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2019/11/02

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  • 本日のおかず部隊

    粛々と予報の嵐を迎え討つ覚悟を決めつつキッチンに立つ 本日のおかず陣営 ・うっかり海老を入れ忘れた茶碗蒸し ・残りものと高野豆腐の炊き合わせ ・ほうれん草の海苔巻き ・ぶりの煮付 おかず群 週末は全て雪の予想。根雪は確実となりそうだ。

  • 便利×便利=不便?

    お揃いのマグカップとお料理の本 数年前、地域で唯一デパートのある街の店舗が軒並み撤退して、ちょっとしたよそゆき用のお買い物をしたり、あてもなくウインドウショッピングを楽しむ機会がほとんど無くなってしまった。日々の暮らしの実用を足すに困るわけではない。大型ショッピングモールや衣料品、電化製品などの量販店はいくらでもあるし、チェーン展開の外食店舗は今やどの街にも同じ顔で並んでる。 それでも時折ふと、不便とは言えない不便さを感じるのはそうした実用的なお買い物に純粋な娯楽の要素がいまいち足りないせいかなと思う。 デパートのフロアをあてもなくぶらつき、自宅使いにはとうてい似つかわしくない高級食器のディス…

  • 十五夜の月見オムライス

    ぼうすい‐けい【紡錘形】錘(つむ)に似た中央が太く、両端が次第に細くなっている形。つむがた。 紡錘形の事例 薄焼き卵でくるんと巻いたケチャップライスの直球オムライス 我が家の紡錘形はふわとろ卵にデミグラスとか、こっくり濃厚クリームソースとか、バターライスやサフランライスで変化球とか、そういうお洒落な洋食屋さんの創意を尽くした妙技とは無縁の、素朴をまっすぐに投げ込んだ定番オムライスです。 夕食時、外から帰ってきた父がまん丸のお月様がきれいに出てるよと教えてくれる。 十五夜に三日月に似たオムライス浮かべて観るや思いはからず 空と皿に、2つの月見を愉しむ夜でした。

  • アースカラーに抱かれて

    雨上がりの虹を凌駕して余りある色彩の宝庫。北半球の小さな町で今日も季節は揺れています。 地球に滲み入るトタン小屋

  • 粗忽の配電盤、もしくは黒ひげ危機一髪

    私の母は小三治の落語が好きで、毎晩枕元で小三治全集のCDを流しながら眠るという独特の睡眠導入法を嗜む人だが、私の目には母の日常それ自体かなり落語的に見えるので、母は小三治の噺を通して無意識のうちに客観化された自分を笑い、そんな自分を可愛くも好もしくも感じているのだと善意に理解している。 私の母は決して客観的思考の持ち主ではないが、感情の発露が単純で後腐れがなく、正直で率直な性質は、今までのところ彼女の人生をおおむね幸福なものと認識させる自己肯定の基盤を成してきたと思われる。 同じ屋根の下に落語的人物のいる日常というのは、笑いに事欠かずある意味平和で良きことであるとも言えようが、ごく一般的に考え…

  • 月曜は阿修羅の如く

    パーソナルエリアの広いマイペースな生活に慣れすぎて、たまに人口密度の濃い賑やかな街に来ると、滅多に作動しない神経が刺激されて、通り行くすべての道筋から絶え間なく五感に飛び込んでくる情報量の多さにそわそわワクワクから始まってぐったりで終わる、という一連の流れをつつがなく経て昨夜帰還しました。 楽しいひと時を証拠付ける満面の笑みの眼差しに生命体としての覇気が無いのはひたすら体力不足の為せるわざです。 今日はひとっこひとり通らない窓の外でも眺めながらのんびりひとり仕事して過ごしたいと思います。 月曜を阿修羅の如く闘うにはまだまだ軟弱なぐりでした。 左: 宿泊先のホテルのシャンデリアが帰り際、阿修羅像…

  • 旅する魔性の女

    非日常の生まれるところ 今回の旅の主な目的は「プッチーニが描く女たち」と題されたオペラアリアのソプラノリサイタルを聴くこと。 サブテーマが「恋に生きる魔性の女を歌う」ということで、なんだか自分の日常に最も遠いところにありそうな異世界の、新鮮な感動を楽しみにやって来た。 街の中心地の一角に建つ洒落たホールに出現した異世界の中心で愛を叫ぶ週末の午後。マノン・レスコー、トスカ、トゥーランドット、ラ・ボエームのムゼッタと、次々にタイプの異なる女たちの情熱的な愛のアリアがみっちり詰まった濃厚な2時間があっという間に過ぎていく。 オペラならではのざっくりした心理描写で、愛だの裏切りだの駆け落ちだの死別だの…

  • ややこしい朝ごはん

    一晩家を空けるので、昨夜は冷蔵庫の半端ものたちを寄せ集めて文字通り「寄せ鍋」で晩ごはん。食べ盛りのいない食卓に鍋いっぱいの半端ものは当然のように半端に余る。 仕方がないので今朝のごはんは半端もので作った寄せ集めの寄せ鍋の、半端に残った寄せ鍋の余りものを一所懸命片付けて、ようやく出発の運びとなりました。 こんなにややこしい朝ごはんは生まれて初めてです。 いくつになっても初体験に溢れてる。 さて、いつもと違う週末を楽しもう。 看板に偽りのない寄せ鍋

  • 旅に短し散歩に長し

    こんばんは、ぐりです。 明日から旅行というにはあまりに手近な主要都市まで遠足以上旅行未満のおのぼり小旅行に出かけます。 旅に短し散歩に長し。とはいえ平素よりフットワークの重い人間にとって、泊まりがけの外出は遠足前日の小学生なみに気持ちをソワソワさせる興奮刺激であります。 この度も私は3日前から(!)、持ち物の整理に心を傾けていたのだが、先ほど無事に荷造りが終了しました。 出先で起こりうるハプニングに対して想像の限りを尽くして作成した、濃密に凝縮した私の生活必需品のエッセンスがこのバッグひとつにぎゅぎゅっと詰め込んであります。これでようやく眠りにつくことができますが、まずいことに現段階ですでに大…

  • そのしっぽ全部いただきます

    揚げたては下手を隠して自惚れる初雪に舞う酔の美味さかな おうちごはんのご馳走四天王「揚げたての天ぷら」 お皿に残った海老のしっぽを見ると、なんだか放っておけない無駄な母性が沸いてきて、つい「そのしっぽ全部いただきます」と綺麗にさらってぽりぽりする私を、私の家族はただの尻尾好きの食いしんぼうとしか見做していないところが同床夢異の切なさよ。 母性も深すぎると消化に悪いので食べ過ぎには要注意。

  • 諸行無常の変幻デコレーション

    午前中、微かな陽射しに意を決した両親が揃って庭仕事に精を出す。多年草の草花や庭木がそれぞれ安全に冬を越すための雪囲いを不器用な共同作業でしつらえていく。1時間ごとに暖を取るため家に戻って甘酒やホットミルクを飲んでいく。 お昼前に作業を終え、全身満たされた様子で食卓を囲むひととき。せっかくクリームシチューを温めたのに、父は非常用にストックしてあるカップ麺が食べたいという。ヘルシーなおうちごはんに飽いた父はしばしば子どものようにジャンクに走る。少しでも元気に長持ちさせようという娘の心、親知らず。 ま、いいけど。 冬支度が済むが早いか午後から気合の入った本気の降雪が世界を変える。 父母が着せた小さな…

  • 今朝の御汁〜シジミージル•オオブリスキー

    今朝の御汁の具は貝好きの父も喜ぶ大ぶりのロシア産しじみです。 普段のお買い物はできるだけ地元産を贔屓に買うのだけれど、このシジミったら隣の地元産より明らかに大ぶりで新鮮でお値段も手頃。こういう些事に限って欲張りでけちんぼうになる私の食指が思わず動く見事なマーケティング。 露西亜の海も地元の海も所詮漁場は同じゃないの?って両者の体格差に若干複雑な哀れを感じつつ、今回はロシアン•オオブリスキーを選択。 我が父よ。一晩欠けて丁寧に砂出ししたシジミージルに、極東の海の辛酸を知る大人の滋味を得よ。 赤出汁じゃなくてゴメーんね。 チャイコフスキーを聴きながら。手作り味噌のしじみ汁。

  • 家路を惑わす「嫌よ嫌よも好きのうち 」

    初雪 白雪 粉雪 小雪。 この音の響きのうつくしさよ。いかにも透明で清純な文字の形よ。 今朝の初雪にまるまる好きに弄ばれた感のある1日が終わり、寒い寒いと言いながら出先からの帰り道、移動中なんども車を降りては真新しい景色にカメラを向けてほうっと白い息を漏らす。 冬なんてほんと長くて暗くて重っ苦しくて大嫌いなんて独り毒づいたそばから、いつもと違う山道にわざわざ遠回りしたりして。 よし。「嫌よ嫌よも好きのうち」は初雪限定で認めよう。 それ以外の「嫌い」なもの及び人に関しては、一切の妥協も二言もない、残りの全生涯をかけた誠心誠意•正真正銘の魂の叫びであることをここに誓います。 家路より 犬も歩けば棒…

  • 令和元年11月6日「初陣」

    北の大将 初陣 先陣を切って朝の静寂を斬る

  • 甘酸っぱい女王の風格と憂鬱

    午後、危なっかしい晴れ間がときおり顔を覗かせるなか、食後に果物の欠かせない父の誘いで両親が連れ立って家から往復3時間もかかる古譚の山奥にある秘境の果樹園までドライブがてら出かけて行き、留守番を任された長女の心配をよそに元気いっぱいで帰還して、あれよあれよと甘酸っぱい香りと満足げな父の気配が玄関じゅうに立ち込めた今日の夕暮れ。 むせ返るような豊潤な香りに奇襲された幸福な玄関に鎮座する女王さま。 「林檎」 時に愛や幸福の象徴とされ、一方で誘惑や後悔の象徴とされる魅惑的な果実。 自分にとって大切なものが明確になるに従って、不安の影もはっきり見えてくる。 時の流れと共に積み重なって行く幸せのかたちと表…

  • 侘び寂びの女たち

    コーラス本番当日。 朝、いつも通りのルーティンをこなし、いざ会場へ。相変わらず優柔不断な空模様だが思ったより気温は高く穏やかな風の通りが心地よい。 まぐれ当たりのルーレットみたいな晴れ間が辺りを一瞬をかすめて、常緑樹と紅葉のコントラストが寂びた背景に映えてしみじみ美しい。 午後3時半 ステージ終了。 女盛りをとうに過ぎたメンバーによる「身の丈に合った」歌声もまた、不断の努力と心を一にした一瞬の輝きをもって、幾らかの心ある聴衆の耳に静かな侘び寂びの旨みを届けたに違いない。 雨の切れ間のわびさび🍁 雨けぶりし遠目に見れば、水もしたたる好い建物に見えなくもない

  • エイジレスなMy Favorite Things

    When the dog bites 犬に噛まれたり When the bee stings 蜂に刺されたり When I'm feeling sad 悲しくなったりすると I simply remember my favorite things ただお気に入りのものを思い浮かべるの And then I don't feel so bad それで気分はずいぶん良くなるわ (『The Sound of Music・My Favorite Thing』-Julie Andrews /意訳 ぐり) こんにちは、お役立ち情報とは無縁のブログ執筆者ぐりです。 『私のお気に入り』(ぐりver.) お風呂…

  • 幸福の黄色いお供たち

    こんにちは、ぐりです。 この世に色味は数あれど、真白なごはんに幸せ添える 小さなお供の力や偉大。 たまご色の満月を想い描いて、吉兆を招く土曜日の食卓 鳥の巣感が否めない大胆な構図 今夜はハードボイルドじゃなく とろとろのきみと絡みたい 遅れてきたハロウィン🎃砂糖醤油に絡めたかぼちゃ団子

  • 文化的コレクトネスの「刺身3点盛り」その他

    霜月の 朔何か ありさうで (佐藤鬼房)※朔(=ついたち) 霜月朔日、目覚めた途端もう寒い。昨日までかろうじて晩秋を演じていた役者たちが月末をもってこれにて楽日とばかりに衣装を脱いであっさり舞台を去った後みたいに粛々と寒い。 確実に湿度を減らした冷たい雨が窓の景色を烟らせる。ビジュアルからしていかにも寒い。 生粋の北国育ちだが寒さにはめっぽう弱い。何しろここは幾重もの断熱材でがちがちに守られた要塞の、ぬくぬくに暖房の効いた部屋の中でハーフパンツにTシャツというハッピーな南国スタイルで食後にアイスクリームを食べるというのが文化的コレクトネスとされる地域だ(嘘)。 寒い冗談はさておき、今日は朔日。…

  • ちいさな秋にさよならを

    午前中、町民文化祭に参加する女性コーラスの舞台リハーサルが無事終了。昨夜の甘い作戦が功を奏し、すんでのところで風邪っぴきを免れた。 20年前、母が音楽好きの仲間と一緒に作った女性だけの小さな合唱団。今では平均年齢が軽く70歳を超えたこのサークルに、最年少メンバーとして加わってはや5年。合唱なんてそれまでこれっぽっちも興味なかったのに、まるで狐に摘まれたような気分。なのにいつの間にかロングスカートと白ブラウスの衣装にすっかり馴染んでしまった自分が不思議。 今回歌うのは「ちいさい秋みつけた」と「ふるさとは今もかわらず」のふたつ。 選曲はいつも旋律が綺麗で聴き覚えのあるものばかり。無理に難しい組曲な…

  • 甘さで攻めるぐりの兵法これ如何に。

    手作り甘酒ときのとや「森の忘れもの」 朝から小刻みに変わる情緒不安定な空模様に振り回されて、大荷物が予想される買い物に出かけるか否かぐずぐず迷っているうちに、迷い無き時計の針はぐるぐると回り続けあっという間に正午過ぎ。もはや機を逸したなと私が諦めるのを見計らうように重苦しい曇天が一斉に晴れて、まっすぐな天上の陽射しがリビングの窓辺に眩いばかりに差し込んでくるものだから、朝からぐずぐず一辺倒のぐりはもうぐうの音も出ない。 こうして気持ちの焦点が揺れてなかなか目標が定まらず、敏捷に身をこなせない日というのがままあって、こんなのが季節の変わり目に罹りやすい風邪の前触れだったりする。 私は時々面白いほ…

  • 文明のぬるい水、灯油ボイラー死す

    経年変化・・・年月が経つ内に製品の品質・性能が変化すること。特に摩耗・腐食などで性能が劣化すること。また時間の経過とともに住居が損耗すること。 出典:デジタル大辞林(小学館) こんにちは、薄氷の便利にまんまと踊らされている現代人ぐりです。 突然ですが我が家の灯油ボイラー(石油給湯器)が耐用年数超過の経年劣化のため急遽使用不能となり、昨日の明け方よりお湯が一切使えない状況となっております。突然落とされた薄氷下の水の冷たさに多少の困惑はありますが、これを不便と嘆くのも憚られるほど今なお全国の被災地でご苦労されている多くの人たちの存在を思えば、あまりにも微々たる事件であります。 というわけで、故障発…

  • 尊敬する準備はできている

    小さなおかず〜小松菜とゆで卵の煮浸し 10月28日(月) 本日のメニュー ・五目寿司 ・ニシンの※かまくら焼き ・小松菜とゆで卵の煮浸し ・大根なます ※かまくら焼き・・・魚を醤油、お酒、みりんを合わせた甘辛いタレに一晩漬け込んで焼いたもの。地元では鮭のかまくら焼きが定番。 失われたロールモデルを求めて幾星霜。プルースト、失われた時の長さよ。 こんにちは、いまだに世間知らずと呼ばれる女ぐりです。 他人に世間知らずとおっしゃる人の世間がいかほど広いかは知らねども。 一つの人生を選択的に経験すれば他の人生を経験する機会を同時に失うというのは、意外と指摘されない事実だと思うのだけれど、自己の経験をも…

  • こんな小春日和の穏やかな日は

    久しぶりに両親と休日ドライブ。 菊日和の晴天のなか、広い広い平原をどこまでも東に駆け抜けて、辿り着いたは大きな通り沿いの森の一画に佇む某美術館。ここで開催中の北斎展を観賞するのが本日の主な目的。 遠くの街で忘れかけてた「ひとやすみ」に出遭う。 そんな名前のついた小径をゆっくり歩いていたら、突然目の前に目が眩むほど鮮やかな一面の紅、紅、紅。 ダメよだめよと思いつつ、ひとやすみを一休みして焦るようにシャッターを切る。 ああ、この透き通る秋色はどうしても私を休ませはしないのだ。 いい名前の小径哉 児童館前の紅葉に目が醒める いいかたちだな。 小春日和の青空 何度も立ち止まり来たみちを振り返りつつ 最…

  • 激辛エスカレーション、もう何も辛くない。

    辛いは「からい」のほうです。もともと何も「つら」くはありません。 こんにちは、もはや違いの分からなくなってしまった女ぐりです。 今日は家族にすら公にしていない私の秘密の修行について、気づけば読者さん174人(26日15:00現在)という思いがけない喜びに感謝してこっそりと綴ります。 ある日、淡白に偏った食生活にもう少しキリッとした大人の女性のスパイシーさが欲しくなり、家にあった数種のスパイスを用いて辛さに強靭な舌を作る修行を始めることにした。 私の両親はハナからそんなアヴァンギャルドな挑戦に付き合ってくれるほど甘くはない味覚に保守的な方々で、特に母などはあなた胃腸が弱いくせに何してんのといっそ…

  • エンプティダンプティー

    10月25日(金) 本日のメニュー: ・石狩鍋 ・鱈の煮付け・冷やしトマト 今日の私はエンプティ 朝からソファーに座ってたら 大きなダンプがやってきて 引っ越し業者のお兄さん ソファーをぜんぶ持ってった ダイニングチェアも運び出し お家の中はすっからかん 椅子もソファもまとめてリフォーム 生地の張り替え1ヶ月 聞いてた予定もすっからかん 脳内メモリーエンプティ すっからかんの部屋と私 お仕事たくさんあるけれど エンプティダンプティ 溜まった疲れが癒えるまで しばし元には戻らない 今夜は早めにおやすみグンナイ

  • 腹が決まるとき

    「今日は食べすぎちゃったな。よし、明日から本気でダイエットだ!」とか「うわ。朝からめっちゃ気持ち悪い。もう二度と酒なんかのまないぞ」とか、 「んもう。こんなダメ男、今度こそ絶対に別れてやるっ」とか 思ってる人も思わない人もこんにちは。意志薄弱にして優柔不断の隊長ぐりです。 経験上、本当に何か「腹が決まる」ときには、普段何気なく口から垂れ流しにしている軽薄な決意表明なんかとはまるで違った音が、実際に腹の底からグオゴゴゴ・・・みたいな感じで全身に鳴り響くような、そんな感覚がある。 どこにも甘さのかけらもない本気の意志が「決まった」時、すでに目標は達せられたのと同義である。 本気のダイエットと自己弁…

  • 緩やかに下降する私の右耳

    先日、行きつけの眼鏡屋さんから連絡がありオーダーしていた商品が届いたとのこと。ついては実際に装着してフィッティングをしたいので手隙の時間によろしくご来店いただきたいとの旨。翌朝さっそく受け取りに向かう。 ちょうど1週間前、詳細な視力検査の末、私の右目の強度な斜位を見極めて、ひ弱な内直筋をサポートするためのプリズムレンズを処方してくれた腕利き店長のKさんが、今回もこちらが根をあげるほどの徹底ぶりで丁寧にフィッティングをしてくれた。 遠近両用と近々用にしつらえた2本の眼鏡のそれぞれにたっぷり時間をかけ、頑固な職人よろしく私の顔面の前後左右および側頭部における傾きを舞台役者みたいな同作で一つ一つチェ…

  • 自然と野生と畏れといのち。

    10月22日 国民の祝日 「即位礼正殿の儀」 本日のメニュー: ・あさりの炊き込みご飯 ・カレイの煮付け ・さつま芋としめじの昆布煮 ・タコの酢の物 ・白菜ときのこのかきたま汁 こんにちは、ぐりです。 私の住んでいるところは町全体がぐるりと山に囲まれた盆地に拓けた小さな市街地で、半径500m圏内でおとなしく日常の用を足す限り視界に新しい刺激や驚きはほとんどなく、ただ遠く連なる稜線を仰ぎ見て平坦な時間の流れるがまま身を任せるのが常なのだが、時々こちらが思いもがけないタイミングで、見えない境界線を越えてきたあちら側の生き物が、人の暮らしの真ん中に突如現れて度肝を抜かされることがある。 薄暗い早朝の…

  • 「いいもの」

    豚ヒレ肉の味噌漬け焼き&きのこソテー こんにちは、ぐりです。 正午過ぎ、本州の最南端に住む妹と久しぶり(といっても1週間くらい)に長電話をする。彼女は結婚後ずっと専業主婦をしているが、いつもおうちの中で森の梢の小鳥のようにくるくると忙しい。時々疲れて目が回り、ばったり寝込んだりもする。旦那さんの仕事の都合で数年ごとの渡り鳥だが、どこにいても夏と冬には日本最北の実家まで遠路はるばる羽を広げて帰巣する。 今日もまた、そう遠くない将来にたぶん引越しをするというので、早めに始めた荷物の仕分けと算段にここ数日かかりきりでどっと疲れたとのこと。おそらくその時間の大半は彼女専用のクローゼットに過積載されてい…

  • 汚れちまいたい純情に

    こんにちは、ぐりです。 昨日まで実家の上空に広く居着いていた執拗な雨雲が去り、朝からすっきりとした青空が紅葉の進む晩秋の木々に清澄な明るさを添えています。 小学生の頃、雨の日や寒い時期には、子どもたちは昼休みや放課後にみんなで体育館に集まってよくドッジボールをして遊んだものだが、令和時代の子供たちは今もドッジボールなんて遊びをしたりするのだろうか。 今でこそスポーツとはほとんど縁のない暮らしをしている私だが、子どもの頃は球技が好きだった。町内会のソフトボール大会で上級生の男の子たちに混ざってスタメンでバットを振ったり、ミニバスケットボールチームに2年ほど所属したり、お遊びとはいえクラスでチーム…

  • プロフェッショナルな野暮と洗練〜『六花亭』の甘味たち

    冷たい雨の降りしきる中、午後から父の囲碁仲間が来るというのでお茶請けに六花亭の季節菓子「新米大福」を用意して待つ。 こんなアンニュイな気分を誘う日には家にこもって静かに晴耕雨読と行きたいところだが、毎日のおうちごはんを預かる身にとって、週末の買い出しは兎にも角にも翌週の兵糧を確保するための最優先事項である。腹が減っては読書もできぬ。私は優雅な有閑マダムのアンニュイを諦め、慌ただしくコンパクトカーのコックピットに乗り込んで、家から40分ほど北の先にある「本日5%サービスデー」の大型スーパーを目指して激しい雨飛沫のあがるアスファルトをささやかなスペックのエンジンを全開に駆け抜けた。 助手席にひとつ…

  • こんにちは、ぐりです

    チョコレートの海で泳ぎたい妹と、米つぶのビーチに寝そべりたい私。 チーズケーキの枕に顔を埋めて眠りたい妹と、焼き鮭の抱き枕にすがって眠ってみたい私。 日曜の朝はパンケーキの妹と、白いごはんに安息日なんてない私。 食後のスイーツは別腹の妹と、シメは茶漬けかおむすびかの私。 みんなちがって、みんないい こんにちは、ぐりです。 年の離れた妹は、自分にとって必要十分な楽しみ方をよく知っていて、何につけ独特の遊びで自身を満たすことができる。 彼女は時おり趣味のピアノでお気に入りの曲を弾くのだが、初めから終わりまで通して演奏することはごく稀である。自分の好きなフレーズだけを、おかしくなったレコードのように…

  • 「かもしれない思考」のススメ

    こんにちは、ぐりです。 タイトルに「ススメ」とありますが、諭吉先生の啓発的「ススメ」のような立派なススメではなく、正確には『「かもしれない思考」の(まま)ススメ!』という、自身を鼓舞する応援歌のつもりで書きました。強いて言えば「およげたいやきくん」の勇気と無謀に近しい心情です。 この一文から人生の重要なヒントが何か透けて見えてくるかもしれないし、そんなのあるわけないじゃん、かもしれません。 20年ほど前、大学を卒業したばかりの私はそろそろ自分専用の実印を作ろうと、近所のお宅に出入りしていた「占いのできる印鑑屋」さんに開運判子の作成をお願いしたところ、その日が初対面だった印鑑屋さんが私の知らない…

  • お好み焼きのヘラで作る、せっかちな卵焼き

    雲ひとつない澄み切った青空 足跡ひとつない広大な雪原 汚れひとつ知らない天使のような新生児 翳ひとつない鏡のような月夜の湖 そして 焦げ目ひとつないふわふわの黄色い卵焼き さういふものを わたしはたべたい こんにちは、ぐりです。 年の離れた妹は小さい頃から甘い卵焼きが大好きで、毎日まいにち飽きもせず喜んで食べてくれたので、せっかちでめんどくさがりの私も、毎日まいにち作っているうちに完成した10年越しの「焼き方」です。 使う道具はフライ返しに非ず。お好み焼きのヘラ(コテ)が私の手のひらとおうちの卵焼き器に見事にジャストフィット。表面なめらか、中身ふわとろ。 こっくりとした真黄色の卵焼きができると…

  • 私の右目はシャイ(斜位)なのだそうです。

    連休最後の午後、最近めっきり目が悪くなったような気がして、久しぶりに行きつけのメガネ屋さんで視力を測ってもらうと、いつも人当たりのよい話上手の店員さんに「あなたは典型的なシャイですね。」と言われた。 唐突に図星を突かれ驚いた私は思わず「どうしてわかるんですか?」と尋ねると、彼の返事は「実は僕も同じタイプなのでよくわかりますよ」と。彼は最近この支店の店長に昇進した。 以前から仕事のできる人だなあと思ってはいたけど、見かけによらず恥ずかしがりなんだ。それにしてもこの人、視力検査で性格まで見抜くことができるのか…店長おそるべしと一瞬信じそうになったけど、待てよそんなことあるわけないとよくよく話を聞け…

  • 着たい服・着るべき服・着てはいけない服

    四十にして惑わずなんて、そんなのとても無理だ。 小さい頃からよく迷子になる子どもだった。40を超えて久しい私は、ゆく川の流れの絶えずして、昨シーズンまではたしかに素敵に着こなせていたはずのスカートがある日突然似合わなくなるといった、あまたの現実に直面してよりいっそう迷走している。 世界的なファストファッションの浸透でここ十数年でファッションのエイジレス化が進み、もはや服装だけで年齢を判断しては見誤るケースも増えつつある。 父と息子が同じメーカーの色違いのシャツを身につけ、母と娘がしばしば互いの洋服を共有し、同じお店でお買い物を楽しむなんてこともそう珍しくはない。 だからつい、自分好みの洋服を妄…

  • 地味だけど滋味なもの〜きのこ尽くしの寄せ鍋ともずく酢

    きのこ尽くしの寄せ鍋 小さなおかず〜もずく酢 今季最大級の台風が来るというので、本州のはずれの遠い海の町に住む家族たちの様子が気がかりな1日を過ごす。夕方電話で無事を確認してまずは一安心。 ほっとしたら急にお腹が空いてきた。 私にとって家族を想う気持ちは決して情熱的でもロマンチックなものでもなく、当たり前の習慣に満ちた地味だけど滋味深い料理みたいなもので、どんな時も腹の中心がぐっと落ち着く間違いのない味がする。 今宵、代わり映えのしない少し甘めの三杯酢と柔らかいきのこのだし汁の、実にさっぱりとした滋味もまた掬すべきと改めて思う。 【ファンケル】北海道産玄米100%使用!発芽米お試しセット♪

  • 心ここに在らずのセルフセラピー〜合挽き肉のハンバーグプレート

    合挽き肉のハンバーグ 昨夜から慣れないブログの設定作業に夢中になっていたらお昼を過ぎたあたりで頭が朦朧としてきた。そろそろ晩ごはんの支度をしなくちゃならないんだけど、集中の糸が一気に緩んで食材を見てもなんだか心ここに在らず。仕方ないので無心で肉を捏ねながら疲れた神経を癒そうと思う。 <手順> ① 無心で玉ねぎを炒める ② お肉と一緒に無心で捏ねる ③ 焼く ④ハンバーグセラピー終了 つけ合わせに緑のサラダとポテトのサラダ、メインのハンバーグが思ったより小ぶりのため間抜けな余白に目玉焼きも加え体裁を整える。 ワンプレートで無心に遊ぶ、ちょっとした盛り付けアートセラピーで大団円と相成った週末のごは…

  • 白いごはんに合うバンド、スピッツの新しい魅力「見っけ」

    ゆめぴりか スピッツの3年ぶり通算16枚目のオリジナルアルバム『見っけ』が今朝届いた。 日一日と秋も深まり、収穫の季節がなぜかしっくりくるバンド。スピッツの音楽は炊きたての白いごはんに似ている、と思う。 どんなお腹にもよく馴染み、消化に優しく腹持ちもいい。長きに渡り疑う余地のない不動の主食でありながら、その存在感は合わせるおかずに常に寄り添って実にさり気ない。主張は決して派手じゃない、けれど決して弱くはない。 和洋中、変幻自在にどんな風にも調理され、手を替え品を替え多くの人々に愛され食べ継がれ、いつの間に独自の世界を切り拓いていく。がっつりつゆだくの牛丼から米粉のパンにだってなれちゃう。 流行…

  • 残りものは福の味〜キャベツと豚肉の塩バター炒め

    小さなおかず キャベツと豚肉の炒め物 残り物には福がある うん、そうね。きっとそうね。そうだといいよね。 〈材料〉 キャベツ 豚肉 バター ひとかけ 塩こしょう 適量 白ごま 少々 〈作り方〉 ① フライパンにバターを溶かし、ざく切りにしたキャベツと一口大に切った豚肉を水分が飛ぶまでザクっと炒める。 ② 塩こしょうで味を整える。お好みでみりん・醤油など。 ※ 仕上げに白ごまをふる。バターをちょい足しして香り付けするのも◎ なんだか書くまでもないけど。 全部残り物だけど。 来た来た、来たよー。 残り物の福が来た。 お酒の肴にも良き一品。

  • 揚げ野菜で盛るフェイクなハヤシライス

    とびきり美味しい新玉ねぎを20kg頂いたので、久々にハヤシライスを作った。 ちょうどお肉が余っていたし、玉ねぎたくさん使えるし、白いごはんも進むでしょう。 さっそく使いかけのルウの箱を取り出して材料を確認。 〈材料〉8皿分 本品 1箱 牛肉 200g …う…うし …牛ですか。 まいったな、今うち豚しかないんだけど。 ま、フェイクなハヤシということで気にせずいこう。 基本的にハヤシライスの材料ってお肉と玉ねぎのみ。せいぜいマッシュルームが入るくらいでなんだかそっけないというか潔いというか。 じゃが芋も入らないので残っても手軽に冷凍できる点は少食家庭にはありがたい。 さて、飴色に炒めた玉ねぎの甘み…

  • 規格外ポテトの規格外コロッケ

    新じゃがとうやの大きなコロッケ 9月初旬、秋晴れの週明けに収穫を終えた同級生の農家さんから「でか過ぎてハネたのあるから好きなだけ持ってっていいよ」と言われてありがたく頂戴した大きなじゃがいも。 ノーマルサイズの2倍はある初物のハネものに相応しく、頼もしいサイズのコロッケを揚げる。 食べ盛りのいない食卓にそれはそれは斬新な違和感。 無骨な見た目によらず素朴で繊細な味わいが予想外に新鮮な規格外の大きなコロッケ。ウスターソース派の圧力にめげず、私は断じて醤油で食す。

  • 寡黙な午後の小さなおかず〜さつま芋の塩昆布煮

    小さなおかず さつま芋の塩昆布煮 久しぶりに気の置けない人達と美味しく食べて呑んでたくさんお喋りした夜が明けて、賑やかさの余韻に混ざるちょっと切ない疲労感。 非日常の高揚を鎮めながら黙々と手を動かす午後の台所。 なんとも秋っぽい色味のさつま芋が今日の感じに心地よい。

  • 好奇心は羽ばたかない

    生まれつきの持病があり病院とは切っても切れない間柄にある。 私の身体はどうやら10年スパンで大掛かりなメンテナンスが必要らしく、ポピュラーな風邪など普段はあまりこじらせない代わりに、いったん不調の周期に襲われるとマーヴェリック級のどデカい波に有無を言わさず攫われる。 10代から30代にかけて定期的にイカれたパーツを修理しながらマイウェイなサーキットを細々と走ってきた。しかしいくら私だけの独壇場とはいえ人生のレースがいかなる局面にあろうと、一度警告ランプがつき故障を知らせるアラームが鳴れば何を置いてもピットに戻らねばならない。どれほど取るに足らないレースではあっても、目の前にご馳走が並んだテーブ…

  • 楽譜が読めない女、暗譜ができない女

    同じ屋根の下に楽譜が読めない女と暗譜のできない女が住んでいる。 ピアノを習い始めて2年ほど経つ。と言っても全くの初心者というわけではなく、幼少時代、小学校に上がるまでのわずかな期間母に連れられて自宅から車で40分かかる先生の自宅まで毎週レッスンに通っていた。家庭の事情で2年足らずで辞めてしまったが、その時は先生のレッスンはともかく、母に見てもらう自宅での練習は毎日エンタメ要素のひとかけらもないトムとジェリーの追いかけっこだったので、幼い私はピアノそのものというより無駄な緊張から解放される幸運を天に感謝した。その後の私は母からの逃走劇でならしたエネルギーを深窓のピアノ少女なぞという素敵なキャラ作…

  • 新米ラプソディ2019

    9月某日 雨上がりの午後、平たい盆地の真ん中を一直線に伸びる長い道路の脇に広がる、黄金色に染まった稲穂の群生が一斉に頭をもたげて風にそよぐのをフロントガラス越しに眺めながらのんびりと車を走らせる。 豊穣の秋ハズカム。新米カミングスーン。 もともと年季の入ったごはん党で、お米以外の主食を口にするのは年に数えるほどしかない。専ら食べるばかりで自宅から車で10分と離れない田地で育つ稲たちが、実際にお米となって食卓に上るまでの具体的な行程などは皆目わからない。それでもこの季節、収穫間近の肥えた稲穂が一面ざわざわと波打って風に靡く様子に行き当たれば、天然自然の美がもたらす圧倒的な説得力に素直に感動する自…

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