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さくっと小噺 https://sakuyomi-souden.hatenablog.com/

サクッと読める文字数で、小説を更新しています。 超短編から、中編ほどになるものを書き綴っていくつもりです。 ジャンルは問わず、物語以外に詩やライフスタイルに関する内容も。

賽(さい)
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2021/05/16

  • 人離れした容姿の二人と新たな一人

    「だ・・れ・・か・・」 息が詰まり、苦しい中でなんとか 喉元から絞り出した声。 その時、 ぎゅっと誰かに手首をつかまれ、 引き寄せられる感覚がきた。 「大丈夫か?」 「ケホッケホッ!ありがとう。」 「ごめんね伊月、また黒い靄がいたの・・・ 急いでたから、気づいた時にはもう・・・」 「靄・・・?君にもあれが見えているのか?」 え・・・? 顔を上げてみると、 私を黒い靄の中から救い出してくれたのは、 伊月ではなかった。

  • 人離れした容姿の二人と新たな一人

    職員室に用があった帰り、自分の教室へ戻る途中。 不意(ふい)に視線を感じて振り向くと、彼がいた。 ばちりと目が合った途端、首元に痛みが走った。 「痛っ」 それに息苦しさも。 いったい、何なのだろうか? 彼は私から視線を外すことなく こちらを見続けている。 気味が悪くなって、急いで教室へと走った。 それから、なるべく彼のいるクラスには 近寄らないようにしていた。 白い肌に色素の薄い髪・・・ みんなの言うところの整った顔立ち。 外見はとても優れているのだろうと思う。 けれど、私は彼の視線を感じる度、気分が悪くなる。 まるで、小さなころから時折目にする、 あの黒い靄(もや)に出くわした時のような 息…

  • 人離れした容姿の二人と新たな一人 #2

    職員室に用があった帰り、自分の教室へ戻る途中。 不意に視線を感じて振り向くと、彼がいた。 すると、途端に首元に痛みが走った。 「痛っ」 それから息苦しさも。 いったい、何なのだろうか? 彼は視線を外すことなくこちらを見続けている。 気味が悪くなって、急いで教室へと走った。 それから、なるべく彼のいるクラスには 近寄らないようにしていた。 白い肌に色素の薄い髪・・・ みんなの言うところの整った顔立ち。 外見はとても優れているのだろうと思う。 けれど、私は彼と視線が合う度 気分が悪くなってしまう。 まるで、幼いころから時折目にしてきた、 あの黒い靄(もや)に出くわした時のような 息苦しさを感じるの…

  • 人離れした容姿の二人と新たな一人 (本編スタートです)

    時は現代 この地には古くから伝わる民話がある。 それは、神様がこの世とあの世を分ける 前のお話。 あの世というのは、黄泉(よみ)の国とも言われる 所謂(いわゆる)あの世。 この世とは、今の私たち人間が生きている世 のこと。 あの世とこの世の境が同じ地に、 同じ次元に存在してしまっていた時、 神様は人間に少しずつだけ自身の力を授け、 その境を管理するようにと任せていました。 黄泉の国、あの世というのは人間が 生(せい)を全(まっと)うした後(のち)に向かう新たな地。 その地には、極楽と地獄の二つの世界が 存在します。 黄泉の国のうち極楽では、 たくさんの植物が鮮やかに咲き乱れ、 その世界にいる者…

  • あの日 #26

    父「え・・・? そんなはずはない」 「私は"陸(ろく)"を有してから、ずっとこの数字が"変わる"ことはなかった。」 「それにこの間は、いつもより波動が扱いづらくて、 体調が優れないから護符を使った。 気力が奪われすぎたくらいなんだ。」 "弐"の爺「その反応が、数字が変化した証拠だよ。 これまでよりも自分の波動を、気力を、より封じに持っていかれる。 鍛錬(たんれん)の求められる基準が上がってるんだ。」 "壱"の女「封じの結界を作りだす者として、 あんたに求められる基準が変わったんだ。 その力を有しているから。 あんたには可能であると、お上(かみ)が認めたからだよ。」 呆れたような、悲しげでもある…

  • あの日 #25

    僕にとってもよくわからない展開に、 ただ戸惑っていた中、父は僕よりもさらに動揺していた。 父「よくわからん言いがかりだ。 ここへ残れと・・・?息子が何か事を大きくしたのなら、 申し訳なく思うが・・・見たらわかるだろう? 首元の数字も、なにより息子はこんな傷を、負っているんだ。」 参の男「何言ってるんだ・・・?あんた」 弐の爺「じゃあ何故に、ここへ連れてこられたと思っているんだい?」 父「帰りが遅い息子を連れ帰りに来ただけだ。」 参の男「はぁ?!」 僕「父さん・・・まさ」 参の男「まさか・・・見えていないのか?」 父「さっきから何なんだいったい? 封じの儀で我々は、日頃ギリギリの状態になるまで …

  • あの日 #24

    え? 僕達の里だ・・・? そんな・・・ まさか・・・ "壱(いち)"の女「あぁ。あの里の"伍(ご)"番以上だね。あたしが思うに。 魔の物がこの方向へ向ったってのと、 この結界の欠けの大きさからして。」 そして、僕の里の数字を有した人間が集められた。 その中には、僕の父もいた。

  • あの日 #23

    辺りをきょろきょろと見まわし、立ち上がろうとした時 男 「おい。」 「聞いているのか?」 「この状況は何だと聞いている!!」 僕は、投げかけられる問いに答えている場合ではない。 僕「僕の・・・友が・・・ 闘(たたか)っていたんです! 彼はどこに・・・?」 男「まずはこちらの問いに答えないか! なぜこのような状況に? どうして君があんな無茶を?」 僕「僕の友は?ここで闘(たたか)っていたんです!」 「まさにこの場所で・・・ いったいどこへ・・・」 爺「話にならん・・・」 女「もう一人のガキんちょならこっちだよ。 落ち着きな。」 「だいぶ瘴気(しょうき)に当てられてる。 こんな状態で・・・よく立っ…

  • あの日 # 21

    意を決して飛び込んだ靄(もや)の中・・・!! 魔の物の瘴気(しょうき)が一層濃くなり、 自分でも、目を開いているのか、 恐怖心に飲まれてしっかりと閉じてしまっているのか わからなかった。 ただもう自分の体は、 どうにかなってしまったのだろうかと、 感覚などわからなくなってしまうほどの距離に いるのだろうかと そう思った矢先・・・ 無数の鋭(するど)い光の矢が迫りくる。 真っ白く、暖かい空間に包まれた。 目の前は、白一色。 あ・・・・れ・・・・? 魔の物へ向かって、走っていた はず・・・。 自分の足は・・・ 動き続けている はず。 僕は今・・・ 走って・・・ いる・・・はず? 「馬っ鹿もーーーー…

  • あの日 #20

    構えるたび震える手元。 定まらない照準(しょうじゅん)。 だんだんと、肩にも腕にも力が入らなくなってきていた。 ダメだ。 諦めるな。 何をやっているんだ・・・ 自分の体なのに・・・ いう事を聞け!!! どうして力が・・・・ 入らないんだ・・・・ 諦めるわけには・・・・ いかないのに・・・・ こうなったら・・・・!! 桜の木の上から弓を射る事を諦め、飛び降りた。 すると、 桜の木から新たに生み出された矢は、 これまでの細く鋭いものではなく、 今の自分には弓では射る事の出来ないほどの 太く大きく、とてつもない重さがあった。

  • あの日 #19

    どうすれば・・・・・? それから幾度(いくど)となく矢を放つが・・・・ 魔の物の動きは鈍いとはいえ・・・・ 未だ止めることができないでいる・・・ 「くそっっっ!!なぜだ! なぜ止まらない?! あんなに矢を射たのに。」 「なぜ見えない!!!! なぜ僕は見えていない!!! いったい・・・ どこを狙えば・・・・!!!!」 魔の物に矢は刺さっていても、 呪詛(じゅそ)を同時放つことをしなければ術は発動しない。 魔の物がこれまでに受けてきた致命傷の箇所を 狙い撃つことが出来れば、大きな助けになるだろうに。

  • あの日#18

    「ぐす・・・ ずびび・・・ あぁ・・・ 泣いている場合じゃない・・・ はぁ・・・ 桜だ! 桜の木へ!」 喉が痛む 視界が涙でぼやける 鼻水だって止まらない 息が苦しく 呼吸が整わない。 けれど、今はそんな自分のグラついて定まらない心情を 気にしてはいられない。 彼は、友は 今一人 「闘っている。」 僕は桜の木へと走った。

  • あの日#17

    はぁ・・・ はぁ・・・・ は・・・・ もうそろそろで、見えてくるはずだ・・・ 魔の物は、赤い橋より里の方へと だいぶ進んでいたな・・・。 今なら魔の物と出くわすことなく、辿り着けるかもしれない。 弓と護符をお借りしに行こう。 もしかしたら・・・まだ・・・ あの方々は・・・ あの方々なら・・・。

  • あの日 #16

    ご報告。 動画小説、終了します。 音声なし、人物の登場なしという動画は もれなく規定違反にあたってしまうようです。 視覚的に飛び出してくる、現れてくる文字を視る ことによって物語を見る、理解していく、体感する 新しい角度から物語や小説に触れる人を増やしたいと 思いましたが、なかなかに難しい事でした。 ただの編集力不足、表現力不足は否めません。汗 また、しばらく更新が止まってしまいました。 体調が優れず、ただひたすらに身体を、思考を、 脳を休めておりました。 拙い文章力ながら、物語を見に来てくだっさている皆さま、 ありがとうございます。感謝しております。 ここからまた、物語を書き進めて参りますの…

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