骨董商Kの放浪(24)
昨日の大騒動をよそに、僕らは充分な睡眠をとって快適に目覚めた。「あー、寝た、寝た」才介は大きな伸びをしたあと、「おい、K。朝飯食いに行こう」と跳ね起きた。「おまえ、昨日あれだけ食ったのに。起きた途端、飯かよ」 昨晩は、ママが中環(セントラル)にある潮州料理をご馳走してくれ、僕らはたらふく食べたのだ。「いやー、あれは美味しかった。潮州料理って、初めてだったよ」「おれもさ。何か、家庭の味って感じで」「うん。今日も潮州料理でいいぞ!」才介は着替えを始める。「どこで食べんの?」僕の問いに、「昨日のお粥の店だよ。美味かっただろ?」それを聞いて僕も「よし!行こう」と軽快にベッドから降りた。 時刻は8時半。…
2022/10/21 19:52