「奥武蔵・武甲山の松と藤(2)」
【説明概略】その昔、武甲山には山姥が住んでいて、ふもとの子どもを食べていたといいます。ある時、山で女の子を遊ばせていた母親が、ほんの少し目を離したすきに、女の子の姿がフッと消えてしまいました。驚いた母親は、あちこち捜し回りましたが、どうしても見つかりません。母親はうろたえて泣くばかり。そこへ旅の僧が通りかかり、「山姥の仕業に違いない」と武甲山山頂に登り、17日間(27日間ともいう)一心に祈願をしました。山姥は法力に勝てず、たまらず魔術を失って姿をあらわしました。こうして子どもは母親のもとに戻りました。山姥は、松の木に藤づるで縛りつけられてしまいました。この僧こそ全国行脚中の行基菩薩だったのです。行基にさとされた山姥は、いままでの罪を悔い、2度と里人を襲わない証(あかし)として、自分の歯を抜いて僧に渡しまし...「奥武蔵・武甲山の松と藤(2)」
2024/06/15 07:14