4人の男児
山幸彦の自伝 28 わが后、トヨタマヒメが海に帰り、はや十数年。 トヨタマヒメは、わたしたちの子ウガヤフキアエズの養育のために妹のタマヨリヒメを送っていた。ウガヤフキアエズはタマヨリヒメの献身的な養育により、今では立派な青年に成長していた。 わたしは毎日、そんなタマヨリヒメの姿を見ては、妃のトヨタマヒメの姿に重ね合わせていたのである。ああ、トヨタマヒメ・・・お前がここにいてくれたら、ウガヤフキアエズも喜んだであろうに・・・ そんなある日のことだった。わたしの部屋に、ウガヤフキアエズとタマヨリヒメが入ってきた。 ウガヤフキアエズが言った。 「父上、お話があります」 「ん、なんだ、改まって?」 「…
2021/12/31 18:30