【旧作】怒れ!日本の中流階級【再読】
カレル・ヴァン・ウォルフレン(鈴木主税訳),1999,怒れ!日本の中流階級,毎日新聞出版.(5.29.23)ウォルフレンが指摘するとおり、日本では、マルクス主義の弊害からか、「ブルジョワジー」(中流階級)は敵対、蔑視の対象でしかなかった。しかし、実際には、マルクスが革命の担い手として期待した「プロレタリアート」はしょせん烏合の「群衆」にしかなり得ず、守るべき私有財産を所有する「プチブル」こそが、官僚と既得権益層の支配を許さぬ政治の、ときには社会変革の担い手となった。日本で、そうした「中流階級」が形成されなかった、その経緯については、本書で、イエ制度の定着、残存原因説として詳しく説明されているとおりであるが、宮島喬の所説をふまえれば、政治的無関心と政治的覚醒の両方の可能性をもった私生活中心主義が、日本では、...【旧作】怒れ!日本の中流階級【再読】
2023/05/29 20:21