様々なテーマを重ねた重厚な内容で、大人の女性向けの小説です。 恋愛、妊娠、結婚生活、出産、ジェンダー問題など、リアリティな話題が盛り沢山です。多くの女性に夢をお届けしたいです。
中谷産婦人科No.3 二十章 不知火家の秘密④不知火家と「霊界」
「先ほどお話しした私の曾祖母に当たる遊女のいた足柄山の峠は、駿河国と相模国の境目に当たるのですが、この境にはあの世とこの世の霊界があると言われているので…
中谷産婦人科No.3 二十章 不知火家の秘密③不知火家の生い立ちと神秘的な精神教育
「自分の三代前の女・・曾祖母は遊女で、一家で旅芸人をしていたそうです。踊り、歌、人形芝居、説法などの芸術を身に付け、最初は足柄、箱根辺りを流していたの…
マモルさんにはどんなに訊いても、あの日以来、もうミーチャも倉場看護師のことも覚えていなかった。 「三年生の先輩?あの女子高のトイレの井戸端会議の話だろ…
中谷産婦人科No.3 二十章 不知火家の秘密①マモルさんのもてなし料理
不知火家と小早川家の間には依然と変わらず気まずい隔たりが残されていた。 小早川家のリビングでは、叔母夫婦を向かいにして、相変わらずお義父さんも美憂さんも…
それから一週間が過ぎた。 ミーチャからは連絡はなかった。 いつものことだが、ミーチャの家を出ると慌ただしい日常が返ってきて、あの部屋で過ごした時間が夢物…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館⑩人間と神様は表裏一体
突如、あの大人の風格に魅了されていた八景島のデートが、遠い昔のことのように脳裏に蘇った。 なぜ野本に似ている人形が・・? そして・・この人形は一体何の…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館⑨ついに明かされる禁断の事実
しかし、頭の中ではまだ何か・・遠回りしようとしていた。 「彼女たちの民族は、信心深いんだ。」 自分の故郷のものと住んでいる土地のものを融合させて作ったと…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館⑧水の精霊と野本の関係?
しかし、ミーチャは私の恐怖心を和らげるかのように微笑み、その物の怪のような青白い顔には、思いがけず、タンポポの花の様な可憐さが広がった。 そして、人形の…
「まず、木や森、草花などの植物の精霊の話からするけど、植物の精霊は確かに建物に現れるケースが多いけどね。」 「・・その話が不思議なんだよね。だって運命…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館⑥次第に押し寄せる不穏な渦巻き
それからも、私とリュウはミーチャの家に食事やお茶にたびたびお呼ばれされるようになった。 「また今日もあの友達の家に行くのか?」 ある朝、マモルさんは玄関…
その絵画を観た時、その色彩豊かな大胆な構図に一瞬で目を奪われた。 しかしなんといっても、強烈なインパクトを与えているのは、中央の六つの乳房を持つ人物だっ…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館④異世界のような昼食会
「ミーチャ、食事だよ!」 突然扉が開いたかと思うと、ミーチャと姿や雰囲気のよく似た少女が食事を載せた銀製のワゴンを運んできて、タイルでできたテーブルの上…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館③美しいが奇妙な部屋・・
目を開けると、室内は思いのほか広々としていて、今しがた見たおんぼろの木造建築からは全く想像もつかなかった、西洋風の色彩豊かな光景が広がった。 フローリ…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館②植物の世界の中に人間の生活が?
店の片側には、天井が高いのをいいことに、棚にしては大きく、建築にしては小さなスケールの、三段飾りになった「透明のスペース」が設置されていた。 薄いガラ…
中谷産婦人科No.3 十九章 夢幻の館①熱帯雨林の中に見る不思議な店
それから数日後、ミーチャからうちで昼食をご馳走したいのでぜひ遊びに来て欲しいという誘いの連絡をもらった。 私はミーチャの話した通り、中谷産婦人科の脇の…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界⑧久しぶりの夫婦の会話
マモルさんは炬燵の中から火照った躰を蛇のようにくねくねと這い出すと、汗をぬぐいながら素早くベッドに行き、私に背中を向けながら折りたたんであったパジャマに…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界⑦マモルさんの変化
「・・どれ、寝たかな。」 マモルさんは立ち上がると、ソッとリュウをベビーベッドに横たわらせた。 お風呂から上がった後も、マモルさんはずっとリュウを抱き…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界⑥家族三人の生活
その数日後、私は叔母夫婦の家を出て、リュウを連れて自分の家へと帰って行った。 住宅地の坂道に辿り着くと、あまりにもノスタルジックな光景に、染み入るような…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界⑤一か月ぶりの中谷産婦人科
いよいよ一か月検診を迎えた。 一か月ぶりの中谷産婦人科は何も変わっていなかった。 広々としたロビーいっぱいに外来患者達の雑踏で賑わっていた。 中央の大…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界④様々な生き方・・子供を産むことが全てではない
おばさんに毎日のように来ても構わないと言われて喜んでいたマモルさんだが、実際には遠慮もあるし、仕事の都合上そう頻繁に来ることはできなかった。 あらかじめ…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界③大自然の象徴物である産婦人科という施設
その夜中から一人ぼっちの授乳が始まった。 静まり返った中で赤ん坊と二人っきりでいるのはとても不安だった。 私は入院中にテレビで見せられた佐渡の別鍋を思…
中谷産婦人科No.3 十八章「産婦時代」新しい世界②マモルさんの決意
家の中に入ると、アロマテラピーのいい香りが漂った。 廊下を通り抜け懐かしいリビングに入って行った。 居心地が良く温かく、五か月前と何も変わっていない。 …
翌日私は最後の朝食を済ませ、おばさんが紙袋を提げて持ってきてくれた入院時に着ていたマタニティウェアに着替えた。 実に久しぶりの私服の肌触りだった。 そ…
中谷産婦人科No.3 十七章「産後四日目」生と死⑦妖怪の真の目的とは
「一番大きいのは宗教の力かしらね。最初は、自然を司るだけの神や女神に過ぎなかったものが、人間がさらに幅広い役目を付け加え、高度な人格を与えてくれるように…
中谷産婦人科No.3 十七章「産後四日目」生と死⑥倉場看護師の語る「妖怪と施設」の関係とは?
就寝時間に入ろうとした矢先に、倉場看護師がカーテンを引いて私の所に入って来た。 私はちょうどこの産院での最後の夜を噛みしめていたところだった。 同時に、…
中谷産婦人科No.3 十七章「産後四日目」生と死⑤彼女の告白
マモルさんや翼さん達が帰った後、私はじっと一人考え込んだ。 知っている人間が死んだのだ。 それが元担任であり過去に私と交際をしていた男だ。 あんなにひ…
中谷産婦人科No.3 十七章「産後四日目」生と死④一体何が・・
「えっ?」 私はびっくりしてマモルさんを見つめた。 「なにっ?どうゆうことなんだよ?」 他のみんなも動揺して騒ぎ立てた。 マモルさんは話し始めた。 「…
部屋につくと、マモルさんは一つしかない折り畳み椅子を翼さんに譲るように、黙って寝台の上に腰かけた。 「両隣に人がいねえとすっきりしていいなぁ!おいっ。」…
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