サホビメと天皇の夢
野見宿祢の自伝 5 陛下はその日の出来事をわたしに話された。 その話によると、陛下は激務でお疲れになっていた。そして、お后であるサホビメ様の膝枕で、お昼寝をされていたという。 その時、夢を見たそうだ。 その夢はというと、サホビメさまの出身地である沙本(さほ)のほうから急に雨が降ってきて陛下のお顔を濡らした。かと思うと急に錦色の蛇が現れて、陛下の首に巻き付いた、というものだった。 目覚めた陛下は、サホビメさまに夢の話をして 「何ともおかしな夢を見たものだ・・・サホ、これは何かの予兆なんだろうか?・・・」 と言われたそうだ。 すると突然、サホビメさまは泣き崩れてしまったという。 サホビメさまは鳴き…
2022/05/28 19:25