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  • 犬を裁け──来月の出版物

    来月の出版物です。過去に書いた中篇小説と、いままでエッセイから完成度の高いものを撰んで収録しました。小説『ソクラテスという名のポン引き』は収録見送りです。いつか、だれかがリライトしてくれたらとおもっています。 www.seichoku.com

  • 小説にさようなら。(出版告知)

    きのう、師匠である森忠明より「(文藝は)短歌一本に絞れ」といわれた。ということでほかの形式の作品を完成させ、「さよなら」をつげることにした。まずは小説。長篇を完成させ、掌篇も入稿した。どう読まれるかはわからないが、これらがいまできる、おれにとっての最高の作品であるのはまちがいない。 以下のリンク先で全文立ち読み可能だ。一読してやって欲しい。それがわたしの小説への供養にもなる。次は最後の詩集だ。来年にはだすだろう。 長篇小説「裏庭日記/孤独のわけまえ」 www.seichoku.com 掌篇小説集「夜でなく、夢でもない。」 www.seichoku.com

  • かげふみあそび

    * タンポポの花が砕けてちる跡に城が建つかと見守る猫よ 老母はわれ捨て去りぬ七月の蛇に睨らまるかげふみあそび きら星もあめりか製か運命の時制誤う考古学かな 心臓の澱に漂う過去たちと揺るる午前の月が消えゆく 子供靴発見したり真夜中のサービスエリアひとかげもなく 窓口のおねえさんらが問いかける小さな邦の映画論なぞ 薬屋の濁れる窓よ夕陽にて薬剤師らのおもざし固く 花がないがしろにされた区分でおれはあなたの歌を忘れた ただわれも踊ってみたいこの夜の鈿女(うづめ)もいない岩戸のまえで 天唇の綻び見たり夏の夜の光りのなかで茗荷刻みつ 夏草の萌ゆる地平よわれは去る草刈り鎌の眠りのなかで 移転せし図書館遠く酢…

  • 文章における美意識、あるいはそのほかに対しての射精(2011)

    ひさしぶりに現代詩フォーラムを見て 特に意味はないが、この文章を元同級生ハセガワ・マイに捧ぐ ほんの少しのおふざけと息抜きのために あるいは悪文の手本にどうぞ ちくしょうめ。雨がやんでしまった。雨のリズムを糧にしてものを書いていたというのにだ。そのために短篇が四本も澱んでしまった。またしても遠いところに来てしまったようだ。これではなにもできない。わたしは筆をとめ、息を吐く。げろを吐くように吐く。雨はなし、金もなし。 というわけで気晴らしにこれを書き始める。ひどい文章とは読まないまでもわかるものだ。それはたいてい入り口たる題名からしてでたらめで見栄えがわるい。本文を見れば行わけはおざなりで、段落…

  • 両手にはなにもなくて

    www.youtube.com * 訪れるわが世の終わり卑語にすらたじろがずにはおられぬ母よ 神学者警官妊婦酔っ払い黒一色の信号機たち 花にまみれ、なぜか悲しい横顔は朝顔市のなかの泥棒 ざくざくと剪らるる枝よ心地よく死ねる場所さえあればよし ひとが飛ぶ翅さえあればおれだって云々かんぬん閑話休題 ふり返る貌はかの女でなかったね かげりゆくなりわが誕生日にて おもさがあるだけで 存在するとはかぎらない夏の街 着古した制服ばかり透明な夏の花櫚を撃てよおまえは 製造過程ひとつ忘れて耳のない象のおもちゃがいまを切り裂く じゃぼんという音が跳ねて気づくとだれもない浴槽にわれひとり ぬくぬくと毛布のなかでく…

  • おれが愛にきづいたとき、その愛がおれに語ったこと

    www.youtube.com どこか見憶えのあるような、 なだらかな空気のなか硝酸系の毒物を蒔く 愉しそうな子供たち、大丈夫もう終わりだから 地下鉄工事の終わらない夏休み 眠れない夜をいくつもいくつも数えた、 だけれど、それ、ぜんぶ終わるから。 だから緊急脱出ハッチにはふれないでおくれ かれらかの女たちはぜんぶきみのもの きみがわたしを閉め出すための舞台装置 きみはきみのなかに拒絶を孕んだ、もちろんこちらにむかって わたしに預けられたはずのあかるい未来、そして来なかった未来、 ガラス戸のむこうでいまも存るかも知れない未来について考えるのはもうやめだ 計画はみんな中止、 愉しみはぜんぶ忘れろ …

  • ささやかな願い

    * かつてまだ清きわれなどありはせず水桶ひとつ枯れて立つのみ 大粒の汗ながれたりおもづらに不安が充ちる拳闘士かな 別離のほかに道などあらず静脈の畔に集う農夫のふたり うすらびのかなたにきこゆ声ならば耳をすまそう裁きのなかで けつまずく犬よ死人の貌に似た門扉のまえで吼え声もなし はるかなる他者のなかへと読まれつつ忘れられゆくわればかりなり ゆうやみにふかづめ光る花のごと凋れるおもい抱えきれない 暗渠を走るたましい欲すやりばなきおもいの幾多星に似てをり あじさいのなかで女がたちどまる声なき雨季の果てのはてまで よるべとは夜の廚か明滅の最後の光りきみへあげるよ かげが降る存在たりしものあれば窓より眺…

  • 輝きは祈りのなか

    * 旅に酔うわれの頭蓋を飛びながら夏を知らせる雲の分裂 寂しさを指折りかぞえ駅まえの自販機のみに告げる憂愁 苦悩とは愚者の涙か森に立つ告白以前の影法師たち 雨がいう──おまえは隠者 かたわらに水を抱えて眠る仔牛よ わが魂の未明を照らす犀おれば祈りのすべて忘れ去るかな 堤にて吼える仔犬よきょうはまだ月が見えない夜の始まり しめ鯖の腐る真昼よ夏がまたおはようするんだ樹木のなかで 煉瓦焼も眠れる夜よ教会の尖塔に屯する死者がいる 墓地を歩く墓地を歩む われの墓標なきことへの恐怖もあり 夢に棲む だれかがいったさよならがきょうも聞える雨季の終わりは この真昼 この悔恨をもてあますおれの天使をみな撃ち殺せ…

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