なぜヒトだけが老いるのか
小林武彦 著書 小学生の頃、髪の毛は?眉毛は?なんのためにあるのって授業で質問され。頭を守るためとか、汗が目に入らないようにと、答えていたのを思い出してしまった。 この本、生物学者である著者が、生物の死を研究し、それをまとめたモノなんだけど、読みやすくて面白かったです。ベストセラーになっている理由もわかります。 RNA,DNAとか、学術的なキーワードもあるけれど、ユーモアを交えて語られる文体は、とっても解りやすい。 ・生物はすべて死にます ・進化は、変化と選択 ・死も進化の過程 ・生物の死に方は、3パターン ・プログラム的な死 ・食べられてしまう死 ・老いていく死 ・生殖がなくなると、生物は死ぬ ・唯一人間はその先に、老いがある。 こんな話の流れで展開します。 生物の形や、生き方には、それぞれ意味がある。それは進化の中で、変化し、必要があり選択されてきたものだからという論旨。だから人間の老いも、きちんと意味がありますと。 老いの層になると利己的な視点から利他的な視点になり、宇宙的な思想を持ち、死を怖がらず受け入れる感覚になるとも。 シニアが居ることで、利己的な集団がまとまるという例えは、確かにそうだなと思うし。シニアになったら、そうありたいと思いながら、一気に読了。 この本は、定年という年齢で区切り制度に異論を唱え、シニアが、ピンピン出来る空気感を世の中に作りましょうという、生物学者からの提案です。 シニアをポジティブに捉える世の中。 なんかいいですね。 お勧めします
2024/05/29 19:07