中村うさぎ,2006,私という病,新潮社.(6.1.24)私という病(新潮文庫) 中村うさぎ新潮社雨宮まみさんに先駆けて、「女子をこじらせた」中村さんであるが、買い物依存、ホスト依存、整形、性風俗等、こじらせを行動化(ActingOut)したという点では、中村さんの方がはるかに過激だ。雨宮さんは若くして死んでしまったが、中村さんはしぶとく生き続けている。こじらせて鬱屈していった者と、こじらせを積極的に行為で解消しようとした者のちがいだろうか。中村さんの呪詛にも似た魂の叫びは強烈だ。長々と引用する。私の「買い物依存症」も、まさにそれだった。最初にシャネルのコートを買った時の恍惚は、その後、何度買い物を繰り返しても、もっと高価な物を手に入れようとも、二度と味わえなかった。「私は成功した。シャネルを買える女にな...【名著】私という病【再読】