chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • ラジオ番組の鑑『ヤングタイマーズのお悩み相談室』(石川 宏千花)

    どうしてみんな、そんな簡単に友達を作ることができるんだろう・・・・・・(本文より) 稀に入試で見かける作家の8月の新作だ。 悩める子どもたちにマジで届いてほしい 面白いだけでなくためになる一冊だわ~。 考えすぎて一杯一杯になってる中学生が パーソナリティの言葉や紹介される曲で フワッと心が軽くなったりしてく筋書き。 現実に物語に救われる読者が出るよコレ。 この先生の新作は、面白いけど自由さが 逆に作問者に敬遠されるとみて紹介して こなかったんだけど、今作はたぶんアリ。 大人の読者は、作中ラジオの粋な選曲を 物語の余韻に浸りながら聴くといいよ~。 一粒で二度も三度もおいしい特別な一冊。 久々に俺…

  • 水上を駆けるように『サーファーガール: かがやく波に乗れ! 』(麻生 かづこ)

    今年5月に発売されたスポーツものだよ。 控え目な女の子がサーフィンに出会って 生き生きと変わっていくってストーリー。 クラスにサーフィンする子が珍しくない という海辺の学校生活ってのも新鮮だわ。 国語の素材文に選ぶなら12~13章か。 海で怖い目に遭った少女が意外な人物の 言葉がけにより自分の弱さを知るあたり。 かなり平易なので小5でも十分読めるよ。 以下、俺のレビューの前半だけ付けとく。 主人公は引っ込み思案な小学5年生。 父の急死で海沿いの町に越すことになった彼女が、年上のサーファー女子に出会い、いざなわれて、波に乗る楽しさに目覚めていきます。 やりたいことにのめり込むうちに、性格にまで変…

  • 失ったものの重さ『天国にたまねぎはない』(久米 絵美里)

    どんなに孤立しても、ネットで必死に探せば、世界のどっかには絶対、似た孤独を分かち合えるやつがいる。(本文より) まれに入試に出る作家の7月の新作だよ。 いきなり天国にたまねぎを密輸なんつう ぶっ飛んだネタが出てきて焦るんだけど 読み進めると深~い事情がわかるんだわ。 そのワケを書くと台無しなんで黙っとく。 問題文に使うのは難しいかもしれないが 従兄の両親のところに乗り込む14章は 微妙にいけそうな部分もあった印象だわ。 発達障害もサブテーマで読み応えは十分。 俺のレビューの概要パートはこんなだよ。 主人公は優柔不断な中学二年生。 慕っていた従兄の死をきっかけに、奇妙な体験をするようになった彼が…

  • 迫り来る閉校、そして卒業『6年3組さらばです』(吉野 万理子)

    短編小学校シリーズの6年編3冊目だわ。 かな~り読みやすい15編が詰まってる。 意外と興味深いネタなんかもあったよ~。 アメリカではメリークリスマスではなく ハッピー・ホリデーズとクリスマス祝う ようになってきてるとはこの本で知った。 海を渡る蝶アサギマダラは波の上で休む な~んてネタにはビックリさせられたし。 ちょっと素材文にいいかも知れないのは 以下にピックアップした3編だと感じた。 微妙に素材文適性がありそうな短編 『ゆれた?』先生にドッキリを仕掛ける。 『ゼッタイ』母親の言行不一致に気づく。 『これが最後』音楽の楽しさを知る少年。 5年生でも十分に読めそうなこの作品に 俺が書いたレビュ…

  • ホントの願いがかなうとき『かわいいわたしのFe』(神戸 遥真)

    まれに入試に出る作家の6月に出た本だ。 ちょっといい私立中が物語の舞台になる 電車好き中1女子視点という珍しい作品。 神戸先生、手芸男子の作品などもあるし キャラクターの設定がユニークですわ~。 主人公は自分のかわいさを自覚していて 周囲の期待を裏切らないように振舞うが やがて自分らしさに目覚めていくんだな。 素材文にするにはノリが軽いかもだけど 劇の役決めパートや、後悔のバトンって 表現が出てくるあたりはちょっとよさげ。 読みやすく小5でもいけそうな本作品に 俺が書いたレビューの締めくくりが以下。 やはり少年が言うように「人生短いし、好きなことやった方がいい」というのは真実だと実感しましたよ…

  • 【旧作・準新作限定】レベル別中学受験生向け推薦図書(2024年8月改訂版)

    わりとマメに本の紹介をしてるんだけど 相変わらずアクセスは微々たるものだわ。 それでもめげずに推薦図書を改訂したよ。 対象は昨年8月までに出た旧作・準新作。 リストの説明は例によって真面目に書く。 旧作・準新作の推奨リスト(新作リストは10月下旬リリース予定) 長年愛されてきた旧作を中心とした中学受験生向けのお薦め本リストです。すべて当サイトか又は読書メーターで私がレビュー済みの作品になります。 表の見方に関して、【優先度】をS・A・Bに分類していますが、これは作品の優劣を示すものではなく、作問者が選ぶ可能性を私の勘で割り振ったものに過ぎません。 ただ、どれもがとびきりの優良図書であるという点…

  • 無敵のかすがい『ステイ!: ぼくとシェパードの5カ月の戦い』(青谷 真未)

    一歩進んで二歩下がるどころか、百歩進んだと思ったら九十九歩戻るような毎日だ。(本文より) 高校放送部モノがたまに入試に出ている 青谷真未先生の6月に発売された作品だ。 犬が苦手な大学生と犬の交流が描かれた めっちゃハートウォーミングな物語だよ。 あまり入試向きではないと思ってたけど 悩める11歳が関わって来るあたりから 素材文適性がグーンと上がっていくよ~。 注目は『フレンチブルドッグの散歩道』。 家族や学校のことで深く傷ついた少年が さまざまな気づきをもらい立ち直る話だ。 次によさげなのは、勝ち気な女子大生が 登場する『チワワの挑戦』になるだろう。 並々ならぬ努力で大学に合格した彼女の 颯爽…

  • 心の鍵を開けて『物語を継ぐ者は』(実石 沙枝子)

    中学生というのは、未来しかないと言っても過言ではないですから。(本文より) 7月に出たファンタジー色が濃い目の本。 補欠で入った私立中で委縮してた少女が とびっきりの体験をして個性を輝かせる。 一言で言っちまうとこんなストーリーだ。 尊敬してやまない作家の書きかけ原稿に 彼女が命を吹き込んでくさまが楽しいよ。 中学の入試問題への採用って面でいえば 不思議要素は作問の妨げになりやすいが 強いて使えそうな箇所を挙げると4章か。 知り合いの大人との対話で気持ちが動き、 親と向き合うあたりがちょっとよさげだ。 参考までに俺のレビューをまるっと貼付。 物語を味わうことや紡ぐことの喜びが溢れている作品でし…

  • ダイエットの仇敵『うまいダッツ』(坂木 司)

    上品な味は、地味な味と紙一重。派手じゃないけど、余韻が深いのだ。(本文より) まれに入試に出る作家の3月の新作だよ。 オタクな高校生4人組が地味な文化部で 友情を芽生えさせ深めていくストーリー。 ちょっとした事件に巻き込まれてみたり 人助けをしてみたりという日常のなかに ほっこり癒される瞬間があるのがいいよ。 登場するお菓子はどれも魅力がありすぎ。 つられて無性に食べたくなってヤバすぎ。 国語素材には各短編の終盤にある会話が 主体になるパートがちょっといいかも? 最初の話でいえば危険生物のあたりとか。 文章の難易度はやや難といったところだ。 またマイレビューの一部を置いておくよ。 お菓子やお菓…

  • 誰かのためにペンを取れ『鳥と港』(佐原 ひかり)

    学校に行かなくてもどうにでも生きていけるけれど、楽な道じゃない。才覚があってもなくてもね。(本文より) 5月に発売された一般文芸カテゴリの本。 素材文適性が特段高いわけでもないけど わりと書店で目立ってたので紹介するよ。 作問者が見つけられるかも重要だからな。 社会に出てくじけそうになってた女性が 10代後半の少年と出会い関わるうちに 自分の強みを活かす道に目覚めていく話。 自己肯定感がボロッボロだった主人公が 息を吹き返していく流れが爽快な作品だ。 本筋じゃないけど学校のキツさを描いた パートにはおどろきと共感があったよ~。 例の難易度分類で難しいになるこの本の 俺がしたためたレビューの一部…

  • 人生を無駄にするな!『正しき地図の裏側より』(逢崎 遊)

    努力の仕方を間違えていると言われればそれまでなのだけど、そこに追い討ちを掛けられると流石にキツかった。(本文より) 今年2月発売の小説すばる新人賞受賞作。 物語のスタートからして不穏な感じだし 小学生には見せられないかもしれないが 少なくとも性的にヤバいシーンはないな。 で、予想外に得るもののある本だったわ。 少年がホームレスになるまでの辛酸とか その後の苦しい日々は想像を軽々超える。 けど彼の心の根っこに優しさと誠実さが 消えずにくすぶってて読む手が止まらん。 未知の暮らしを身近に感じさせる物語が 俺っちの世界を確かに広げてくれたわ~。 出題候補というより多様性を知る一環で 中学生以上に読ん…

  • よろこびのレシピ『わたしのカレーな夏休み』(谷口 雅美)

    カレーが好きなところはこういうところだ。なにをのせても美味しい。だれとでも仲よくなれる、クラスの人気者みたい。(本文より) 今期紹介本で最も読書感想文によさげな 小説はコレじゃないかと思ってるんだが 今回取り上げる作品もその点でいいよ~。 感想文向きの本ってどんな作品かって? 長すぎなくて自分の意見が湧き出やすく 生き方に働きかけてくる本だと俺は思う。 かつ楽しく飽きさせないってのも大切だ。 本作では夏休みヒマな少女が大阪に行き メッチャ個性的な2人の少年と出会って 忘れられない3週間を味わい尽くすよ~。 イベントに向け奮闘する彼らが超アツい。 料理の小技とか現地のソウルフードとか 気持ちが煮…

  • 大作家の観察眼『まだら模様の日々』(岩瀬 成子)

    割と入試に出る作家の4月発売の作品だ。 前半エッセイ、後半連作短編という構成。 実際のところ短編狙いで手にしたんだが エッセイのほうも期待以上に良かったわ。 岩瀬先生の幼少期の思い出が語られるが その観察眼の鋭さには舌を巻くしかない。 で、吐き出される心情がまたいいんだわ。 親としてなんでも先回りしようとすると 子どもをどれだけ傷つけるか実感したよ。 素材適性アリなのは『戦争の夢』の後半、 転校生とのトラブルを描く小4あたりや、 歴代の飼い犬の思い出を語る『犬たち』。 父との記憶『百合の花』もいけるかな~。 連作短編パートでは働かない叔父が出る 最初と最後の短編がちょっと使えるかも。 ただ、こ…

  • 規格外の磁力『夏のピルグリム』(高山 環)

    孤独で寂しい人をほっておいたら、それはもういじめだよ。相手に手を出すのもいじめだけど、手を差し伸べないのもいじめなんだよ。(本文より) ポプラ小説新人賞の奨励賞受賞作だよ。 奨励賞だと通常は出版に至らないけど 改稿を重ねてバシッと仕上げたようだ。 読めばわかるが粗削りな新人じゃなく むしろ手練れの作という印象を受けた。 特に中盤以降の疾走感がスゲェんだわ。 重い過去に圧し潰されそうな13歳が 長い旅路の果てに得るものに要注目だ。 国語の素材によさそうな箇所としては 親友が私立中に来た理由を明かす場面、 親友が家の事情を初めて明かす場面等。 探せば他にもあるんじゃないかと思う。 例の難易度分類で…

  • 本がくれる至高の癒し『赤と青とエスキース』(青山 美智子)

    そういう言い方で、私を肯定してくれる人は始めてだった。(本文より) 2021年11月に発売された旧作だが これも青山先生の定番作品の一つになる。 えっ?ええっ!っていう驚きの仕掛けが 読者をとらえ、楽しませてくれる本だよ。 例によって緻密なまでに張られた伏線が 後々エレガントに効いてくるストーリー。 しかもハートフルなことこの上ないわ~。 本がくれる至高の癒しにたっぷり浸れる。 ただ、この著者の作品の中では難しめで 小学生にはカバヒコなどの方がベターか。 以下マイレビューを一部引っ張ってきた。 話がちょっとずつ繋がっていく青山先生お得意の連作。かと思ったら一味違った! 奇跡のような巡り合わせで…

  • やっぱりハートウォーミング『お探し物は図書室まで』(青山 美智子)

    まず俺に必要なのは、目の前のことにひたむきに取り組んでいくことなんだと思った。(本文より) 新作じゃないんだが定番作家の定番作品。 安定の青山ワールドが堪能できる本だよ。 図書館というには小さい町なかの施設で とびきりユニークな司書が迷える誰かを そっと手助けするっていうストーリーだ。 脇役として登場するキャラクターも含め 魅力たっぷりの人々が物語を盛り上げる。 よりよく生きるためのヒントも満載ゆえ 得るものが多い読書タイムになったわ~。 いい文章をたっぷり浴びてみたいんなら やっぱしこの先生の作品がお薦めですわ。 俺のレビューの抜粋を以下に付けとくよ。 どこか締まらない人生を歩んでいた人々が…

  • 彼女たちのこだわり『この窓の向こうのあなたへ』(小手鞠 るい、佐藤 まどか)

    劣等感と自己嫌悪の塊が制服を着て歩いているような少女でした。(小手鞠るい先生の自己紹介パートより) 海外在住の作家って実は多いんだよな。 アメリカ 小手鞠るい先生イタリア 佐藤まどか先生オーストラリア 岩城けい先生カナダ 花里真希先生 海外にいるからこそ得られる視座って 間違いなく創作するうえでプラスだわ。 作品に込められるエッセンスが新鮮で 驚きが多くなり学びもふんだんとなる。 さて、今回の紹介作は米伊のやりとり。 前述の強みが存分に発揮されてる本で お二人の伝えたいことが凝縮されてる。 一方で物語ではわからなかった作家の お茶目な一面なども見られて楽しいよ。 オレのレビューは以下に付けてお…

  • 咲くはわが身の『続 窓ぎわのトットちゃん』(黒柳 徹子)

    香蘭女学校の先輩から手渡されたバトンを手にして、走っているような気がすることが、いまでもある。(本文より) 50万部という売上は今期紹介作品首位。 前作は国内800万部、海外も含めると 2500万部という大大ベストセラーだ。 今作も手にした作問者は多いだろうな? 多動っ娘だったトットちゃんの後日談で おもに11歳から先の人生が描かれてる。 個性的で面白いところは今作も健在だよ。 変に矯正されずに自分らしさを伸ばして やがては芸能界で花開いていくんだわ~。 そのままでいいんだという言葉に救われ 天然全開で突き進むさまは痛快そのもの。 入試の素材文候補作としてみた場合にも 親しみやすい文章に親しみ…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、児童書☆読み合わせさんをフォローしませんか?

ハンドル名
児童書☆読み合わせさん
ブログタイトル
中学受験と児童書と
フォロー
中学受験と児童書と

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用