「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(214) 甲越 川中島血戦 41
この時、すでに甲州勢は越後勢に槍を入れて火花を散らして打って懸かる越後勢、新発田尾張守が甲州勢に横槍を入れれば、小山田、横田勢は崩れ去る柿崎和泉守は飫冨勢に打ち入れば、武田方の討死は増えるばかりであったこれを見た甲州勢の二陣の備え、どっと越後勢に向けて走り出るところ、飫冨、小山田より凡そ五十騎が遮って、軽々と味方を備えに戻したまことに見事な引き際であれば、越後勢殿の長尾政景も甲州勢の振る舞いを見て、軍を止めて静々と引き上げる。話を少しばかり戻す小山田左衛門尉は、板垣弥冶郎の軍と桔梗が原に於いて陣を敷いたが、法福寺の合戦で敗れた小笠原勢引き上げの時、これを挟み撃ちにして滅ぼす千載一遇の機会とみて板垣に出陣を促したが、板垣は病と称して軍を動かさなかった。小山田は仕方なく一手に小笠原勢を討たんとしたが、原加賀守...「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(214)甲越川中島血戦41
2024/09/30 21:43