桜の下の棺
桜の時期に思い出す光景 桜の季節になると、一枚の写真のように思い出す光景があります。庭に咲いた桜の花。隣接する公園の桜の木と重なり、まるで切り絵のようです。桜の木の下には亡くなったお父さんが寝ている真っ白い棺が置いてあり、その周りで遺族が思い思いに話をしながら笑っています。まるで映画のようなこんな光景を、一緒に見れるなんて、納棺師の特権だなと思います。 80代の男性の納棺式、いつものように担当者さんの後ろから、ご自宅の玄関に入ります。時代を感じる一軒家は、廊下や柱が赤茶色に色を変え艶々していて、きっと大切に住まわれてきたんだろうと感じる素敵なお宅でした。廊下のつきあたり、縁側がある畳の部屋に亡…
2021/03/29 22:51