予感
* 雲澱む雨の予感のなかにさえ慄いてゐる三輪車たち さよならといえば口まで苦くなる彼方のひとの呼び声はなし カリンバを弾く指もて愛撫するわが身のうちのきみの左手 ゆうづきの充ちる水桶ゆれながらわれを誘う午後の失意よ 手鏡を失う真夏・地下鉄の3番出口写したまんま 夏帽よさらばひとりが立ちあがるうすくれないの片隅のなか 黄泉あらばぼくのなまえを送りたいいまさらにただすべてを忘れ 陽のごとくぼくを苛むきみならば愛してやろう憎んでやろう 血と砂の交わりばかり戦場が頭蓋蝕む真昼の余韻 * 〇歌論のためのノート 抵抗文化としての短歌(1)/清原悠の『抵抗の文化を育む教育はいかに可能か?』に≪スベトラーナ・…
2023/08/30 15:07