中世の運送業者・馬借と車借~その③ 土一揆の主力を成した馬借たち
1603年にイエズス会宣教師らが作成した、日本語をポルトガル語に訳した「日葡(にっぽ)辞書」というものがある。キリスト教を布教するためのツールとして、宣教師らが作成したものだ。 当時の日本には、もちろん「百科事典」といったものが存在しなかったから、本来ならば当時使用されていた言葉の発音や、正確な使用方法・意味などは、分からないことだらけだったはずなのである。しかしながら、この第一級の史料である「日葡辞書」があるおかげで、中世日本語の音韻体系をはじめ、個々の語の発音・意味・用法、各種名詞やよく使用された語句、生活風俗などを知ることができるのである。 この「日葡辞書」における「Baxacu(馬借)…
2023/10/26 15:11