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四季の珈琲online https://shikinocoffee.jimdofree.com

日本全国の喫茶店に配布している創刊25周年を迎えるコーヒーPR誌『四季の珈琲』。『四季の珈琲 online』は、では『四季の珈琲』に掲載された一部記事を紹介しています。

四季の珈琲
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2019/04/25

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  • 戦前の沖縄 珈琲の歴史

    4月17日、沖縄 SV 株式会社(本社:沖縄県豊見城市、代表取締役:高原直泰、以下「沖縄 SV」)とネスレ日本株式会社(本社: 兵庫県神戸市、代表取締役社長 兼CEO :高岡浩三、以下「ネスレ」)は、沖縄県名護市、琉球大学と連携し、沖縄で初となる大規模な国産コーヒーの栽培を目指す「沖縄コーヒープロジェクト」を開始するというニュースが流れた。 沖縄県の一次産業における問題解決 「沖縄コーヒープロジェクト」とは、沖縄SVとネスレ両者が、沖縄県内の耕作放棄地などを活用し、沖縄を拠点とする国産コーヒー豆の栽培を本格的に開始することで、沖縄県の一次産業における問題解決を目指すというもの。加えて沖縄県の気候・土壌に精通する琉球大学は、農学的見地からコーヒー栽培を行う上で必要となるノウハウ・情報の提供を行う。これらの活動により沖縄県では農業就業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地への対応が図られる。 また限定された量にとどまってきた沖縄県産のコーヒー豆の生産量を拡大することで、沖縄県産のコーヒー豆やコーヒー製品を新たな特産品とするとともに、環境に配慮した沖縄の新たな観光資源としてサッカー場を併設したコーヒー農園を将来的に開発するなど、コーヒー豆の栽培を通じて新たな産業を育成することも目指すというものだ。 県産コーヒー栽培とその歴史 沖縄県は、「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道をはさんだ北緯・南緯25度の間の場所からは外れている。しかし、同地は亜熱帯地域に属しており、更に温暖な海洋性気候である。このためコーヒー生産が可能となり、国産のコーヒー豆の栽培が行われている。 沖縄県におけるコーヒー栽培の歴史をひもとくと、2つの説がある。1939年(昭和14)3月に刊行された『第八回 造林研究会記録』(熊本営林局)において当時の沖縄営林署技手であった穐山隆馬氏によると、1891年(明治24)頃に遡るとある。国頭(くにがみ)郡の農会長、朝武士干城(あさぶしかんじょう)氏により、今帰仁村と本部村の境界付近の場所にあった当時の農会の試験場に栽培を開始した。種苗は当時やはりコーヒー栽培を行っていた小笠原より取り寄せたものだった。 「農会」とは、大辞林によると1899年(明治32)農会法に基づいて農事の改良発達を目的として設けられた地主・農民の団体。1943年(昭和18)産業組合と合併して農業会となる、とある。 朝武士干城(あさぶしかんじょう)氏は、『

  • ドイツ企業の、「コーヒーの残り」を再利用する事業

    コーヒービジネスに関わる企業が、どのように環境問題に取り組んでいるかということを、前回ご紹介しました。今回はドイツでのお話です。 ドイツの新興企業、「Kaffeform」が(ドイツ語を知らない私としては、この会社の名前をいったいどう読めばいいのか分かりませんが)、たいへん面白い事業に取り組んでいます。コーヒーを作った後のコーヒーの残りを、カップやフタに使うというのです。 コーヒーの残りというと、何だか分かりにくいかもしれませんが、コーヒーショップでコーヒーを作った後に捨ててしまう、いってみれば、「コーヒーの出しがら」のようなものです。今では、一般家庭でも、コーヒーメーカーを使った後に捨ててしまうことが多いと思います。それです。 そういえば、昔は、今ほどタバコに対して厳しい時代ではありませんでしたから、喫茶店の灰皿にコーヒーの出しがらが、恐らくは消臭目的として入れられているのをよく見ました。自分の家でもそれを真似したりしました。 このドイツのベンチャー企業は、その「コーヒーの残り」を使って、コーヒーカップやフタを作ろうというのです。食洗機で洗っても長持ちするし、もし捨ててもすぐに自然に帰るとか。これが本当に実現すれば、確かにエコ問題の大きな解決策かもしれません。 『四季の珈琲』2019 vol.48

  • 「1日8杯のコーヒーを飲んでも長生き」というニュース。

    「コーヒーは健康に良い」と結論付ける研究が多く発表されています。これまでも同様のニュースをいろいろご紹介しましたが、今回はなんと「1日8杯ものコーヒーを飲む人でも、飲まない人より長生きしている」という、インターネットで見つけた、CNBCというアメリカのニュース専門局のサイトの記事です。 記事によると、約50万人のイギリスの成人を対象とした研究において、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、死亡リスクがわずかに少ないということが報告されました。 約50万人の被験者は自分の血液を提供し、コーヒー消費量、喫煙や飲酒の習慣、病歴などを含む、ライフスタイルに関する多くの質問に回答しました。 そしてこの約50万人の被験者を10年間追跡調査したところ、その10年間で1万4200人が亡くなったのですが、どれくらいの量を飲んでいるかにほとんど関わらず、コーヒーを飲んでいる人の方が飲んでいない人よりも長生きしているというデータが得られたというのです。研究によれば、10年間において、コーヒーを飲む人は飲まない人より約10〜15%死亡者が少なかったという結果が出ました。そして、コーヒーを飲む量の違いや遺伝的な差異はほとんど影響がなかったといいます。 そういうことから、このニュースのタイトルが、「1日8杯も飲む人でも長生きできる」という風になったようです。 記事では別の研究についても紹介しています。 例えば、コーヒーの中の成分が、炎症を抑えたり、インシュリンの働きを適切にして糖尿病の進行を防ぐなどの可能性も指摘されているそうです。また、別の研究では、1日3〜4杯のコーヒーが、早期死亡の可能性を大きく下げるといった報告もあるそうです。 『四季の珈琲』2019 vol.48 参考・引用文献 Drinking as many as eight cups of coffee a day could help you live longer, study says

  • 映画に引き込む「コーヒー」 という小道具

    四季の珈琲vol.45でニューヨークを舞台にしたいくつかの映画を挙げた。その中の一つ「恋に落ちて」。主演はフリーランスのグラフィックデザイナーのモリーを演じるメリル・ストリープ、建築技師のフランクを演じるロバート・デニーロ。モリーには総合病院に勤める医師の夫が、フランクにはガーデニング好きな妻と二人の息子がいる。役になりきることで有名なこの二人の俳優が演じるラブストーリーである。 まだ見知らぬ同士の二人はクリスマス・イヴの夕方、ニューヨークの大型書店「リゾーリ」で出会う。もちろんこの時点で数か月後に互いにかけがえのない存在になることを知ることはない。モリーは夫に、フランクは妻へのプレゼントに買った本を入れた手提げ袋がぶつかり本が散らばってしまう。慌てて拾い集めて手提げ袋にいれたものの、同じ袋のため二人は間違えて相手の手提げ袋を持ち帰ってしまうことから物語は始まる。 この二人が通勤で使っているのはメトロノース鉄道ハドソン線。ニューヨークのグランドセントラル駅からハドソン川の東側を北上し、終点のポキプシー駅までの29の駅間73・5マイルを走る郊外通勤路線だ。アリーとフランクは偶然にも隣同士の駅。フランクはグランドセントラル駅から数えて14番目のドブズ・フェリー駅。モリーは一つ先のアーズリー駅。昔から恋愛映画には駅は重要な場所である。やがて二人は朝の電車内で二度目の出会いをして急速に心が通いあうようになる。帰りの電車の時間を合わせたり、分別盛りの二人はまるでティーンエージャーのように胸を躍らせて逢引きを繰り返す。 やがてフランクの妻とアリーの夫は二人の変化を悟りお互いの家庭は崩れていくものの最後ははじめて二人が出会った書店「リゾーリ」で再会しハッピーエンドで幕が閉じるといういたってシンプルなストーリーだ。 映画を鑑賞する者を深く引き込むにはいくつかの要素がある。わかりやすく上質なシナリオ。そのシナリオを支えるスピード感、そして生活や登場人物の人柄を感じさせるさりげない小道具などだ。この映画で言うならありきたりの日常に波紋を投じる男女の出会いがシナリオの核となり駅と列車は話の展開にスピード感をもたらす役を果たしている。そして僕が小道具として注目したのはあるコーヒーのシーンである。 モリーには病を抱えた父親がいる。ある日、父の家を訪れたモリーはコーヒーメーカーからマグカップにコーヒーを注ぎ父に差し出す。この時のコーヒーメー

  • 大事な時のふしぶしで 登場してくる 「コーヒー」というもの。

    (前回の続き) * 大学を卒業し、最初の会社に入ったのが1980年代後半、つまり、バブル景気の、最盛期の始まりだった。会社は、東京・渋谷のど真ん中を本拠地として、ファッションビルの全国展開を図っていた。いわゆるDCブランドファッションの萌芽期・最盛期でもある。 服の販売に限らず多くの事業を手がける会社であり、私は出版局の雑誌編集部門に配属された。今から考えれば、これが編集者としての人生の始まりだった。 バブルという好景気のせいか、あるいは渋谷という先端的な雰囲気を漂わせる街だったせいか──今は昔とはだいぶ変わっているそうだが──、またはその両方か、当時、会社のそばには大変おしゃれな、ちょっと値段の高いコーヒーを出す店が多かったように思う。1杯飲むだけで1000円近くするようなコーヒーを提供している店もあった。 百貨店を中心とする流通グループの会社だったこともあり、バブル期とはいえ、決して私の給料が高かったわけではない。それでも、こうした高額なコーヒーを出す店に、昼食時に、同僚とたまに出かけていたような気がする。若かった私は、コーヒーの味を楽しむというよりも、何だか、つかの間の、優雅そうな時代の気分を味わいたかったのかもしれない。 * そういえば、学生時代から流行していたのが「カフェバー」という形態だ。会社に入ってからは、先輩諸氏に、六本木や原宿の老舗カフェバーとやらに連れていってもらったこともある。でも、カフェバーといってもコーヒーを飲んでいる人は誰もおらず、(ただの、かっこつけたインテリアの飲み屋ではないか)と思ったりした。あれはいったい何だったのか、いまだに正体がわからないままだ。 * 4年弱勤めた会社を辞め、別の出版社に転職した。確かこの年にベルリンの壁が崩壊したのではないかと思う。 ベルリンの壁だけでなく、日本ではバブルの崩壊が間近に控えていた。しかし、私が転職した会社は、あまり投資に手を出していなかったためか、深刻な財政状況に陥ることもなく、また、世の中の動きをあまり気にすることもなく、新雑誌の創刊を続けていたように思う。そして私も、数冊の新雑誌の創刊に関わった。 仕事がとにかく忙しかった。毎日1時、2時以降にタクシーで帰る日が続いた(こうした経費だけはやたらと使えた)。コーヒーを飲むどころか、食事をとる時間もなかったり、ひどい時には長時間トイレに行くのを忘れていたりもした。 コーヒーとの接点といえば、

  • 今回はコーヒーと大腸がんの 関係について報告する。

    日本人の死因のトップはがんという結果があるが、2009年の調査である「がんの統計」(財団法人がん研究振興財団調べ)では、女性の死因の第一位は大腸がんだという。 これは意外であった。最近のテレビCMなどのキャンペーンから印象づけられたからか、乳がんが第一位だと思っていた。しかし、実際は乳がんは第五位。二位は肺がん、三位は胃がん、四位は膵臓がんと続いている。 岐阜大学大学院医学系研究科の永田知里教授は、「何を食べたり飲んだりすれば病気になりにくいのか」という関連を明らかにするために、「高山市 健康と生活習慣調査」を実施。 1992年、岐阜県高山市の35歳以上の住民およそ3万人(男性1万4427人・女性1万7125人/計3万1552人)に、健康と生活習慣に関するアンケート調査を行った。 その結果コーヒーを飲むことは大腸がんの発症リスクを抑える働きがあるようだということがわかった。しかし、全日本コーヒー協会は、「この研究結果だけでコーヒーと大腸ガンとの関係をズバリといい切れないことにある」としながらも、「高山スタディ以外にも、コーヒーにガン抑制の効果があるというコホート研究が発表されていけば、コーヒーの予防効果が国際的に認められる日がくるかもしれない」と記述している。 今後の研究が楽しみである。 『四季の珈琲』2012 vol.34

  • 思い出に残る喫茶店

    今年も4月13日、日本で最初の喫茶店「可否茶館」が開業されたその日を記念して上野で催しがあった。開会の挨拶の後、シアトルのコーヒー事情が報告された。その中にアメリカでは近頃、スターバックスやタリーズをはじめとする大手コーヒーチェーンに飽き足らず、独立系のコーヒーショップが静かな支持を集め始めているという話があった。 日本でも様々なコーヒーチェーンが展開され、価格の安さ、デザインされた店舗、立地条件の良さで多くの人々が利用している。その反面、ゆったりとした時間に満ちた古くからある町の喫茶店の影は薄くなっている。アメリカで見られ始めている独立系の小さなコーヒーショップへの回帰はコーヒーと共に時間を共有するひと時を過ごしたいと願う人の気持ちの表れではないかと推測する。 日本ではかつて喫茶店は「たまり場」であった。客が引けた昼下がり、商店街の親父さんが一息つきにやってくる。時間をおかずに軒を連ねた商店の仲間たちが集い、他愛ないお喋りに花を咲かせる。まさにコーヒーブレイクである。一杯のコーヒーを飲み終える頃、おかみさんからの電話で親父さんたちは重い腰を上げて三々五々、それぞれのお店に戻る。学生たちはといえば部活のミーティングなどコーヒー一杯で何時間も喫茶店にねばっていた。ケータイ電話がない時代、行きつけの喫茶店には必ず仲間の顔がそろっていた。喫茶店は学生たちにとって時間をつぶす場所だけではなく情報交換の場でもあった。昨今のメールやブログ、ツイートのような役割を担っていたといっていいかもしれない。 僕にとって思い出に残る喫茶店はいくつかある。その一つが原宿にあった「レオン」だ。それは表参道と明治通りが交差する角のセントラルアパートの1階にあった。当時、セントラルアパートには売れっ子のグラフィックデザイナー、CMディレクター、カメラマン、コピーライター、スタイリスト、ファッションデザイナーたちが互いに惹きつけあうようにしてオフィスを構えていた。 入口を抜けるとパティオがあり、ヨーロッパの古い建物を思わせる雰囲気を持っていた。このパティオに立ち、身体をゆっくりと回転させぐるりと見上げて見る回廊はフランス映画のワンシーンのように感じた。僕と原宿レオンを結びつけたものは全くの偶然だった。実は大学を卒業したものの勤め先がまだ決まっていなかった。 CMの制作会社からは受けども受けども不採用の通知が。無残な学業成果しか残せなかったため成績

  • 沖縄で栽培される国産コーヒー。 コーヒーはブラジルなどでしか栽培されないと 思っていた私は驚いた。

    沖縄県で栽培される国産コーヒー コーヒーはブラジルなどでしか栽培されないとついつい思ってしまう。というかそう思っていた。日本では栽培されないんだろうな〜なんて漠然とだが思い込んでいた。 その昔、小笠原で日本で最初のコーヒー豆の栽培が行われたと聞いたが、それがそのまま続いているという話は聞かないし、そのせいか日本ではコーヒー豆の栽培は難しいと思ってしまっていた。 ところがある日、通販で黒砂糖や沖縄のアグー豚などについて買えるところを物色していた際に偶然知ったのが、沖縄にコーヒー農家があり、そこで栽培されるコーヒー豆を販売しているということ。 え???、日本でもコーヒー豆が栽培されるの? 生産ベースにあっていたの?? と驚くばかり。 調べてみると、沖縄県は南北の緯度25度以内を指すコーヒーベルトの北限に位置し、コーヒー豆の栽培に適している温暖な亜熱帯でありながらも、昼夜の寒暖の差がある土地でもあるとか。 そうだったのか……、と結構盲点をつかれた感じがする私だが、風味豊かでコクがある沖縄産のコーヒーを試さないわけにはいかない。今は便利なインターネット通販でさっそくお取り寄せ。しかし、この原稿には間に合わないので、味の報告は次回に回すとして、今回は沖縄のコーヒーについてレポートしてみようと思う。 コーヒー豆の栽培に適す沖縄県 沖縄県にはいくつかのコーヒー農家があるが、県で最初にコーヒー農家として農業生産法人の認可を取ったのが、「名護珈琲」。 コーヒー豆の栽培に適している沖縄県で、「世界に輸出出来る様な品質のコーヒーを 栽培してみたい」という思いから、農園経営を始めてみたという。 名護珈琲の特徴は無農薬で防腐剤も不使用。なぜなら、沖縄ではコーヒーの害虫がいないので無農薬栽培ができるのだそう。オリジナルスィーツも販売していて、コーヒーとの相性もよさそう! コーヒーオーナー制も登場 コーヒー農園だけでなく、NPO法人「備瀬・島づくりの会」(喜屋武信理事長)は、3年間のオーナー制でアラビカ種の「ニューワールド」というコーヒーの樹の植え付けなどを行っている。オーナー制度を導入しているのがユニークだ。コーヒーオーナーというだけでわくわくしてくる。 このイベントの苗の提供や技術指導を行ったのは「名護珈琲」だが、2012年4月28日に、約700平方メートルの畑に40本のコーヒーの苗を植えた。 沖縄県はコーヒー栽培に適しているというが、北

  • カップソーサーの役目

    コーヒーカップとソーサーには意外な関係があった。 ただの受け皿かと思いきや、 ソーサーの意外な役目とは? コーヒーのちょっとしたエピソードを紹介。 コーヒーや紅茶を飲む時、マグカップはともかく、ソーサーと一緒にカップがついている場合、あのソーサーに役目があることはご存知だろうか。 あのソーサーはコーヒーカップのコーヒーがこぼれた時の受け皿ではなく、コーヒーや紅茶を注いで飲むためのもの。 いったいどうしてそんなことをするのかというと、熱いコーヒや紅茶をソーサーに注ぐことで、温度を下げ、飲みやすくするというのだ。 そもそもはカップに取っ手がなく、熱いコーヒーや紅茶をソーサーに注ぐことで飲みやすくするということだったとか。やがて取っ手がついてカップに直接口をつけて飲むようになったらしい。らしいというのは私は見ていないから。 現在でもそうやって飲んでいる人がいるというのをインターネットなどで見かけるが、本当なのだろうか。だってそんなことをして飲むことは私はない。試しにやってみたけど、注ぎにくいだけでなく、飲みにくいからだ。あとどうしても気になるのがカップの底がつくことで、ソーサーが汚れているような感じがしてしまって、どうにもいけない。これは気分の問題かもしれないけど、気になる。 それにスプーンや砂糖やミルクなどがソーサーについてきたらなんだか面倒なことになる。どこにスプーンをおこうかとかいろいろあれこれ考えてしまうからだ。そして何しろあんまり優雅に見えないもの。 『四季の珈琲』2012 vol.35

  • 島根の珈琲 第一弾

    地元の人が勧める珈琲館 初めての土地でどこかいい場所にと思ったら、ガイドブックもいいけど、やっぱり地元の方に伺って、おいしいところを探すのが一番!だと思う。自分で開拓するのを避けるずぼらな性格ともいえるが、格好よく言えば根っからの現場主義ということでもある。 縁あって今年から島根県と関りもできたこともあり、県内の喫茶店やコーヒーの歴史を探っていこうと思う。 というわけで、さっそく松江市に行く用事ができたので、まずは松江市在住者の方に伺ってみると、「珈琲館」を紹介してくれた。ちなみにここはガイドブックにも掲載されているとか。 松江市は島根県東部(出雲地方)に位置する宍道湖畔の風光明媚な都市である。有名なヤマトシジミの漁も街の中から見える水の都だ。松江藩の城下町を中心に発展してきた山陰の中心都市でもある松江市には松江城があり、県庁所在地でもある。 日本海側気候であり、冬は曇りや雨、雪の日が多い。山陰地方の拠点都市の一つであるため、米子市と共に鳥取・島根両県を統括する支店が多く置かれている。また、山陰地域で展開する企業の本社も多い。 堀川に面して佇む 「珈琲館」は、その松江市内の、カラコロ広場の脇、堀川に面してある。周囲には、旧日銀の建物があり、蔦がからまるレンガ作り、奥に長い建物がひときわ街に映える。 建物は二階建て、お店入口脇に焙煎室がある。1階では、カウンターとテーブル席がある。カウンター越しにコーヒーを入れる様子が見ることができる。2階は、テーブル席のみ。訪れた当日は、夜の8時頃、入口すぐの階段を上がって2階の席に座った。旧日銀の建物がライトアップされ、川辺の灯りが重なり、幻想的な雰囲気をかもしだす。 縦に長い店内は、川辺に沿って建っているため、景色を眺めながらのコーヒーはまた格別。一人でずっと座っていたくなる。 注文したのは、ブレンド。夕飯を食べたが、小腹もすいていたので、オープンサンドイッチも注文。ブレンドはコクが強め。酸味もしっかりとあるおいしさ。さめにくいように分厚いカップだった。私はブラックコーヒー派だが、この店を紹介してくれた人が、「ミルクも入れて飲んでほしい」と言うので、ミルクを入れて飲んでみると、コーヒーのうまみがさらに引き立つ。 レンガ造りで、出窓には、花が植わった鉢が飾られている。夜はライトアップされているが、そのかわいらしい雰囲気に昼間の様子も知りたいと思った。翌朝、戻る前に珈琲館に寄る。

  • 今回はコーヒーと糖尿病の 関係について報告する。

    糖尿病になりにくい率が高いのは? 昭和30年代から増えている糖尿病。国内11の保健所と国立医療センターによるコホート研究の調査データによると、コーヒーを飲む人の方がコーヒーをほとんど飲まない人よりも、糖尿病にならない率が2割くらい多いという結果が出ている。 1日にコーヒーを5〜6杯飲む人は糖尿病の発症が少ないという調査結果もすでにあるというが、神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門准教授である小川渉氏は、「コーヒーの中に含まれるカフェインが糖尿病予防に役立つのではないか」と考える。 カフェインの働きと糖尿病予防 糖尿病には、いくつかの種類があるが、食べすぎや運動不足、酒の飲みすぎといった生活習慣が関係する「2型糖尿病」が日本人の95%を占めている。 その原因として、①インスリンの分泌が悪い場合、②インスリンの感受性が悪い(インスリンの効き目が悪い)場合の2つを挙げた。②に関しては運動や肥満解消が改善につながることがわかっている。そこでカフェインが糖尿病を予防する役割を果たすかもしれないと考えられるのだ。 このような研究結果を目にすると、今後のコーヒーと糖尿病の関係についてさらなる研究結果が待たれるところだ。 『四季の珈琲』2012 vol.35

  • ヘップバーンとコーヒーの思い出

    「ローマの休日」「麗しのサブリナ」「尼僧物語」……オードリー・ヘップバーンの1950年代の主演作である。この中でも「ローマの休日」は数えられないほど見ている。グレゴリー・ペックとベスパでローマの街を駆け巡るシーンは特に印象的であった。いや、すべてのシーンが、映画そのものが印象的であった。何度見ても飽きない映画の一つだ。 僕にとってナンバーワン女優は何と言ってもオードリー・ヘップバーンである。この際、他にお気に入りの女優を挙げるなら「パリのめぐり逢い」「あの愛を再び」のアニー・ジラルド。「冒険者たち」「若草の萌える頃」のジョアンナ・シムカス。お気に入りがたくさんで困ってしまう。 オードリー・ヘップバーンの主演作で「ローマの休日」の次に好きな映画といえば「ティファニーで朝食を」だ。早朝のニューヨーク5番街。スクリーンの奥からゆっくりと近づいてくる1950年代のフォード製のタクシー。そのタクシーからヘップバーンが降り立ったところはティファニー本店前。この映画のファーストシーンだ。 まだ眠りから覚めないティファニー本店の前に立ちウインドウに近付く。この時のヘップバーンの歩きが足首まである丈の長いドレスのせいか、それとも朝まで遊んでいた気だるさを表すためだろうかいつ見てもややぎこちなく感じる。ティファニーのウインドウを眺めながら、紙袋からデニッシュをつまみ、口に運ぶ。この仕草、パクつくという言葉がぴったりだ。そして次に紙袋からテイクアウトのカップコーヒーを取り出し一口啜る。 この映画が公開されたのは1961年。この頃すでにアメリカではテイクアウトのカップコーヒーは普通の暮らしの中にあったということに気づかされる。第二次世界大戦前からすでにアメリカではファーストフード産業が存在していたというが実はこのファーストフード、日本では江戸時代からあった。屋台の蕎麦屋、天麩羅屋がそれである。 テイクアウトもあった。昭和30年代ころまでは見かけていたお酒、醤油などの量り売りはまさにテイクアウトと言える。とはいえ、テイクアウトのカップコーヒーの出現にはその便利さに感心した記憶がある。 過去を振り返ったついでに制作の打ち合わせで欠かせないスタッフへのコーヒーの供し方を思い起こしてみる。まずはじめは近所の喫茶店からの出前が多かった。次は自社で購入したコーヒーメーカーで作られたコーヒー。電機メーカーが販売しているものだ。たいがいの制作会社はこの

  • 2012年も終わりに近づき、今年もコーヒーにまつわる話題がたくさんあった。それらをかいつまんでお届けしよう。

    炭酸入りコーヒーの再登場 コーヒーに炭酸を加えたドリンク「エスプレッソソーダ」(サントリー)、「ネスカフェ スパークリング・カフェ」(ネスカフェ)、「カフェ・ラ・シャワー」(UCC)が相次いで販売された。 炭酸入りコーヒー飲料は、28年前にも発売されている。一定期間をおいて炭酸入りコーヒーが販売されるということは、コーヒーの商品開発戦略の中でも大きな位置を占めているのだろう。 アルコール入りコーヒーの登場 炭酸入りだけでない。アルコール入りのコーヒーも登場した。UCCフードサービスシステムズが運営する「上島珈琲店」全71店舗で、ダブルネルドリップ方式で抽出したコーヒーに、ジャマイカ産のコーヒーラムクリーム(リキュール)を加えたコーヒーが販売された。デミタスカップで飲む、アルコール度数2%の大人のコーヒーだ。 コーヒー豆から栄養ドリンク アメリカに本部を置くStarbucks Coffeeでは、未焙煎のコーヒー豆から抽出したグリーンコーヒーエキスと果汁を使ったエナジードリンクを開発、販売した。味はRaspberry Pomegranate(ラズベリー・ザクロ)、Strawberry Lemonade(ストロベリー・レモネード)、Orange Melon(オレンジ・メロン)の3種類で微炭酸。 日本ではこの商品は販売されていないが、焙煎前のグリーンコーヒーから抽出したカフェインの入ったジュースと果肉をシェイクしたドリンク「スターバックス リフレッシャーズ ビバレッジ」を9月上旬という期間限定で販売。味はブラックベリーの果肉を使った「ベリー ベリー ハイビスカス」と、ライムの香りや酸味が楽しめる「クール ライム」の2種。このドリンクの特徴は、バリスタがオーダーごとにジュースと果肉、氷を合わせてシェイカーを振って提供したこと。スタバはこういうパフォーマンスがうまいなあと実感。 コーヒーに紅茶を足した飲料の発売 コカ・コーラは、抹茶を加えた「ジョージアクロス 和-STYLE」を2011年に発売した。缶コーヒーに「これまでになかった異なる価値」を掛け合わせるジョージアクロスシリーズの第2弾として、缶コーヒーにちょっと紅茶を足した「ジョージアクロス UK-STYLE」を発売した。 ロンドンオリンピックを意識してダージリンの香るコーヒーを発売したというが、果たして味の方はどうなのだろうか。私はまだ残念ながらその味を試していないので

  • コーヒーカップの大きさの意味

    あったらおもしろいけど、 なくても全く困らないコーヒーカップがある。 でも実際にあったら絶対面白がってしまう。 そんなばかばかしいコーヒーカップを見つけた。 「World's Largest Coffee Cup」というコーヒーカップを見つけた。「世界一大きいコーヒーカップ」という意味だが、実際の大きさは、直径10インチ(25センチ)で高さは6インチ(15センチ)。陶器製でできたこのコーヒーカップは普通のカップ20杯分のコーヒーが入るという。 正直、「だから何?」って感じだったが、気をとりなおして、このカップのメリットを考えてみた。 ・「おっ」と目をひく。 ・パーティの時に便利。 ・浴びるほどコーヒーを飲みたいという コーヒー好きの人にぴったり。 ・両手の握力が同時に鍛えられる。 ・コーヒーをいれているうちにさめるの で、猫舌の人にちょうどいい。 ・大は小をかねる。 ・鉢植えや花瓶になる。 ・カップ型書類入れなど、自由にアレンジできる。 うーん、こんな感じか。こうしてみると、コーヒーを飲む以外にもメリットがある。普通のカップと一緒に花を生けたりして、オブジェとしてもいいかもしれない。 どうでもいいけど、このカップを持っているモデルのおじさんのなで肩が気になる。なで肩のせいで、カップの大きさがより際立っているから、まあ、このコーヒーカップの宣伝にはぴったりだから、よしとしよう。 『四季の珈琲』2012 vol.35

  • 島根の珈琲 第二弾

    カフェ文化の聖地のカフェ 「個人経営者が支えるカフェ文化の聖地」と言われているのが島根県である。だからこそ、スターバックスが来年3月下旬に、JR松江駅構内の商業施設シャミネ松江店に出店することになった時、物議をかもしたのだろう。 個人経営のカフェと島根県で言えば、バリスタチャンピオンシップ大会で3度の日本大会優勝、シアトル世界大会では準優勝に輝く門脇洋之氏と同じく日本大会で準優勝の経験がある実弟の門脇裕二氏の両名が経営する「CAFÉ ROSSO beans store+café(カフェロッソ ビーンズストア+カフェ)」であるとカフェ通が教えてくれた。 門脇兄弟の父である門脇美巳氏は1967年に自家焙煎珈琲店を開業していることから、親子2代にわたってコーヒーを究めている。 そしてこの門脇兄弟や門脇ファミリーの存在に影響を受けて、日本全国から若者が集まり、カフェを開業しているという。 のどごしのいいカプチーノ 「CAFÉ ROSSO beans store+café」は、島根県安来市郊外の中海沿いに位置する。訪れた日が平日午後2時頃にも拘らず、店内はほぼ満席状態。年配の女性の方が集団で、カプチーノの絵柄を携帯で写しては感嘆の声をあげていた。一方、一人でゆっくりとコーヒーを味わう人、カップルでコーヒーを片手に会話を楽しんでいる様子などが見受けられた。水辺に面した店内は、開放感あふれる雰囲気。 コーヒーは丁寧にハンドピックを行った自家焙煎の豆を使用。私はカプチーノとパニーニを頼んだ。注文方法は、前払い制。カプチーノができあがるまで、店内に併設してあるビーンズショップコーナーや外にある焙煎室を眺めたりする。 一口飲んでそのカプチーノのまろやかさに驚いた。実は私はカプチーノが苦手。ノドにささるというか、いがらっぽさが残るというか、そんな感触が嫌いで、あまり積極的には飲まなかった。そしてカプチーノはそういうものだろうと思っていた。 ところがここのカプチーノは違ったのだ。まろやかというか、ノドごしがすごくいい。何杯でも飲める柔らかさがある。特にコーヒーの味に詳しいわけではないけど、この優しいノドごしに私は、いっぺんでファンになってしまった。私が島根県で住んでいるところからは高速道路を経て、車で1時間半以上はかかる。しかし、それでも「CAFÉ ROSSO」のコーヒーをわざわざ飲みにきたい、と思わせるそんな味だった。 地元の人が勧め

  • 今回はコーヒーと心筋梗塞の予防について報告する。

    朝が心筋梗塞の発症が多い 「夜明けのコーヒーを一緒に飲もう」というセリフが一時流行した。意味は言うまでもないが、「一夜を共に 過ごしたい」ということ。しかし目覚めのコーヒーは、最新の研究結果によると男女の口説き文句ならず心筋梗塞の予防にもいいとか。 調査によると朝、昼、夜で比較すると朝起きた時の発症率がダントツに多いというから、見逃せない。なぜ、朝起きた時に心筋梗塞になる率が高まるのか。 ストレスが心筋梗塞の理由 その理由は「ストレス」。ゆっくりと休めていた体を動かすことが、人間にとってストレスになるというのだ。そしてストレスがかかると血が固まりやすくなるため、心筋梗塞になりやすいということにつながるというから驚きだ。 朝起きてからの目覚めの一杯が血の固まりをつくりにくくすることにつながるというなら、朝一杯のコーヒーはとてもありがたいものになる。 コーヒーは心筋梗塞によくないから飲まない方がいいということも聞かれるが、最新の調査によってそれが変わってきているとなることが今回の研究結果からわかった。 ただしコーヒーの成分の何が心筋梗塞の予防になるかは不明。コーヒーが心筋梗塞の予防になるというだけでも十分ではあるが、これからのさらなる研究の成果が待たれるところである。 『四季の珈琲』2013 vol.36

  • コーヒーカップと連想ゲーム

    昨年の春、関西方面に三泊四日のロケがあった。スタッフは総勢で7名。最年長は勿論、この僕。最も若いスタッフはスチールカメラマンのA君と制作アシスタンのS君。共に30歳。僕のほぼ半分の年齢である。まるで自分の息子たちと一緒に仕事をしている気分だ。 初日の撮影が終わりスタッフそろって一緒に夕食をとる。ビールで乾杯をしたあと焼き鳥、くし揚げなどが片っ端からスタッフの胃袋に吸い込まれていった。若い連中のたくましい食欲に煽られて普段はあまり口にしない脂っこいつまみについつい手を出てしまう。 腹ペコなスタッフは会話もそこそこにひたすら食べる。その合間にビールを喉に流し込む。彼らと同じペースで食べ続けてしまったら正露丸のお世話になりそうな勢いである。 胃袋が満たされてきた頃、やっと会話が始まった。誰からともなく映画の話になり、次に音楽の話。世代はかけ離れているものの映画と音楽の話題は意外と共通点があった。 映画はレンタルのDVDがあり若いA君もS君も自分たちが生まれる前の作品を気軽に見ることができる。音楽はと言えば僕が20代のころに流行った歌をユーチューブやニコニコ動画で見ているとのことだった。映画「三丁目の夕日」のヒット以来、今もまだ昭和の文化がもてはやされている。昭和を知らない若い世代にとって僕が10代から30代にかけて味わった昭和のカルチャーが新鮮だという。 同じ映画のワンシーンに感動したりすることはしばしばあることだけど、音楽、特に邦楽で共感することは珍しいことである。音楽はその人が生きてきた時代の思い出であったり、あるいは証人とも言える。だから同世代の人間同士なら同じ時代を生きてきたという共通項がある。しかし今、目の前にいるスタッフとは何と言っても世代にギャップがある。しかも共感を抱いたその曲は大橋純子と上田正樹のものである。大橋純子の「たそがれマイ・ラブ」、上田正樹の「こわれたコーヒー・カップ」。 二つの曲の中に出てくるこわれたコーヒーカップ。この際、年長者ぶって二人にこのコーヒーカップは一体どのような形で、どのような色だったかイメージをしてみてくれと振ってみた。連想ゲームである。 いきなり胸元に速球を投げ込まれたような顔をしていたA君、S君。大ジョッキのビールをお代わりしながらしばらく考える。「たそがれマイ・ラブ」のコーヒーカップは口のうすい白地に細いラインの模様が入ったもの。 そして「こわれたコーヒー・カップ」は

  • 珈琲ぜんざい考

    コーヒーを使ったメニューは数々あります。 コーヒーフロートやコーヒーゼリーなど、 アイディア一つでバリエーションも広がります。 今回は和との相性もばっちりな「珈琲ぜんざい」の紹介です。 「珈琲ぜんざい」というメニューがあるのをある日新聞を読んでいて知った。たやすく、コーヒーとぜんざいが混ざったものだろうというのが想像できた。甘いぜんざいとほろ苦いコーヒーの味が飽きることなく食べられるような感じがする。何しろ甘いものが苦手な私は時にぜんざいだけを食べていると飽きてきてしまうのだ。 しかし、私が居を構えるそばでは珈琲ぜんざいのメニューはない。そこでインターネットで検索してみると、結構ヒットした。中には「珈琲ぜんざいゼリー」なる商品もあった。お持ち帰り用にパッケージされた珈琲ぜんざいもあり、なかなかなにぎわいだ。 発祥の地はどうやら、京都にある喫茶店のよう。昭和49年10月に誕生したという。ガラスのカップに小豆とアイスクリームが入っている。そこに冷たいコーヒーを注いでいただくというもの。 ほかにも、名古屋や鎌倉、岡山など日本各地の喫茶店のメニューとなっているようだが、白玉や焼いたお餅など、基本はやっぱりぜんざい。甘い汁部分がコーヒーになっているようだ。しかし、名古屋では金粉がさらにトッピングされている珈琲ぜんざいもあるよう。さすが……とうなるしかない。 金粉はともかく、それ以外なら、手に入る材料で自分にも作れるかもしれない。そう思い、缶詰のあずきに白玉を乗せ、コーヒーを注いでみた。冒頭に書いたように想像した通りの味だ。甘さと苦みがよく合っている。しばらくおやつの定番になりそうな気配がする。 『四季の珈琲』2013 vol.36

  • コンビニコーヒーの熱い戦い

    コンビニコーヒーが熱い コンビニエンスストアで本格的なコーヒーを出すようになった。現在、サークルKサンクス、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップなど主要5社が、店頭でいれたてコーヒーを提供している。それぞれネーミングがあり、サークルKサンクスは、「FAST RELAX CAFE 淹れたてコーヒー」、セブン-イレブン・ジャパンは、「SEVEN CAFÉ」、ファミリーマートは、「あじわい Famima Café」、ローソンは、「マチカフェ MACHI caféローソン」、ミニストップは、「M's STYLE COFFEE」でコーヒーサービスを展開している。 では、それぞれ特徴をみてみよう。 サークルKサンクス 「FAST RELAX CAFE 淹れたてコーヒー」というネーミングのもと入れたてセルフコーヒーを提供するサークルKサンクス。Kカップと呼ばれるレギュラーコーヒーとフィルターが内蔵された一杯抽出用カートリッジをセットして飲む。KカップはUCC上島珈琲のスーパーアロマ製法で製造されている。パッケージングまでの工程で酸素の侵入を防ぎ、香りをKカップに閉じ込めているのがポイント。また酸素を押し出しパッケージングの際には窒素を充填し、密封パックされているのは特許製法だ。レジで注文するとカップとこのKカップを渡される。あとは自分でカップをマシンに置いて、Kカップをセットし、ボタンを押せば30秒でコーヒーができる。 メニューは、オリジナルテイスト(130円)、有機栽培珈琲(150円)、エクストラブレンド(160円)、カリビアンクイーン(160円)、ブルーマウンテンブレンド(180円)、アイスコーヒー(130円)に加えて、紅茶のリプトンイエローラベル(150円)を含む7種類だ。 6月4日から全6千200店で、オリジナルテイストとアイスコーヒーをそれぞれ30円値下げし、一杯100円で販売する。 セブン-イレブン・ジャパン 2013年1月末からセブン-イレブン・ジャパンで順次全国展開されている「SEVEN CAFÉ」。「より豊かでより上質な時間」を提供することをコンセプトに、クリエイティブディレクター佐藤可士和氏のプロデュースのもと立ち上げる新しいブランドで、8月までに全国1万5千店の導入を完了させる予定でいる。 コーヒーを提供する専用サーバーからカップに至るまでオリジナル。素材と製法にこだわった

  • 道後温泉カフェめぐり 愛媛県松山市

    コーヒーと温泉がかくも 似合いになるとは。 湯煙と湯気の持つ温かい イメージに心躍らせる道後歩き 道後温泉のカフェ 道後温泉(愛媛県松山市)を訪れると、カフェの看板が目につく。カフェというのは古き良き喫茶店も含むしっかりとしたコーヒーが飲める場所をさす。それでも地元の人によると一時期一時期に比べるとカフェの数はぐっと減ったという。ならば今こそが淘汰されて残ったカフェであるといえる。つまり期待できるカフェであろう。 日本最古の温泉街 道後温泉は、「日本書紀」にも登場するほど日本では最古の温泉である。道後温泉といえばやはり「道後温泉本館」であろう。瓦屋根のどっしりとした構えである。本館上の振鷺閣(しんろかく)には伝説の白鷺を据えている。白鷺伝説とは、足に傷を負い苦しんでいた白鷺が岩間から湧き出る温泉に足をつけたところ、元気になって飛び立って飛び立っていったというものである。 「道後」という名の由来は、大化改新(645年)までさかのぼる。大化改新によって各国に国府が置かれる。この国府を中心として、道前・道中・道後の名称が生まれたのだった。道中は、国府のある地域を指した。さらに京に向かって国府の前部にあたるところを道前、後部にあたるところを道後と呼ぶようになったが、近世に入ってから、温泉の湧く今の道後を指すようになったという。 さてもう少し道後温泉の歴史を説明することとする。 前述の道後温泉本館は明治27年に建てられた。二種類の浴槽からなるこの温泉。関東地方の銭湯に慣れている自分としては、深さがあるため驚く。湯船につかると腰まではある。泉質はアルカリ性単純泉で、湯上がりはツルツル。優しい湯の感触と重なり合ういいお湯だ 毎朝6時には太鼓の音が響き、開館を告げ、地元の「朝湯会」のお年寄りや住民たちがやってくるという。朝6時という早朝から開いている温泉施設や銭湯は鹿児島でもあるが、早朝からの温泉は温泉好きにはたまらない。 さらに、道後温泉本館の近くには、姉妹湯の「椿の湯」がある。 「椿の湯」の由来も歴史がある。その昔、聖徳太子が行啓された時までさかのぼるからだ。当時の温泉郷は、椿が枝をさしかわすように生い茂っていたという。その見事な光景を、まるで天寿国にいるようであるとたたえられたことから名づけられた。建物は、昭和28年「第8回国体」が松山で開かれたときに新設し、さらに昭和59年に改築された。地元の人が多く訪れる公衆浴場である

  • フレーバーコーヒー考

    ”いよかん”の香り爽やかなフレーバーコーヒーを飲んでみる。 日本ではまだフレーバーコーヒーの認知度は低いと思う。フレーバーコーヒーとは、その名の通り、コーヒーに香りをつけたもの。海外では結構な頻度で目にする。バニラ、キャラメル、ヘーゼルナッツなどの香りをつけるなど、さまざまな香りを楽しみながらコーヒーが飲める。種類に分類すると、ナッツ系、チョコレート系、フルーツ系、スパイス系の4つの系統になるだろうか。 そもそも北欧を中心としたヨーロッパでシナモンやアイリッシュリキュールの香りをつけたのが始まりと言われている。その後1980年代に入り、アメリカでコーヒー豆に香りをつけて焙煎する方法が編み出された。 香り付けの方法は、シロップ化したフレーバーを抽出した後に入れる方法と、焙煎の際に香りをつけるという2つの方法が主にある。 主にと書いたのには理由がある。今回紹介する「坊ちゃん珈琲」のいよかんフレーバーは、いよかんピールが豆と一緒に入っているのだ。 そしてほかにも栗フレーバーがある、まさに日本のフレーバーコーヒーである。 『四季の珈琲』2013 vol.37

  • コンビニコーヒーが普及

    月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)は、同誌が選ぶ「2013年ヒット商品ベスト30」を発表し、「コンビニコーヒー」を1位に選んだ。 この1位にはまったく異存がない。それほど2013年にはコンビニコーヒーの普及が目覚ましかった。本誌でも5月発売号で、コンビニコーヒーを特集したが、主要なコンビニエンスストアでは、どこもコーヒーを販売するようになっており、後発にも関わらず、セブン イレブン・ジャパンの「セブンカフェ」は9月末までの累計販売数で2億杯を達成し、大ヒットとなった。 主要コンビニエンスストアでは唯一「ポプラ」が導入をしていなかったが、10月頃から開始。山陰地方でよく見かけポプラだが、ポプラファンには嬉しいところだ。 コンビニエンスストアのコーヒーのヒットの要因は価格とおいしさ、そして利便性にある。ロードサイドにある場合は、特にその重宝さは格別だ。 シナモンの香り漂う缶コーヒー 夏には夏の、冬には冬の缶コーヒーを発売するのが、コーヒーメーカー。ダイドードリンコは、2013年冬の新商品として、「ダイドーブレンド ワールドレシピ 香るシナモン アラビアンスタイル」を発売した。 何が珍しいかというと、缶コーヒーにシナモン風味を加えていることだ。 タイのスタバンって? 世界規模で展開するスターバックスコーヒー(通称スタバ)がタイの屋台を訴えているとか。何を訴えているかというと、ロゴがそっくりだということ。屋台カフェの名前は、スターバンコーヒー。さてその訴訟の結果はいかに。そういえば私はタイに10年ぐらい前に1年のうち数カ月ほど仕事で滞在する機会があった。その時は、確か、マクドナルドにロゴがそっくりだったカレー屋さんがアメリカのマクドナルド社から訴えられていたことを思い出した。 缶コーヒー×エナジー 缶コーヒーはもはや何でもありな状態なのが、「ワンダパワーブレンドコーヒー」(アサヒ飲料)だ。アルギニンなどのエナジー成分を配合し、さらにカフェインを強化したという商品。「朝の目覚めにふさわしい、コーヒーエナジー」と公式サイトにはある。 コーヒーを飲む人は自殺率が下がる? Harvard School of Public Healthの調査によると、1日に2〜4杯のコーヒーを飲んでる成人(男女共)は、カフェイン抜きコーヒーを飲む人や、めったにまたは全くコーヒーを飲まない人に比べ、自殺リスクが約半分という結果がでたという。

  • トーストとコーヒー。二つの小道具

    ティンバライズ研究会というグループがある。この会の活動テーマは「木を新しい素材としてとらえ、木造建築の新しい可能性を探る」ことである。 数年前、青山スパイラルホールで木造建築のミニチュアモデルや写真の展示会があり、何気なく覗いたのがきっかけで年に数回、事務局からイベントの知らせがメールで送られてくる。この会の中に「木橋研究会」という数名で運営しているグループがあり今年の夏、横浜は馬車道駅近くの海沿いの倉庫のようなスタジオで催されたワークショップに参加した。 建築事務所、建築資材関係者が主なメンバーの中で僕のような職業を持つ者は珍しかった。レクチャーの冒頭に日本では耐震性などの問題から木造建築が減り、不燃化や自動車の発展により昔からの木の橋は数少なくなっているとのレポートがあった。 パワーポイントに海外の木の橋の写真がいくつか紹介されたが、その中で映画「マディソン郡の橋」の舞台となったアメリカの片田舎の木橋があった。 屋根のついたカバードブリッジは周囲の自然と馴染み、素朴でかわいらしい橋である。この映画、日本はもちろん世界中でヒットした作品なのでストーリーはよく知られているはず。一言でいえばクリント・イーストウッド扮するカメラマンとメリル・ストリープ扮する農場の主婦の4日間だけの大人の恋愛映画である。監督は主演を兼ねたクリント・イーストウッド。 二人の名優が主演するこの映画の中で気になるシーンが二つある。まず一つめは、いきなりだけれど雨の中のラストシーン。信号が青に変わり車で街を去っていくクリント・イーストウッドの車。その背後で夫が運転する車の中、彼について行くべきかどうか動揺するメリル・ストリープのどきどはらはらさせる演技だ。 助手席の車のノブを右手で握る。その手に力が加わり僅かにノブが動く。あと3センチ動かせば確実にドアは開く。開いたドアから今にも彼の車を目指して走っていくのではと思わせるメリル・ストリープ。切羽詰まった表情。彼のもとへ行くべきかここに留まるべきか揺れる心。あふれる涙。果たしてこの演技、監督であるクリント・イーストウッドの注文なのか、あるいはメリル・ストリープのアイデアか……。 そしてもう一つの気になるシーン。映画の中を ラストシーンから1時間ほど遡る。自宅で一夜を共にした二人。翌朝の食事の場面である。いかにもアメリカの田舎町の農家らしい素朴なダイニングキッチン。決して豊かではないけれど生活感が

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