chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
faketk
フォロー
住所
筑紫野市
出身
福岡市
ブログ村参加

2020/05/16

arrow_drop_down
  • 社会を変えるスタートアップ

    小野貴也,2023,社会を変えるスタートアップ──「就労困難者ゼロ社会」の実現,光文社.(11.25.23)著者の小野さんは、全国の就労支援事業所、企業と提携し、業務を請け負う障がい者と業務委託する企業のマッチングを最適化するプラットフォームを構築すると豪語する。夢を語る人をくさすつもりはないが、障がい者個々の能力、適性に見合った業務を企業から受注するしくみを、コンピュータのアルゴリズムに落とし込むことができるのか、はなはだ疑問に感じた。いんちきコンサル企業が好きそうな経営ポルノチックな業界用語にうんざりしつつ、社会福祉が確実に儲けるための狩り場にされているのではという疑念を払拭できなかった。重度訪問介護制度を活用した事業を展開する「土屋グループ」の高浜敏之は、自著を社員に礼賛させる程度でかわいいものだが...社会を変えるスタートアップ

  • 久しぶりに風邪をひく

    13年ぶり(たぶん)に風邪をひく。仕事柄、放置しておくわけにはいかないので、休日当番病院に行き、検査と診察。検査の結果は、新型コロナウィルス、インフルエンザともに陰性。処方された風邪薬を飲んでだいぶ楽になった。むかしの風邪薬は全く効かなかった記憶しかないが、13年のあいだに医薬品の効能はずいぶんと向上したのだな。久しぶりに風邪をひく

  • ネット右翼になった父

    鈴木大介,2023,ネット右翼になった父,講談社.(11.23.23)ネトウヨと化したかに思えた父親を嫌悪していた鈴木さん。父親の死後、ネトウヨ化の真相を探るべく、母親、姉、姪、(父の)知人から父親の言動について話を聞き、自らの偏見に気付く。そして、こころの中で父親と和解する。延々と綴られるモノローグにはいささか食傷したが、死んだ親へのあまりにも深い思いには感心した。社会的弱者に自己責任論をかざし、嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?父は本当にネット右翼だったのか?そもそもネトウヨの定義とは何か?保守とは何か?対話の回復を拒んだまま、末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。父と家族の間にできた分断は不...ネット右翼になった父

  • 【名著】民話を生む人々【再読】

    山代巴,1958,民話を生む人々──広島の村に働く女たち,岩波書店.(11.21.23)広島県の農村に住む、家父長制家族とムラ社会の因習のなかで耐え忍び、ささやかな自由を希求する女たちの息づかいまでもが聞こえてくるような作品だ。山代さんは、中井正一のいう「あきらめ根性、みてくれ根性、ぬけがけ根性」にまみれた村人たちと対峙しながら、女たちのかすかな抵抗の意思を(だれが語ったのかわからない)「民話」に託し、女たちの連帯を促そうとする。また、本作は、1950年代、まだ日本社会に息づいていた中間集団のありようを生き生きと描き出してくれている点で、資料的価値も高い。農村にも民主主義が宣伝されて十数年。だが、果たして村の婦人達の生活は真に本音をはける明るいものになっただろうか。新生活運動の中に形態をかえておおいくる自...【名著】民話を生む人々【再読】

  • ガールズ・アーバン・スタディーズ

    大貫恵佳・木村絵里子・田中大介・塚田修一・中西泰子編著,2023,ガールズ・アーバン・スタディーズ──「女子」たちの遊ぶ・つながる・生き抜く,法律文化社.(11.19.23)テーマパークだの、イルミだの、エキチカだの、「乙女ロード」だの、「遠征」だの、どーでもいいよそんなこと、いいかげんうんざりするやら、消費税抜きで3千円もする本に書くことかとムカつくやら、ダメだこりゃ。と思ってたら、第8章以降、けっこう読ませる論考があった。第7章までの思いっきり悲惨な内容から、凡才が文化を社会学することの難しさをあらためて感じた。現代の都市は、「女性」を通せばどのように見えるのか。都市において「女性をする楽しさ」や「女性をさせられる苦しさ」に焦点を合わせればいかなる視点が得られるのか。本書では、都市を生きる女性たちが「...ガールズ・アーバン・スタディーズ

  • 公共哲学入門

    齋藤純一・谷澤正嗣,2023,公共哲学入門──自由と複数性のある社会のために,NHK出版.(11.13.23)功利主義、ロールズのリベラリズム、リバタリアニズム等、各々の論点と難点とが簡潔にまとめられていて、あたまの中を整理するのに役立つ。講義録にもとづいて作成された教科書なので、読みやすい。各章の論考は短く切り詰められているので、途中で挫折することはないだろう。フェミニズムや、グローバルなレベルでの自由と責任についての論究がなされているのも評価できる。「支配と抑圧を免れた生」を保障する。余裕が失われ、「自分ファースト」が浸透していく時代に「公共的なもの」について考えることの意味は何か?本書は、皆が自らの価値をそれぞれ追求する「自由」と、そこから必然的に生じる「複数性」を最重要視し、これからを保障する制度...公共哲学入門

  • 目的への抵抗

    國分功一郎,2023,目的への抵抗(シリーズ哲学講話),新潮社.(11.10.23)行為が、つねにある目的のための手段と化すとき、生きることの意味はことごとく失われる。人間を人間たらしめる文化とは、たんに必要を充たすことからの自由であり、過剰である。これらの命題は、通常、社会学の基礎として語られるものであるように思うが、本書では、コロナ禍での外出規制へのアガンベンの異議申し立てを糸口に、目的合理性(手段的合理性)のみに拘泥する価値規範への批判と、自由の意味の探求を展開する。講話の内容をもとにしただけにわかりやすい。議論の展開が巧みなのはさすがである。自由は目的に抵抗する。そこにこそ人間の自由がある。にもかかわらず我々は「目的」に縛られ、大切なものを見失いつつあるのではないか―。コロナ危機以降の世界に対して...目的への抵抗

  • 親密圏と公共圏の社会学

    落合恵美子,2023,親密圏と公共圏の社会学──ケアの20世紀体制を超えて,有斐閣.(11.6.23)既婚女性が家内で家事・育児・介護労働に専念する性別役割分業が、日本社会の伝統としてあったわけではなく。高度経済成長により、第一次人口転換(多産多死から少産少死)と第二次人口転換(超少子化)との間に成立した一時的な現象に過ぎないことはいまや常識だろうが、この常識の定着に落合さんの近代家族論が果たした役割は小さくないのだろう。しかしながら、1979年に自民党が提唱した「日本型福祉社会」の構想や、1985年に成立した「第3号被保険者」制度(による年収130万円以下の既婚女性への国民基礎年金受給資格付与)にみられる、日本の近代家族をめぐる誤謬、錯誤、幻想が、その後の日本経済の長期後退を帰結したこともまた、本書で指...親密圏と公共圏の社会学

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、faketkさんをフォローしませんか?

ハンドル名
faketkさん
ブログタイトル
Blog FakeTK
フォロー
Blog FakeTK

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用