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今につながる日本史+α https://maruyomi.hatenablog.com/

現役の記者で2019年までニュースキャスター。読売新聞オンラインでwebコラム「今につながる日本史」を連載中。ブログには書ききれなかった余話や書き下ろしの歴史コラムを掲載します。

丸山淳一
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2019/12/29

  • 小栗忠順が東京湾に残した「志」の遺産

    NHK大河ドラマ「青天を衝つけ」で、もう少し長く見たかった人物がいる。東征軍(後の新政府軍)との徹底抗戦を唱えて 罷免ひめんされ、領地の上州権田村(群馬県高崎市)で理不尽に殺害された 小栗おぐり上野介こうずけのすけ忠順ただまさ(1827~68)だ。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録するとお読みになれます コラム本文にない話として、ここでは明治になって行われた東京湾の整備について、小栗の志が原点にあるという話を国際協力機構(JICA)が動画番組にして公開したので紹介したい。 渋沢栄一より先に1万円札の顔になっていた? 「売り家に土蔵をつければ幕府の栄誉」 東京湾整備…

  • 天下の大名物「千鳥の香炉」の数奇な来歴

    トイズキャビンのカプセルトイ「戦国の茶器」の大人買いを続けていたら、本棚の一角が変の直前の本能寺みたいなことになってきた。蘭奢待らんじゃたい、三足みつあしノ蛙、平蜘蛛の釜、黄金の茶窯などがそろった。それぞれ深い由来がある。コンプリート記念に、その中から天下の大名物「千鳥の香炉」(青磁香炉せいじこうろ 銘めい 千鳥ちどり)を紹介したい。 大人買いしている「戦国の茶器」 「千鳥の香炉」とは 武野紹鴎から今川氏真へ 氏真が信長に献上 蘭奢待切り取りと連動 信長から秀吉、千利休に 石川五右衛門の標的に 秀吉から家康に、そして尾張徳川家に ほかにも複数伝わる「千鳥」 「千鳥の香炉」とは 千鳥の香炉は13…

  • 退却を進言した家康は置き去り?「金ヶ崎の退き口」の虚実

    読売カルチャーセンター公開講座で話した中から、今回は元亀元年(1570年)の織田信長(1534~82)による越前(現在の福井県)朝倉攻めについて再録・補足する。越前攻めは信長の義弟、浅井長政(1545~73)の裏切りによって失敗し、NHK大河ドラマ『どうする家康』の4月16日放送回でも描かれた「金ヶ崎の退のき口」につながっていく。 朝廷も将軍も了承済みだった越前攻め 小豆袋の逸話は創作といわれるが… 警戒されていた長政の裏切り 人が好すぎた信長 殿軍の司令官は秀吉でも家康でもなかった 朝廷も将軍も了承済みだった越前攻め 室町幕府の15代将軍・足利義昭(1537~97)を擁して上洛した信長は、各…

  • 熊本地震から7年でジェーンズ邸再建…ジェーンズってどんな人?

    平成28年(2016年)4月に発生した熊本地震から間もなく7年が経つ。熊本のテレビ局に赴任して地震に遭遇した筆者は、4月14日(前震)と16日(本震)の揺れをまだ体で覚えている。 再建されたジェーンズ邸。内部展示を整備し、2023年9月に一般公開の予定(熊本市提供) 毎年この時期には地震からの復興も見据えて熊本の記事を書いてきたが、今年は移築・再建がほぼ完了した「ジェーンズ邸」(洋学校教師館、県重要文化財)を取り上げた。 読売新聞オンラインコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文を読めます 熊本の近・現代を見続けてきた洋館 日本赤十字発祥の館 「求む改革者」で白羽の矢 ミカン、パン…

  • 三英傑「ホトトギスの歌」を詠んだのは誰か

    読売カルチャーセンター錦糸町で「徳川家康はなぜ最後に天下人になれたのか」という題で公開講座を開き、「戦国の三英傑」について話した。織田信長(1534~82)、豊臣秀吉(1537~98)、徳川家康(1542~1616)の性格の違いを話した際に、有名な「ホトトギスの歌」を取り上げたのだが、時間の関係で十分話せなかった。補足をかねて再録することにしたい。 有名なのは『甲子夜話』だが 作者は聡明な名君、松浦静山か 『甲子夜話』より古い『耳嚢』 ほかにもある出典候補 有名なのは『甲子夜話』だが 「ホトトギスの歌」は三英傑の性格の違いを端的に示した狂歌として有名だ。実際に3人が詠んだ歌ではなく、江戸時代後…

  • 『映画刀剣乱舞-黎明-』主役 三日月宗近の華麗な来歴とその真偽

    日本の名刀、宝刀が擬人化され、「刀剣男士」となって歴史を守るために戦う刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」を実写映画化したシリーズの第2作「映画刀剣乱舞‐黎明‐」が公開された。 「刀剣乱舞」はこれまでもアニメや映画、ミュージカルになって人気を集めているが、今回の映画の時代設定は「現代」。渋谷のスクランブル交差点などで刀剣男士が大立ち回りを演じる。コラムではこの映画を取り上げ、息長く続く現在の刀剣ブームについて考えている。 読売新聞オンラインのコラム全文 読売新聞オンラインに読者登録すると全文お読みになれます 現代に“降臨”した刀剣男士たち 荒唐無稽だが、まじめに歴史と向き合…

  • 特別展「東福寺」で知るすべてが「規格外」の理由

    京都を代表する禅寺として京都五山にも数えられる京都市東山区の東福寺を訪れた人は多いだろう。京都駅からも近い大きな寺だ。この寺に伝わる国宝や重要文化財など、約200件を展示する特別展「東福寺」(読売新聞社など主催)が、東京・上野の東京国立博物館平成館で始まった。東福寺の収蔵品を」まとめて展示する特別展は初めてという。 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読売新聞オンラインに読者登録せずワンクリックで全文が読めます 最大の見どころは「五百羅漢図」 すべてが規格外の大きさ なぜ九条道家は巨大な寺を建てようとしたのか 東福寺にはなぜ桜がないのか 最大の見どころは「五百羅漢図」 明兆自画像模本 部分、住吉…

  • 130年前の海難事件が生んだ日本とトルコの絆

    トルコ南部で2月6日に起きた大地震で、トルコと隣国シリアの死者があわせて5万人を超えた。死者数が1万人を超える地震は、東日本大震災以来だという。 亡くなられた方々に弔意を表し、被災された方々にお見舞い申し上げたい。地震を機に、日本とトルコの絆の歴史について、もう一度考えてみた。 建物が崩壊しがれきの山と化した静岡県あ(UNHCR=国連難民高等弁務官事務所撮影) 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文が読めます 地震のたびに助け合ってきた 友好のきっかけ「エルトゥールル号事件」 献身的に救助にあたった紀伊大島の人々 日露戦争勝利に貢献した「民間大使」 あまり知ら…

  • 二宮和也さん主演の映画が後押し シベリア抑留資料の合同展示

    シベリア抑留からの最後の引き揚げ港となった京都府舞鶴市の舞鶴引揚記念館と、シベリア抑留の資料を展示・所蔵する東京都新宿区の平和祈念展示資料館の初の合同展示が、2月22日から東京・丸の内で始まった。 合同展示の入口には舞鶴引揚記念館から平(たいら)引揚桟橋の模型が展示されている 過酷な日々を送りながら、日本に帰れることを信じてラーゲリ(収容所)に希望の灯をともし続けた主人公を二宮和也さんが演じた映画『ラーゲリより愛を込めて』は、ロングラン上映を続けている。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文をお読みになれます 終戦後に日本兵ら約60万人がシベリアなどに抑留さ…

  • 『仕掛人・藤枝梅安』で大切にされた「江戸の空気」

    『鬼平犯科帳』『剣客商売』と並ぶ池波正太郎(1923~90)の代表作『仕掛人・藤枝梅安』が、池波生誕100年にあわせて2部作の映画になった。2月3日から第1作が全国公開中で、4月7日には第2作も公開される。 鍼はり医者という表の顔と、悪を葬る「仕掛人」という裏の顔を持つ主人公の梅安を演じるのは豊川悦司さん。梅安の出生地とされる静岡県藤枝市で開かれた映画の試写会で豊川さんは「江戸の世界にみなさんをお連れする自信がある。非日常を楽しんでほしい」とあいさつしている。 読売新聞オンラインコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文お読みになれます 仕掛人はむろん架空の職業だが… 愛読書『江戸名…

  • 富雄丸山古墳から大発見 神武東征神話との関係は?

    奈良市の富とみ雄お丸まる山やま古墳から、これまで出土例がない盾形銅鏡と鉄剣が出土した。「古墳時代の金属工芸の最高傑作」で、国宝級の大発見だという。この古墳は昔から謎が多い古墳と言われてきた。今回の発見で、「被葬者は誰か?」というこの古墳最大の謎は、かえって深まったのではないか。 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読者登録すると全文お読みになれます ピカピカの銅鏡、最長最古の蛇行剣 家臣にこれだけすごい副葬品を添えるか? ワンランク下の円墳から出土する副葬品か? 交通の要衝に日本一の巨大な円墳 古墳に纏わる「長髄彦の記紀神話」 神武天皇を勝利に導いた八咫烏と金鵄 物部氏?和珥氏?卑弥呼の子孫はな…

  • 『レジェンド&バタフライ』が描く日本一の政略結婚

    東映創立70周年記念作品『レジェンド&バタフライ』が全国公開された。天文18年(1549年)に政略結婚で夫婦となった2人が、天正10年(1582年)の本能寺の変まで、乱世を駆け抜けた33年間を描く。織田信長(1534~82)を木村拓哉さん、正室の帰蝶きちょう(濃姫のうひめ、1535~?)を綾瀬はるかさんが演じている。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文お読みになれます 脂の乗り切った人気俳優のW主演だけでも話題十分だが、総製作費20億円をかけて巨大なオープンセットを組み、国宝を含む全国30か所以上でロケを行った。岐阜城と安土城のセットとⅭGはしっかりした考…

  • 家康はかわいい白兎か虎の子か

    読売新聞オンラインでコラムを書いて5年になった。長い間コラムを書いていると悩ましい問題に突き当たる。取り上げる人物の生没年もそのひとつ。ÑHK大河ドラマで放送中の『どうする家康』主人公の徳川家康(松平竹千代)についても悩ましい問題がある。 家康自身が年齢サバ読みを認める 磯田道史さんも天文12年説を支持 公式見解も家康も正しい? 和暦→西暦で悩むことも 家康が岡崎城で産まれたのは、天文11年(1542年)12月26日というのが定説だ。徳川家の系図『徳川家譜』も家伝の『松平記』も生まれは天文11年。元和2年(1616年)年に75歳で没したという記録から逆算しても天文11年の生まれになる。確かにこ…

  • 『どうする家康』の家康像、どうする?

    戦国の世を終わらせた徳川家康(1542~1616)を松本潤さんが演じるNHK大河ドラマ『どうする家康』の放送が始まった。前作の『鎌倉殿の13人』は毎週誰かが誅殺されることから「死ぬどんどん」の異名がついたが、作者の古沢良太さんは、月曜日に会社に行く励みになるようなドラマを目指しているようだ。 『どうする家康』メインビジュアル(ポスター) もちろん松本さんをはじめとする俳優陣の演技にも注目だが、『ALWAYS 三丁目の夕日』『コンフィデンスマンJP』やなどを手掛けた当代きってのヒットメーカー、古沢さんが描く家康像に関心が集まる。いったい「どうする」のか、コラムで推理してみた。 読売新聞オンライン…

  • 『鎌倉殿の13人』最終回…「三谷脚本」は史実とどう折りあったか 時代考証・坂井さんに聞く

    時代考証を担当した3人の歴史学者の1人、坂井さん 主人公の北条義時を小栗旬さんが演じたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、12月18日放送の第48話で最終回を迎える。伊豆の小豪族の次男に過ぎなかった義時が、源頼朝の側近となり、し烈な権力闘争に巻き込まれつつ、鎌倉武士のトップに上り詰めていく過程を描いた。 大河ドラマの時代考証を担当した創価大学文学部教授の坂井孝一さんに鎌倉時代の実像や、脚本を担当した三谷幸喜さんとの裏話などをじっくり語ってもらった。<上><下>にわけて公開する。 インタビュー<上> インタビュー<下> 読売新聞オンラインのコラム全文 インタビュー<上> インタビュー<下> ↑…

  • 「ラーゲリより愛を込めて」が描くシベリア抑留はウクライナにつながる

    シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された日本人とその家族の壮絶な半生を描く映画「ラーゲリより愛を込めて」が公開された。二宮和也さんが演じる主人公の山本幡男はたお (1908~54)と、北川景子さんが演じる妻のモジミ(1909~92)は実在した夫婦。映画の原作はノンフィクション作家の辺見じゅん(1939~2011)が、モジミが読売新聞に寄せた投書をもとに書き上げた。 映画と原作をもとに、幡男を通じてシベリア抑留について改めて経緯をまとめてみた。 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読者登録すると全文がお読みになれます 終戦直前、満州で家族と生き別れ… 非人道的な扱いはほぼ実話 帰国はなぜ遅れた…

  • パーク開園を機に考える ジブリ作品と日本史の接点

    愛知県長久手市の愛・地球博記念公園内にジブリパークが開園した。まず「ジブリの大倉庫」「どんどこ森」「青春の丘」の3エリアが先行し、『となりのトトロ』の遊具や『耳をすませば』に登場する店舗「地球屋」が再現され、『 千せんと千尋ちひろの神隠し』『紅の豚』などに登場するキャラクターと写真撮影できるコーナーなどがある。来年度には第2期として「もののけの里」「魔女の谷」の2エリアも開業予定だ。 設計や現場での指揮を担当したのはスタジオジブリ常務の宮崎吾朗さん。吾朗さんの父で多くのジブリ作品の監督・脚本を務めた宮崎 駿はやお さんは、細部までこだわるため、制作にあたって時代背景を綿密に調べている。アニメが…

  • プロ野球界の「記録の神様」山内以九士の大きな功績

    日本に野球が伝来して150年となる2022年、節目の年を祝うかのように、野球界で大記録が次々に誕生した。 記録があるから偉業が分かる プロ野球については昭和11年(1936年)以降のすべての試合、すべての打席、すべての投球や守備が完璧に記録されている。ここまで記録を整備したのは、元パ・リーグ記録部長で「記録の神様」の異名を持つ 山内やまのうち以九士いくじ(幼名・育二、1902~72)の努力によるところが大きい。山内はセ・パが分裂する前の1リーグ時代を含め、2000試合以上で公式記録員を務めて正確な記録を残した。 読売新聞オンラインのコラム全文 読者登録すると全文がお読みになれます それだけでは…

  • 蘭奢待と双璧をなす正倉院の名香 全浅香とは

    奈良市の奈良国立博物館で、74回目となる正倉院展が開かれた。東大寺に献納された約9000件といわれる収蔵品から、今年は59件が出陳された。目玉のひとつが天下の名香木といわれる「 全浅香ぜんせんこう 」。正倉院蔵の香木と言えば「 蘭奢待らんじゃたい 」の雅名を持つ「 黄熟香おうじゅくこう 」が有名だが、全浅香も「 紅塵香こうじんこう 」「 紅沈香こうちんこう 」の雅名(優雅な別名)を持ち、蘭奢待に並ぶ「両種の御香」といわれている。 しかし、会場では残念ながらその香りを聞くことはできない。長さ105.5センチ、重さ16.65キログラムの武骨な丸太をみても、そのすごさがピンとこない人も多いだろう。全…

  • 鉄道150年 大隈重信「一生の不覚」のその後

    新橋―横浜間に日本で初めて鉄道が走ってから150年になる。文明開化の象徴にもなった鉄道建設に貢献したのは大隈重信(1838~1922)、伊藤博文(1841~1909)、井上勝まさる(1843~1910)の3人だ。 若き日の大隈(国立国会図書館蔵) 日本の鉄道史には、ペリー提督(1794~1858)の黒船が来航した嘉永6年(1853年)にまでさかのぼる前史があるが、大隈は前史から佐賀で鉄道に関与している。コラムでは前史からその歴史を振り返った。 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読売新聞オンラインで読者登録すると全文がお読みになれます 「一生の不覚」狭軌の採用 英国の鉄道権益拡大で結託か その後…

  • 安倍元首相の国葬で菅氏の弔辞に引用された『山県有朋』

    安倍元首相の国葬儀(首相官邸ホームページより) 安倍元首相の国葬(国葬儀)で多くの人の心を打ったのは、菅義偉前首相の弔辞だった。弔辞を読み終えた菅氏に対しては、自然に拍手がわいた。葬儀会場で弔辞に拍手がわくのは異例のことだという。 衆議院第1会館1212号室の、あなたの机には、読みかけの本が1冊ありました。岡義武よしたけ著『山県有朋』です。 ここまで読んだ、という、最後のページは、端を折ってありました。そしてそのぺージには、マーカーペンで、線を引いたところがありました。 しるしをつけた箇所にあったのは、いみじくも、山県有朋が長年の盟友、伊藤博文に先立たれ、故人を 偲しのんで詠んだ歌でありました…

  • 「奇想の画家」伊藤若冲の超人的な集中力と熱意

    東京・上野の東京芸術大学大学美術館で開催された特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」にあわせて、後期展示の目玉だった 伊藤いとう若冲じゃくちゅう (1716~1800)の『 動植どうしょく綵絵さいえ 』を取り上げた。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録しなくてもワンクリックで全文お読みになれます トサカの「ざらり」まで再現 京の裕福な青物問屋の子 最大の理解者と最高の師 鶏から虫や魚に対象を拡げたワケ 「見る眼がある人を千年待つ」「今見ても素晴らしい」 伊藤若冲『動植綵絵』の「向日葵雄鶏図」(部分、展覧会入場券より) 『動植綵絵』は若冲が40歳ごろから約10…

  • 畠山重忠と同じ「死ぬどんどん」の犠牲者、稲毛重成

    毎回のように誰かが権力闘争の犠牲となり、いわれなき死を遂げる。SNSでは朝の連続テレビ小説をもじって「死ぬどんどん」の異名がついた『鎌倉殿の13人』。9月18日放送回では、鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』が「譜代勇士、弓馬達者、容儀神妙」とほめあげた坂東武者の鑑かがみ 、畠山重忠(1164~1205、演:中川大志さん)が謀反の疑いをかけられ、殺された。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文がお読みになれます 上総広常を上回る理不尽さ 途中から陰謀の主役は義時に? とばっちりで殺された稲毛重成 時代の流れを変えた出来事 上総広常を上回る理不尽さ ドラマで理不尽な …

  • 関東大震災から99年 知るべき教訓とは

    10万人を超える犠牲者を出した大正12年(1923年)9月1日の関東大震災から99年。この震災では特に隅田川東側の江東地区、当時の本所区(現在の墨田区南部)と深川区(江東区北西部)の被害が大きく、両区での焼死者はあわせて5万人を超えた。このうち3万8000人が本所区横網の陸軍 被服廠ひふくしょう 跡で亡くなっている。 東京の火災被害図(『東京震災録』東京都立図書館蔵) 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文がお読みになれます 「防災ニッポン」鈴木淳・東大教授インタビュー ↑読売新聞オンラインンとは別サイトです。読者登録せずお読みになれます 政府の中央防災会議の…

  • 終戦77年の夏に振り返る81年前の「総力戦研究所」の結論

    終戦から77年の8月15日が過ぎたが、今回は81年前の夏、昭和16年(1941年)夏の話から始めたい。当代一流の経済学者を集め、主計中佐の秋丸次朗(1898~1992)が率いた陸軍省戦争経済研究班(通称「秋丸機関」)が、この夏に陸軍上層部に「日米の国力差は20対1」と報告していた話はすでにとり上げた。 もうひとつ、政府直轄の調査研究機関「総力戦研究所」の「模擬内閣」も昭和16年の夏、「日本必敗」の予測を出している。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文お読みになれます 総力戦研究所とは 模擬内閣が出した「日本必敗」の結論 あまりに不合理な東條英機の感想 シー…

  • いたずらは許されないお盆最後「京都五山の送り火」の伝統とは

    2022年8月16日夜、「京都五山送り火」が行われる。お盆(=盂蘭盆会)うらぼんえ」の最終日に精霊を送り出す仏教行事で、祖霊(お精霊さん)を再び浄土(死後の世界)に送る火を灯す。過去2年は新型コロナ感染対策として規模を縮小して実施したが、今年は3年ぶりにすべての火床で点火が行われる。 「お盆」の歴史については、以下のコラムをお読みいただきたい。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読者登録をするとぽ全文がお読みになれます 送り火の起源ははっきりしない 戦勝祝いで点灯、「Z」の文字も 令和の「勝手に大文字」犯人は不明のまま 送り火の起源ははっきりしない 五山送り火の起源ははっきりしないが、戦国時代…

  • コロナ禍3年目の夏に考える「お盆」の歴史

    新型コロナウイルスの感染拡大「第7波」が勢いを増す中で、日本最大の民族大移動の時期「お盆」の週がやって来た。今年は行動制限のない久しぶりの夏。東北では大雨被害が心配されたが、3年ぶりの「三大祭り」が始まった。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文がお読みになれます 太陽暦の採用でスライドしたお盆 旧暦にも戻さず「中暦」が定着 インドの「逆さ吊り」が起源 さらに終戦の日が加わって...、 お盆を無視した「勝手に大文字」騒動 新たな生活様式にあわせたお盆 太陽暦の採用でスライドしたお盆 諸説はあるが、コラム本文では「東北三大祭り」の起源はいずれも「七夕」で、七夕…

  • 加来耕三さん、中西悠理さんと対談 歴史を学ぶ醍醐味とは

    読売新聞本紙の広告企画で、歴史教養番組「偉人・素顔の履歴書」(BS11、毎週土曜日午後8時放送)に出演中の歴史家、加来耕三さんと番組MCの中西悠理さんと対談してみませんか、と誘われて、ふたつ返事で引き受けた。番組を見ていただけでなく、加来さんの著書の何冊かには目を通し、コラムのヒントもいただいている。才媛の中西さんも「歴史を勉強中」とはご謙遜、新鮮な視点が面白かった。 対談をまとめた広告には収容しきれない面白い話がほかにもたくさんあった。もったいない! お二人の許可をいただき、コラム番外編として公開することにした。なお、話の内容に合わせて発言の順序などは再構成している。 読売新聞オンラインのコ…

  • 13人が出そろった直後に13人ではなくなった「鎌倉殿の13人」

    北条義時が主人公のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、大泉洋さんが演じた源頼朝(1147~99)が退場し、後半戦に入った。タイトルの「鎌倉殿」は鎌倉幕府の将軍で、「13人」は頼朝の死後、若くして後継者となった2代将軍の源頼家(1182~1204)を支えた宿老を指すことは改めてドラマの中で説明された。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文がお読みになれます 13人がようやく出そろった 13人の人選をしたのは北条時政か 13人が一堂に会した記録はない 1年ももたずに崩壊した合議制 13人がようやく出そろった ドラマ開始時に公開したコラムでは、13人のうち3人の…

  • 安倍元首相の殺害を過去6人の宰相殺害から考える

    奈良県で参院選の街頭演説中だった安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。憲政史上最長の在任記録を持ち、首相退任後も自民党最大派閥の 領袖りょうしゅう だった政界の中心人物が、選挙期間中に銃殺された衝撃は大きい。 銃撃したのは奈良市に住む無職、山上徹也容疑者。立場や主張の違いを超えて、与野党や言論界、メディアなどが一斉に「卑劣な言論封殺は断じて許されない」と声を上げ、凶行を非難した。今回の事件が民主主義後退のきっかけになってはならないからだ。 読売新聞オンラインの記事全文 ↑読者登録をすると全文お読みになれます 戦後初めて首相経験者の殺害が起きてしまった 過去の動機も必ずしも明らかではない 「民主主義の危…

  • 選挙の後に不要論…参議院はなぜ必要とされたのか

    参議院議員選挙は、当初の予想通り与党の大勝という結果となった。選挙戦の終盤戦で安倍元首相が狙撃され死亡するという予期せぬ事件が起きたが、選挙結果には大きな影響を与えなかったようだ。 当選した議員の顔ぶれを見て、SNSには「参議院不要論」を説く人が増えているのは、やや不思議な気がする。当選した人が議員にふさわしいかどうか、議論するのは構わないが、当選者は不正をしたわけではない。筆者は参議院不要論を否定する気はないが、良くも悪くもこれが民意である以上、「こんな人が当選するなら参議院はいらない」というのは筋違いだろう。 参議院が「衆議院のカーボンコピー」とやゆされ、存在意義を問う声が出ていたのは最近…

  • 名将ではなく優秀な経済官僚だった河井継之助

    コロナ禍の影響などで公開が3度も延期された映画『峠 最後のサムライ』が公開された。原作は司馬遼太郎(1923~96)の同名小説で、主人公は役所広司さんが演じる越後(新潟県)長岡藩の家老、河井継之助(1827~68)。戊辰ぼしん 戦争のなかでも最大の激戦とされる北越戦争で、数に勝る新政府軍をさんざん苦しめた幕末の風雲児だ。映画を観たうえで、継之助の決断について考えてみた。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読売新聞オンラインに読者登録すると全文お読みになれます 非戦から開戦に…藩内は一枚岩ではなかった 藩政改革で戦力を過信? 継之助は名将ではなく能吏だった 職業訓練や格差是正…いまでも通用する経…

  • 後白河法皇は本当に「日本一の大天狗」なのか

    NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の6月5日放送回「義時の生きる道」で、西田敏行さんが演じた後白河法皇(1127~92)が天寿を全うした。ドラマでは通説に従って大泉洋さんが演じる源頼朝(1147~99)が、法皇を「日本一の 大天狗おおてんぐ 」と呼んだエピソードが紹介された。 後白河法皇(出典:ColBase<https://colbase.nich.go.jp/>一部加工) 頼朝が法皇を「日本一の大天狗」と評した話は鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』などにも登場するが、本当に頼朝は法皇を「大天狗」と呼んだのかどうかについての学説は割れている。背景には、「治天の君」としての法皇の政治手腕に対する評価…

  • 映画『大河への道』が描かなかった真の主人公の悲劇

    映画『大河への道』が封切られた。原作は立川志の輔さんの創作落語。郷土の偉人、伊能忠敬(1745~1818)を主人公にした大河ドラマの実現に奮闘する千葉県香取市役所の職員と、忠敬の日本地図を巡る秘話を、現代と江戸時代とを行き来しながら描く。映画をもとに地図完成までのいきさつを振り返り、映画では描かれなかったその後の悲劇を記してみた。 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読者登録しなくてもワンクリックで全文お読みになれます 忠敬が主人公かと思って映画館に足を運んだ人は、忠敬の顔に白い布がかけられる冒頭シーンを見て驚いたのではないか。物語は忠敬の死後に「大日本沿海輿地よち全図」を完成させた幕府天文方の…

  • ロシアのウクライナ侵略の「終わらせ方」と大坂の陣

    ロシアのウクライナ侵攻は、出口の見えない戦いになりつつある。ロシアの軍事・安全保障問題に詳しい東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠さんはテレビ番組で、ウクライナが非武装化に応じれば、「大坂夏の陣になる」と解説した。防衛省防衛研究所主任研究官の千々和泰明さんも、『戦争はいかに終結したか』のなかで、「相手が和睦の条件を正しく履行しないかもしれないと考えれば和睦は成立しない」と指摘し、その例として大坂の陣をあげている。 読売新聞オンラインのコラム全文 ↑読者登録すると全文がお読みになれます ウクライナと大坂を比較する是非 戦いの帰趨を決めた冬の陣の和睦 内堀が埋められた真相 甘い言葉には…

  • 「鎌倉殿の13人」上総広常はなぜ頼朝に殺されたのか

    上総広常(国立国会図書館蔵) NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の4月17日放送回「足固めの儀式」で、佐藤浩市さんが演じた坂東武者、 上総広常かずさひろつね (?~1184)が、大泉洋さん演じる源頼朝(1147~99)によって粛清された。ドラマでは、頼朝の鎌倉追放を画策した御家人たちを監視するため反頼朝派に潜入しただけなのに、謀反の失敗後に中心人物の 濡ぬ れ 衣ぎぬ を着せられ、頼朝の命を受けた梶原景時(1140?~1200)に殺されてしまう。 SNS上には「頼朝が嫌いになった」といったコメントがあふれたが、広常誅殺の史実はどうなっているのか調べてみた。 読売新聞オンラインのコラム本文 ↑読…

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今につながる日本史+α
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