 獣医は言った。「腎臓の機能が落ちてきてますね」そしてこうつぶやいた――「これが人間なら、治療
吾輩は猫である。名はまだない。だが今日が飼い主の誕生日であることは、知っている。毎年この日、部屋に花が飾られ、ケーキの甘い香りが漂い、飼い主はひとりでワインを開ける。 「おめでとう」と誰かに言われるよ
吾輩は猫である。名はまだない。だが毎週日曜夕方、テレビから流れる「さざなみの家族像」には、少々見覚えがある。磯野、フグ田、波野――名字は違えど、屋根の下に笑顔があった。 だが現実では、「別姓では一家と
吾輩は猫である。名はまだない。だが今日、ポストに届いていた一通の封筒を見て、人間たちはざわめいた。「まさか、おまえに召集令状…?」 冗談ではない。もし猫に兵役義務などというものが課されたら、世界は一変
吾輩は猫である。名はまだない。だがこのたび、与党の全会一致により「首相」に選ばれた。※なお理由は「人間よりマシかもしれぬ」であった。 組閣は順調だ。・外務大臣:三毛猫(海外の匂いに敏感)・財務大臣:黒
浅草ネコめぐり 浅草で猫好きさんにうれしい神社3つ 浅草で猫好きさんにたまらないスポットは3つ! 招き猫発祥の今戸神社 蔵前神社(ルートにこれから組み込みます) 銀杏八幡神社(ルートこれから) さっそ