昨日は女声合唱団「暁」第11回演奏会を聴いた。毎年、年末に行われる公演だが、昨年と一昨年は行けなかったので3年ぶりに聴くことができた。今回は委嘱新作が神長貞行さんの作品だけということで、少し意外なプログラム構成だったが、粒ぞろいの作品で充実した公演となった。高橋悠治「マナンガリ」は“女声合唱のための教訓”というサブタイトルの付いた1973年の作品。舞台上をまとまって移動するグループとバラバラに歩き回りながら歌うグループに分かれて進行する楽曲。冒頭から不思議な響きが会場を満たす。経験したことの無い音の揺れが会場の残響と重なって、はりつめた緊張のなかにも暖かく柔らかい余韻を残した。神長貞行「GrayScaleTraicing“Sharaku”」では特殊奏法を多用、というかほとんど特殊奏法だけで構成されているような作...女声合唱団「暁」第11回演奏会
私が20代のころは、ラテンアメリカ文学の最盛期と言って良い時代で、日本でも続々と翻訳書が出版されていた。アロッホ・カルペンティエール、マリオ・バルガス・リョサ、ガスシア・マルケス、ミゲル・アンヘル・アストゥリアス、ホセ・ドノソという巨匠級だけでなく、様々な作家の作品がどんどん翻訳されていた。日本の出版会は空前のラテンアメリカ文学ブームに沸き立っていたのだ。おかげで、ラテンアメリカ文学史にまったく残らないような作品も次々と翻訳されていた。現在では絶版になっているジョルジェ・アマード『老練なる船乗りたち』(旺文社文庫1978年)もそうした幸福な翻訳のひとつだった。1つの中編と1つの長編からなり、相互に関連のない2つの小説からなる不思議な作品。タイトルに相違して「老練なる船乗り」は登場しない。普通の船乗りですらない。...ジョルジェ・アマード『老練なる船乗りたち』
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