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2019/07/07

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  • 法華玄義 現代語訳 144

    『法華玄義』現代語訳 144 ◎「功徳利益妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第十番めである「功徳利益妙」の段落となる) 第十に、「功徳利益妙(くどくりやくみょう)」について述べる。「功徳」と「利益」は一つであり、異なることはない。もし分別すれば、自らを益とすることを「功徳」と名付け、他の人を益とすることを「利益」と名付ける。これについては四項目を立てる。①「利益」について述べることの来意を明らかにし、②「正説(しょうせつ)」の「利益」について明らかにし、③「流通(るつう)」の「利益」について明らかにし、④「観心」の「利益」について…

  • 法華玄義 現代語訳 143

    『法華玄義』現代語訳 143 ④法門の眷属を明らかにする 「眷属妙」について述べるにあたっての四つめは、「法門の眷属を明らかにする」である。これは、『維摩経』において、普現色身菩薩(ふげんしきしんぼさつ)が浄名居士(じょうみょうこじ・『維摩経』の主人公である維摩居士のこと)に質問しているようなことである。すなわち「父母、妻子、親戚、眷属、民と官、友人などは、そもそも真理においては誰であるのか。さらに男女の奴隷、象や馬、車などの乗り物は、そもそも真理においてはどこに存在しているのか」と質問している通りである。浄名は「方便を父とし、智度(ちど・古代インド語のブラジュニャーパーラミターを漢訳した言葉…

  • 法華玄義 現代語訳 142

    『法華玄義』現代語訳 142 ③「麁」と「妙」を明らかにする 「眷属妙」について述べるにあたっての三つめは、「麁と妙を明らかにする」である。「三蔵教」の本性を持つ「眷属」は、その本性は劣っている。昔の結縁における縁もまた浅く小さい。その後、中間において仏法をもって成熟する場合も、成熟する者は少ない。仏の国土に生まれて、内外(注:仏に身近な者と疎遠の者という意味)の「眷属」、「業生」、「願生」、「神通生」などとなり、また「三蔵教」の仏のもとに応じて来て仕えるようなことは、みな「麁」の「眷属」である。「通教」と「別教」の本性、および内外の「眷属」は、巧といっても、「通教」と「別教」に異なりがある。…

  • 法華玄義 現代語訳 141

    『法華玄義』現代語訳 141 ②.d.神通生の眷属を明らかにする 「神通生(じんつうしょう)」の「眷属」とは、もし前世で仏に会って、真理に向かう心を発して「真諦」を見たとしても、生まれ変わる因縁がまだ尽きていなければ、あるいはさらに上の世界に生まれ、あるいは他の世界に生まれる。『法華経』においては、次のように説かれる。すなわち、さまざまな生まれ変わりをする「三界」にあって仏となろうとするならば、まず、あるいは「願力」をもって、あるいは「神通力」をもって、さらに下の世界に生まれる。そして他の者の親しい者となり、あるいは中間的な者となり、あるいは敵となって、仏の働きと教化を助け、自らは残りの煩悩を…

  • 法華玄義 現代語訳 140

    『法華玄義』現代語訳 140 ◎「眷属妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第九番めである「眷属妙」の段落となる) 第九に、「眷属妙(けんぞくみょう)」について述べる。これについては五項目を立てる。①来意(注:次第のこと)を明らかにし、②眷属について明らかにし、③「麁」と「妙」を明らかにし、④法門を明らかにし、⑤観心について論じる。 ①来意を明らかにする 「眷属妙」について述べるにあたっての一つめは「来意を明らかにする」である。すなわち、ここで「眷属妙」を明らかにする理由についてである。そもそも説くことがなければ、それまでのことである…

  • 法華玄義 現代語訳 139

    『法華玄義』現代語訳 139 ⑤「麁」と「妙」を明らかにする 「説法妙」について述べるにあたっての五つめは「麁と妙を明らかにする」である。ここにおいて、五つの項目を立てる。一つめは理法について、二つめは言葉について、三つめは内容について、四つめはあらゆる経典について、五つめは『法華経』についてである。 一つめは、「妙」の理法について述べる。すべての「諸法」は「中道」でないものはなく、文字を離れており、その「解脱」については言葉で表現することはできない。文字の本性を離れていることは、「解脱」そのものである。すべて説かれることは、理法であってしかも「妙」である。たとえば、龍が雨を降らす時、その降ら…

  • 法華玄義 現代語訳 138

    『法華玄義』現代語訳 138 ②大小を分ける 「説法妙」について述べるにあたっての二つめは「大小を分ける」である。つまり、説法における大乗と小乗を区別することである。『法華経』では、「十二部経」の中の「九部」を指して、大乗に入る前の経典としている。すなわち、この「九部」は小乗であり、「授記」、「無問自説」、「方広」の「三部」は大乗である。 総合的に言えば、小乗の経典にも、「六道」の「因果」について予言的な言葉を記すものがある。また『阿含経』の中に、弥勒菩薩に対して、将来仏となるという予言をしている箇所がある。これがどうして「授記経」でないことがあろうか。また質問がないにもかかわらず、「善いこと…

  • 法華玄義 現代語訳 137

    『法華玄義』現代語訳 137 ①.〇標名 (注:この箇所も「①説法の名称を解釈する」の段落の中にあることは間違いないが、ここまでで見た①の中のa.~g.に分けられた段落とも異なる段落が、ここから①の箇所の最後まで続く。内容から「名を標す」とするのが妥当と考えられるので、原文にはないがこのように見出しを付けた)。 説法の名称を解釈することについては、以前にすでに述べた通りであるが、ここで、各名称そのものについて書き記すと、互いに同じではない。翻訳と解釈に多くの違いがある。ここでは『大智度論』によって、名称を書き記せば、次の通りになる。 第一は「修多羅」である。漢訳すれば「法本」または「契経(かい…

  • 法華玄義 現代語訳 136

    『法華玄義』現代語訳 136 ①.d.「定名」 「十二部経」を「定名(じょうみょう・名前が定められた理由)」によって分けると、四つに分けられる。まず一つめは、「修多羅(しゅたら・古代インド語のスートラの音写文字。当時の経典はひもでつなげられていたので、ひもを意味する言葉であり、ここでは線と翻訳されている)」は「線経(せんきょう)」と翻訳できる。「修多羅」は原語の音写文字であり、「線経」とは喩えである。二つめは、「祇夜(ぎや)」と「偈陀(げだ)」であるが、これは音写文字そのものである(注:実際には、十二部経の各呼び方の多くは、音写文字をそのまま名称としている。しかし天台大師はできる限り翻訳した名…

  • 法華玄義 現代語訳 135

    『法華玄義』現代語訳 135 ◎「説法妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第八番めである「説法妙」の段落となる) 第八に、「説法妙(せっぽうみょう)」について述べる。『法華経』に「諸法は示すべきではない。言葉の相は寂滅している。しかし因縁があるので、説き示すべきである」とある。前に悪を破る「薬樹王身」と善を生じさせる「如意珠身」について述べたが、この二身はまず「禅定」によって起こされる。そして同様に前に述べた悪を破る毒の太鼓と善を生じさせる天の太鼓の二つの太鼓は、次に「智慧」をもって「苦」を抜くのである。「一乗」を演説すれば、「三乗…

  • 法華玄義 現代語訳 134

    『法華玄義』現代語訳 134 ④「麁」と「妙」を明らかにする 「神通妙」について述べるにあたっての四つめは「麁」と「妙」を明らかにすることである。「神通」をもって人々を導くというと、ただその身を変えて、その聖人の持つ報いに応じた働きをするだけではない。その国土自体を変えて、その国土に応じた報いに対応する。『瓔珞経』に「すべての国土の応を起こし、すべての衆生の応を起こす」いう通りである。もしその持つ報いに応じて変化(へんげ)すれば、「十法界」の身の変化となる。もしその国土に応じれば、「十法界」の国土の変化となる。 もし地獄、餓鬼、畜生、修羅の「四悪趣」に応じれば、悪業を観じる「慈悲」を用いて、「…

  • 法華玄義 現代語訳 133

    『法華玄義』現代語訳 133 ③「同異」を明らかにする 「神通妙」について述べるにあたっての三つめは「同異」を明らかにすることである。たとえば、「餓鬼道」に生まれることは、「業」の報いにおける「神通」である。また、人は薬を飲んで「神通」を得る。仏教以外の宗教である外道は、「根本禅(こんぽんぜん・この世の次元の瞑想)」によって「神通」を発する。諸天は「業」の報いにおける「神通」である。声聞と縁覚の「二乗」は、「八背捨(はっぱいしゃ・八通りの執着を捨てる方法)」、「八勝処(はちしょうしょ・八通りの認識の対象を観じて執着を捨てる方法)」、「十一切処(じゅういっさいしょ・すべての実在を十種類に分類して…

  • 法華玄義 現代語訳 132

    『法華玄義』現代語訳 132 ◎「神通妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第七番めである「神通妙」の段落となる) 第七に、「神通妙(じんつうみょう)」について述べるが、これについて、四つの項目を立てる。一つめは①「次第」を明らかにし、二つめは②「名数」を明らかにし、三つめは③「同異」を明らかにし、四つめは④「麁」と「妙」を明らかにする。 ①「次第」を明らかにする 「神通妙」について述べるにあたっての一つめは「次第」である。「次第」とは、前に述べた「感応妙」の意義を受けて次に述べるという意味である。「感応」は、ただその「機」の生じる相…

  • 法華玄義 現代語訳 131

    『法華玄義』現代語訳 131 ⑤「麁妙」を明らかにする 「感応妙」について述べるにあたっての五つめは、「麁」と「妙」を明らかにすることである。これについて、三つの項目がある。一つめはa.「機」の「麁」と「妙」を明らかにし、二つめはb.「応」の「麁」と「妙」を明らかにし、三つめはc.「麁」を開いて「妙」を顕わす。 ⑤.a.「機」の「麁」と「妙」を明らかにする 楽もその間に存在する「楽間地獄(らくけんじごく)」の「楽」は、微細な善因による。このために、『立世阿毘曇論』に「人が馬、牛、羊、犬、鶏、豚などの家畜を飼う時に、温かい餌や冷たい餌を適度に与えるなどすれば、熱地獄に堕ちても涼しい時があり、寒地…

  • 法華玄義 現代語訳 130

    『法華玄義』現代語訳 130 ④「相対」を明らかにする 「感応妙」について述べるにあたっての四つめは、「機」と「応」の「相対」を明らかにすることである。これについて四つの意義がある。一つめは、a.この世のあらゆる「苦」「楽」と聖人の「三昧」の「慈悲」の相対についてであり、二つめは、b.「機」と「応」の相対についてであり、三つめはc.「三十六句」の相対についてであり、四つめは、d.「別教」と「円教」の相対についてである。 ④.a.「苦」と「三昧」の相対について あらゆる「機」は多いが、「二十五有(にじゅうごう・衆生が流転する世界を細かく二十五種に分けたもの。詳しくは前述あり)」を出ることはない。…

  • 法華玄義 現代語訳 129

    『法華玄義』現代語訳 129 ③「同異」を明らかにする 「感応妙」について述べるにあたっての三つめは、「同異」を明らかにすることである。ここに三つの項目を立てる。一つめはa.「四句」について不同を論じ、二つめはb.「三十六句」について不同を論じ、三つめはc.「十法界」について不同を論じる。ただし衆生の能力の違いは千差万別であるので、諸仏の巧みな「応」も無量である。この違いによって、悟りを得ることも同じではない。このために『法華経』に「名称も形もそれぞれ異なっていれば、種類も多い。上中下の根や茎や葉などがある。この種類の本性にしたがって、それぞれ成長するのである」とある。これはすなわち、「機」と…

  • 法華玄義 現代語訳 128

    『法華玄義』現代語訳 128 ②「相」を明らかにする 「感応妙」について述べるにあたっての二つめは、「相」を明らかにすることである。まず、善悪について「機」の相を明らかにして、次に「慈悲」について「応」の相を述べる。 もし善悪をもって「機」の相を述べるならば、「機」は善なのか悪なのか、あるいは善と悪が共にあるのか。これについては解釈する者によって違いがある。ある人は「悪を機とする」という。そして『涅槃経』の「私はすべての衆生のでき物や重病を断じるようとする」という文と、また「七人の子がいたとして、その中に病の子に特に心が注がれる。如来もまた同じである。すべての衆生に対して平等ではないということ…

  • 法華玄義 現代語訳 127

    『法華玄義』現代語訳 127 ◎「感応妙」について詳しく述べる (注:「迹門の十妙」の中の「A.4.2.b.②.(1).Ⅳ広解」の中の、第六番めである「感応妙」の段落となる) 第六に、「感応妙(かんのうみょう)」について述べるが、ここまで述べた「境妙」「智妙」「行妙」「位妙」の「四妙」を「円因」と名付け、「三法妙」の「秘密蔵」を「円果」とする。「境妙」が究竟して顕われる仏を「毘盧遮那(びるしゃな)」と名付け、「智妙」が究竟して満ちた仏を「盧舎那(るしゃな)」と名付け、「行妙」が究竟して満ちた仏を「釈迦牟尼」と名付ける。この「三仏」は一つでもなければ異なってもおらず、時間的な違いである「縦」でも…

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