あの日 #20
構えるたび震える手元。 定まらない照準(しょうじゅん)。 だんだんと、肩にも腕にも力が入らなくなってきていた。 ダメだ。 諦めるな。 何をやっているんだ・・・ 自分の体なのに・・・ いう事を聞け!!! どうして力が・・・・ 入らないんだ・・・・ 諦めるわけには・・・・ いかないのに・・・・ こうなったら・・・・!! 桜の木の上から弓を射る事を諦め、飛び降りた。 すると、 桜の木から新たに生み出された矢は、 これまでの細く鋭いものではなく、 今の自分には弓では射る事の出来ないほどの 太く大きく、とてつもない重さがあった。
2022/07/23 17:15