大阪感情線 佐々木修宏写真展
大阪は九条にある、小さなギャラリー「GALLERY SAGE」。このあたりは町工場がいくつもあって、このギャラリーも元は町工場だったそうです。僕の個展を観にきてただいた縁で知り合った佐々木さんの個展、楽しみに見させていただきました。 佐々木さんは今単身で福井で仕事をしているとのこと。個展ってやると見るでは大違い。さぞ準備が大変だったでしょうね。 鉄道好きな佐々木さん。大阪環状線を軸にスナップ撮りをされた作品群です。スナップ上手いなぁと言うのが第一印象。僕はスナップを撮る時には、デザイン的なバランスを意識して構図を決めます。多分、佐々木さんも僕と同じような意識で撮ってる気がします。一枚一枚の写真が、とっても落ち着いて見れます。そして綺麗です。ただ全体を見渡した時に、どこか優等生的に感じてしまったんです。一枚一枚が、独立しちゃってる印象というか・・。この正体はなんなんだろう?と。佐々木さん自身も言われてたことなんですが、もっとテーマを絞り込みたいと。写真を組み合わせた時に、どこかバラバラなイメージを持ってるようなんです。僕が感じたのも、そんな所から来たのかもしれません。でも僕はそれが悪いことだとは思ってないんです。そういう見せ方もありだと思ってますから。良い悪いは作者が決めること。だから写真って面白くて難しいんです。大阪環状線からの車窓風景も僕は作品にしてます。その時に感じた環状線独特の風景。雑多な感じの他に、面白いなぁと思ったのは、明るい部分ではなく暗い部分。汚い部分を隠そうとしない街並みに、大阪を感じて興味が湧きました。佐々木さんが見ている視点には、薄い部分かもしれませんね。恐らく、とても優しい人だと思います。ギャラリーを後にして、車の中で考えてたんです。写真って撮り続けると変化が起こるんです。自分の感じ方や考えが変わることで自然と起こる写真の変化です。次の佐々木さんの変化を作品を通して見てみたいと。そう思うと不思議と俄然自分も頑張らないとって撮影意欲が湧いてきました。明日から梅田の歩道橋歩いたら、佐々木さんの雨のスナップ写真思い出すんだろうなと。良い刺激を受けた良い展覧会でした。
2022/06/26 21:02