栗生楽泉園 谺 雄二さん(5)
ふるさとへの唄ボクの”ふるさと”は、いったい、どこなのだろう。草津高原の東のはずれ、ライのこの尾根の秋の笹群の中にかがんで、野グソをたれる。落ちゆく夕陽が背に映えて、そのせいか、胸の辺りがソクソクと寒く、ねじれた哀しみが、しきりない。ボクはここに育ち、やがて老いる。けれど、この尾根は、やっぱりボクの”ふるさと”じゃない。おのれの臭いまで異邦人めいて、いやに、眼にしみる。ここには八百の仲間が住み、そして...
2024/02/13 19:39
2024年2月 (101件〜200件)
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