学振DCは、ありがたい支援制度ではあるものの、世間で賃上げの機運が高まっていたり、物価高が深刻な中で、月額20万円では心もとないこともまた事実.では、この月額20万円という額は妥当なのでしょうか.
水素吸蔵合金は、その名の通り水素の吸蔵が可能な合金材料であり、輸送・貯蔵の簡易さから注目を集めています.材料によっては、自身の体積の1000倍もの水素を吸うことができます.
“Absence of superconductivity”の一覧:なぜ超伝導が出ないことが面白いのか
新しい超伝導体の報告は喜ばしいものであり、多くの物理学者の関心を引きます.しかし、中には“Absence of superconductivity in …”と、超伝導が出ないことが題名で主張している論文があります.超伝導が出ないことの何が面白いのでしょう.「超伝導が出ない」ことをわざわざ報告するには、それ相応の理由が存在します.
ペロブスカイト太陽電池は2010年代から研究が活発化している、全く新しいタイプの太陽電池です.低温・塗布で作成可能にも関わらず変換効率が高く、新時代の太陽電池と目されています.世界中で基礎・応用問わず研究の一大ムーブメントが起きており、連日数え切れない量の報告がなされています.
シリコン太陽電池に代わる太陽電池を目指して、開発研究が進められています.色素増感型太陽電池は、シリコン太陽電池とは大きく異なる発電メカニズムに基づきます.化学反応を利用し、安価・簡便な製造が可能ですが、安定性や発電効率にはまだ課題が残されています.
化石燃料からの脱却が必要とされる現代では、事実上無尽蔵の太陽光は非常に魅力的なエネルギー源であり、太陽光の数%のエネルギーでも有効に活用できれば、化石燃料の心配のいらない世界が実現するかもしれません.我々の世界には太陽光発電をはじめとして光を活用するデバイスが多くあります.太陽光を最大限に活用するには、まず太陽光について知っておく必要があります.
イオン結晶中の静電エネルギーを計算したものが、今回の主題であるマーデルング定数です.マーデルング定数の計算では、あるイオンの周りにあるイオンによる静電エネルギーを全て足し合わせることによって構造の安定性を判断します.
三角格子、カゴメ格子、ハニカム格子.... :様々な磁気格子と磁気フラストレーション
世の中には、正方格子や三角格子だけでなく、多種多様な格子が考案され、現実の物質で実現しています.単純な磁気秩序だけではなく,時として量子スピン液体、スピンアイス、スピングラスなど時にエキゾチックな磁気物性の舞台となることが知られています.本ページでは、三角格子やカゴメ格子など、様々な磁気格子についてまとめています.
希土類磁石は、希土類元素と遷移金属元素の合金(あるいは金属間化合物)磁石と定義され、しばらく新材料の途切れていた磁石業界復権の鍵となりました.サマコバ磁石は、最初に発見された実用的な希土類磁石です.
イオン結合性の物質において、どのような結晶構造が実現するか、あるいは実現しないかを明示した5つの経験則をポーリングの原理と呼びます.ポーリングの原理では、結晶構造中でカチオン(アニオン)がどのような局所構造にあるかを規定します.
現在の磁石の頂点に座しているのがネオジム磁石です.ネオジム磁石の性能他の磁石の追随を許しません.ネオジム焼結磁石の生産量は年10万トンを超え、しかも年々生産量が増大しています.現在の磁石の市場は、安く低性能なフェライト磁石と高価で高性能なネオジム磁石に二分されています.
チタン酸バリウム(BaTiO3):誘電体界に君臨する「驚異のチタバリ」
チタン酸バリウムは代表的な誘電材料(電気を蓄える材料)であり、その優れた誘電性、強誘電性、圧電性により、セラミックコンデンサやサーミスタ、圧電素子など様々な用途に使用されています.
化学に登場する酸と塩基、特にルイス酸・ルイス塩基には硬さの概念があります.酸と塩基の親和性の傾向を明らかにし、固体の結晶構造を形作るのに大きな役割を担います.
様々なホール効果:とりあえずホール効果って名前つけとけばいいかの精神
世の中にはホール効果によく似た現象が数多くあります.すなわち、運動する荷電粒子が何らかの原因によって運動方向に対し曲がり、電場が蓄積する現象です.これらの現象はホール効果と関連付けられ、〇〇ホール効果と呼ばれる場合が多いです.
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学振DCは、ありがたい支援制度ではあるものの、世間で賃上げの機運が高まっていたり、物価高が深刻な中で、月額20万円では心もとないこともまた事実.では、この月額20万円という額は妥当なのでしょうか.
フラーレンの発見を皮切りに、カーボンナノチューブ、グラフェン、そして最近ではこれらの構造を組み合わせたような新たな同素体が報告されています.
固体触媒の表面積を大きくするほど活性は向上します.理想的には、原子が一つ一つ裸の状態でいてくれれば、あらゆる方向に表面が露出しており、全ての方向を触媒として用いることが可能になります.
キャパシタ(コンデンサ)は、化学エネルギーを介さず直接電気エネルギーを貯蔵可能なデバイスです.それゆえ瞬時に充電・放電が可能であり、大きな出力密度を示します.
マルチフェロイックを示す物質は、例えば磁場をかけることで電気分極を制御し、あるいは電場をかけることで磁化を制御することが可能です.
無毒でありながらエネルギー密度の大きな水素への注目は大きいですが、果たして水素社会への変革はどこまで現実的なのでしょうか.
一般名詞に基づいた用語にもかかわらず、直感的に意味が全く分からない用語が存在します.そうした用語は無駄に頭を悩ませるだけですし、初学者の学習の妨げになるしで、はっきり言って害悪でしかありません.
どのような系で飽和磁化が上がるか(あるいは下がるか)は元素一つ当たりの価電子数と関係があることが知られています.この関係をまとめたものがスレーター・ポーリング曲線です.
Prof. Mercouri G. Kanatzidis Mercouri Kanatzidisの名は材料科学の様々な文献で見つかります.特徴的な姓であることもあり、非常に目に付きます.Journal of the American Chemical Society (JACS) 誌でよく知らない固体物質がタイトルにあれば、かなりの確率でProf. Kanatzidisの論文です. Prof. Kanatzidisは全無機化学者の中の頂点に君臨しており、論文数・引用数ともにトップクラスです.論文数は2000を超え、被引用数は20万に及び、h-indexも200に迫ろうとしています.カルコゲナイ…
マンガンと酸素のみから構成される物質が酸化マンガンです.二酸化マンガンが特に有名ですが、他にも様々な種類があり、マンガン元素の性質に由来するユニークな性質を示します.
いつもは堅苦しい記事ばかりですが、たまには気楽に、ブログのアクセス数ランキングでも集計してみます.
磁性学の単位系にはいろいろなものが混在しており、用途に合わせて変換する必要があります.CGS単位系を用いる装置が多く、磁気モーメントを測定する装置はemu 単位で出力されます.
金属が環境中の物質との化学反応によって変質あるいは消耗し、本来の機能を失ってしまう現象を腐食と呼びます.金属はいつしか酸化され、酸化物や水酸化物へと姿を変えます.
混成軌道の概念は大学化学の初等過程で導入され、化学の学術領域で当たり前のように使われます.しかし、その存在を全ての化学者が受け入れてきたわけではありません.
過酸化物は、酸素が通常よりも多く含まれている化合物で、その強力な酸化力が特徴です.対照的に、亜酸化物は酸素が通常よりも少ない状態で存在する化合物です.
pbO型構造は、現在では最もシンプルな鉄系超伝導体の結晶構造として知られます.
CO2の活用方法の中でもとりわけ目を引くのが電池材料としての利用です.CO2を電池材料として使うことができれば、CO2を貯蔵する目的とエネルギー源として利用する目的の両方が果たせて一石二鳥です.
光触媒の活躍するフィールドと言えば水分解でしたが、近年では光触媒をCO2還元に用いる研究が発展してきました.
CO2を還元し有用な炭素材料として活用するプロセスのうち、電気エネルギーを用いた再資源化に着目していきます..
ハンドギャップが大きすぎると、電子は移動することができず、電気抵抗の極めて大きい絶縁体となります.バンドギャップが存在しない場合、電子は自由に動き回ることができ、導体(金属)となります.
を含むと軟らかくなり乾かすと固まる粘土は、造形材料として一級の性質を持ちます.その利用は古代から家屋や土器、粘土板の材料として始まり、「粘土には1000の利用法がある」とまで言われるようになりました.
イオン結合性の物質は、構成する陰イオンの種類によって分類されます.酸化物イオンを含む酸化物、フッ化物イオンを含むフッ化物、水素化物イオンを含む水素化物など.これらはどのような特徴を持つでしょうか.
エネルギーを表す単位には様々なものがあります.もっともオーソドックスなのはJ (ジュール)ですが、利便性や歴史的な経緯から分野ごとに異なる単位が使用される場合があります.
結晶の配列方法や結晶粒の特性は、材料の物理的および化学的特性に大きな影響を与えます.結晶の形態の中でも「単結晶」と「多結晶」は、それぞれ異なる特性と応用分野を持っています.
一般に特別なものとして扱われる宝石ですが、その正体は鉱物であり結晶です.マクロな大きさの宝石は美しいですが、ミクロな大きさの結晶もなかなかきれいな構造をしています.
この反応では窒素と水素から直接アンモニアを作り出します.アンモニアは肥料の素となります.肥料が容易に合成でき、安定的に食物を供給できるようになった人類は、爆発的に増加していきました.
人工光合成のターゲットには二酸化炭素の分解だけでなく、光のエネルギーを転用して人類にとって有用な物質を合成する反応も含まれます.例えば、光エネルギーによる水の分解もその一つです.
アパタイトは、歯や骨の原料からイオン伝導体、触媒、イオン交換材料まで多様な用途を持ちます.これらの特性は、アパタイトを構成するイオンが他のイオンと入れ替わりやすいことに起因することが多いようです.
現在のところ、CaTiO3に関する研究がそれほど盛り上がっているようには見えません.とはいえ、兄弟分のBaTiO3とSrTiO3が異常すぎるだけで、CaTiO3にも興味深い特性はいくつもあります.
SrTiO3は、誘電体からはじまり、超伝導体、熱電材料、触媒、イオン伝導体、半導体、発光材料分野で姿を見かけ、他の物質を形成するための基板としても抜群の有用性を誇ります.
酸化数の割当が、少なくとも過去に報告された類似の物質と比べておかしな値になっていないかを判断する手法の一つがBond valence sum (BVS)法です.
結晶構造はいたずらに複雑にはなりません.一見して複雑な構造であっても、部分部分をよく見れば、必ずシンプルな結晶構造から組み立てることができるようになっています
準結晶(Quasicrystal) 金属、セラミック、プラスチック、骨、炭、氷、ダイヤモンドなど身近な固体はいくつもありますが、これらは大きく二種類に分けることができます.分類のためには、固体を原子レベルで見て、原子がどのように並んでいるかを考える必要があります. 大多数の金属において、原子は規則正しく整列しています.原子の並びには周期性があり、小さな繰り返しユニット(単位胞)が無数に集合することによって物質が成り立っているのです.こうした物質を結晶と呼びます. 一方、原子がランダムに配列している場合があります.この状態をアモルファスと呼びます.アモルファスでは原子の並びに規則性が無いため原子…
ところが、近年の材料探索の進展にともなって、液体と同等あるいはそれ以上のイオン伝導度を示す固体物質が開発されてきました.中でもリチウムイオン電池に用いるリチウムイオン伝導体の進化は著しく、報告された物質の種類も多岐にわたります.しかし、全固体電池に求められる特性は非常にシビアであり、まだまだ性能の向上が必要な段階です.
電池の電極材料の容量には限界があります.この限界値、理論容量を超えるエネルギーを蓄えることはできません.無論、必ずしも理論値に達することができるわけではありませんが、限界を知っておくことは材料設計の上で役立ちます.
鉄とは異なり、銅は錆びにくい金属です.それでも、屋外に出しておけば酸化し、錆(酸化銅)ができることがあります.銅が酸化して形成された酸化銅は、元の銅とは色も性質も全く異なります.
インターカレーションは、物質の結晶構造に存在する「すき間」にイオンや分子を入れ込むような反応を指します.元の物質 の結晶学的特徴や材料特性を保ったまま、新しい特性を加えることが可能です.
同じ組成を持ちながら異なる結晶構造を示す物質を総称して多形と呼びます.ほとんどの多形は互いによく似た見た目ですが、中には似ても似つかないものも存在します.
今回は、飽和磁束密度の単位として使われる emu/g, emu/cc, T などの単位の互いの変換方法を見ていきます.
金はなぜ金色か 金は、他の金属では再現できない独特の輝きを持ちます.古来より王侯貴族を魅了してやまない黄金色はどのようにして生まれるのでしょうか. 今回は、金が何故金色を示すのかという禅問答のような疑問を見ていきます. 金はなぜ金色か 周期表と金の性質 (1)ランタノイド収縮 (2)相対論的効果 色の違いとエネルギー図 参考文献 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a] function(){arguments.currentScript=c.currentScript c.scripts[c.scrip…