最近映画ばかりなのでたまには小説でも、ということで平野啓一郎の『ある男』のご紹介です。丁度先日同氏の『本心』を読了いたしまして、せっかくなら平野啓一郎のヒューマニズム三部作の感想は書こうじゃないかと思い至ったわけです。弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。宮崎に住んでいる里枝には2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取って14年ぶりに故郷に戻ったあと、「大祐」と再婚して、新しく生まれた女の子と4人で幸せな家庭を築いていた。ある日突然、「大祐」は、事故で命を落とす。悲しみにうちひしがれた一家に「大祐」が全くの別人だったという衝撃の事実がもたらされる……。『ある男』特設サイト|平野啓一郎より引用愛したはずの夫は、まったくの別人であった。出...ある男